つづいて「拝見」の使い方について。
ビジネスメールの例文をまじえながらシーン別に紹介します。
使い方①”見ます”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝見」の丁寧な使い方、その1。
「見ます」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝見します。
- 【かなり丁寧】拝見いたします。
※「拝見する」の「する」を謙譲語「いたす」に変換し丁寧語「ます」をくっつけた敬語
どちらも意味は「見ます」。敬語「拝見」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンスとなります。「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
また。
- 【バカ丁寧】拝見させていただきます
※「拝見させてもらう」の「もらう」を謙譲語「いただく」に変換し丁寧語「ます」をくっつけた敬語
とすることもできます。「拝見させて頂きます」の意味は直訳すると「見させてもらう」。つまり「見る」という意味ですが「恐れ多くも見させてもらいますよ、許してね」という許可をえるようなニュアンスになります。
ただし。
「拝見させて頂く」は使い方によってヘンテコな日本語となることもあるためご留意を。シンプルに「拝見します」「拝見いたします」で十分に丁寧です。※くわしくは後述
▼ビジネス例文▼
- 【例文】レポート拝見します。
- 【例文】資料を拝見いたします。
◎参考記事:「拝見する」の意味と使い方・ビジネスメール例文
使い方②”見ました”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝見」の丁寧な使い方、その2。
「見ました」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝見しました。
- 【かなり丁寧】拝見いたしました。
※「拝見する」の「する」を謙譲語「いたす」に変換し丁寧語の過去形「ました」をくっつけた敬語
どちらも意味は「見ました」。敬語「拝見」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンスとなります。「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
また。
- 【バカ丁寧】拝見させていただきました。
※「拝見させてもらう」の「もらう」を謙譲語「いただく」に変換し丁寧語の過去形「ました」をくっつけた敬語
とすることもできます。「拝見させて頂きました」の意味は直訳すると「見させてもらいました」。つまり「見る」という意味ですが「恐れ多くも見させてもらいましたよ、許してね」という許可をえるようなニュアンスになります。
ただし。
「拝見させて頂く」は使い方によってヘンテコな日本語となることもあるためご注意を。※くわしくは後述
▼ビジネス例文▼
- 【例文】貴社ホームページを拝見しました。
- 【例文】カタログを拝見いたしました。
- 【例文】貴社HPを拝見し、連絡いたしました。
- 【例文】貴社の求人広告を拝見し連絡いたしました。
あるいは。
- 【例文】会議資料を拝見しましたところ、いくつか修正をお願いしたい箇所が見つかりました。
- 【例文】貴社ホームページを拝見いたしましたが、製品スペックに関する記載が見あたらず問合せいたしました。
上記のように「見たところ~・見ましたが~」という意味でビジネスメールにつかっても丁寧です。
◎参考記事:「拝見いたしました」の意味と使い方・ビジネスメール例文
使い方③”見ています”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝見」の丁寧な使い方、その3。
「見ています」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝見しています。
- 【かなり丁寧】拝見しております。
- 【かなり丁寧】拝見いたしております。
※「拝見している」の「している」を謙譲語「しておる」に変換し、さらに丁寧語「ます」をくっつけた敬語
どちらも意味は「見ています」。敬語「拝見」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンスとなります。「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
また。
- 【バカ丁寧】拝見させて頂いております。
※「拝見させてもらっている」の「もらっている」を謙譲語「いただいておる」に変換し丁寧語「ます」をくっつけた敬語
とすることもできます。「拝見させて頂きたく存じます」の意味は直訳すると「見させてもらいたいと思います」。つまり「見たい」という意味ですが「恐れ多くも見させてもらいたく思います、許してね」という許可をえるようなニュアンスになります。ただしこれまで同様「拝見させて頂く」は使い方によってヘンテコな日本語となることもあるためご注意を。※くわしくは後述
▼ビジネス例文▼
- 【例文】いつもブログを拝見しています。
- 【例文】いつもNHK大河ドラマを拝見しおります。
- 【例文】xxさんの投稿をいつも楽しみに拝見いたしております。
◎参考記事:「拝見しています」の意味と使い方・ビジネスメール例文
使い方④”見たいです”と言う時
ビジネスシーンにおける「拝見」の丁寧な使い方、その4。
「見たいです」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝見したく存じます。
- 【かなり丁寧】拝見いたしたく存じます。
※「拝見したいと思う」の「したい」を謙譲語「いたしたい」に変換し、さらに「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」をくっつけた敬語
どちらも意味は「見たいと思います」。「見たいです!」と直接的に言うのではなく「見たいと思います」とすることでやんわ~りとしたお願いのフレーズになりますね。
また。
- 【かなり丁寧】拝見させてください。
※「拝見させてくれる」の「くれる」を尊敬語「くださる」に変換し命令形にした敬語
としても丁寧です。「拝見させてください」の意味は直訳すると「見させてください」。ようは相手から「見ることを許してほしい」という許可をえるような感じのニュアンスになります。使い方はおなじですが、許可をえるときの敬語フレーズ「させてください」をつかっているため、こちらの方が丁寧です。
- 【バカ丁寧】拝見させていただきたく存じます。
※「拝見させてもらいたいと思う」の「させてもらいたい」を謙譲語「させていただきたい」に変換し、さらに「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」をくっつけた敬語
「拝見させて頂きたく存じます」の意味は直訳すると「見させてもらいたいと思います」。ようは相手に「見ることを許してほしい」という許可をえるような感じのニュアンスになります。ただしあまりに遠まわしすぎてうっとおしく感じられるフレーズです。シーンを選んで慎重につかう必要があるため、敬語ビギナーはこれまで紹介した例文をつかいましょう。
▼ビジネス例文▼
- 【例文】安全上の理由によりお手荷物の中身を拝見したく存じます。
- 【例文】製造ラインを拝見いたしたく存じます。
- 【例文】よろしければ現場を拝見したく存じます。
- 【例文】資料を拝見いたしたく存じます。
- 【例文】まずは製品カタログを拝見したく存じます。
◎参考記事:「拝見したい」ときにつかえる敬語5選とメール例文
使い方⑤”見てもいいですか”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝見」の丁寧な使い方、その5。
「見てもいいですか?」と相手の許可をえるような言い方にするには以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【例文】拝見できますでしょうか?
※意味は「見ることができるでしょうか?」つまり「見てもいいですか?」 - 【例文】拝見できればと存じます。
※意味は「見ることができたらと思います」 - 【例文】拝見してもよろしいでしょうか。
※意味は「見てもいいでしょうか?」
もっともオーソドックスにつかえるのは「拝見してもよろしいでしょうか?」ですね。「~してもよろしいでしょうか?」は「~してもいいでしょうか?」の意味の許可を得るときの敬語であり、サラッと使えてしかも丁寧なのでビジネスシーンでは重宝するフレーズ。
敬語の補足
※「存じる」は「思う」の意味の敬語(謙譲語)。「~したく存じます」だと「~したいと思います」の意味になる。
※「いたしたく」は「する」の謙譲語「いたす」に希望・願望の「~たい」をくっつけた敬語
※「させてください」は「させてくれる」の尊敬語「させてくださる」を命令形にした敬語
※「させていただきたく」は「させてもらいたい」の謙譲語
“拝読”の使い方とビジネス例文
つづいて「拝読」の使い方について。
ビジネスメールの例文をまじえながらシーン別に紹介します。
使い方①”読みます”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝読」の丁寧な使い方、その1。
「読みます」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝読します。
- 【かなり丁寧】拝読いたします。
※「拝読する」の「する」を謙譲語「いたす」に変換し丁寧語「ます」をくっつけた敬語
どちらも意味は「読みます」。
ただし敬語(謙譲語)をつかっているため実際にはもっと丁寧で「つつしんで読みます」のようなニュアンスになります。「読むこと」のよりカチッとした敬語が「拝読」だとお考えください。
また「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
使い方②”読みました”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝読」の丁寧な使い方、その2。
「読みました」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝読しました。
- 【かなり丁寧】拝読いたしました。
※「拝読する」の「する」を謙譲語「いたす」に変換し丁寧語の過去形「ました」をくっつけた敬語
どちらも意味は「読みました」。ただし敬語(謙譲語)をつかっているため実際にはもっと丁寧で「つつしんで読みました」のようなニュアンスになります。
なお「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
▼ビジネス例文▼
- 【例文】資料を拝読しました。
- 【例文】xx先生の新著を拝読しました。
- 【例文】xx教授の論文を拝読いたしました。
- 【例文】ご推奨いただいた本を拝読いたしました。
あるいは。
- 【例文】契約書案を拝読しましたところ、いくつか修正をお願いしたい箇所が見つかりました。
- 【例文】カタログを拝読いたしましたが、製品スペックに関する記載が見あたらず問合せいたしました。
上記のように「読んだところ~・読みましたが~」という意味でビジネスメールにつかっても丁寧です。どの例文も社内メールで目上(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現ですね。
◎参考記事:「拝読いたしました」の意味と使い方・ビジネスメール例文
使い方③”読んでいます”と言いたい時
ビジネスシーンにおける「拝読」の丁寧な使い方、その3。
「読んでいます」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝読しています。
- 【かなり丁寧】拝読しております。
- 【かなり丁寧】拝読いたしております。
※「拝読している」の「している」を謙譲語「しておる」に変換し、さらに丁寧語「ます」をくっつけた敬語
どちらも意味は「読んでいます」。敬語「拝読」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンスとなります。「する」の部分に謙譲語「いたす」をつかうとより丁寧な敬語になります。
▼ビジネス例文▼
- 【例文】いつもブログ記事を拝読しています。
- 【例文】いつもxx先生のコラムを拝読しおります。
- 【例文】xxさんの著書をいつも楽しみに拝読いたしております。
使い方④”拝読のご連絡まで””拝読のご報告まで”など
ビジネスシーンにおける「拝読」の丁寧な使い方、その4。
あとは「拝読」単体としてつかうとき。
返信メールで「読んだことを報告・連絡します!」と言いたいときにつかう敬語を以下にご紹介。
- 【それなりに丁寧】まずは拝読のご連絡まで。
- 【それなりに丁寧】まずは拝読のご報告まで。
とすると「まず手始めに読んだことの連絡(報告など)をしますよ!」という意味となります。読んだことを報告・連絡する返信メールでつかう敬語フレーズであり、上司なり目上につかってもまぁそれなりには丁寧です。
あとは。もっとカチッとした敬語にするには…
- 【かなり丁寧】まずは拝読しましたことをご報告申し上げます。
- 【かなり丁寧】まずは拝読のご報告を申し上げます。
- 【かなり丁寧】略儀ながら、まずは拝読しましたことをご連絡(ご報告)申し上げます。
とするとなお丁寧な敬語になります。意味はさきほどの例文と似たようなもの。ただし完全な文章にしている点で異なります。一般的に文章の一部を省略することはカチッとしたビジネスメールを書く必要のあるシーンではあまり好ましくありません。ご留意を。
※「まずは」は「まず手始めに」の意味であり、とくに短文メールの結びにつかうと丁寧。
※「略儀ながら」は「礼儀の一部を省略しますが」の意味であり、とくに短文メールの結びにつかうと丁寧。