ところで「ご参考」の使い方というか続くフレーズには、
「ご参考くださいますようお願い致します」
「ご参考のほどお願い致します」
「ご参考いただきますようお願い致します」
「ご参考賜りますようお願い致します」
「ご参考いただければ幸いです」
というように主に５つあります。これって何が違うのでしょうか？
「ご参考くださいますようお願い致します」
の意味は「参考にしてくれるようお願い」
※「くれる」の尊敬語が「くださる」
「ご参考のほどお願い致します」
の意味は「参考にしてくれるようお願い」「参考にしてもらうようお願い」
のどちらの意味にも取れる。
「ご参考いただきますようお願い」「ご参考賜りますようお願い」
の意味は「参考にしてもらうようお願い」
※「もらう」の謙譲語が「(お・ご)〜賜る/いただく」
「ご参考いただければ幸いです」
の意味は「参考にしてもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ」
となり「ご参考くださる」なのか「ご参考いただく」なのか「ご参考の程」なのか「ご参考いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。
どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。
もっとも丁寧なのは「ご参考いただければ幸いです」
いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。
強いて言うのであれば「ご参考いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。
これまでと同じようにビジネスメール結び締めとして使います。
かしこまった文章には「ご参考賜りますよう~」
かしこまった文章、カチッとしたビジネスメールに好まれる敬語は「賜る」をつかったフレーズですね。「いただく」も同じく「もらう」の謙譲語ではありますが、「賜る」のほうが堅苦しい表現になります。
- 例文「ご参考賜りますようお願い申し上げます」
- 例文「ご参考賜りますようお願い致します」
のようにしてビジネスメールの結びに使うと丁寧ですね。
ビジネスメールによく使うのは「ご参考の程」
「ご参考いただければ幸いです」「ご参考賜りますよう~」が丁寧なフレーズではありますが…
ビジネスメールでもっともよく使われるのは「ご参考の程お願い申し上げます」「ご参考の程お願い致します」です。
親しい取引先や上司・社内の目上などに対する普段のビジネスメールで、無駄にかしこまった敬語フレーズを使う必要はありません。
「いただく」vs「くださる」の使い分けは難しい
せっかくですので「ご参考いただきますようお願い」「ご参考くださいますようお願い」の違いを考えてみます。
たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう
すると…
「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」
こんな敬語フレーズをよく使います。
実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…
ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。
「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」
もうひとつ、
「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」
上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。
で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。
一般的には「お礼＝いただく」「メール結び締め＝くださる」
結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。
ただし本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。
参考記事
➡︎「〜したい」の敬語とビジネスメールに最適な使い方、例文
➡︎【シーン別】お願い・依頼ビジネスメール文例50選
➡︎【ビジネス】日程調整メールをし、返信でお礼し、日時確定する例文
➡︎ 誤用の多い「させていただく」症候群には「いたします」が効く！
