つづいて「お力添えくださいますよう vs お力添えいただきますよう」の使い方をビジネスメール例文で紹介します。
目上・上司にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①アンケート回答のお願い(社内)
メール件名:「残業時間の実態」アンケート回答のお願い
各位
お疲れ様です。
総務部の就活です。
さて首記の件、大手広告代理店の長時間労働による過労死問題をうけ、
当社においても残業時間の実態を把握するべく、アンケートを実施いたします。
今後の残業抑制取り組みへの参考に致したく、
下記のアンケートにご協力くださいますようお願い致します。
アンケート内容
1.過去3ヵ月の残業申請時間
2.過去3ヶ月の実質残業時間
3.残業申請に対する上司の対応(不満な点・改善点など)
お忙しいところ恐れ入りますが、
5月15日までにご回答の上、メールにてご返信ください。
お力添えのほど何卒よろしくお願い致します。
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メール署名
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ビジネスメール例文②昇進お祝いへの「お礼返信」
件名:ご祝辞ありがとうございます
就活株式会社
営業部 就活 様
いつもお世話になっております。
株式会社転職の転職でございます。
さて、私の営業部長就任にあたりましては、
温かいご祝辞と激励のお言葉をいただきまして、
誠にありがとうございます。
新たな立場となり多少の戸惑いもありますが、
これまでの経験を生かし、周囲の協力も得ながら、
尽力して参りたいと考えております。
今後ともお力添えのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
甚だ略儀ではございますが、
まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。
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メール署名
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“お力添え”のいろいろな使い方・例文
あとはいろいろ使える「お力添え」の例文を紹介しておきます。
どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。
依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お力添え”
ビジネスにおける「お力添え」のいろいろな使い方
何かしら目上や上司・取引先に「手を貸してほしい!!」とお願い・依頼したいときは…
たとえば、
- 例文「お力添えくださいますようお願い申し上げます」
意味は「手を貸してくれるようお願いします」 - 例文「お力添えをお願い致します」
意味は「手を貸してほしい、お願いします」 - 例文「お力添えいただきますようお願い申し上げます」
意味は「手を貸してもらうようお願いします」 - 例文「お力添え賜りますようお願い申し上げます」
意味は「手を貸してもらうようお願いします」 - 例文「お力添えの程お願い申し上げます」
意味は「手を貸してくれるよう、お願いします」 - 例文「お力添えいただければ幸いです」
意味は「手を貸してもらえたら嬉しいです」 - 例文「お力添えいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「手を貸してもらいたいと思います」 - 例文「お力添えいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「手を貸してもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「お力添えいただければ幸いです」「お力添え賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「手を貸してね!よろしく」という意味なのです。
自分が”お力添えする”ときに使える敬語
ビジネスにおける「お力添え」のいろいろな使い方
自分が「力添えします!」と言いたいときには…
- 【現在形】お力添えします/(お)力添えいたします
- 【過去形】お力添えしました/(お)力添えいたしました
- 【進行形】お力添えしております/(お)力添えいたしております
- 【希望①】お力添えしたく思います/(お)力添えいたしたく思います
- 【希望②】お力添えしたく存じます/(お)力添えいたしたく存じます
などを使います。
なぜだか分かりませんが、ビジネスシーンでこんな表現はほとんど見たことがありません…実用的じゃなくすみません。
普通に「わかりました・了解」の意味である「承知しました・いたしました」を使うのが一般的です。
「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」
「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」
「~いたします」の部分に力添えするべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら確認しなければいけないのであれば「(ご)確認いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」
ここで「(ご)確認いたします」というように( )書きにしているのは「確認いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。
相手に「手を貸してもらう」としたいときには…
「お力添えいただく=手を貸してもらう」
「お力添えくださる=手を貸してくれる」
という敬語をつかいます。
断りのビジネスメールに使う”お力添え”
ビジネスにおける「お力添え」のいろいろな使い方
「力添えすることができません!」と言いたいときには…
- 【例文】(お)力添えいたしかねます
意味は「力添えすることができません」
- 【例文】お力添えしかねます
意味は「力添えすることができません」 - 【例文】●●のためお力添えすることが叶いません
意味は「力添えすることができません」
- 【例文】お力添えすることが大変困難でございます
意味は「力添えすることがとても難しいです」
などを使います。
あまり実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。
いちおう紹介しておきましたが、
このようなビジネスシーンでは「ご対応いたしかねます」「ご対応しかねます」といった「ご対応」を使った敬語フレーズが一般的ですね。
ここで「(お)力添えいたしかねます」というように( )書きにしているのは「力添えいたしかねます」としても丁寧な敬語だから。
また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
お礼メールに使う”お力添え”
ビジネスにおける「お力添え」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら手を貸してもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。
たとえば、
- 例文「お力添えありがとうございます」
例文「お力添えいただきありがとうございます」
例文「お力添えいただきましてありがとうございました」
例文「お力添え賜りましてありがとうございました」
例文「お力添えくださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「手を貸してくれてありがとう!」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
ほかにも色々ある”お力添え”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「お力添えいただけましたら幸いです」
※意味は「手を貸してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「お力添えいただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「手を貸してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「お力添えいただければ幸甚に存じます」
※意味は「手を貸してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「お力添えいただけますか?」
※意味は「手を貸してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「お力添えいただけますでしょうか?」
※意味は「手を貸してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
“お願い申し上げます=お願い致します”
ところでビジネスシーンでは、
「お力添えくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「お力添えくださいますようお願いいたします」「お力添えくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。
また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、
「お力添えくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
頭の片隅にいれておきましょう。