「お気を付けください」の意味と使い方・より丁寧な言い換え敬語

「お気を付けください」は上司・目上に失礼?

ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?

とご心配のあなたへ。

「お気を付けください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…

時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。

会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。

より丁寧な言い換えにはたとえば、

  • 例文①お気を付けくださいませ
  • 例文②お気を付けいただきたく存じます
  • 例文③お気を付けいただければと存じます
  • 例文④お気を付けいただけますか?お気を付けいただけますでしょうか?
  • 例文⑤お気を付けいただきますようお願い申し上げます
  • 例文⑥お気を付けくださいますようお願い申し上げます
  • 例文⑦お気を付けいただければ幸いです
  • 例文⑧お気を付けいただけましたら幸甚に存じます

などあり。

これらの言い換えの丁寧レベルとしては「お気を付けくださいませ」がもっとも低く、例文⑦⑧がもっとも丁寧。

あとはどれも似たようなレベルです。

また、

気を付けることはつまり「留意すること・注意すること」なので「ご留意・ご注意」をつかった言い換えもできます。

くわしくは本文にて。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

この記事の目次

意味・敬語の解説

「お気を付けください」は「気を付けてほしい」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

“気を付ける”の意味と使い方

気を付ける(きをつける)の意味は「注意を払う」

たとえば、

【例文】飲み会でハメを外し過ぎないように気を付ける →「注意を払う」の意味

【例文】健康に気を付けてジョギングをはじめることにした(おそらく三日坊主) 

のようにして使います。

“お気を付けください”の意味は「気を付けてくれ」

「お気を付けください」のそもそもの意味は…

「気を付けてほしい」
「気を付けてくれ」

このように解釈できます。

ここで「お気を付け」の”お(ご)”は尊敬語。尊敬語をつかっているため自分の行為ではなく、相手に「気を付けてくれ!」「気を付けてほしい!」という意味になります。

使い方は文字どおり上司や目上・取引先になにかしら気を付けてほしいときのビジネスシーンで使われます。

なお「お気を付けしてください」は間違い敬語であるためご注意を。

“お気を付けください”の敬語の種類

「お気を付けください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「気を付ける」に尊敬語”お(ご)”で「お気を付け」
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お気を付けくださる」
  • さらに命令形にして「お気を付けください」

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「気を付ける」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分がお気を付けする」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がお気を付けくださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

強い口調となる敬語”お気を付けください”

ここでひとつ注意点を。

「お気を付けください」だけでなく「お(ご)~ください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。

なぜなら「ください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。

極端なたとえですが、よく母親が子供に

「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」

といっているのを耳にします。

「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。

尊敬語”くださる”の命令形「お(ご)~ください」と似たような成り立ちです。

どちらかというと「お(ご)~ください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。

もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。

私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。

だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。

で、

シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…

本当にむずかしいのですよね。

したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。

いろんな敬語を知っておくことが重要

もっとも重要なことは、

いろんな敬語フレーズを知っておくこと。

そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を使うことができるようになります。

社内の上司にメールするときは「お気を付けください」をつかい、取引先にメールするときは「お気を付けいただければ幸いです」をつかい…

というような感じ。

引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。

そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。

覚えておくと必ず役に立つことでしょう。

丁寧な言い換え敬語

ここまでの解説で「お気を付けください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。

ここからは、

じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?

という点についてみていきます。

①お気を付けくださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けくださいませ」

意味は『気を付けてください』

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

※ 気を付けるの意味は「注意を払う」

尊敬語「お気を付けくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「お気を付けください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

②お気を付けいただければと存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けいただければと存じます」

意味は『気を付けてもらえたらと思います』

※ 気を付けるの意味は「注意を払う」

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

③お気を付けいただきたく存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けいただきたく存じます」

意味は『気を付けてもらいたいと思います』

※ 気を付けるの意味は「注意を払う」

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑤お気を付けいただきたく、お願い致します

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けいただきたく、お願い致します」
  • 例文「お気を付けいただきたく、お願い申し上げます」

意味は『気を付けてもらいたい、お願い』

「~してもらいたい、お願い!!」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑤お気を付けいただければ幸いです

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けいただければ幸いです」

意味は『気を付けてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『気を付けてもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」

「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「お気を付けいただけましたら幸いです」
  • 例文「お気を付けいただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「お気を付けいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お気を付けいただけますと幸いです」
  • 例文「お気を付けいただけますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑥お気を付けくださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お気を付けくださいますようお願い致します」

意味は『気を付けてくれるようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

  1. ご査収くださいますようお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」
  2. ご検討くださいますようお願い申し上げます
    意味「検討してくれるようお願い!」
  3. ご確認くださいますようお願い申し上げます
    意味「確認してくれるようお願い!」
  4. ご了承くださいますようお願い申し上げます
    意味「納得してくれるようお願い!」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑦お気を付けいただきますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お気を付けください」の言い換え敬語

  • 例文「お気を付けいただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「お気を付けいただけますようお願い申し上げます」

意味はどれも『気を付けてもらうようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”

⑧~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お気を付けいただけましたら幸いです
    ※意味は「気を付けてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お気を付けいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「気を付けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お気を付けいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「気を付けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お気を付けいただけますと幸いです
    ※意味は「気を付けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お気を付けいただけますと幸甚に存じます
    ※意味は「気を付けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お気を付けいただけますか?
    ※意味は「気を付けてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お気を付けいただけますでしょうか?
    ※意味は「気を付けてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」

ビジネス会話・電話対応では”お気を付けください”で十分に丁寧

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「お気を付けくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

ビジネス会話・電話対応では「お気を付けください」で十分に丁寧です。

ほかにも、

  • 【例文】お気を付けください
  • 【例文】お気を付けくださいませ
  • 【例文】お気を付けいただけますか?
  • 【例文】お気を付けいただけますでしょうか?
  • 【例文】お気を付け願えますでしょうか?

といったフレーズをつかいましょう。

意味としては「気を付けてもらえますか?」「気を付けてください」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

また、

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

いただけますか?」「いただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “留意する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」
  • 可能形にして「お(ご)〜いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お(ご)〜いただけます」
  • 疑問形にして「お(ご)〜いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お(ご)〜いただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

シーンに応じて”ご留意(ご注意)”としても丁寧

ここでひとつ追記。

「お気を付けいただく・お気を付けくださる」は「ご留意(ご注意)いただく・ご留意(ご注意)くださる」をつかった敬語に言い換えることもできます。

「気をつける」ということはつまり「留意する・注意する」ことなので、どちらも結局のところおなじことを言っている訳です。

留意の意味は”気をつけること”

留意(読み:りゅうい)のそもそもの意味は…

「ある物事に心をとどめて、気をつけること。」

たとえば、

【例文】飲み会でハメを外し過ぎないように留意する →「気をつける」の意味

【例文】健康に留意してジョギングをはじめることにした(おそらく三日坊主) →「気をつける」の意味

のようにして使います。

“ご留意(ご注意)”をつかった言い換え例文

下にいくほど丁寧なフレーズになります。

  • 例文「ご留意(ご注意)ください」
  • 例文「ご留意(ご注意)くださいませ」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただきたく存じます」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただければと存じます」
  • 例文「ご留意(ご注意)のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意(ご注意)くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただければ幸いです」
  • 例文「ご留意(ご注意)賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意(ご注意)いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご留意(ご注意)賜れますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご留意(ご注意)賜れましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

使い方・ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「お気を付けください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①依頼・お願い

メール件名:担当報告資料・作成のお願い

営業部 各位(社内上司・部下など)

お疲れ様です。

さて首記の件、4月10日に予定しております予算会議につき、各担当の報告資料を下記の要領で作成いただきたく存じます。

①資料フォーマット:添付エクセルシートのフォーマットに基づき作成ください

②期日:大変恐れ入りますが、4月8日までにご提出をお願いいたします。

③留意事項:
資料作成にあたり以下の点にお気を付けください。
・数字の正確性
・昨年の予算との変化点を明確に

ご多忙のところ大変お手数ではございますが、
お取り計らいの程よろしくお願い致します。

**************
営業部 ノマド
**************

類語「ご留意・ご注意」に言い換えできます。

ビジネスメール例文②アンケート記入のお願い

メール件名:残業時間に関するアンケート実施

営業部 ノマド 様

突然のご連絡、大変失礼いたします。
総務部・野間湖と申します。

このたび人事労務部では残業時間の申請と実質の乖離を防ぐため、残業時間に関するアンケート調査を実施する運びとなりました。

添付エクセルのとおり質問フォームを作成いたしましたので、ご記入いただければと存じます。

なおご記入にあたり下記の点にお気を付けくださいませ。

【ご留意点】

①〜〜
②〜〜

本メールは残業の申請が月30時間を超過している社員の皆さまへ一斉送信しております。

お忙しいところ大変お手数ではございますが、お力添えのほど何卒よろしくお願い致します。

**************
人事部 のまど
**************

類語「ご留意・ご注意」に言い換えできます。

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お気を付け」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを!

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お気を付け」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうか
    例文「どうかお気を付けくださいますようお願い申し上げます」
    例文「どうかお気を付けくださいますようお願い致します」
    例文「どうかお気を付けいただければ幸いです」
    例文「どうかお気を付けいただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 何卒=どうか
    例文「何卒お気を付けくださいますようお願い申し上げます」
    例文「何卒お気を付けくださいますようお願い致します」
    例文「何卒お気を付けいただければ幸いです」
    例文「何卒お気を付けいただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お気を付けください
  2. お気を付けくださいませ
  3. お気を付けいただけますか?
  4. お気を付けいただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お気を付けください
  2. お気を付けくださいませ
  3. お気を付けいただけますか
  4. お気を付けいただけますでしょうか
  5. お気を付けいただきたく、お願い致します
  6. お気を付けいただきたく存じます
  7. お気を付けいただければと存じます
  8. お気を付けくださいますようお願い申し上げます
  9. お気を付けいただきますようお願い申し上げます
  10. お気を付けいただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お気を付けくださいませ
  2. お気を付けいただきたく、お願い致します
  3. お気を付けいただきたく存じます
  4. お気を付けいただければと存じます
  5. お気を付けいただきますようお願い申し上げます
  6. お気を付けいただけますようお願い申し上げます
  7. お気を付けくださいますようお願い申し上げます
  8. お気を付けいただければ幸いです
  9. お気を付けいただければ幸甚に存じます
  10. お気を付けいただけましたら幸いです
  11. お気を付けいただけますと幸いです
  12. お気を付けいただけますと幸甚に存じます
  13. お気を付けいただけましたら幸甚でございます
  14. お気を付けいただけましたら幸甚に存じます

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お気を付け賜りますようお願い申し上げます
  2. お気を付けいただければ幸いです
  3. お気を付けいただければ幸甚に存じます
  4. お気を付けいただけましたら幸いです
  5. お気を付けいただけましたら幸甚でございます
  6. お気を付けいただけましたら幸甚に存じます

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

“お気を付けいただく vs お気を付けくださる”の使い方

ややこしいので「お気を付けいただく vs お気を付けくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

▼「お気を付けいただく」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お気を付けいただく お気を付けいただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お気を付けいただいた お気を付けいただきました ×
進行形 お気を付けいただいている お気を付けいただいています -頂いております
過去~現在 お気を付けいただいていた お気を付けいただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お気を付けいただきたい
お気を付けいただきたく
お気を付けいただくよう
お気を付けいただきたいです
お気を付けいただきますよう
お気を付けいただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お気を付けいただける お気を付けいただけます -頂けるよう
-頂けますよう
仮 定 お気を付けいただければ お気を付けいただけましたら ×
疑 問 お気を付けいただけるか? お気を付けいただけますか? -頂けますでしょうか
禁 止 お気を付けいただけない お気を付けいただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

▼「お気を付けくださる」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お気を付けくださる お気を付けくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お気を付けくださった お気を付けくださいました ×
進行形 お気を付けくださっている お気を付けくださっています -くださっております
過去~現在 お気を付けくださっていた お気を付けくださっていました -くださっておりました
希 望
お気を付けくださるよう お気を付けくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お気を付けくださるか? お気を付けくださいますか? ×
否 定 お気を付けくださらない お気を付けくださいません ×
命 令 お気を付けください お気を付けくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない