敬語「お預かり」の意味とビジネスにおける全使い方

ビジネス敬語

「お預かり」の意味と敬語の種類、ビジネスシーンに最適な使い方のすべてについて。

ここでは敬語「お預かり」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。

  1. “お預かり”の意味と敬語の種類
    1. “預かる”の意味
    2. “お預かり”の敬語の種類
    3. 敬語”お(ご)”の使い方
    4. “預かる”の敬語①謙譲語
    5. “預かる”の敬語②尊敬語
    6. “預かる”の敬語③丁寧語
  2. 使い方①依頼「預かってください」と言いたい時
    1. 『お預かりください』
    2. 『お預かりくださいませ』
    3. 『お預かりいただければと存じます』
    4. 『お預かりいただきたく存じます』
    5. 『お預かりいただければ幸いです』
    6. 『お預かりくださいますようお願い申し上げます』
    7. 『お預かりいただきますようお願い致します』
    8. その他いろいろな言い換え敬語
  3. 使い方②会話・電話での依頼は”お預かり頂けますか?”
    1. 『預かって頂けますか?/頂けますでしょうか?』でもOK
    2. 敬語の解説
  4. 使い方③お礼「預かってくれてありがとう」の敬語
    1. 『お預かりいただきありがとうございます』
    2. 『お預かりくださいましてありがとうございます』
  5. “ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ
    1. 『感謝申し上げます』など
    2. 『深謝いたします』など
    3. 『お礼申し上げます』など
    4. お礼フレーズ参考記事
  6. 使い方④断り「預かることはできません」の丁寧な敬語
    1. 『お預かりいたしかねます』
    2. 『ご対応いたしかねます』
    3. 『ご要望にお応えすることが叶いません』
    4. 『ご要望に添いかねます』
    5. 丁寧な断りのフレーズいろいろ
  7. 使い方⑤催促「預かってくれた?」の丁寧な敬語
    1. 『その後いかがでしょうか?』
    2. 『ご状況いかがでしょうか?』
    3. 『お預かり頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』
    4. 『預かって頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』
    5. その他『お預かりくださいましたか』など
  8. 使い方⑥自分の行為「預かります!」の丁寧な敬語
    1. 『お預かりします/お預かりいたします』
    2. 『お預かりしましょうか?』
    3. 返事するなら『承知しました』などが丁寧
  9. 使い方⑦禁止「預かってはダメです」の丁寧な敬語
    1. 『お預かりいただけません』
    2. 『お預かりいただくことはできません』
    3. 『ご遠慮ください』
    4. その他『お控えください』など
  10. 使い方⑧希望「預かりたい!」の敬語
    1. 『お預かりしたく存じます』
    2. 『お預かりいたしたく存じます』
  11. 使い方⑨許可を得る「預かってもいいか?」の敬語
    1. 『預かってもよろしいでしょうか?』
  12. 使い方⑩許可をだす「預かってもいいよ!」の敬語
    1. 『お預かりいただけます/お預かりいただけます』
    2. 返事するなら『承知しました』などが丁寧
  13. “お預かりいただく vs お預かりくださる”の使い方
    1. “お預かりいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)
    2. “お預かりくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)
  14. 参考記事

“お預かり”の意味と敬語の種類

まずは「お預かり」のそもそもの意味と敬語の種類について。

“預かる”の意味

預かる(あずかる)の意味は・・・

  1. 頼まれて人の身柄や物品を引き受けてその保管や世話をする。
    【例文】貴重品はこちらのボックスでお預かりします
    【例文】バッグをお預かりいただけますか?
  2. 物事の管理・運営を任される。
    【例文】プロジェクトを預かる
  3. 勝負や争いごとなどの間に入って、一切の処理を任せてもらう。
    【例文】この件はすべて上司から預かっています
  4. 発表などを差し控える。保留して公にしない。
    【例文】キミの辞表はいったん預かるよ

“お預かり”の敬語の種類

「お預かり」の敬語の種類は・・・

「預かる」という元の語に①尊敬語あるいは②謙譲語の「お(ご)」をつかって敬語にしています。

  1. 上司/目上などの相手が「お預かりくださる」「お預かりだ」→①尊敬語“お(ご)”
  2. 「自分がお預かりする」「相手にお預かりいただく」→②謙譲語“お(ご)”

というように2パターンあります。

敬語”お(ご)”の使い方

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 会食のお誘い
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お誘い・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

“預かる”の敬語①謙譲語

「預かる」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

  1. お預かりする
    お預かりします
    ※意味は(自分が)預かる
  2. お預かりいたす
    お預かりいたします
    ※意味は(自分が)預かる
  3. お預かり申し上げる
    お預かり申し上げます
    ※意味は(自分が)預かる
  4. お預かりいただく
    お預かりいただきます
    ※意味は(自分が相手に)預かってもらう
  5. お預かりさせていただく
    お預かりさせていただきます
    ※意味は「預かりさせてもらう」

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“預かる”の敬語②尊敬語

「預かる」の尊敬語をまとめておきます。

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

  1. お預かりだ
    お預かりです
    ※意味は(目上なり上司が)預かる
  2. お預かりになる
    お預かりになります
    ※意味は(目上なり上司が)預かる
  3. 預かられる
    預かられます
    ※意味は(目上なり上司が)預かる
  4. 預かりなさる
    預かりなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)預かる
  5. お預かりなさる
    お預かりなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)預かる
  6. お預かりくださる
    お預かりくださいます
    ※意味は(目上なり上司が)預かってくれる

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

※尊敬語「〜れる・られる」は受け身の用法とごっちゃになる可能性があり、注意が必要。

“預かる”の敬語③丁寧語

つづいて「預かる」の丁寧語について。

③そもそも丁寧語とは…

敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。

  • 預かります
    ※意味は(自分が)預かる

以上で基本事項のおさらいは終わり。

あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。

使い方①依頼「預かってください」と言いたい時

「お預かり」の使い方。

依頼・お願いの敬語フレーズとして、目上や社内上司・取引先に「預かってください」「預かってほしい」と言いたいときに使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お預かりください』

「お預かり」の使い方。

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お預かりください」

意味は『預かってください』

「預かって」というフレーズを尊敬語「お預かり」に言い換えているため丁寧レベルとしては「預かってください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは以降の例文をつかいましょう。

ちなみに”お預かりください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「預かる」に尊敬語”お(ご)”で「お預かり
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お預かりくださる
  • さらに命令形にして”お預かりください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「預かる」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

『お預かりくださいませ』

「お預かり」の使い方。

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お預かりくださいませ」

意味は『預かってください』

尊敬語「お預かりくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「預かってください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

『お預かりいただければと存じます』

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お預かりいただければと存じます」

意味は『預かってもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

『お預かりいただきたく存じます』

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいただきたく存じます
    → 意味は『預かってもらいたいと思います』

あるいはシンプルに、

  • 【例文】お預かりいただきたく、お願い致します
    → 意味は『預かってもらいたい、お願いします』

としても丁寧です。

「~いただきたく存じます」の意味は「~してもらいたいと思います」。相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

『お預かりいただければ幸いです』

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいただければ幸いです

意味は『預かってもらえたら嬉しいです』

「~いただければ幸いです」の意味は「~してもらえたら嬉しいです・幸せです」

ようするに「預かってほしい!」「預かってください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「預かってもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下のフレーズもご参考にどうぞ。

  • 例文「お預かりいただけますと幸いです」
  • 例文「お預かりいただけましたら幸いです」
  • 例文「お預かりいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お預かりいただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「お預かりいただけましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

『お預かりくださいますようお願い申し上げます』

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お預かりくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お預かりくださいますようお願い致します」

意味は『預かってくれるようお願いします』

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

ようするに「預かってほしい!」「預かってください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「預かってくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お預かりくださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

『お預かりいただきますようお願い致します』

依頼・お願い「預かってください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいただきますようお願い申し上げます
    → 意味は『預かってもらうようお願いします』

あるいは可能形「いただける」をつかい、

  • 【例文】お預かりいただけますようお願い申し上げます
    → 意味は『預かってもらえるようお願いします』

としても丁寧。

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「~いただきますよう」の意味は「〜してもらうように」

ようするに「預かってほしい!」「預かってください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「預かってもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。

ちなみに、

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

メール結び・文末では「~くださいますよう」を使うことが多いのですが、心底どれをつかっても構いません。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お預かりいただきたく、お願い致します
    意味は「預かってほしい、お願いします」
  • 例文「お預かりいただけましたら幸いです
    ※意味は「預かってもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お預かりいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「預かってもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お預かりいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「預かってもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お預かりいただけますと幸いです
  • 例文「お預かりいただけますと幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

使い方②会話・電話での依頼は”お預かり頂けますか?”

お預かりの使い方。

つづいてビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「預かってほしい!」と言いたいときには…

「お預かりくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お預かりいただけますか?
  • 【例文】お預かりいただけますでしょうか?
  • 【例文】お預かり願えますでしょうか?

※もちろん「お預かりください」「お預かりくださいませ」としても丁寧

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「預かってもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

『預かって頂けますか?/頂けますでしょうか?』でもOK

あえて「お預かり」という敬語をつかわなくても…

会話や電話対応シーンであれば「預かる」の敬語フレーズをつかってシンプルに、

  • 【例文】預かっていただけますか?
    → 意味は「預かってもらえますか?」
  • 【例文】預かっていただけますでしょうか?
    → 意味は「預かってもらえるでしょうか?」

としても丁寧です。

一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。

そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「すでに預かってもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「お預かりいただけましたか?」「お預かりいただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

敬語の解説

「お預かりいただけますか?」「お預かりいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “預かる”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お預かりいただく」
  • 可能形にして「お預かりいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お預かりいただけます」
  • 疑問形にして「お預かりいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お預かりいただけますでしょうか?」

どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも構いません。

使い方③お礼「預かってくれてありがとう」の敬語

「お預かり」の使い方。

つづいてお礼の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「預かってくれてありがとう」「お預かりありがとう」と言いたいときにも「お預かり」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お預かりいただきありがとうございます』

「お預かり」の使い方。

お礼・感謝「預かってくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お預かりいただきありがとうございます』
  • 例文『お預かりいただきまして、ありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お預かりありがとうございます』

としてもまぁOKです。

意味はどれも『預かってもらいありがとう』

お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。

会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

『お預かりくださいましてありがとうございます』

「お預かり」の使い方。

お礼・感謝「預かってくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お預かりくださいましてありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お預かりくださり、ありがとうございます』

としても丁寧です。

意味はどれも『預かってくれてありがとう』

こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。

ちなみに「お預かりくださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「お預かりいただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。

丁寧な対応を心がけたいときには「お預かりいただく」をオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)

“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ

ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。

ただ、

お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。

ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。

『感謝申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「感謝」をつかった例文を。

  • 【例文】お預かりいただき感謝申し上げます
  • 【例文】お預かりいただき感謝いたしております
  • 【例文】お預かりいただき感謝いたします

※「お預かりくださり感謝〜」「お預かりくださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧

※「お預かり賜り感謝〜」「お預かり賜りまして感謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「預かってもらいありがとう!」「預かってくれてありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『深謝いたします』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。

  • 例文「お預かりいただき深謝いたしております」
  • 例文「お預かりいただき深謝いたします」

※「お預かりくださり深謝〜」「お預かりくださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧

※「お預かり賜り深謝〜」「お預かり賜りまして深謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなも。

ようは「預かってもらい本当にありがとう!」「預かってくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『お礼申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「お礼申し上げます」をつかった例文を。

  • 【例文】お預かりいただきお礼申し上げます
  • 【例文】お預かりいただき厚くお礼申し上げます

※「お預かりくださり・お預かりくださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧

※「お預かり賜り・お預かり賜りましてお礼〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「預かってもらいお礼します!」「預かってくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

お礼フレーズ参考記事

使い方④断り「預かることはできません」の丁寧な敬語

「お預かり」の使い方。

断りのシーン、つまり目上や社内上司・社外取引先に「預かることはできません!」「預かるのは無理です!」「お断りします!」と言いたいときにも使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お預かりいたしかねます』

「お預かり」の使い方。

断り「お断りします!預かることはできません」と言いたいときにも使えます。

  • 【例文】お預かりいたしかねます

意味は「預かることができません」

ようは「お断りします!」「預かることはできません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「引き受けることができません」
  • 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
    意味は「要望に応えることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご対応いたしかねます』

断り「お断りします!預かることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご対応いたしかねます

意味は「対応することができません」

ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご要望にお応えすることが叶いません』

断り「お断りします!預かることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「要望に応えることができない or 難しい」

あるいは、

  • 【例文】xxにより、お預かりすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、お預かりすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「預かることができない or 難しい」

※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス

使い方は「お預かりいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。

そこで、

「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。

『ご要望に添いかねます』

断り「お断りします!預かることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご要望に添いかねます

意味は「要望に添うことができません」

使い方は「お預かりいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「あなたの預かってほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。

そこで、

「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

丁寧な断りのフレーズいろいろ

上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。

飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます

仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます

内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします

・・・などなど

ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。

以下の記事もご参考にどうぞ。

使い方⑤催促「預かってくれた?」の丁寧な敬語

「お預かり」の使い方。

つづいて催促・確認の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「すでに預かってくれた?」「預かってもらった?」と言いたいとき。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文を紹介します。

※かならずしも「お預かり」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧

『その後いかがでしょうか?』

催促・確認「預かってくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

「いかがでしょうか?」をつかって、

  • 【例文】その後いかがでしょうか?
    → 意味は「その後どうでしょうか」

としても丁寧。

わざわざ「お預かり」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。

ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。

目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。

覚えておくとかならず役に立ちます。

【敬語の補足】

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

『ご状況いかがでしょうか?』

催促・確認「預かってくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

わざわざ「お預かり」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

  • 【例文】ご状況いかがでしょうか?
    → 意味は「状況はどうでしょうか」

使い方や敬語の種類は「その後いかがでしょうか」とおなじため省略。

催促・確認するとき、便利かつ丁寧なフレーズですので覚えておくと必ず役に立ちます。

『お預かり頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

「お預かり」の使い方。

催促・確認「預かってくれたの?」と言いたいときにも「お預かり」をつかいます。

  • 【例文】お預かりいただけましたか?
    → 意味は「預かってもらえましたか」

あるいは「~でしょうか?」を付け足して、

  • 【例文】お預かりいただけましたでしょうか?
    → 意味は「預かってもらえたでしょうか」

としても丁寧です。

ようするに「すでに預かってもらえたのか?」「もう預かってもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語について解説していると日がくれるため…

わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。

  • 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
  • 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
  • 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?

どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。

ちなみに「お預かりいただけましたか」よりも「お預かりいただけましたでしょうか」のほうが丁寧

ただし結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。

あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『預かって頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

催促・確認「預かってくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】預かっていただけましたか?
    → 意味は「預かってもらえましたか」

あるいは、

  • 【例文】預かっていただけましたか?
    → 意味は「預かってもらえたでしょうか」

としても丁寧。

とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。

ようするに「すでに預かってもらえたのか?」「もう預かってもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ただ、

丁寧レベルとしては「お預かりいただけましたか?」「お預かりいただけましたでしょうか?」のほうが上。

カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。

【敬語の補足】

※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。

※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

その他『お預かりくださいましたか』など

催促・確認「預かってくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】お預かりくださいましたか?
  • 【例文】お預かりくださいましたでしょうか?
    → 意味は「預かってくれましたか?/預かってくれたでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お預かりいただましたか?
  • 【例文】お預かりいただましたでしょうか?
    → 意味は「預かってもらいましたか?/預かってもらったでしょうか?」

としてもまぁOKです。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「お預かりいただけましたか?」と似たようなものなので省略。

どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。

が、あまり一般的ではなくおとなしく「お預かりいただけましたか?」「お預かりいただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。

※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。

使い方⑥自分の行為「預かります!」の丁寧な敬語

「お預かり」の使い方。

自分が「預かります!」と言いたいビジネスシーンにも敬語「お預かり」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お預かりします/お預かりいたします』

「お預かり」の使い方。

自分の行為「預かります」と言いたいときにも「お預かり」は使えます。

  • 【例文】お預かりします
  • 【例文】お預かりいたします

意味はどちらも「預かります」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。

ようするに「預かるよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お預かりします」よりも「お預かりいたします」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

『お預かりしましょうか?』

「お預かり」の使い方。

自分の行為「預かります」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりしましょうか?
    → 意味は「預かりましょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お預かりしますか?
    → 意味は「預かりますか?」

というように疑問文をつかっても丁寧です。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

あるいは…

目上や上司・取引先から「預かってくれますか?」と質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

使い方⑦禁止「預かってはダメです」の丁寧な敬語

「お預かり」の使い方。

つづいて禁止の敬語フレーズ。

つまり、

目上や社内上司・社外取引先に「預かってはいけません!」あるいは「預かってはダメです!」「預かるは止めてください!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お預かり」をつかいます。

『お預かりいただけません』

「お預かり」の使い方。

禁止「預かってはダメです!」と言いたいときにも「お預かり」は使えます。

  • 【例文】お預かりいただけません

意味は「預かってはダメです」

「~いただけません」は直訳すると「~してもらってはいけません」ですが…

ようは禁止「~してはいけません」という意味。

預かってはいけません!」「預かってはダメだよ!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。

上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで「~いただけません」という敬語をつかうことで遠まわしに禁止の意味をあらわしているのです。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに「〜いただけません」はたとえば、

  • 【例文】この車両はご利用いただけません
    意味は「利用してはいけません」
  • 【例文】このトイレはご使用いただけません
    意味は「使用してはいけません」

などのようにして使います。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけません」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけた敬語

『お預かりいただくことはできません』

禁止「預かってはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいただくことはできません

意味は「預かってはダメです」

使い方は「お預かりいただけません」と似たようなもの。

こちらのほうがよりダイレクトに禁止の意味をあらわすフレーズになります。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

したがって「お預かりいただけません」のほうが丁寧と言えます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

『ご遠慮ください』

禁止「預かってはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

以下のように「ご遠慮」をつかった敬語フレーズも丁寧です。

  • 【例文】xxはご遠慮ください(ませ)
  • 【例文】xxはご遠慮いただきたく存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただければと存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますと幸いです
  • 【例文】xxはご遠慮くださいますようお願い申し上げます

→ 要はすべて「xxはやめてください」と言いたい。

あるいは電話対応や会話シーンであれば「いただけますか?」をつかい、

  • 【例文】xxは遠慮していただけますか?
  • 【例文】xxは遠慮していただけますでしょうか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますでしょうか?

→ 要はすべて「xxはやめてもらえますか?」と言いたい。

としても丁寧です。

ようは「xxしてはダメだよ!」「xxしてはいけません!」という意味なのですが、このままではあまりにストレートすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「ご遠慮=控える・やめる」をつかって、遠まわしにやんわ〜りと禁止の意をしめしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに遠慮(えんりょ)の意味は…

  1. 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。

  2. 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。

ここでは「①慎み控える」の意味でつかっています。

【敬語の補足】

※「お(ご)~ください」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」を命令形にした敬語

※「お(ご)~いただきたく」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に願望・希望の「〜したい」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただければ」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただけますか」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の疑問形”ますか”をくっつけた敬語。さらに「〜だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけても丁寧。

その他『お控えください』など

禁止「預かってはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

あとは「控える」をつかった言い換えもできます。

  • 【例文】xxはお控えください(ませ)
  • 【例文】xxはお控えいただきたく存じます
  • 【例文】xxはお控えいただければと存じます
  • 【例文】xxはお控えいただけますと幸いです
  • 【例文】xxはお控えくださいますようお願い申し上げます

言いたいことは「控えてください・やめてください」

控える(ひかえる)の意味は…

  1. 待つ・待機する
  2. そばにいる
  3. 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる

ここでは「⑤やめておく」の意味でつかっています。

使い方⑧希望「預かりたい!」の敬語

「お預かり」の使い方。

つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。

つまり、

自分が「預かりたい!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お預かり」をつかいます。

『お預かりしたく存じます』

「お預かり」の使い方:希望・意思・願望「預かりたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お預かりしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「預かりたいと思います」

謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

預かりたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

『お預かりいたしたく存じます』

希望・意思・願望「預かりたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいたしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お預かりいたしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「預かりたいと思います」

※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

預かりたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お預かりしたく存じます」よりも「お預かりいたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

使い方⑨許可を得る「預かってもいいか?」の敬語

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。

つまり「預かってもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

※ひとつ前の「預かりたい」ときに使えるフレーズでも丁寧。相手にハッキリした答えをもらいたい時にはこれから紹介するフレーズをオススメします。

『預かってもよろしいでしょうか?』

許可を得たい「預かってもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】預かってもよろしいでしょうか?
  • 【例文】お預かりしてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「預かってもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】預かってもよろしいですか?
  • 【例文】お預かりしてもよろしいですか?
    → 意味は「預かってもいいですか?」

としても丁寧。

「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」

「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」

「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。

【敬語の補足】

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

使い方⑩許可をだす「預かってもいいよ!」の敬語

「お預かり」の使い方。

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。

つまり「預かってもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

『お預かりいただけます/お預かりいただけます』

許可をだす「預かってもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お預かりいただけます
  • 【例文】お預かりいただけます

意味は「預かってもらうことができます」

ようは「預かってもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

返事するなら『承知しました』などが丁寧

許可をだす「預かってもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

“お預かりいただく vs お預かりくださる”の使い方

ややこしいので「お預かりいただく vs お預かりくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“お預かりいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お預かりいただく お預かり頂きます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お預かりいただいた お預かり頂きました ×
進行形 お預かりいただいている お預かり頂いています -頂いております
過去~現在 お預かりいただいていた お預かり頂いていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お預かりいただきたい
お預かりいただきたく
お預かりいただくよう
お預かりいただけるよう
お預かり頂きたいです
×
お預かり頂きますよう
お預かり頂けますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お預かりいただける お預かり頂けます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①お預かりいただいたら
②お預かりいただければ
お預かり頂きましたら
お預かり頂きましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①お預かりいただいたか?
②お預かりいただけるか?
③お預かりいただけたか?
お預かり頂きましたか?
お預かり頂けますか?
お預かり頂けましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 お預かりいただけない お預かり頂けません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“お預かりくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お預かりくださる お預かりくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お預かりくださった お預かりくださいました ×
進行形 お預かりくださっている お預かりくださっています -くださっております
過去~現在 お預かりくださっていた お預かりくださっていました -くださっておりました
希 望
お預かりくださるよう お預かりくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お預かりくださるか? お預かりくださいますか? ×
否 定 お預かりくださらない お預かりくださいません ×
命 令 お預かりください お預かりくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

この記事を書いた人

大手化学メーカー営業。純資産1億円のサイドFIRE投資家。

20代借金300万から副業と資産運用で人生を逆転。30代で資産1億円を達成し会社に縛られないサイドFIRE生活に。

自身の経験を元にサラリーマンが自由を手に入れるための戦略を語ります。

※SNS無し。ご連絡は「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。

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