つづいて「ご無理のない範囲で~」の類語を例文でまとめます。
ビジネスメールではこれらの表現に言い換えすることもできますので、お好みの表現を用いてください。
どれも目上の人(社内上司・先輩)にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
類語②『ご無理申し上げますが』
「ご無理のない範囲で」は「ご無理申し上げますが」に言い換えできます。
「ご無理申し上げますが」の意味は「無理を言いますが」であり、似たようなビジネスシーンでつかわれます。
- 無理のない範囲で…
=ご無理のない範囲で
なのか、
- 無理を言いますが…
=ご無理申し上げますが
という意味の違いはあれど結局のところ上司なり目上・取引先を気づかうフレーズという点においてはおなじ事。
したがって似たようなビジネスシーンでつかえます。
使い方はたとえば、
- 【例文】ご無理申し上げますが、何卒ご対応いただければ幸いです。
- 【例文】ご無理申し上げますが、ご対応いただきますようお願い致します。
- 【例文】ご無理申し上げますが、ご承諾くださいますようお願い申し上げます。
というように使います。
あとは似たようなフレーズ「ご無理を申し上げ恐縮ですが」に言い換えても丁寧です。
類語②『無理なお願いとは存じますが』
「ご無理のない範囲で」は「無理なお願いとは存じますが」に言い換えできます。
「無理なお願いとは存じますが」の意味は「無理なお願いとは思いますが」であり、似たようなビジネスシーンでつかわれます。
- 無理のない範囲で…
=ご無理のない範囲で
なのか、
- 無理なお願いとは思いますが…
=無理なお願いとは存じますが
という意味の違いはあれど結局のところ上司なり目上・取引先を気づかうフレーズという点においてはおなじ事。
したがって似たようなビジネスシーンでつかえます。
使い方はたとえば、
- 【例文】無理なお願いとは存じますが、何卒ご対応いただければ幸いです。
- 【例文】無理なお願いとは存じますが、ご対応いただきますようお願い致します。
- 【例文】無理なお願いとは存じますが、ご承諾くださいますようお願い申し上げます。
というように使います。
あとは似たようなフレーズ「不躾なお願いとは存じますが」に言い換えても丁寧です。
類語③『勝手を申し上げますが』
「ご無理のない範囲で」は「勝手を申し上げますが」にも言い換えできます。
「勝手を申し上げますが」の意味は「勝手を言いますが」であり、気づかいのフレーズとしてビジネスメールによくつかいます。
根本的に違う意味なのですが、これまで同様、社内上司なり目上・取引先にお願いするときの気づかいフレーズという点においておなじ。
ひとこと添えるだけでやわらか〜い印象の依頼・お願いメールになります。
使い方はたとえば、
- 【例文】誠に勝手を申し上げますが、何卒ご容赦いただければ幸いです。
- 【例文】勝手を申し上げますが、ご了承いただきますようお願い致します。
- 【例文】勝手を申し上げますが、ご承諾くださいますようお願い申し上げます。
というように使います。
※ご容赦は「許すこと」の意味
※ご了承は「納得すること」の意味
※ご承諾は「認めて受け入れること」の意味
類語④『ご多忙のところ恐縮ですが・恐れ入りますが』など
「ご無理のない範囲で」は「ご多忙のところ恐縮ですが/恐れ入りますが」にも言い換えできます。
「ご多忙のところ恐縮ですが・恐れ入りますが」の意味はどちらも「とても忙しい最中に申し訳ないと思いますが」であり似たようなビジネスシーンでつかわれます。
- 無理のない範囲で…
=ご無理のない範囲で
なのか、
- とても忙しい最中に申し訳ないと思いますが…
=ご多忙のところ恐縮ですが(恐れ入りますが)
という意味の違いはあれど結局のところ上司なり目上・取引先を気づかうフレーズという点においてはおなじ事。
したがって似たようなビジネスシーンでつかえます。
使い方はたとえば、
- 返信/連絡してほしい時
例文「ご多忙のところ恐縮ですが、ご連絡(ご返信・ご回答・お返事)いただければ幸いです。」
例文「ご多忙のところ大変恐れ入りますが、ご返信の程お願い致します。」 - 出席/参加してほしい時
例文「ご多忙のところ恐縮ですが、ご参加(ご出席)いただければ幸いです。」
例文「ご多忙のところ大変恐れ入りますが、ご参加(ご出席)の程お願い致します。」 - 教えてほしい時のお願いメール
例文「ご多忙のところ恐縮ですが、どうかご教示いただけますと幸いです。」
例文「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご教示の程お願い申し上げます。」 - 受け取ってほしい時(=ご査収)
例文「ご多忙のところ大変恐縮ですが、ご査収いただければ幸いです。」
例文「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご査収の程お願い致します。」 - 対応してほしい時
例文「ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご対応いただければ幸いです。」
例文「ご多忙のところ恐れ入りますが、お取り計らいの程お願い申し上げます。」 - 確認してほしい時
例文「ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒ご確認いただけましたら幸いです。」
例文「ご多用のところ恐れ入りますが、ご確認いただきますようお願い致します。」 - 検討してほしい時
例文「ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご検討いただければと存じます。」
例文「ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。」 - 送付してほしい時
例文「ご多忙のところ大変恐縮ですが、送付いただけますと幸甚に存じます。」
例文「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご送付の程よろしくお願い致します」
というように使います。
あるいは「ご多忙=とても忙しいこと」だけでなく「ご多用=忙しいこと」「お忙しい」といった語に言い換えてもおなじことです。
- 【例文】ご多用のところ恐縮ですが、何卒ご検討いただけますと幸いです。
- 【例文】ご多用のところ恐れ入りますが、ご教示いただければ幸いです。
- 【例文】お忙しいところ恐縮ですが、ご返信(ご連絡・ご回答・お返事)の程よろしくお願い致します。
とにかく「恐縮ですが+お願い」「恐れ入りますが+お願い」という形でつかうと丁寧ですね。
【敬語および言葉の補足】
※「折(おり)」は「季節、時節、時期」の意味
※「存じます」は「思います」の意味の敬語(謙譲語)
※「大変恐縮ですが」「大変恐れ入りますが」というように「大変=とても、非常に」をくわえても丁寧。
※「恐縮ですが」をよりカチッとした言い方にするには「恐縮ではございますが」とすると丁寧です。
※「恐縮ですが」「恐れ入りますが」のあとにはお願いフレーズが入ります。相手を気づかうフレーズ(ご自愛など)をくっつけると日本語がおかしくなるためご注意を。
類語⑤『ご多忙とは存じますが』など
ほかには「ご多忙とは存じますが」などに言い換えできます。
「ご多忙の折とは存じますが」の意味は「とても忙しいとは思いますが」であり似たようなビジネスシーンでつかわれます。
- 無理のない範囲で…
=ご無理のない範囲で
なのか、
- とても忙しいとは思いますが…
=ご多忙とは存じますが
という意味の違いはあれど結局のところ上司なり目上・取引先を気づかうフレーズという点においてはおなじ事。
したがって似たようなビジネスシーンでつかえます。
使い方はたとえば、
- 教えてほしい時のお願いメール
例文「ご多忙の折とは存じますが、どうかご教示いただけますと幸いです。」
例文「ご多忙とは存じますが、ご教示の程お願い申し上げます。」 - 受け取ってほしい時(=ご査収)
例文「ご多忙の折とは存じますが、ご査収いただければ幸いです。」
例文「ご多忙の中とは存じますが、ご査収の程お願い致します。」 - 対応してほしい時
例文「ご多忙とは存じますが、何卒ご対応いただければ幸いです。」
例文「ご多忙の折とは存じますが、お取り計らいの程お願い申し上げます。」 - 確認してほしい時
例文「ご多忙とは存じますが、何卒ご確認いただけましたら幸いです。」
例文「ご多用とは存じますが、ご確認いただきますようお願い致します。」 - 検討してほしい時
例文「ご多忙とは存じますが、何卒ご検討いただければと存じます。」
例文「ご多用とは存じますが、ご検討いただけますと幸いです。」 - 送付してほしい時
例文「お忙しい中とは存じますが、送付いただけますと幸甚に存じます。」
例文「ご多忙のところとは存じますが、ご送付の程よろしくお願い致します」
というように使います。
あるいは「ご多忙=とても忙しいこと」だけでなく「ご多用=忙しいこと」「お忙しい」といった語に言い換えてもおなじことです。
【敬語および言葉の補足】
※「折(おり)」は「季節、時節、時期」の意味
※「存じます」は「思います」の意味の敬語(謙譲語)
※「大変恐縮ですが」「大変恐れ入りますが」というように「大変=とても、非常に」をくわえても丁寧。
※「恐縮ですが」をよりカチッとした言い方にするには「恐縮ではございますが」とすると丁寧です。
※「恐縮ですが」「恐れ入りますが」のあとにはお願いフレーズが入ります。相手を気づかうフレーズ(ご自愛など)をくっつけると日本語がおかしくなるためご注意を。
どれも丁寧だがビジネスシーンに応じて使い分け
で、
結局どれがもっとも丁寧なのか?ということですが・・・
正直なところすべて等しく丁寧です。
ただしビジネスシーンに応じてふさわしい、ふさわしくない事があります。日本語ネイティブの皆さまであれば大丈夫とは思いますが、言葉の意味を考えてつかいましょう。
また結婚や出産・その他めでたいシーンで「忙」はNGとなるためご留意を。
まとめ
今回は「ご無理のない範囲で」の意味と使い方、注意点について、これでもかというくらい語ってみました。
この表現はとても便利で、ビジネスメールでは万能に活躍します。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い倒してください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。