「ご無理なさらず」について、意味と上司や目上への正しい使い方、注意点をビジネスメールの例文つきで誰よりもくわしく解説していく記事。
まず簡単にまとめを。
「ご無理なさらず」の意味は「無理をしないで」であり、ビジネスではとくにお見舞いなど相手の健康を気づかうシーンで活躍するフレーズ。
使い方としてはたとえば、
- 【例文】ご無理なさらず、どうかご自愛くださいませ。
- 【例文】ご無理なさらず、お大事にどうぞ。
- 【例文】ご無理なさらず、お大事にお過ごしくださいませ。
- 【例文】ご無理なさらず、どうかお大事になさってください。
- 【例文】ご無理なさらず、お体にお気をつけてお過ごしください。
などがあり、どの例文も社内メールで目上の人(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現です。
なお。
等しく丁寧な言い換えとしては「ご多用の折とは存じますが」「ご多用のことと存じますが」などあり、意味は違えど似たようなビジネスシーンにつかうと丁寧です。
ざっくりとした解説はこれにて終了。くわしくは本文中にて意味と使い方、注意点を述べていきます。
※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。
【意味・敬語】ご無理なさらず
「ご無理なさらず」の意味は直訳すると「無理をせず」となります。
つまり「無理をしないで」「無理をしないように」という意味ですね。
たとえば「ご無理なさらず、お大事にどうぞ」とすれば「無理をせず、健康には気をつけてね」という意味になります。
- ご無理=「強いて行うこと」の意味
- なさらず =「しないで」の意味の敬語(尊敬語)
これらの言葉をあわせているだけなのですが念のため、それぞれくわしく解説しておきます。
“無理”の意味
無理(読み:むり)の意味は・・・
- 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。理不尽。「客が怒るのも無理はない」
- 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で仕事を引き受けた」「下請企業に無理な要求をする」「1000億円調達するのはそもそも無理がある」
- しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「お腹いっぱいなのにデザートを無理に詰め込んだ」
“なさらず”の意味と敬語
つづいて後半部分。
「なさらず」は「しない」の意味の敬語(尊敬語)。
「する」の尊敬語「なさる」に打ち消しの「ず」をくっつけて否定形にしています。
使い方はたとえば、
- 例文「風邪などお召しなさいませんように」
というように「〜をしない」の意味としてつかいます。
また。
尊敬語「〜なさる」はたとえば、
- 例文「ご利用なさる」→「利用する」の尊敬語
- 例文「ご案内なさる」→「案内する」の尊敬語
のようにして使います。
“ご無理なさらず”の使い方
つづいて「ご無理なさらず」の使い方について。
「無理をしないで」という意味ですので、目上なり上司の健康を気づかうフレーズとして使われます。
使えるシーンはたくさんありますが代表的なものを箇条書きにしてまとめます。
【基本の使い方】相手の健康を気づかうビジネスメール
「ご無理なさらず」の使い方。
「無理をしないで」という意味ですので、目上なり上司・取引先の健康を気づかうフレーズとして使われます。
たとえば。
お見舞い(病気・事故・暑中・寒中)や挨拶ビジネスメール(転勤・異動など)。
- 【例文】ご多用の折とは存じますが、ご無理なさらず何卒ご自愛ください。
→意味は「忙しい時期(時節)とは思いますが無理をしないで体に気をつけてください」 - 【例文】ご多用のことと存じますが、ご無理なさらず何卒お大事になさってください。
→意味は「忙しいとは思いますが無理をしないで体に気をつけてください」
というようにすると相手への配慮が感じられて好感がもてます。
これらのフレーズはとくにビジネスメールの文末・結び・締めくくりにつかいます。
例文①ご無理なさらず+お大事に
「ご無理なさらず」の使い方、つづいてよく使う例文をご紹介。
まず
「ご無理なさらず+お大事に」の形から。
意味としては「無理をしないで体に気をつけてください」となります。
- 【例文】ご無理なさらず何卒お大事になさってください。
- 【例文】ご無理なさらずお大事にお過ごしください。
- 【例文】ご無理なさらずお大事にどうぞ。
といったシンプルな挨拶のほかにも「ご多用=忙しいこと」などと組み合わせて、
- 【例文】ご多用の折とは存じますが、どうかご無理なさらずお大事になさってください。
- 【例文】何かとご多用のことと存じますが、お大事にお過ごしくださいませ。
- 【例文】何かにつけてご多用のことと存じますが、どうかお大事にお過ごしください。
- 【例文】この際はご無理なさらず何卒お大事にお過ごしくださいませ。
としても丁寧。
これらはいずれも「無理をしないでお大事に!」みたいなニュアンスで異動の挨拶・転勤の挨拶メールにたいする返信などにつかいます。
もちろん病気や事故・暑中・寒中お見舞いのビジネスメールに用いても丁寧。
なお。
「ご多用=忙しいこと」ではなく「ご多忙=とても忙しいこと」「お忙しい」に言い換えてもOK。
ただし。
病気や事故などのお見舞いシーンで「忙」は亡くなることを連想させるため避けた方がよいでしょう。
例文②ご無理なさらず+ご自愛
「ご無理なさらず」の使い方、つづいてよく使う例文をご紹介。
まず
「ご無理なさらず+ご自愛ください」の形から。
意味としては「無理をしないで体に気をつけてください」となります。
- 【例文】ご無理なさらず何卒ご自愛ください。
- 【例文】ご無理なさらずご自愛くださいませ。
といったシンプルな挨拶のほかにも「ご多用=忙しいこと」などと組み合わせて、
- 【例文】ご多用の折とは存じますが、どうかご無理なさらずご自愛ください。
- 【例文】何かとご多用のことと存じますが、ご無理なさらずご自愛くださいませ。
- 【例文】この際はご無理なさらず何卒ご自愛くださいませ。
としても丁寧。
これらはいずれも「無理をしないでお大事に!」みたいなニュアンスで異動の挨拶・転勤の挨拶メールにたいする返信などにつかいます。
もちろん病気や事故・暑中・寒中お見舞いのビジネスメールに用いても丁寧。
なお。
「ご多用=忙しいこと」ではなく「ご多忙=とても忙しいこと」「お忙しい」に言い換えてもOK。
ただし。
病気や事故などのお見舞いシーンで「忙」は亡くなることを連想させるため避けた方がよいでしょう。
【例文】ビジネスメール全文
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「ご無理なさらず」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。
どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①病気のお見舞い(to社外)
メール件名:お見舞い申し上げます
株式会社ビジネス
購買部 xx様 (社外取引先)
このたびご入院されたとお聞きし、突然のことに大変驚いております。
心よりお見舞い申し上げます。
さっそくお見舞いにと思いましたが、かえってご迷惑をかけてはと思い、
心ばかりの品をお送りいたしました。
ご笑納いただけますと幸甚に存じます。
ご多用の御身とは存じますが、
この際はどうかご無理なさらずお大事にお過ごしくださいませ。
ご全快を心からお祈り申し上げます。
なお、お返事はお気遣いないようお願いいたします。
略儀ではございますが、
まずはメールをもちましてお見舞い申し上げます。
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メール署名
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ビジネスメール例文②病気のお見舞い(to社内)
メール件名:お見舞い申し上げます
xx部長 (社内上司・目上など)
このたびご入院されたとお聞きし、突然のことに大変驚いております。
心よりお見舞い申し上げます。
お仕事のことをお気になさっているかと拝察いたしますが、
この際はどうかご無理なさらずご自愛くださいませ。
営業部部員一同、xx部長の一日も早いご全快を心からお祈りいたしております。
誠に失礼ながら、
まずはメールをもちましてお見舞い申し上げます。
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メール署名
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ビジネスメール例文③転勤の挨拶メールに返信する(to社内)
メール件名:返信RE:異動のご挨拶
xx部長 (社内上司・目上など)
ご丁寧にご挨拶いただきまして誠にありがとうございます。
こちらこそ●●部ご在籍時には大変お世話になりました。
xx部長のご支援・お力添えによりこれまで円滑に仕事を進めることができました。
あらためてお礼申し上げます。
新天地にて何かとご多用のことと存じますが、
どうかご無理なさらずご自愛くださいませ。
末筆ながら、xx部長のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
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メール署名
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ビジネスメール例文④交通事故のお見舞い(to社外)
メール件名:お見舞い申し上げます
株式会社ビジネス
営業部 xx様 (社外取引先)
本日、貴社xx部長が交通事故に遭われた由、
知らせが入り大変驚いております。
詳しい事情は存じかねますが、関係の各位、ご家族の皆様のご心配は
いかばかりかと拝察いたします。
いろいろお気にかかることもおありでしょうが、どうぞ十分にご加療
になりまして、一日も早くお仕事に復帰されることを心からお祈り申し上げます。
お見舞いに参上したいところではございますが、ご迷惑をおかけしても
いけないと思い、まずはメールをもちましてお見舞い申し上げます。
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メール署名
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まとめ
今回は「ご無理なさらず」の意味と使い方、注意点について、これでもかというくらい語ってみました。
この表現はとても便利で、ビジネスメールでは万能に活躍します。
ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い倒してください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは~~。