「ご検収の程よろしくお願い致します」意味と使い方・メール例文

ところで「ご検収」の使い方というか続くフレーズには、

「ご検収くださいますようお願い致します」

「ご検収のほどお願い致します」

「ご検収いただきますようお願い致します」

「ご検収賜りますようお願い致します」

「ご検収いただければ幸いです

というように主に5つあります。これって何が違うのでしょうか?

「ご検収くださいますようお願い致します」

の意味は「検収してくれるようお願い」

※「くれる」の尊敬語が「くださる」

「ご検収のほどお願い致します」

の意味は「検収してくれるようお願い」「検収してもらうようお願い」

のどちらの意味にも取れる。

「ご検収いただきますようお願い」「ご検収賜りますようお願い」

の意味は「検収してもらうようお願い」

※「〜してもらう」の謙譲語が「(お・ご)〜賜る」「お(ご)〜いただく」

「ご検収いただければ幸いです

の意味は「検収してもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ

となり「ご検収くださる」なのか「ご検収いただく」なのか「ご検収の程」なのか「ご検収いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。

どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。

もっとも丁寧なのは”ご検収いただければ幸いです”

いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。

強いて言うのであれば「ご検収いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。

ほかにも似たような敬語フレーズには、

  • 【例文】ご検収いただければ幸いです
  • 【例文】ご検収いただけますと幸いです
  • 【例文】ご検収いただけましたら幸いです
  • 【例文】ご検収いただければ幸甚に存じます
  • 【例文】ご検収いただけますと幸甚に存じます
  • 【例文】ご検収いただけましたら幸甚に存じます
  • 【例文】ご検収賜れますと幸いです
  • 【例文】ご検収賜れましたら幸甚に存じます

※意味はどれも「検収してもらえたら、とても嬉しく思います」

※下の例文ほど丁寧な(丁重な)敬語になります。

※幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

などもあり。どれをつかっても丁寧な敬語です。

なお「ご検収いただけましたら幸いです」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

かしこまった文章には「ご検収賜りますよう~」

かしこまった文章、カチッとしたビジネスメールに好まれる敬語は「賜る」をつかったフレーズですね。

「いただく」も同じく「もらう」の謙譲語ではありますが、「賜る」のほうが堅苦しい表現になります。

  • 例文「ご検収賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご検収賜りますようお願い致します」

のようにしてビジネスメールの結びに使うと丁寧ですね。

ビジネスメールによく使うのは「ご検収の程」

「ご検収いただければ幸いです」「ご検収賜りますよう~」が丁寧なフレーズではありますが…

ビジネスメールでもっともよく使われるのは「ご検収の程お願い申し上げます」「ご検収の程お願い致します」です。

ビジネスメールではとかく「いただく」「くださる」ばかりになってしまい、文章が気持ち悪くなってしまうのですよね。

そこで活躍するのが「ご検収のほど~」です。

シンプルかつ丁寧なフレーズであり、すばらしい敬語ですね。

親しい取引先や上司・社内の目上などに対する普段のビジネスメールで、無駄にかしこまった敬語フレーズを使う必要はありません。

“いただく vs くださる”はどちらも丁寧だけど…

せっかくですので「ご検収いただきますようお願い」「ご検収くださいますようお願い」の違いを考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。

結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。

ただし本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご検収ください
  2. ご検収くださいませ
  3. ご検収いただけますか?
  4. ご検収いただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご検収ください
  2. ご検収くださいませ
  3. ご検収をお願い致します
  4. ご検収いただけますか
  5. ご検収いただけますでしょうか
  6. ご検収いただきたく、お願い致します
  7. ご検収いただきたく存じます
  8. ご検収いただければと存じます
  9. ご検収のほどお願い申し上げます
  10. ご検収くださいますようお願い申し上げます
  11. ご検収いただきますようお願い申し上げます
  12. ご検収いただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご検収くださいませ
  2. ご検収をお願い致します
  3. ご検収いただけますか
  4. ご検収いただけますでしょうか
  5. ご検収いただきたく、お願い致します
  6. ご検収いただきたく存じます
  7. ご検収いただければと存じます
  8. ご検収のほどお願い申し上げます
  9. ご検収いただきますようお願い申し上げます
  10. ご検収いただけますようお願い申し上げます
  11. ご検収くださいますようお願い申し上げます
  12. ご検収いただけますと幸いです
  13. ご検収いただければ幸いです
  14. ご検収いただけましたら幸いです
  15. ご検収いただけますと幸甚に存じます
  16. ご検収いただければ幸甚に存じます
  17. ご検収いただけましたら幸甚でございます
  18. ご検収いただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望”~したい”

・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定”たら・れば”

・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら”

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご検収賜りますようお願い申し上げます
  2. ご検収いただけますと幸いです
  3. ご検収いただければ幸いです
  4. ご検収いただけましたら幸いです
  5. ご検収いただけますと幸甚に存じます
  6. ご検収いただければ幸甚に存じます
  7. ご検収いただけましたら幸甚でございます
  8. ご検収いただけましたら幸甚に存じます
  9. ご検収賜りますと幸いです
  10. ご検収賜れますと幸いです
  11. ご検収賜りましたら幸いです
  12. ご検収賜れましたら幸いです
  13. ご検収賜りますと幸甚に存じます
  14. ご検収賜れますと幸甚に存じます
  15. ご検収賜りましたら幸甚に存じます
  16. ご検収賜れましたら幸甚に存じます

なお「ご検収いただけましたら幸いです」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

  1. ご検収のほどお願い申し上げます
  2. ご検収いただきますようお願い申し上げます
  3. ご検収いただけますようお願い申し上げます
  4. ご検収くださいますようお願い申し上げます
  5. ご検収賜りますようお願い申し上げます

“ご検収いただく vs ご検収くださる”の使い方

ややこしいので「ご検収いただく vs ご検収くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご検収いただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご検収いただく ご検収いただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 ご検収いただいた ご検収いただきました ×
進行形 ご検収いただいている ご検収いただいています -頂いております
過去~現在 ご検収いただいていた ご検収いただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
ご検収いただきたい
ご検収いただきたく
ご検収いただくよう
ご検収いただけるよう
ご検収いただきたいです
×
ご検収いただきますよう
ご検収いただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 ご検収いただける ご検収いただけます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①ご検収いただいたら
②ご検収いただければ
①ご検収いただきましたら
②ご検収いただけましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①ご検収いただいたか?
②ご検収いただけるか?
③ご検収いただけたか?
ご検収いただきましたか?
ご検収いただけますか?
ご検収いただけましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 ご検収いただけない ご検収いただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご検収くださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご検収くださる ご検収くださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 ご検収くださった ご検収くださいました ×
進行形 ご検収くださっている ご検収くださっています -くださっております
過去~現在 ご検収くださっていた ご検収くださっていました -くださっておりました
希 望
ご検収くださるよう ご検収くださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 ご検収くださるか? ご検収くださいますか? ×
否 定 ご検収くださらない ご検収くださいません ×
命 令 ご検収ください ご検収くださいません ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない