敬語「お引受け」の意味とビジネスにおける全使い方

「お引受け」の意味と敬語の種類、ビジネスシーンに最適な使い方のすべてについて。

ここでは敬語「お引受け」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。

この記事の目次

“お引受け”の意味と敬語の種類

まずは「お引受け」のそもそもの意味と敬語の種類について。

“引き受ける”の意味

引き受ける(ひきうける)の意味は・・・

  1. 自分が責任をもってその物事を受け持つ。
    【例文】仕事を引き受ける
    【例文】社長を引き受ける
    【例文】上司の依頼を引き受ける
  2. あとを受け継ぐ。他に代わってする。
    【例文】借金まみれの事業を引き受けた
    【例文】事後処理を引き受けましょうか?
  3. 保証する。保証人となる。
    【例文】外人の身元を引き受ける

“お引受け”の敬語の種類

「お引受け」の敬語の種類は・・・

「引き受ける」という元の語に①尊敬語あるいは②謙譲語の「お(ご)」をつかって敬語にしています。

  1. 上司/目上などの相手が「お引受けくださる」「お引受けだ」→①尊敬語“お(ご)”
  2. 「自分がお引受けする」「相手にお引受けいただく」→②謙譲語“お(ご)”

というように2パターンあります。

敬語”お(ご)”の使い方

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 会食のお誘い
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お誘い・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

“引き受ける”の敬語①謙譲語

「引き受ける」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

  1. お引受けする
    お引受けします
    ※意味は(自分が)引き受ける
  2. お引受けいたす
    お引受けいたします
    ※意味は(自分が)引き受ける
  3. お引受け申し上げる
    お引受け申し上げます
    ※意味は(自分が)引き受ける
  4. お引受けいただく
    お引受けいただきます
    ※意味は(自分が相手に)引き受けてもらう
  5. お引受けさせていただく
    お引受けさせていただきます
    ※意味は「引き受けさせてもらう」

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“引き受ける”の敬語②尊敬語

「引き受ける」の尊敬語をまとめておきます。

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

  1. お引受けだ
    お引受けです
    ※意味は(目上なり上司が)引き受ける
  2. お引受けになる
    お引受けになります
    ※意味は(目上なり上司が)引き受ける
  3. 引き受けられる
    引き受けられます
    ※意味は(目上なり上司が)引き受ける
  4. 引き受けなさる
    引き受けなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)引き受ける
  5. お引受けなさる
    お引受けなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)引き受ける
  6. お引受けくださる
    お引受けくださいます
    ※意味は(目上なり上司が)引き受けてくれる

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

※尊敬語「〜れる・られる」は受け身の用法とごっちゃになる可能性があり、注意が必要。

“引き受ける”の敬語③丁寧語

つづいて「引き受ける」の丁寧語について。

③そもそも丁寧語とは…

敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。

  • 引き受けます
    ※意味は(自分が)引き受ける

以上で基本事項のおさらいは終わり。

あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。

使い方①依頼「引き受けてください」と言いたい時

「お引受け」の使い方。

依頼・お願いの敬語フレーズとして、目上や社内上司・取引先に「引き受けてください」「引き受けてほしい」と言いたいときに使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お引受けください』

「お引受け」の使い方。

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お引受けください」

意味は『引き受けてください』

「引き受けて」というフレーズを尊敬語「お引受け」に言い換えているため丁寧レベルとしては「引き受けてください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは以降の例文をつかいましょう。

ちなみに”お引受けください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「引き受ける」に尊敬語”お(ご)”で「お引受け
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お引受けくださる
  • さらに命令形にして”お引受けください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「引き受ける」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

『お引受けくださいませ』

「お引受け」の使い方。

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お引受けくださいませ」

意味は『引き受けてください』

尊敬語「お引受けくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「引き受けてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

『お引受けいただければと存じます』

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お引受けいただければと存じます」

意味は『引き受けてもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

『お引受けいただきたく存じます』

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいただきたく存じます
    → 意味は『引き受けてもらいたいと思います』

あるいはシンプルに、

  • 【例文】お引受けいただきたく、お願い致します
    → 意味は『引き受けてもらいたい、お願いします』

としても丁寧です。

「~いただきたく存じます」の意味は「~してもらいたいと思います」。相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

『お引受けいただければ幸いです』

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいただければ幸いです

意味は『引き受けてもらえたら嬉しいです』

「~いただければ幸いです」の意味は「~してもらえたら嬉しいです・幸せです」

ようするに「引き受けてほしい!」「引き受けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「引き受けてもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下のフレーズもご参考にどうぞ。

  • 例文「お引受けいただけますと幸いです」
  • 例文「お引受けいただけましたら幸いです」
  • 例文「お引受けいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お引受けいただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「お引受けいただけましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

『お引受けくださいますようお願い申し上げます』

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お引受けくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お引受けくださいますようお願い致します」

意味は『引き受けてくれるようお願いします』

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

ようするに「引き受けてほしい!」「引き受けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「引き受けてくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お引受けくださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

『お引受けいただきますようお願い致します』

依頼・お願い「引き受けてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいただきますようお願い申し上げます
    → 意味は『引き受けてもらうようお願いします』

あるいは可能形「いただける」をつかい、

  • 【例文】お引受けいただけますようお願い申し上げます
    → 意味は『引き受けてもらえるようお願いします』

としても丁寧。

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「~いただきますよう」の意味は「〜してもらうように」

ようするに「引き受けてほしい!」「引き受けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「引き受けてもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。

ちなみに、

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

メール結び・文末では「~くださいますよう」を使うことが多いのですが、心底どれをつかっても構いません。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お引受けいただきたく、お願い致します
    意味は「引き受けてほしい、お願いします」
  • 例文「お引受けいただけましたら幸いです
    ※意味は「引き受けてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お引受けいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「引き受けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お引受けいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「引き受けてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お引受けいただけますと幸いです
  • 例文「お引受けいただけますと幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

使い方②会話・電話での依頼は”お引受け頂けますか?”

お引受けの使い方。

つづいてビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「引き受けてほしい!」と言いたいときには…

「お引受けくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お引受けいただけますか?
  • 【例文】お引受けいただけますでしょうか?
  • 【例文】お引受け願えますでしょうか?

※もちろん「お引受けください」「お引受けくださいませ」としても丁寧

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「引き受けてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

『引き受けて頂けますか?/頂けますでしょうか?』でもOK

あえて「お引受け」という敬語をつかわなくても…

会話や電話対応シーンであれば「引き受ける」の敬語フレーズをつかってシンプルに、

  • 【例文】引き受けていただけますか?
    → 意味は「引き受けてもらえますか?」
  • 【例文】引き受けていただけますでしょうか?
    → 意味は「引き受けてもらえるでしょうか?」

としても丁寧です。

一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。

そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「すでに引き受けてもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「お引受けいただけましたか?」「お引受けいただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

敬語の解説

「お引受けいただけますか?」「お引受けいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “引き受ける”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お引受けいただく」
  • 可能形にして「お引受けいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お引受けいただけます」
  • 疑問形にして「お引受けいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お引受けいただけますでしょうか?」

どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも構いません。

使い方③お礼「引き受けてくれてありがとう」の敬語

「お引受け」の使い方。

つづいてお礼の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「引き受けてくれてありがとう」「お引受けありがとう」と言いたいときにも「お引受け」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お引受けいただきありがとうございます』

「お引受け」の使い方。

お礼・感謝「引き受けてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お引受けいただきありがとうございます』
  • 例文『お引受けいただきまして、ありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お引受けありがとうございます』

としてもまぁOKです。

意味はどれも『引き受けてもらいありがとう』

お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。

会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

『お引受けくださいましてありがとうございます』

「お引受け」の使い方。

お礼・感謝「引き受けてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お引受けくださいましてありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お引受けくださり、ありがとうございます』

としても丁寧です。

意味はどれも『引き受けてくれてありがとう』

こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。

ちなみに「お引受けくださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「お引受けいただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。

丁寧な対応を心がけたいときには「お引受けいただく」をオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)

“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ

ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。

ただ、

お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。

ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。

『感謝申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「感謝」をつかった例文を。

  • 【例文】お引受けいただき感謝申し上げます
  • 【例文】お引受けいただき感謝いたしております
  • 【例文】お引受けいただき感謝いたします

※「お引受けくださり感謝〜」「お引受けくださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧

※「お引受け賜り感謝〜」「お引受け賜りまして感謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「引き受けてもらいありがとう!」「引き受けてくれてありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『深謝いたします』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。

  • 例文「お引受けいただき深謝いたしております」
  • 例文「お引受けいただき深謝いたします」

※「お引受けくださり深謝〜」「お引受けくださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧

※「お引受け賜り深謝〜」「お引受け賜りまして深謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなも。

ようは「引き受けてもらい本当にありがとう!」「引き受けてくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『お礼申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「お礼申し上げます」をつかった例文を。

  • 【例文】お引受けいただきお礼申し上げます
  • 【例文】お引受けいただき厚くお礼申し上げます

※「お引受けくださり・お引受けくださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧

※「お引受け賜り・お引受け賜りましてお礼〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「引き受けてもらいお礼します!」「引き受けてくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

お礼フレーズ参考記事

使い方④断り「引き受けることはできません」の丁寧な敬語

「お引受け」の使い方。

断りのシーン、つまり目上や社内上司・社外取引先に「引き受けることはできません!」「引き受けるのは無理です!」「お断りします!」と言いたいときにも使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お引受けいたしかねます』

「お引受け」の使い方。

断り「お断りします!引き受けることはできません」と言いたいときにも使えます。

  • 【例文】お引受けいたしかねます

意味は「引き受けることができません」

ようは「お断りします!」「引き受けることはできません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「引き受けることができません」
  • 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
    意味は「要望に応えることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご対応いたしかねます』

断り「お断りします!引き受けることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご対応いたしかねます

意味は「対応することができません」

ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご要望にお応えすることが叶いません』

断り「お断りします!引き受けることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「要望に応えることができない or 難しい」

あるいは、

  • 【例文】xxにより、お引受けすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、お引受けすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「引き受けることができない or 難しい」

※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス

使い方は「お引受けいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。

そこで、

「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。

『ご要望に添いかねます』

断り「お断りします!引き受けることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご要望に添いかねます

意味は「要望に添うことができません」

使い方は「お引受けいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「あなたの引き受けてほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。

そこで、

「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

丁寧な断りのフレーズいろいろ

上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。

飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます

仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます

内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします

・・・などなど

ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。

以下の記事もご参考にどうぞ。

使い方⑤催促「引き受けてくれた?」の丁寧な敬語

「お引受け」の使い方。

つづいて催促・確認の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「すでに引き受けてくれた?」「引き受けてもらった?」と言いたいとき。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文を紹介します。

※かならずしも「お引受け」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧

『その後いかがでしょうか?』

催促・確認「引き受けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

「いかがでしょうか?」をつかって、

  • 【例文】その後いかがでしょうか?
    → 意味は「その後どうでしょうか」

としても丁寧。

わざわざ「お引受け」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。

ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。

目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。

覚えておくとかならず役に立ちます。

【敬語の補足】

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

『ご状況いかがでしょうか?』

催促・確認「引き受けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

わざわざ「お引受け」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

  • 【例文】ご状況いかがでしょうか?
    → 意味は「状況はどうでしょうか」

使い方や敬語の種類は「その後いかがでしょうか」とおなじため省略。

催促・確認するとき、便利かつ丁寧なフレーズですので覚えておくと必ず役に立ちます。

『お引受け頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

「お引受け」の使い方。

催促・確認「引き受けてくれたの?」と言いたいときにも「お引受け」をつかいます。

  • 【例文】お引受けいただけましたか?
    → 意味は「引き受けてもらえましたか」

あるいは「~でしょうか?」を付け足して、

  • 【例文】お引受けいただけましたでしょうか?
    → 意味は「引き受けてもらえたでしょうか」

としても丁寧です。

ようするに「すでに引き受けてもらえたのか?」「もう引き受けてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語について解説していると日がくれるため…

わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。

  • 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
  • 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
  • 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?

どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。

ちなみに「お引受けいただけましたか」よりも「お引受けいただけましたでしょうか」のほうが丁寧

ただし結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。

あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『引き受けて頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

催促・確認「引き受けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】引き受けていただけましたか?
    → 意味は「引き受けてもらえましたか」

あるいは、

  • 【例文】引き受けていただけましたか?
    → 意味は「引き受けてもらえたでしょうか」

としても丁寧。

とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。

ようするに「すでに引き受けてもらえたのか?」「もう引き受けてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ただ、

丁寧レベルとしては「お引受けいただけましたか?」「お引受けいただけましたでしょうか?」のほうが上。

カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。

【敬語の補足】

※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。

※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

その他『お引受けくださいましたか』など

催促・確認「引き受けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】お引受けくださいましたか?
  • 【例文】お引受けくださいましたでしょうか?
    → 意味は「引き受けてくれましたか?/引き受けてくれたでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お引受けいただましたか?
  • 【例文】お引受けいただましたでしょうか?
    → 意味は「引き受けてもらいましたか?/引き受けてもらったでしょうか?」

としてもまぁOKです。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「お引受けいただけましたか?」と似たようなものなので省略。

どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。

が、あまり一般的ではなくおとなしく「お引受けいただけましたか?」「お引受けいただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。

※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。

使い方⑥自分の行為「引き受けます!」の丁寧な敬語

「お引受け」の使い方。

自分が「引き受けます!」と言いたいビジネスシーンにも敬語「お引受け」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お引受けします/お引受けいたします』

「お引受け」の使い方。

自分の行為「引き受けます」と言いたいときにも「お引受け」は使えます。

  • 【例文】お引受けします
  • 【例文】お引受けいたします

意味はどちらも「引き受けます」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。

ようするに「引き受けるよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お引受けします」よりも「お引受けいたします」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

『お引受けしましょうか?』

「お引受け」の使い方。

自分の行為「引き受けます」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けしましょうか?
    → 意味は「引き受けましょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お引受けしますか?
  • 【例文】引き受けましょうか?

というように疑問文をつかっても丁寧です。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

あるいは…

目上や上司・取引先から「引き受けてくれますか?」と質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

使い方⑦禁止「引き受けてはダメです」の丁寧な敬語

「お引受け」の使い方。

つづいて禁止の敬語フレーズ。

つまり、

目上や社内上司・社外取引先に「引き受けてはいけません!」あるいは「引き受けてはダメです!」「引き受けるは止めてください!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お引受け」をつかいます。

『お引受けいただけません』

「お引受け」の使い方。

禁止「引き受けてはダメです!」と言いたいときにも「お引受け」は使えます。

  • 【例文】お引受けいただけません

意味は「引き受けてはダメです」

「~いただけません」は直訳すると「~してもらってはいけません」ですが…

ようは禁止「~してはいけません」という意味。

引き受けてはいけません!」「引き受けてはダメだよ!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。

上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで「~いただけません」という敬語をつかうことで遠まわしに禁止の意味をあらわしているのです。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに「〜いただけません」はたとえば、

  • 【例文】この車両はご利用いただけません
    意味は「利用してはいけません」
  • 【例文】このトイレはご使用いただけません
    意味は「使用してはいけません」

などのようにして使います。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけません」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけた敬語

『お引受けいただくことはできません』

禁止「引き受けてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいただくことはできません

意味は「引き受けてはダメです」

使い方は「お引受けいただけません」と似たようなもの。

こちらのほうがよりダイレクトに禁止の意味をあらわすフレーズになります。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

したがって「お引受けいただけません」のほうが丁寧と言えます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

『ご遠慮ください』

禁止「引き受けてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

以下のように「ご遠慮」をつかった敬語フレーズも丁寧です。

  • 【例文】xxはご遠慮ください(ませ)
  • 【例文】xxはご遠慮いただきたく存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただければと存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますと幸いです
  • 【例文】xxはご遠慮くださいますようお願い申し上げます

→ 要はすべて「xxはやめてください」と言いたい。

あるいは電話対応や会話シーンであれば「いただけますか?」をつかい、

  • 【例文】xxは遠慮していただけますか?
  • 【例文】xxは遠慮していただけますでしょうか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますでしょうか?

→ 要はすべて「xxはやめてもらえますか?」と言いたい。

としても丁寧です。

ようは「xxしてはダメだよ!」「xxしてはいけません!」という意味なのですが、このままではあまりにストレートすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「ご遠慮=控える・やめる」をつかって、遠まわしにやんわ〜りと禁止の意をしめしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに遠慮(えんりょ)の意味は…

  1. 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。

  2. 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。

ここでは「①慎み控える」の意味でつかっています。

【敬語の補足】

※「お(ご)~ください」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」を命令形にした敬語

※「お(ご)~いただきたく」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に願望・希望の「〜したい」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただければ」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただけますか」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の疑問形”ますか”をくっつけた敬語。さらに「〜だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけても丁寧。

その他『お控えください』など

禁止「引き受けてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

あとは「控える」をつかった言い換えもできます。

  • 【例文】xxはお控えください(ませ)
  • 【例文】xxはお控えいただきたく存じます
  • 【例文】xxはお控えいただければと存じます
  • 【例文】xxはお控えいただけますと幸いです
  • 【例文】xxはお控えくださいますようお願い申し上げます

言いたいことは「控えてください・やめてください」

控える(ひかえる)の意味は…

  1. 待つ・待機する
  2. そばにいる
  3. 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる

ここでは「⑤やめておく」の意味でつかっています。

使い方⑧希望「引き受けたい!」の敬語

「お引受け」の使い方。

つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。

つまり、

自分が「引き受けたい!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お引受け」をつかいます。

『お引受けしたく存じます』

「お引受け」の使い方:希望・意思・願望「引き受けたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お引受けしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「引き受けたいと思います」

謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

引き受けたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

『お引受けいたしたく存じます』

希望・意思・願望「引き受けたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいたしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お引受けいたしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「引き受けたいと思います」

※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

引き受けたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お引受けしたく存じます」よりも「お引受けいたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

使い方⑨許可を得る「引き受けてもいいか?」の敬語

「お引受け」の使い方

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。

つまり「引き受けてもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

※ひとつ前の「引き受けたい」ときに使えるフレーズでも丁寧。相手にハッキリした答えをもらいたい時にはこれから紹介するフレーズをオススメします。

『お引受けしてもよろしいでしょうか?』

「お引受け」の使い方。

許可を得たい「引き受けてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けしてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「引き受けてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お引受けしてもよろしいですか?
    → 意味は「引き受けてもいいですか?」

としても丁寧。

「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」

「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」

「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~する」は謙譲語の基本形

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

『引き受けてもよろしいでしょうか?』

許可を得たい「引き受けてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】引き受けてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「引き受けてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】引き受けてもよろしいですか?
    → 意味は「引き受けてもいいですか?」

としても丁寧。

意味や使い方は「お引受けしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」とおなじため省略。

「お引受けしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」のほうが、より丁寧な敬語ではありますが…

どちらをつかっても差し支えありません。

【敬語の補足】

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

使い方⑩許可をだす「引き受けてもいいよ!」の敬語

「お引受け」の使い方。

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。

つまり「引き受けてもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

『お引受けいただけます/お引受けいただけます』

許可をだす「引き受けてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お引受けいただけます
  • 【例文】お引受けいただけます

意味は「引き受けてもらうことができます」

ようは「引き受けてもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

返事するなら『承知しました』などが丁寧

許可をだす「引き受けてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

“お引受けいただく vs お引受けくださる”の使い方

ややこしいので「お引受けいただく vs お引受けくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“お引受けいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お引受けいただく お引受け頂きます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お引受けいただいた お引受け頂きました ×
進行形 お引受けいただいている お引受け頂いています -頂いております
過去~現在 お引受けいただいていた お引受け頂いていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お引受けいただきたい
お引受けいただきたく
お引受けいただくよう
お引受けいただけるよう
お引受け頂きたいです
×
お引受け頂きますよう
お引受け頂けますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お引受けいただける お引受け頂けます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①お引受けいただいたら
②お引受けいただければ
お引受け頂きましたら
お引受け頂きましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①お引受けいただいたか?
②お引受けいただけるか?
③お引受けいただけたか?
お引受け頂きましたか?
お引受け頂けますか?
お引受け頂けましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 お引受けいただけない お引受け頂けません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“お引受けくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お引受けくださる お引受けくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お引受けくださった お引受けくださいました ×
進行形 お引受けくださっている お引受けくださっています -くださっております
過去~現在 お引受けくださっていた お引受けくださっていました -くださっておりました
希 望
お引受けくださるよう お引受けくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お引受けくださるか? お引受けくださいますか? ×
否 定 お引受けくださらない お引受けくださいません ×
命 令 お引受けください お引受けくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない