敬語「お尋ねいただく vs くださる」の意味と違い・使い方

あとはビジネスシーンごとに「お尋ね」の使い方・例文を紹介しておきます。

どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。

お尋ねいただいた・お尋ねくださった●●

ビジネスにおける「お尋ね」のいろいろな使い方

「尋ねてもらった●●」「尋ねてくれた●●」

  • 【例文】お尋ねいただきました内容でお願いいたします
  • 【例文】お尋ねいただいた通りにお願いいたします
  • 【例文】お尋ねいただきました日程ですが、あいにく別件で埋まっております

※すべて「お尋ねくださいました●●」に言い換えOK

こんな感じの敬語をつかいます。

依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お尋ね”

ビジネスにおける「お尋ね」のいろいろな使い方

何かしら目上や上司・取引先に「尋ねてほしい!!」とお願い・依頼したいときは…

「お尋ねください」とするのは一般的ではありません。

そこで以下のような言い換え敬語をつかいます。

  • ご質問等ございましたら+何なりと
    【例文】ご質問等ございましたら何なりとお申し付けください
  • ご質問等ございましたら+遠慮なく
    【例文】ご質問等ございましたら(ご)遠慮なくお申し付けください
    【例文】ご質問等ございましたら(ご)遠慮なくご連絡ください
  • ご質問等ございましたら+お気軽に
    【例文】ご質問等ございましたらお気軽にお申し付けください
    【例文】ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください

※「お申し付けください」は「言い付けてください」つまり「命令してください」の意味の敬語

ほかにも「質問があったら言ってほしい」としたいときに使えるフレーズとしては、

「ご不明な点等ございましたら」あるいは「ご不明な点などございましたら」をつかって言い換えできます。

  • 【例文】ご不明な点等ございましたら何なりとお申し付けください
  • 【例文】ご不明な点等ございましたら遠慮なくお申し付けください
  • 【例文】ご不明な点等ございましたらお気軽にご連絡ください

意味は「不明なことなどがあったら言い付けてください」

「お申し付けください」は「言い付けてください」つまり「命令してください」の意味の敬語。

ビジネスメールではよく使う丁寧な敬語フレーズ。上司・目上・社外取引先にも使える丁寧な敬語です。

ビジネスシーンで相手が気になることは、ご不明な点だけとは限りません。

そういう意味で「ご不明な点等」という限定しない「等」をつかうのも一般的ですね。

100%言い換えできるかというとビミョーなところですが…

自分が”尋ねる”ときに使える敬語

ビジネスにおける「お尋ね」のいろいろな使い方

自分が「尋ねます!」と言いたいときには…

  • 【現在形】お尋ねします/お尋ねいたします
  • 【過去形】お尋ねしました/お尋ねいたしました
  • 【進行形】お尋ねしております/お尋ねいたしております
  • 【希望①】お尋ねしたく思います/お尋ねいたしたく思います
  • 【希望②】お尋ねしたく存じます/お尋ねいたしたく存じます

※すべて謙譲語「伺う」をもちいたフレーズに言い換えOK

こんな感じの敬語をつかいます。

「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」

「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」

「~いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。

たとえば、

何かしら連絡しなければいけないのであれば「(ご)連絡いたします」

何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」

ここで「(ご)要望いたします」というように( )書きにしているのは「要望いたします」としても丁寧な敬語だから。

ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。

相手に「尋ねてもらう」としたいときには…

「お尋ねいただく=尋ねてもらう」
「お尋ねくださる=尋ねてくれる」

という敬語をつかいます。

断りのビジネスメールに使う”お尋ね”

ビジネスにおける「お尋ね」のいろいろな使い方

「要望に応えることができません!」と言いたいときには…

  • 【例文】ご対応いたしかねます
  • 【例文】お受けいたしかねます
  • 【例文】ご要望に添いかねます
  • 【例文】●●のためご対応することが叶いません
  • 【例文】ご対応することが大変困難でございます

こんな感じの敬語をつかいます。

「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お応えいたしかねます
    意味は「添うことができません」
  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「受けることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的

「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。

ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。

お礼メールに使う”お尋ね”

ビジネスにおける「お尋ね」のいろいろな使い方

あとはビジネスシーンで相手に何かしら尋ねてもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。

「尋ねてもらいありがとう!」と言いたいときには…

  • 例文「お尋ねありがとうございます」
  • 例文「お尋ねいただきありがとうございます」
  • 例文「お尋ねいただきましてありがとうございました」
  • 例文「お尋ね賜りましてありがとうございました」
  • 例文「お尋ねくださいましてありがとうございました」

のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするに「尋ねてくれてありがとう!」という意味なのです。

どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。

ほかにも色々ある”お尋ね”の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お尋ねいただきたく存じます」
    ※意味は「尋ねてもらいたいと思います」希望
  • 例文「お尋ねいただければと存じます」
    ※意味は「尋ねてもらえたら嬉しいです」希望
  • 例文「お尋ねいただければ幸いです」
    ※意味は「尋ねてもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お尋ねいただけましたら幸いです」
    ※意味は「尋ねてもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お尋ねいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「尋ねてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お尋ねいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「尋ねてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お尋ねいただけますか?」
    ※意味は「尋ねてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お尋ねいただけますでしょうか?」
    ※意味は「尋ねてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

“お願い申し上げます=お願い致します”

ところでビジネスシーンでは、

「お尋ねくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お尋ねくださいますようお願いいたします」「お尋ねくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。

また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「お尋ねくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

頭の片隅にいれておきましょう。