出光興産の大卒総合職(文系&理系)って年収高い?低い?一般的な年収ランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。
新卒(学部卒/院卒)〜20歳代・30歳・35歳・40歳・50歳での目安年収と、各役職ごとの目安年収、福利厚生込み年収のまとめとなります。
転職・就活のご参考にどうぞ。
出光興産の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
まずは会社全体の年収を見ていきます(数字は2016年の有価証券報告書より)。
- 平均年収:796万円
- 平均年齢:42.0歳
- 平均勤続年数:20.0年
- 参考|
2015年の平均年収|855万円
2014年の平均年収|858万円
2013年の平均年収|943万円
この平均年収は全従業員のものなので、工場ワーカーなどの数字も含みます。大卒には当てはまりません。そこで大卒・総合職の目安年収を見ていきましょう。
出光興産の大卒・総合職の目安年収
①年齢ごとの年収目安
- 新卒(学卒/院卒)~29歳|~年収550万円(残業代・各種手当て別途)
▼基本給+ボーナスは石油元売りでは中クラス。上位2社には大きく劣る。あとは残業代の多い、少ないで年収が決まる。 - 30歳/担当|年収550万円(残業代・各種手当て別途)
▼同上 - 32歳/係長|年収620万円(残業代・各種手当て別途)
▼32歳前後で等級があがり、このくらいの年収になる。大卒であれば誰でも昇格できる。 - 35歳/係長|年収700万円(残業代・各種手当て別途)
▼係長クラスに昇格後も一定の昇給がある。 - 38-40歳/ぺいぺい管理職|年収1000万円前後
▼同期でも出世に差がでる。最速38歳〜で数年ほど昇進が遅れる場合もあるが、普通にやっていればいずれ昇格する。ただし今後はどうなるか不透明。 - 40-45歳/課長|年収1000-1200万円
▼管理職・中級クラス。部下のいる課長職。ここまで出世できる人は少ない。
- 50歳/部長|年収1200万円~
▼神レベル
②役職ごとの目安年収
- 担当|~年収550万円(残業代・各種手当て別途)
▼新卒~30歳。 - 係長|年収620-800万円(残業代・各種手当て別途)
▼目安年齢32歳前後。年収620万円からスタートし毎年、基本給+7,000~10,000円/月ほど昇格する。40代後半まで上がり続け最終的に年収800万円くらいになる(管理職になれない場合)。 - ぺいぺい管理職|年収1000万円前後
▼最速38歳~。通常は40歳~45歳くらい。同期でも出世に差が出るが、普通にやっていれば問題なく昇格できる(今後はわからないが…)。 - 40-45歳/課長|年収1000-1200万円
▼最速40歳~。通常は45歳前後。ただし昇格は難しい。
- 50歳/部長|年収1200万円~
▼最速45歳。通常は50歳前後。ただし昇格は難しい。
③注意点
【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス5.0ヶ月/年の想定)。業績がよくなれば平均して年収50-100万円は普通に上がる。
【注意②】賞与は「個人の査定・(部課)目標の達成度・会社業績」によって決まる。このうち影響大きいのが会社業績、次に個人の査定。会社の業績が伸びなければボーナスも伸びない。組合員であれば年によって、最低4ヶ月/年~最高6ヶ月/年くらいの差がある。課長以降のボーナスは別の方法で計算。
【注意③】同期入社であれば30代中盤までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。
【注意④】残業代はちゃんと支給されサービス残業は(部署によるが)少ない。ただし、もともと残業の少ない会社であるため残業代での給与上積みは期待しないほうがよい。技術系でプラントエンジニア(機械屋)だけは、定期修理時期になると激務である。
【注意⑤】管理職になると残業代はゼロ。
▼▼▼▼
まとめると、出光興産の年収で特筆すべき点はなし。よくある大手メーカーの年収体系です。ただ、石油業界の年収は下落傾向とはいえ同クラスの大企業より10%ほど高いです。
出光興産の給与制度の特徴と福利厚生
- 独身寮|事業所による、なければ借り上げ社宅
- 社宅|事業所による、なければ借り上げ社宅。また会社都合での転勤は「借り上げ社宅」となり会社から家賃補助がでる
- 世帯手当|約2.5万円/月/子供1人(管理職に上がると打ち切り)
- 住宅補助|
・社宅や独身寮がない事業所のみ借り上げ社宅になる制度。住宅費用がほぼゼロになるように設定される。首都圏であれば約10-15万円/月、地方であれば約7-10万円/月に相当するマンションを会社が用意する。とても手厚い。
・ただし自己都合(会社の人と同じ空間で過ごすのが嫌だ、など)で社宅や寮を出る場合、ほとんど自己負担しなければならない。 - 残業代|
・係長クラスまでは残業代がでる(部署によっては残業時間に上限あり)。
・管理職以降は残業代ゼロ。 - その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当など
- その他の注意事項|
まとめると出光興産の福利厚生は手厚い。「社宅や寮には絶対に入りたくない」と言う人には向かないですが、住居にこだわりのない人には素晴らしい。まとまったお金を貯めることができます。
出光興産の福利厚生こみ年収(残業月30時間とした)
上述したように出光興産の給与には、残業および各種手当がつきます。手当込みの年収にしておいたほうが他企業と比較し易いかと思われますので、目安としてまとめておきます。
※既婚(子なし)・会社が社宅費用を5万円/月負担していると想定・残業月30時間としています。
大企業の平均的な残業時間・月30時間にて計算しております。実際には残業代の多い、少ない、勤務地(首都圏は物価が高いため手当て厚い)、世帯の構成(扶養家族持ちは手当てが厚い)で上下しますので、ご留意ください。
- 新卒(学卒/院卒)~29歳|~年収680万円
- 30歳/担当|年収680万円
- 32歳/係長|年収770万円
- 35歳/係長|年収860万円
- 38-40歳/ぺいぺい管理職|年収1060万円前後
- 40-45歳/課長|年収1060-1260万円
- 50歳/部長|年収1260万円~
まとめると若いうちの高年収は期待できず、管理職に昇格できるかどうかで勝負が決まります。
なぜ出光興産の年収は急降下している?
最初にサラッと流しましたが出光興産の平均年収は近年、急降下しています。
2013年と2016年を比較すると、なんと150万円ものギャップがあります。
これってなぜでしょうか?
- 2016年の平均年収|796万円
- 2015年の平均年収|855万円
- 2014年の平均年収|858万円
- 2013年の平均年収|943万円
それは単に利益が減り、ボーナスが減ったからです。特に2015年4月〜2016年3月のボーナス実績は最低保証額の4ヶ月/年しかなかったものと予測。
ボーナス6ヶ月/年とボーナス4ヶ月/年だった年を比較すると、年収100万円くらいは減って当たり前です(特に基本給が高い40代の現場ワーカー)。
でも、これは仕方のないことです。
原油価格に年収を握られているのは総合商社も同じですし、自動車業界であれば為替に年収を握られています。
何が言いたいかというと「ビジネスをやっていれば、いい時も悪い時もある」ということ。
で、出光興産は当面のところ何も問題ありません。年収も2017年には回復しているでしょう。(今のままじゃ20年後はマズイだろうけど…)
出光興産に転職・就職するあなたへ
まず石油元売業界は、業界自体の将来性に疑問が残ります。
これまでの流れと今後の動向を、ざっくりと図式化して説明しますね。
- ガソリン需要はどんどん減る(▲年2%程度のマイナス成長)
↓ - 供給過剰。製油所が動かずコスト上がる
↓ - 利益が減る。
↓ - M&Aで国内のプレイヤーを減らし、製油所も減らす。リストラは極力しないが、年収を下げて固定費を少しでも下げる。
+
川下へ多角化、グローバル展開強化、
↓ - これまで以上の売上と利益を確保したい!!
ビジネスの大半を占めるガソリン需要が減っているため、仕方ないといえば仕方ないのですが…。売上と利益を維持していくためには、JXエネルギーと東燃ゼネラルが今後、合併するようにプレイヤーを減らしていかないとダメでしょうね。
▼▼▼
この石油元売り業界再編の中で、出光興産の立ち位置は?
というと、
昭和シェルとの合併話があったものの、出光興産の創業者がゴネてペンディング状態。普通の経営者ならすんなりと呑む話なのですが…。オーナー企業は変なところで頑固なので、どうしょうもないですね。
この経営判断が果たして吉と出るか?凶と出るか?
20年ほど、動向を見ないとわかりませんねぇ。。。化学とか石油とかの上流ビジネスは20年後に結果がようやく表れるのです(苦笑)。
ただ、就職・転職する人にとっては他と合併しないほうがいい、というのは言うまでもないことです。
※合併話がなくなった訳ではありません。
石油元売りメーカーの中でどのくらい?
出光興産の年収は石油元売りメーカーの中では「中の上」です。売り上げランキングとほぼ同じ立ち位置。と言っても、石油元売り業界の中だけでは比較対象が少なすぎますね…
メーカー全体に広げてみると、出光興産の年収は「上の下~トップクラス」です。
詳しくは以下のランキングにてご確認ください。
出光興産の社員クチコミ・評判
出光興産の「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。
転職者・就活生の役に立つようなコメントでしたら何でも構いません。事実に基づく批判もウェルカムです。
またデータには万全を期しておりますが、2017年公開時点での情報ですのでご了承ください。
それでは読者様からのご協力お待ちしておりますm(_ _)m