あとはまとめとして、いろいろ使える「ご覧」の例文を紹介しておきます。
どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。
この記事の目次
依頼・お願いビジネスメール結びに使う”ご覧”
ビジネスにおける「ご覧」のいろいろな使い方
目上や上司・取引先に「見てほしい」とお願い・依頼したいときは…
- 例文「ご覧くださいますようお願い申し上げます」
意味は「見てくれるようお願いします」 - 例文「ご覧いただきますようお願い申し上げます」
意味は「見てもらうようお願いします」 - 例文「ご覧いただければ幸いです」
意味は「見てもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご覧いただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「見てもらいたいと思います」 - 例文「ご覧いただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「見てもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「ご覧いただければ幸いです」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「見てね！よろしく」という意味なのです。
自分が”見る”ときに使える敬語
ビジネスにおける「ご覧」のいろいろな使い方
自分が「見ます！」と言いたいときには…
- 【現在形】拝見します／拝見いたします
- 【過去形】拝見しました／拝見いたしました
- 【進行形】拝見しております／拝見いたしております
- 【希望①】拝見したく思います／拝見いたしたく思います
- 【希望②】拝見したく存じます／拝見いたしたく存じます
などを使います。
決して「ご覧します！」とは言いませんのでご注意を。
「ご覧」は相手の行為につかうのが一般的であり、自分が「ご覧する」とは決して言いません。
また「拝見いたしました」は二重敬語とする意見もありますのであわせてご注意を。
（私はなんら問題ないと思いますけど…）
「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）〜する」＋丁寧語「ます」
「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）〜いたす」＋丁寧語「ます」
「～いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら確認しなければいけないのであれば「（ご）確認いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「（ご）対応いたします」
ここで「（ご）協力いたします」というように（ ）書きにしているのは「協力いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お（ご）～いたします」「お（ご）～します」は自分が「～する」ときにつかいます。
相手に「見てもらう」としたいときには…
「ご覧いただく＝見てもらう」
「ご覧くださる＝見てくれる」
という敬語をつかいます。
断りのビジネスメールに使う”ご覧”
ビジネスにおける「ご覧」のいろいろな使い方
「見ることができません！」と言いたいときには…
- 【例文】拝見いたしかねます
意味は「見ることができません」
- 【例文】拝見しかねます
意味は「見ることができません」 - 【例文】●●のため拝見することが叶いません
意味は「見ることができません」
- 【例文】拝見することが大変困難でございます
意味は「見ることがとても難しいです」
こんな敬語は見たことがないですね…
まったく実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。
無理やりに敬語になおすと例文のようになります。
このようなビジネスシーンでは「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」といった敬語フレーズが一般的ですね。
「〜いたしかねる（兼ねる）」は「～することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
お礼メールに使う”ご覧”
ビジネスにおける「ご覧」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら見てもらったときのお礼ビジネスメールにも使えます。
「見てもらいありがとう！」と言いたいときには…
- 例文「ご覧いただきありがとうございます」
- 例文「ご覧いただきましてありがとうございました」
- 例文「ご覧くださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「見てくれてありがとう！」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「～賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
ほかにも色々ある”ご覧”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご覧いただきたく存じます」
※意味は「見てもらいたいと思います」希望 - 例文「ご覧いただければと存じます」
※意味は「見てもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「ご覧いただければ幸いです」
※意味は「見てもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご覧いただけましたら幸いです」
※意味は「見てもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご覧いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「見てもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご覧いただければ幸甚に存じます」
※意味は「見てもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご覧いただけますか？」
※意味は「見てもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご覧いただけますでしょうか？」
※意味は「見てもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
“お願い申し上げます＝お願い致します”
ところでビジネスシーンでは、
「ご覧くださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「ご覧くださいますようお願いいたします」「ご覧くださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。
また「どうか」という意味の「何卒（なにとぞ）」をつかい、
「ご覧くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
頭の片隅にいれておきましょう。
