至極(読み:しごく)の意味、
ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
至極(しごく)の意味は…
① この上ないこと、これ以上ないこと
② 極めて
究極に至る(きゅうきょくにいたる)ということですから「本当にこれ以上はない」という表現です。
「至極」の使い方はホントにいろいろあり「この上なく~」「これ以上なく~」と、何かを大げさに表現したいときに使います。
また、
使い方については例文でみたほうが分かりやすいため、代表的な使い方について少し(意味などくわしくは本文にて)
- 例文①部長の実績を考えると昇進は至極当然のことと存じます
- 例文②赤字のテレビ事業撤退は、至極真っ当のご判断かと存じます
- 例文③たいそうなお品をいただき、至極恐縮に存じます
- 例文④たいそうなお品をいただき、至極恐悦に存じます
- 例文⑤身に余るお言葉をいただき、至極光栄に存じます
意味はそれぞれ、
- 「至極当然」とすると…
「この上なくあたり前であること」「この上なくもっともであること」 - 「至極真っ当」とすると…
「この上なくまともであること」 - 「至極恐縮・至極恐悦」とすると…
「これ以上なく恐れて身が縮む思いであること」「これ以上なく申し訳なく思うこと」 - 「至極光栄」とすると…
「これ以上なく光栄に思うこと」
といった意味になります。
「至極」のまえまたは後ろにくる後について、「この上なく~」と強調して使う言葉です。
上記の例文はどれも丁寧な敬語であり、
ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)で使うのにふさわしい敬語フレーズです。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。
至極 の意味と使い方
意味
至極 の意味は冒頭でも解説したとおり
① この上ないこと、これ以上ないこと
② 極めて
究極に至る(きゅうきょくにいたる)ということですから「ガチでこれ以上ない」という表現です。
たとえば、
「総理が辞任するのは至極当然のことと存じます」とすると、
- 総理が辞任するのはこれ以上なくあたり前だと思います
となりますし、
「赤字のテレビ事業撤退は、至極真っ当のご判断かと存じます」とすると、
- 赤字のテレビ事業から撤退するのは、この上なくもっともな判断だと思います
の意味となります。
使い方
至極 の使い方は前後につく語を「これ以上なく~」と強調して使います。「至極」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな言葉を作ることができます。
たとえば以下のような感じ。
- 「当然」を組み合わせると「至極当然」
- 「真っ当」を組み合わせると「至極真っ当」
- 「恐縮」を組み合わせると「至極恐縮」
- 「恐悦」を組み合わせると「至極恐悦」
- 「光栄」を組み合わせると「至極光栄」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
至極の前に単語がきてもよし
例文では「至極恐縮・至極恐悦・至極当然」などと至極のあとに語をもってきましたが、順番を変え、至極のまえにもってくることもできます。
そうするとたとえば、
「恐縮至極・恐悦至極・当然至極・光栄至極」としてもOK。
ただし真っ当だけは「真っ当至極」という使い方はしません。理由はよくわかりませんが、なんか気持ち悪いフレーズになってしまうため?
さてここからは、
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文と使い方を紹介します。
至極当然 の意味と使い方・例文
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
まずは「至極当然」から。
意味
至極(しごく)の意味は…
① この上ないこと、これ以上ないこと
② 極めて
当然(とうぜん)の意味は…
① あたり前であること
② もっともであること
ということで、
上記2つの単語をあわせると「至極当然」の意味は…
- この上なく、あたり前であること
- この上なく、もっともであること
使い方
使い方は、
「至極当然」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極当然です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極当然でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極当然に存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば接続詞「が」「ながら」を使い「至極当然に存じますが~」「至極当然のこととは存じますが」「至極当然のことながら~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、「至極当然のことながら念のため申し上げます」というように、すでに誰でも知っているような情報について「あたり前だと思いますけど~」と文章の前置きに使うことができます。
至極当然 の類語と言い換え
至極当然 の類語と言い換えについて。
ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。
- 当然至極
- 自明
例文「水が0℃で凍るのは自明の理です」
例文「汗をかいたあとのビールが上手いのは自明の理です」 - 明白
例文「総理が辞任するのは明白であります」
例文「これまでの実績を考えると部長が昇進するのは明白であります」 - 明らか
例文「総理が辞任するのは明らかです」
例文「これまでの実績を考えると部長が昇進するのは明らかです」
至極当然は「すごく当然」とは違う
至極当然と「すごく当然」は違う言葉です。
似たようなフレーズではあるのですが…
「至極」は「これ以上ないくらい」という意味であり、
「すごく」は「かなり」という意味。
したがって凄いレベルは「至極」のほうがもっとスゴイわけです。
そもそも、
「至極」というのは「至る・極める」をくみあわせており、もう究極のところまで来ているのですね。だから「これ以上なく」「この上なく」という意味になるのです。
例文
至極当然 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~は至極当然でございます」
「部長が昇進するのは至極当然でございます」
「総理が辞任するのは至極当然でございます」
「新幹線が速いのは至極当然でございます」
「至極当然でございます」 - 例文「~は至極当然のことと存じます」
「イチロー選手の引退は、年齢を考えると至極当然のことと存じます」
「これまでの実績を考えると、わたしの年棒UPは至極当然のことと存じます」
※存じる=思う の謙譲語 - 例文「至極当然のこととは存じますが、」
「至極当然のこととは存じますが、念のため申し上げます」
「至極当然のこととは存じますが、トイレにガムを流さないようにお願いします」
「至極当然のこととは存じますが、節度あるマナーを心がけましょう」 - 例文「至極当然のことながら、」
「至極当然のことながら、念のため申し上げます」
「至極当然のことながら、トイレにガムなどを流さないようお願いします」
「至極当然のことながら、節度あるマナーを心がけましょう」
至極真っ当 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極真っ当」
意味
至極真っ当 の意味は…
① この上なくマトモであること
② この上なくマジメであること
たとえば、
「赤字のテレビ事業撤退は、至極真っ当のご判断かと存じます」とすると、
- 赤字のテレビ事業から撤退するのは、これ以上なくまともな判断だと思います
の意味となり、
「トヨタ自動車は至極真っ当な企業です」とすると、
「トヨタはこれ以上なくマトモ(あるいはマジメ)な企業です」という意味になります。
使い方
「至極真っ当」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極真っ当です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極真っ当でございます」
- 「な」を組み合わせて形容詞にすると「至極真っ当な~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスでは「とてつもなくマトモに思う気持ち」「とてつもなくマトモな○○」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極真っ当 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「至極真っ当な~」
「安部総理は至極真っ当な政治家です」
「至極真っ当な人生を送ろう」
「至極真っ当な結果」
「至極真っ当なビジネス」 - 例文「至極真っ当です・でございます」
「安部総理の再選は至極真っ当でございます」
→ 「至極真っ当」意味と目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文
至極恐縮・恐縮至極 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極恐縮」「恐縮至極」
意味
至極恐縮 の意味…
① この上なく恐れ入ること
② この上なく申し訳ないと思うこと
順序を変えて「恐縮至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご返信のほどお願い申し上げます」とすると、
- 忙しいところこれ以上なく申し訳ないと思うのだけど…メール返信してほしい
の意味となり、
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮です」とすると、
「褒めてもらって、この上なく恐れて身がすくむ思いです」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極恐縮」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極恐縮です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極恐縮でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極恐縮に存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば接続詞「が」を使い「至極恐縮に存じますが~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、
① お願い・依頼
② お礼・感謝
③ お詫び・謝罪
などのシーンで「とてつもなく申し訳なく思う気持ち」「とてつもなく恐れ入る気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極恐縮 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極恐縮でございます」
「お心遣いをいただき至極恐縮でございます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、至極恐縮でございます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐縮でございます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮でございます」 - 例文「~をいただき至極恐縮に存じます・でございます」
「お心遣いをいただき至極恐縮に存じます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、至極恐縮に存じます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐縮に存じます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮に存じます」 - 例文「私事にて至極恐縮に存じます・でございます」
「私事にて至極恐縮に存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご返信いただければ幸いです」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご対応いただければ幸いです」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご連絡くださいますようお願い申し上げます」 - 例文「~のお願いにて至極恐縮に存じますが、」
「差し出がましいお願いにて至極恐縮に存じますが、~」
「ぶしつけなお願いにて至極恐縮に存じますが、~」
至極恐悦・恐悦至極 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極恐悦」「恐悦至極」
意味
至極恐悦 の意味…
① 相手の好意などを、もったいなく思って喜ぶこと
② 非常に喜ぶこと
順序を変えて「恐悦至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「身に余るご評価をいただき、至極恐悦に存じます」とすると、
- 自分の実力以上の評価をしてもらって、とても嬉しく思う
の意味となり、
「ディナーをご一緒させていただき至極恐悦でございます」とすると、
「ディナーを一緒にとることができとても嬉しく思う」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極恐悦」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極恐悦です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極恐悦でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極恐悦に存じます」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、お礼・感謝のシーンで「とてつもなく慎んで喜ぶ気持ち」「とてつもなく嬉しく思う気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極恐悦 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極恐悦でございます」
「お心遣いをいただき至極恐悦でございます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき至極恐悦でございます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐悦でございます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐悦でございます」 - 例文「~をいただき至極恐悦に存じます」
「お心遣いをいただき至極恐悦に存じます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき至極恐悦に存じます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐悦に存じます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐悦に存じます」
至極光栄 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極光栄」「光栄至極」
意味
至極光栄 の意味は…
この上なく光栄であること
順序を変えて「光栄至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「身に余るご評価をいただき、至極光栄に存じます」とすると、
- 自分の実力以上の評価をしてもらって、とても光栄に思う
の意味となり、
「ディナーをご一緒させていただき至極光栄でございます」とすると、
「ディナーを一緒にとることができこの上なく光栄に思う」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極光栄」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極光栄です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極光栄でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極光栄に存じます」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、お礼・感謝のシーンで「とてつもなく光栄に思う気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極光栄 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極光栄でございます」
「このたびはノーベル賞をいただき至極光栄でございます」 - 例文「~をいただき至極光栄に存じます」
「このたびはノーベル賞をいただき至極光栄に存じます」 - 例文「~でき至極光栄に存じます・でございます」
「総理にお会いすることができ、至極光栄に存じます」
「総理にお目にかかれて至極光栄でございます」
→ 「至極光栄」意味と目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文