年収ランキングは嘘!?石油業界の年収まとめ【INPEX・JX・出光興産・他】

石油元売りメーカー大卒総合職(文系&理系)の年収は高い?低い?

一般的なランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。就職活動や転職のご参考になりましたら幸いです。

平均年収ランキング(全従業員ベース)

以下の表に石油元売メーカーの平均年収ランキングをまとめます。

順位メーカー平均年収
万円
平均年齢
1JXホールディングス1,10344.5
2昭和シェル石油92544.0
3東燃ゼネラル石油88139.5
4BP・カストロール82542.9
5富士石油80045.9
6出光興産79642.0
7東亜石油74846.0
8MORESCO74640.1
9コスモエネルギーHD73740.1
10ニチレキ73241.3
11ユシロ化学工業65541.2
12日本コークス工業65141.5
参考INPEX(国際石油開発帝石)93439.4
参考JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)N/AN/A

*出典:各社の有価証券報告書

これだけみると、JX以外の石油元売メーカーは年収の低い業界になっています。

でも実際は違うのですよ!

石油元売メーカー総合職の年収①実態はどうなの?

先ほどの数字は有価証券報告書から計算した数字なので、全従業員のデータになります。一般職も総合職も関係なくランキングしたもの。

数少ない大卒総合職の年収がこんなに低いはずはありません。(JX HDは総合職平均に近い)。

ただ、いつもの東洋経済ONLINEが集計している総合職の年収データにも石油元売メーカーは記載がないので、しかたなく独自に調査してみました。

石油元売メーカー総合職の年収②年収例

年収ランキング形式で年収期待値の高い企業ほど上にきます。

  • INPEX(国際石油開発帝石):主任クラス33-35歳で年収800-1,000万円(ベース800万円、あとは残業次第)。管理職38歳以降で年収1,100万円。ボーナスは最低で年間6カ月分あり、安定感抜群。
  • JXエネルギー:主任クラス35歳以降で年収800-1,000万円(ベース800万円、あとは残業次第。38歳以降で年収1,000万円。課長40代前半で年収1,100-1,300万円)。組合員のボーナスは年間最低4ヶ月分〜最高6カ月分、業績連動。管理職は年棒制、業績連動。
  • 東燃ゼネラル:グループヘッド(主任クラス)35歳以降で年収800-1,000万円(ベース800万円、あとは残業次第。課長40前後で年収1,000-1,300万円)。
  • 昭和シェル石油:主任クラス35歳前後で年収850万円~(ベース850万円、あとは残業次第。課長40前後で年収1,200万円、課長は狭き門)。外資から日系に変わった後、大幅減。
  • 出光興産:主任クラス35歳以降で年収750-900万円(ベース750万円、あとは残業次第。40代前半課長で年収1,000-1,300万円)。
  • JAPEX(石油資源開発):管理職35歳以降で年収900万円〜。
  • JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構):公務員と同じ
  • コスモ石油:管理職40前後主任クラス35歳前後で年収750万円~(40前半課長年収900万円)。潰れるかもしれない会社なので、おすすめできません。逆張りして大手と合併されるのを祈るのも一つの戦略。

*主任=ヒラ社員。
*管理職=課長代理、課長。

【注意①】民間企業は外資撤退のあと年収下落傾向。
【注意②】文系も理系も同じ。

私が就活生だったころ石油元売業界といえば30歳で年収1,000万円を超え、管理職35歳以降で年収1,500万円と言われていた業界。ところが最近になってどんどん年収が下落。

2016年現在、旭硝子や旭化成と同じような年収になっているのですね。時代は変わるものです…

ただし年収が下がっているとは言えメーカートップクラスであることには変わりありません。

石油元売メーカー(民間)は将来性なしだが…

民間企業は将来性なし、政府系は問題ない。もはや説明不要かと思われますが、簡単に理由を箇条書きします。

  1. 日本の人口は減少する。石油製品の需要も減る。
  2. ガソリン・軽油需要は減り続ける。低燃費自動車、電気自動車EV、燃料電池自動車FCVへのシフトが原因。
  3. 工業用のナフサも需要減り続ける。化学素材メーカーの海外生産シフトが原因。
  4. 外資の撤退。日本市場に将来性がないことを結論づけた。
  5. 業界再編。稼げなくなったので大手5社を大手2社にして、従業員リストラします。
  6. 海外に活路を見出しているが、遅すぎて石油メジャーに勝てる気しない。
  7. 有利子負債多。キャッシュないため新しいビジネス展開が難しい。

今後の年収期待値は?電力業界と同じ道をたどるか?

原発事故の影響で稼げなくなり、年収が2割ほどカットされた電力業界。

急速なガソリン需要の減退により、既に苦しくなっている石油元売業界。今後もっと苦しくなることが想定される。

電力業界と石油元売業界の姿がダブって見える筆者。石油元売業界は就職難易度と学歴フィルター厳しい割に報われないと私は思います。

石油元売(民間に限る)に内定するだけの実力があるなら普通にトヨタや味の素、JT、旭化成のほうが良いでしょう。

(完全に筆者のたわごとです、気にしないでください)

石油元売業界って本当にダメなの?

ネガティブな情報ばかりで申し訳ありません…。

そこで少しだけ良い材料を書くとしたら「ガソリン・軽油・ナフサ需要は減ったとしても、ゼロになることはあり得ない」という点でしょうね。

つまり今後、業界再編で国内プレイヤーが減るので、需要が減る状況でも現状維持はできます。そして20年くらいのスパンでは、需要が減るといっても半分になったりはしません。せいぜい20年後・30%減くらいじゃないでしょうか(かなり適当な推測)?

ということですので、明らかに勝ち残るであろうメーカー(JXエネルギー & 東燃ゼネラル、昭和シェル石油 or 出光興産)は何ひとつ問題ありません。

一方で中途半端なコスモ石油など弱小は、どこかに吸収合併されるか、低位安定を続けるしか道は残されていませんね。

おっと、またネガティブになってきました。マズイ、マズイ。

▼▼▼

最後に「石油元売業界へ就職するのが不安だ」というあなたへ、筆者からひとつアドバイスします。

「就職・転職先の将来性をできるだけ考えないようにすること」

これは就職が決まった後の話です。

入社前は当然、めちゃくちゃよく考えます。

ところが入社してしまったら、もう考えても虚しくなるだけですので、会社の先行きを考えるのはヤメましょう。ビジネスは良い時も悪い時もあるのですから、考えすぎることは精神衛生上、よろしくありません。

メーカー業界の年収ランキングまとめ

他にも年収ランキングを作っていますので、就活・転職のご参考にどうぞ。

参考①:自動車メーカー総合職の年収

参考②:化学素材メーカー総合職の年収

参考③:石油元売業界、個別企業の年収まとめ

  1. JXエネルギーの年収まとめ
  2. 東燃ゼネラル石油の年収まとめ
  3. 出光興産の年収まとめ
  4. コスモ石油の年収まとめ

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『年収ランキングは嘘!?石油業界の年収まとめ【INPEX・JX・出光興産・他】』へのコメント

  1. 名前:就活生 投稿日:2016/08/29(月) 07:29:54 ID:861144424 返信

    のまどサラリーマンさま

    迅速な対応をしていただきましてありがとうございます。

    某石油会社にインターン生として参加しており、総合化学メーカーと比べてどうなのか気になっていたので大変参考にさせていただきます。

    恐縮ですが、素材メーカーにおける外資系日本法人についての情報が中々得られなかったので、年収や将来性などについてご存知でしたら宜しくお願いします。

    • 名前:のまどサラリーマン 投稿日:2016/08/29(月) 21:36:29 ID:b6cb8e531 返信

      お問い合わせありがとうございます!
      外資系メーカーで代表的な企業の年収と待遇まとめです。
      Dowは日系メーカーと比較すると3割くらい高い。
      Dupontは日系メーカーで給料高い会社(旭化成など)と同等、激務じゃないです。
      BASFは日系メーカーと同等か少し低い給与レベル、激務じゃないです。

      韓国・中国・台湾・サウジ系は新卒採用ないかとは思いますが、ヘッドハントされると年収2,000万円からスタート。
      人によっては1億円前後の場合あり。その代わり1年ごとにクビになるリスクを抱えます。

      まとめると化学業界は、外資系でも日本法人は他メーカーの給与水準を見て決める会社が多く、外資も日系もあまり関係ありません。
      デュポンとダウは統合でどうなるか不明。

      管理人

    • 名前:就活生2 投稿日:2016/12/09(金) 14:40:30 ID:0f1c2ddee 返信

      こんにちは。
      油価の下落が激しい昨今ですが、
      政府系の石油会社は今後も安定であるかどうかが気になります。
      どうお考えでしょうか。

      • 名前:のまどサラリーマン 投稿日:2016/12/14(水) 01:38:42 ID:49cfdcb19 返信

        コメントありがとうございます。

        さて、政府系の石油会社についてですが、
        油価によってビジネスの浮き沈みがあるのは、石油会社や化学メーカーであれば仕方のないことです。

        また、政府系の石油会社においては、石油掘削の部分からビジネスに関わっている唯一の日系メーカーであるため、ビジネスモデルがJX・出光興産・他日系とは全く違い、より存在意義の高いポジションにいます。

        簡潔に、政府系と民間の石油会社のビジネスにおける違いをまとめておきます。

        ●政府系:上流(石油探し〜石油掘削〜石油販売)が主体。中東の油田を中心に他オイルメジャーと共同開発。
        ●民間:上流ビジネスを展開できる資金力も技術もノウハウもない。単に石油を買ってきて、ちょっと加工して売る、というだけのモデル。誰でもできる。

        上流の石油開発を中心にしている政府系は確かに、油価が下がれば利益も減ります。ただ、INPEXの足元の業績を見てみると油価が爆安になっているにも関わらず、赤字にはなっていません。中東・油田のコスト競争力がどれだけ凄いのか?INPEXの業績をみるとすぐに分かりますよね。

        ということで結論ですが、油価が本当にクレイジーな価格にならない限り、政府系の石油会社はダメージゼロです。そして仮に油価がクレイジー価格になったら、すべての石油メーカーは潰れます。

        でも、そんなことは起きないように、価格をコントロールするので将来性に問題ありません。

        管理人