「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」意味と使い方・例文

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

なお…

ビジネスシーンで上司・目上・取引先になにかしら受け取ってもらいたいときには「ご査収」「ご笑納」をつかった言い換えもできます。

ご査収(ごさしゅう)はとくに資料などを「受け取ってほしい」ときにつかう敬語。

ご笑納(しょうのう)はお土産などを「つまらないものですが受け取ってほしい」というときにつかいます。

「ご笑納いただければ幸いです」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご笑納ください」の意味と使い方・より丁寧な言い換え敬語

「ご査収の程よろしくお願い致します」意味と使い方・メール例文

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

意味

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」は直訳すると「受け取ってくれるようお願いします」という意味。

ようは「受け取ってほしい」と言いたいわけなのですが…

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

“お受け取りくださいますよう”の意味は「受け取ってくれるよう」

「お受け取りくださいますよう~」の意味は直訳すると「受け取ってくれるように

「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」をつかい、

さらに丁寧語「ます」+「よう(様)」を組み合わせると「お(ご)~くださいますよう」という敬語になります。

「ますよう」ってどんな意味?

“お受け取りくださいますようお願い申し上げます”の「ますよう」ってどんな意味でしょうか?

先ほども示しましたが、

「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お受け取りいただきますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

お願い申し上げます は「お願いする」よりも丁寧な敬語

「お願い申し上げます」の意味は「お願いする

ただし、この上なく丁寧な敬語「お(ご)~申し上げます」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンス。

もととなる単語は「願う」であり、

謙譲語「お(ご)〜申し上げる」を使い「お願い申し上げる」とし、さらに丁寧語「ます」をつかって敬語にしています。

「お願い申し上げます」は「よろしくお願い申し上げます」としてもOK。

さらに「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使い「何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧。

あるいは「お願い致します」に言い換えても丁寧です。

あわせると意味は「受け取ってくれるよう、お願いします」

  1. お受け取り = 受け取ること
  2. お(ご)~くださる = 「〜してくれる」の意味の敬語(尊敬語)
  3. ますよう=丁寧語「ます」+希望「よう(様)」
  4. お願い申し上げます = 「お願いする」よりもかしこまった敬語

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の意味は…

「受け取ってくれるように、お願いします」

のように解釈できます。

ようするに「受け取ってほしい!」「受け取ってください!」というあなたの希望をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「受け取ってくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧にお願いする必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語の解説

念のため「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の敬語について整理しておきます。

  • もとになる単語「受け取る」
  • 「〜してくれる」の尊敬語”お(ご)〜くださる”で「お受け取りくださる
  • 丁寧語”ます”をくっつけて「お受け取りくださります
  • 楽に発音するため「り→い」にして「お受け取りくださいます
  • 希望を表す”よう(様)”で「お受け取りくださいますよう
  • 「お願いする」よりもかしこまった敬語「お願い申し上げます

→すべてあわせると敬語「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」になる

上記のようにして元になる語「受け取る」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分が相手にお受け取りいただく」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がお受け取りくださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

補足

※ 漢字表記「下さいますよう」vs ひらがな表記「くださいますよう」はどちらもOK

※「くださませ → くださませ」への変化を「イ音便」といいます

※ 漢字表記「ます様」vs ひらがな表記「ますよう」はどちらも正しい

【使い方】ビジネスメールの結びetc…

つづいて「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の使い方について。

意味のとおりで何かしら「受け取ってほしい!」「受け取ってください!」と言いたいビジネスシーンに使います。

ただしビジネス会話や電話対応でつかわれることはほとんどなく、ほとんどの場合ビジネスメールで、とくに結び・締め・文末につかいます。

ビジネスメール結び・締め・文末につかう特有のフレーズとお考えください。

※もちろん結びでなくても使えないことはありませんが…

①例文

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」はたとえば、

  • 【例文】どうかお受け取りくださいますようお願い申し上げます
  • 【例文】何卒お受け取りくださいますようお願い申し上げます
  • 【例文】大変恐れ入りますが、どうかお受け取りくださいますようお願い申し上げます

のようにして使います。

ほとんどの場合ビジネスメールで、とくに結び・締め・文末としてつかいますね。

まぁようするに「受け取ってほしい!」「受け取ってください!」という意味なのですが丁寧な敬語にすると、こんな風にややこしい文章になります。

②”お受け取りくださいますようお願い致します”でも丁寧

ところでビジネスシーンでは、

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お願い申し上げます」とおなじ意味の「お願い致します」をつかい、

  • 【例文】お受け取りくださいますようお願い致します

としても丁寧です。

あるいは…

「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい「お受け取りくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

としても丁寧です。

頭の片隅にいれておきましょう。

③”お受け取りください”でもOKだけど…もう少し丁寧に!

ところで…

「お受け取りください」とする人もいます。

「お受け取りください」にかぎらず「お(ご)〜ください」というフレーズは、

「〜してくれ」の尊敬語「お(ご)~くださる」の命令形であるため敬語としてはOK。

ただ、

命令形であるためにシーンによっては強い口調に感じられることがあり、目上・上司などに不快感をあたえる恐れがあります。

(実際には命令形といえども敬語なので決して失礼ということはないのですけど…)

もっと丁寧なフレーズがあるのですからそちらを使うのが無難。

とくに目上や上司・取引先に何かをお願いするときには相手への配慮が必要です。

【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

“お受け取りいただきますよう~”でも丁寧

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の他にもビジネスメール結び・締め・文末によく使う敬語には…

  • 【例文】お受け取りいただきますようお願い申し上げます
    意味は「受け取ってもらうようお願いします」

あるいは可能形「いただける」をつかって

  • 【例文】お受け取りいただけますようお願い致します
    意味は「受け取ってもらえるようお願いします」

としても丁寧です。

もあります。

「受け取ってください!」とストレートに言うのではなく遠回しに自分の意思や気持ちをつたえる、とても丁寧なフレーズですね。

ニュアンスとしては「受け取ってもらえるよう、お願いします」みたいなイメージ。

“お受け取りいただきますようvs.くださいますよう”の意味と違い

「お受け取りいただきますよう」vs「お受け取りくださいますよう」の意味と違い。

どちらも言いたいことは結局のところ「受け取ってほしい」なのですが…

意味と敬語の使い方に違いあり。以下のような違いがあります。

  • 「お受け取りいただきますよう」だと意味は「受け取ってもらうよう」
    → 敬語は謙譲語”お(ご)~いただく”+丁寧語”ます”+希望”よう”
    → 謙譲語「お(ご)~いただく」の意味は「~してもらう」

いっぽうで、

  • 「お受け取りくださいますよう」だと意味は「受け取ってくれるよう」
    → 敬語は尊敬語”お(ご)~くださる”+丁寧語”ます”+希望”よう”
    → 尊敬語「お(ご)~くださる」の意味は「~してくれる」

となります。

「いただきますよう」をつかうと、よりやわらかい表現にはなりますが…

心底どちらでも構いません。

ちなみに。

「お受け取りいただますようお願い致します」は謙譲語「いただく」に可能表現をつけくわえた敬語です。

ということなので「お受け取りいただますよう~」との違いは可能表現をつかうのか、そうでないかという点。

可能の表現をつかうと意味としては「〜してもらえるよう」となります。

おなじような可能の表現にはたとえば、

「泳ぐ → 泳げる」
「書く → 書ける」
「聞く → 聞ける」

などあり。どれも「〜できる」という意味になりますね。

ほんとうに些細なところなので誰も気にはしないでしょうが…

どれも丁寧であり使い分けの必要なし

で、どれが丁寧かという話。

結論としてはここで紹介した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要はありません。

ただよくある使い分けの目安としては…

ビジネスメール結びには「お受け取りくださいますようお願い致します」をつかうことが多く、

お礼には「お受け取りいただき、ありがとうございます」のようにすることが多いですね…

これは年代によって違いますし地域によっても差があるかと。

若い世代は「いただきますよう」を好み、

私のようなおっさんは「くださいますよう」を好む傾向にあり。

ということで心底どれをつかっても差し支えありません。

例文で違いを考える

せっかくですので「お受け取りいただきますようお願い」「お受け取りくださいますようお願い」の違いを例文で示してみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」

「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」

「ご教示くださいますようお願い申し上げます」
「ご教示いただきますようお願い申し上げます」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

ただし本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。

“お受け取りいただけますと幸いです”だとなお丁寧

“受け取ってほしい!”と言いたいときに使える敬語。

他にもビジネスメール結び・締め・文末によく使う敬語には…

「お受け取りいただけますと幸いです」「お受け取りいただけましたら幸いです」などあり。

ビジネスメール結び・締め・文末につかうときにはたとえば、

  • 【例文】お受け取りいただけますと幸いです。宜しくお願い申し上げます。
    →意味は「受け取ってもらえると嬉しいです」
  • 【例文】お受け取りいただけましたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
    →意味は「受け取ってもらえたら嬉しいです」
  • 【例文】お受け取りいただけましたら幸甚に存じます。お願い致します。
    →意味は「受け取ってもらえたら、とても嬉しいです」

のように、あとに「お願いします!」的な文章をつけくわえて使います。

意味と敬語

どれも言いたいことは結局のところ「受け取ってほしい」なのですが…

敬語の使い方に違いあり。

  1. 謙譲語「いただく」を可能形にすると「いただける」という敬語になり、
  2. さらに丁寧語「ます」をくっつけると「いただけます
  3. さらにさらに仮定の「たら・れば」をくっつけると「いただけましたら

というような感じで敬語の使い方が違いますね。

そうすると意味も変わってきます。

「お受け取りいただけますと幸いです」のニュアンスとしては「受け取ってもらえると嬉しいのだけど…」であり、

「お受け取りいただけましたら幸いです」だと「受け取ってもらえたら嬉しいのだけど…」というような感じになります。

※一般的に可能形「~いただける」を使うとよりやわらかいニュアンスの敬語になります。

違い

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」でも遠回しにあなたの希望を伝える敬語なのですが…

「お受け取りいただけますと幸いです」だともっと大げさになります。

「お受け取りいただけましたら幸いです」だと、もっともっと大げさになります。

かな〜り遠回しにお願いをしているわけで、目上・上司・取引先への言葉づかいとしてはこの上なく丁寧ですね。

そんなに丁寧にする必要あるの?って思うくらい。

※あまりに多用しているとバカ丁寧だと思われてしまうため、状況に応じてお使いください。

メール結びでなければ”お受け取りくださいませ”でも丁寧

ここまではとくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかう敬語フレーズを紹介しました。

ところでメール結び・締めではなく、普通に上司や目上に「受け取ってほしい」と言いたいときの敬語としては…

たとえば、

  • 【例文】お受け取りくださいませ
    →意味は「受け取ってください」

で十分に丁寧です。

あるいは、

  • 【例文】お受け取りいただきたく存じます
    →意味は「受け取ってもらいたいと思います」
  • 【例文】お受け取りいただければと存じます
    →意味は「受け取ってもらえたらと思います」
  • 【例文】お受け取りいただきたく、お願い致します
    →意味は「受け取ってもらいたい、お願いします」

としても丁寧です。

ようはどれも「受け取ってほしい!」と言いたいわけですが、敬語の使い方がびみょ〜に違います。目上・上司・取引先への言葉づかいとしてはどれも丁寧です。

“お受け取りください vs くださいませ”の違い

“お受け取りください vs くださいませ”の違い

もともと”お受け取りくださいませ”は「お受け取りください」という命令形。

ただ、

「お受け取りください」だとシーンによっては強い口調に感じられることがあり、目上・上司などに不快感をあたえる恐れがあります。

(実際には敬語なので決して失礼ということはないのですけど…)

そこで、

丁寧語の命令形「ませ」を添えることで、やんわ〜りとした依頼・お願いの敬語フレーズにしています。

敬語の解説

念のため「お受け取りくださいませ」の敬語の成り立ちを整理しておきます。

  • もとになる単語「受け取る」
  • 「〜してくれる」の尊敬語”お(ご)〜くださる”で「お受け取りくださる」
  • 丁寧語”ます”の命令形「ませ」をくっつけて「お受け取りくださりませ」
  • 楽に発音するため「り→い」にして「お受け取りくださいませ」

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

※「くださませ → くださませ」への変化を「イ音便」といいます

このようにして元になる語「受け取る」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ただしメールでは「ご査収・ご笑納」をよく使う

繰り返しにはなりますが…

ビジネスシーンで上司・目上・取引先になにかしら受け取ってもらいたいときには「ご査収」「ご笑納」をつかった言い換えもできます。

というよりも、とくにビジネスメールにおいてはこちらをつかうのが一般的。

  • ご査収(ごさしゅう)はとくに資料などを「受け取ってほしい」ときにつかう敬語
    →「ご査収ください」だと「受け取ってください」という意味になります。
  • ご笑納(しょうのう)はお土産などを「つまらないものですが受け取ってほしい」というときにつかう敬語
    →「ご笑納ください」だと「つまらないものですが受け取ってください」という意味になります。

「ご笑納いただければ幸いです」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご笑納ください」の意味と使い方・より丁寧な言い換え敬語

「ご査収の程よろしくお願い致します」意味と使い方・メール例文

ビジネスメール例文

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」の使い方をビジネスメール例文でご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①郵送物を受け取ってほしい(社内)

メール件名:郵送物お受け取りのお願い

業務部 xxさん (社内上司・目上など)

大変申し訳ありません。

本日、信越化学というメーカーより小職あてにサンプルが到着する予定なのですが、あいにく出張にて出払っており受け取りできそうにありません。

そこでよろしければ代わりにお受け取りいただけますと幸いです。

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
よろしくお願い致します。

——————
メール署名
——————

※「お引き受け」「お引き取り」に言い換えても丁寧です。

ビジネスメール例文②サンプルを受け取ってほしい(社外)

メール件名:サンプル送付のご案内

株式会社ビジネス
営業部 xx課長 (社外取引先)

いつもお世話になっております。
(株)転職・ノマドでございます。

さてご依頼サンプルの件、昨日発送が完了いたしましたので、以下のとおりご案内申し上げます。

①納期:
②商品:
③その他:

今週中にはお届けできるかと存じますので、お受け取りいただきますようお願い致します。

ご不明な点等ございましたらお申し付けください。
どうぞ宜しくお願い致します。

——————
メール署名
——————

※「ご査収=資料などをよく確認して受け取ること」に言い換えても丁寧です。

ビジネスメール例文③見積もりを送付するので受け取ってほしい

メール件名:見積送付の件

転職株式会社
転職 様

平素はお世話になっております。
株式会社就活の就活です。

さて、先ほどお問い合わせ頂きました見積もりの件、
添付ファイルにて送付いたします。

ご査収のほど何卒よろしくお願い致します。

メール署名

このようなビジネスシーンでは「お受け取り」ではなく「ご査収」をつかうのが一般的です。

ビジネスメール例文④報告をするので受け取ってほしい

メール件名:開発進捗のご報告

○○ 課長

お疲れ様です。

さて首記の件、開発の進捗状況を以下にて報告いたします。

ご査収いただきますようお願い致します。

  • 三菱化学むけ開発品A:ラボ試作完了。4月中に実験データを採り、先方へ報告予定。
  • 三井化学むけ開発品B:先方と打ち合わせの結果、スペックの再調整が必要のため、4月中に改良サンプル試作予定。
  • 住友化学むけ開発品C:ラボ試作品の評価良好。実機試作の時期を調整し、サンプリング予定(時期調整中)。

なお実験結果等、仔細に関しましては、次月の開発会議に改めて報告いたします。

よろしくお願い致します。

メール署名

このようなビジネスシーンでは「お受け取り」ではなく「ご査収」をつかうのが一般的です。

会話・電話対応では”お受け取りいただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「お受け取りくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お受け取りいただけますか?
  • 【例文】お受け取りいただけますでしょうか?
  • 【例文】お受け取り願えますでしょうか?

※もちろん「お受け取りください」「お受け取りくださいませ」としても丁寧

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「受け取ってもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

会話シーン例文:xxを受け取ってほしい

  • 【例文】しばらく不在にしておりますので、代わりにお受け取りいただけますか?
  • 【例文】郵便物をお受け取りいただけますでしょうか?
  • 【例文】小職の不在期間中、商品を代わりにお受け取りいただけますでしょうか?

※「すでに受け取ってもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「お受け取りいただけましたか?」「お受け取りいただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

敬語の解説

「お受け取りいただけますか?」「お受け取りいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “受け取る”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お受け取りいただく」
  • 可能形にして「お受け取りいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お受け取りいただけます」
  • 疑問形にして「お受け取りいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お受け取りいただけますでしょうか?」

どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」で構いません。

参考記事

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧?

社内上司や目上・社外取引先に「受け取ってほしい!」「受け取ってください!」と言いたいときにつかえる敬語のまとめ。

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介していないフレーズもふくめて、言い換えの丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お受け取りください
  2. お受け取りくださいませ
  3. お受け取りいただけますか?
  4. お受け取りいただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お受け取りください
  2. お受け取りくださいませ
  3. お受け取りいただけますか
  4. お受け取りいただけますでしょうか
  5. お受け取りいただきたく、お願い致します
  6. お受け取りいただきたく存じます
  7. お受け取りいただければと存じます
  8. お受け取りくださいますようお願い申し上げます
  9. お受け取りいただきますようお願い申し上げます
  10. お受け取りいただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お受け取りくださいませ
  2. お受け取りいただきたく、お願い致します
  3. お受け取りいただきたく存じます
  4. お受け取りいただければと存じます
  5. お受け取りいただきますようお願い申し上げます
  6. お受け取りいただけますようお願い申し上げます
  7. お受け取りくださいますようお願い申し上げます
  8. お受け取りいただけますと幸いです
  9. お受け取りいただければ幸いです
  10. お受け取りいただけましたら幸いです
  11. お受け取りいただけますと幸甚に存じます
  12. お受け取りいただければ幸甚に存じます
  13. お受け取りいただけましたら幸甚でございます
  14. お受け取りいただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」

・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お受け取りいただけますと幸いです
  2. お受け取りいただければ幸いです
  3. お受け取りいただけましたら幸いです
  4. お受け取りいただけますと幸甚に存じます
  5. お受け取りいただければ幸甚に存じます
  6. お受け取りいただけましたら幸甚でございます
  7. お受け取りいただけましたら幸甚に存じます

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

  1. お受け取りいただきますようお願い申し上げます
  2. お受け取りいただけますようお願い申し上げます
  3. お受け取りくださいますようお願い申し上げます

“お受け取りいただく vs お受け取りくださる”の使い方

ややこしいので「お受け取りいただく vs お受け取りくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“お受け取りいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お受け取りいただく お受け取りいただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お受け取りいただいた お受け取りいただきました ×
進行形 お受け取りいただいている お受け取りいただいています -頂いております
過去~現在 お受け取りいただいていた お受け取りいただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お受け取りいただきたい
お受け取りいただきたく
お受け取りいただくよう
お受け取りいただけるよう
お受け取りいただきたいです
×
お受け取りいただきますよう
お受け取りいただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お受け取りいただける お受け取りいただけます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①お受け取りいただいたら
②お受け取りいただければ
①お受け取りいただきましたら
②お受け取りいただけましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①お受け取りいただいたか?
②お受け取りいただけるか?
③お受け取りいただけたか?
お受け取りいただきましたか?
お受け取りいただけますか?
お受け取りいただけましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 お受け取りいただけない お受け取りいただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“お受け取りくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お受け取りくださる お受け取りくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お受け取りくださった お受け取りくださいました ×
進行形 お受け取りくださっている お受け取りくださっています -くださっております
過去~現在 お受け取りくださっていた お受け取りくださっていました -くださっておりました
希 望
お受け取りくださるよう お受け取りくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お受け取りくださるか? お受け取りくださいますか? ×
否 定 お受け取りくださらない お受け取りくださいません ×
命 令 お受け取りください お受け取りくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない