転職理由を本音でかたる間違い – 面接で好・悪印象となる例文60選

あなたはなぜ転職するのですか?

と面接で聞かれたとき。

転職する理由を本音で答えてしまうことの問題点と、
好印象・悪印象となる例文を紹介する記事。

まずは基本として、

転職する理由を聞かれたときに本音で答えてしまうと現職のグチ大会になってしまい、
面接官に不快な印象をあたえるリスクあり。

この点を十分に気をつけて、
転職理由の本音をうま~くポジティブに変えて面接突破するための、とっておきの例文を紹介していきます。

つづいて重要な基本事項のおさらい。

転職の理由を聞くのはなぜ?

そもそも面接官が転職の理由を聞くのってなぜでしょうか?

その理由はたった一つだけ。

  • あなたはどんな人ですか?

これを面接官が見極めるための質問です。

面接官はムダな質問をしません。

どんな質問であろうと結局のところ、

  • あなたがどういう人なのか?
  • 一緒に働きたくなるような人材なのか?
  • その会社で活躍してくれそうか?

という点をみています。

したがって面接官が「この人となら一緒に働けそうだ・この人なら当社で活躍してくれそうだ」となるように納得する回答をすべきなのです。

今いる会社のことを本音でdisるような人と、ウソでもいいから前向きに転職を検討している人、どちらと一緒に働きたいですか?

ということなのですがもちろん後者であるはず。

転職の採用面接は就活と違い、人事部に決定権はありません。あくまでもその人材を欲している部署・課・事業部の決定権がもっとも強いのです。
「面接官 = 将来の仕事パートナー」であるため、一緒に働きたいと思われない人は確実に落ちます。

転職理由は本音で語りすぎてもダメ

よく転職サイトでは
「転職理由にはウソをつく必要はない、本音で語ること」と書かれています。

これはこれでホントに素晴らしい心がけなのですが…

実は本音すぎることもまた問題です。
なので、わたしは必ずしも本音で語ることをオススメしません。

たとえば以下のような本音の転職理由って、どう思われますか?

あなたが面接官になったつもりで考えましょう。

  • NG例文①人間関係トラブルからです!
  • NG例文②職場環境が最悪だからです!
  • NG例文③上司とケンカしたからです!
  • NG例文④上司がクソみたいなヤツだからです!
  • NG例文⑤不倫してしまい会社にいづらくなったためです!
  • NG例文⑥残業時間が長すぎてツライからです…
  • NG例文⑦給料が安すぎてモチベーションを保てなくなりました…

いかがでしょうか?

わたしが面接官であれば、このような転職理由を挙げるひとは採用しません。だって一緒に働きたいと思わないですからねぇ。

転職の採用面接は就活と違い、人事部に決定権はありません。あくまでもその人材を欲している部署・課・事業部の決定権がもっとも強いのです。
「面接官 = 将来の仕事パートナー」であるため、一緒に働きたいと思われない人は確実に落ちます。

転職理由を本音で語りすぎることの問題点3つ

先ほどのNG例文のような転職理由は、
たとえあなたの本音であったとしても好まれるものではありません。

転職理由を本音で語りすぎることの問題点はざっくり以下3つあります。
地雷を避けるべく十分に気をつけましょう。

①ネガティブすぎる転職理由になってしまう

転職理由に本音を語ると、
どうしても現職の文句ばかりになるリスクがあります。

NG例文のようなネガティブすぎる転職理由は、あなた自身をネガティブな印象に変えてしまいます。

結果として面接官の印象が悪くなるでしょう。

②自分勝手だと思われてしまう

転職理由に本音を語ると、
「自分勝手でわがままなヤツ」という印象になってしまうリスクがあります。

日本人は自己中心的であったり、お金の話ばかりする人を極端に嫌います。

「上司とケンカしたから」「上司がクソみたいなヤツだから…」「人間関係でトラブルが…」というのはどの会社でもある話。

このような転職理由では、「わがままな人物」「転職しても人間関係トラブルをおこすリスクのある人物」だと思われてしまいます。

③現職のグチ大会になって面接官を不快にしてしまう

理由を挙げるときはなにごとも具体性と定量性が必要です。

転職する理由を本音で語ると、どうしても感情的になってあなたのグチ大会となってしまい、面接官を不快にさせるリスクあり。

「職場環境が悪い」のであれば何がどう悪いのか?どう変えたいのか?

「人間関係トラブル」であればどんなトラブルなのか?どう変えたいのか?

「残業時間が長い」のであればどれくらい長時間労働だったのか?どう変えたいのか?

というように、より具体的に落とし込みます。

感情論の本音ではなく誰にでもわかるよう、ロジカルに語るようにしましょう。

転職の理由は本音をポジティブに言い換える!

前置きが長くなりましたが…
結局どうしたらいいのか?というと…

「転職の理由は本音をベースにして、ポジティブに言い換えする」

ようにします。

ゼロをイチにするのではなく、イチを100にしていく作業ですね。

これはウソをつけと言っているのではなく転職活動の常套手段。
自分の経験をベースにどんどんポジティブな方向に持っていくのです。

たとえば「職場環境が最悪だから」という理由であれば、

「現職において自身の成長の限界を感じ、新たなチャレンジがしたいからです」

などとすればよりポジティブな理由となります。

「職場環境が最悪=自身の成長の限界」と言い換え、
「環境を変えたい=あらたなチャレンジがしたい」というようにすり替えると、とても素晴らしい転職理由となります。

ポジティブに言い換えれない「人間関係トラブル・給料・長時間労働」は使わない

よくある転職理由に「人間関係トラブル」「給料が安い」「長時間労働・残業時間」があります。

わたしはこれらを転職理由にするのはオススメしません。

理由はおおきく以下2つ。

  1. どうしてもポジティブに言い換えられない
  2. 面接官にちょっとしたトラブルですぐ辞めちゃう人だ、と思われてしまう

とくに上司や同僚・部下とのトラブルなど、どうしてもポジティブな理由にならない転職理由はぜったいにヤメておきましょう。

そういうときにはムリをせずに、違う転職理由を探すのがベター。
(本末転倒ではありますが…)

それでは具体的に、
どんな転職理由が好まれるか?考えうる限りを例文で紹介しておきます。

あなたの本音にもっとも近いものを選択し面接で語りましょう。

【例文】面接で好印象な転職理由30選

例文①自己成長・チャレンジ・スキルアップ

面接で好印象となる転職理由の例文。

まずは「自己成長・チャレンジ・スキルアップ」をベースに語る場合の例文。もっともオーソドックスであり、おすすめできる転職理由ですね。

  1. 現職にまったく不満はありませんが、今回のような挑戦の機会に恵まれたためです
  2. あらたな挑戦の機会を探すためです
  3. 現職での自己成長に限界を感じ、よりよい成長を実現するためです
  4. キャリアアップを実現するためです
  5. より責任の大きい仕事を探しているからです
  6. 自身の可能性をより広げるためです
  7. スキルアップしたいからです
  8. 現企業では志望した職種とまったくかけ離れた配属となり、もともと望んでいたxxという職種にチャレンジしたいからです
  9. 自身のxxという能力を最大限に活かせる仕事につきたいからです

※それぞれの転職理由にたいする想定質問と対策は必須。

例文②結婚・介護・出産など家族の都合

面接で好印象となる転職理由の例文。

つづいて女性に多い「結婚・介護・出産・子供など家族の都合」をベースに語る場合の例文。これらは転職するときの正当な理由になります。

  1. 結婚にともなう転居のためです
  2. 父(母)の介護が必要になったためです
  3. 家族の○○という都合によるためです
  4. 大学にもどって学業に励むためです
  5. 妻(主人)の転勤に伴う転居のためです
  6. 出産、子育てにより退職したためです
  7. 子育てがひと段落し、仕事復帰したいからです
  8. 産休を理由に派遣に格下げとなってしまい、フルタイムの仕事を探しているからです
  9. 産休を理由に給与カットが行われたため、よりよい処遇を得られる仕事を探しています

※それぞれの転職理由にたいする想定質問と対策は必須。

例文③会社の都合

面接で好印象となる転職理由の例文。

つづいて「今いる会社の都合」をベースに語る場合の例文。これらも転職するときの正当な理由になります。

  1. 会社の事業縮小によるためです
  2. 会社の事業再構築による配置転換が理由です
  3. 会社の事業撤退による配置転換が理由です
  4. 現職を早期退職したためです
  5. 企業合併による事業整理のためです
  6. 現職の顧客を軽視して自社の利益を重視するやり方に疑問を感じたためです。具体的には…
  7. 現企業のコンプライアンスに反するビジネスのやり方に疑問を感じたためです。具体的には…

※それぞれの転職理由にたいする想定質問と対策は必須。

例文④場合によっては使える「長時間労働・長時間残業の回避」

面接で好印象となる転職理由の例文。

つづいて「長時間労働や残業時間」をベースに語る場合の例文。日本人はあいかわらず長時間労働を美徳とする文化があり、あまり好ましい理由ではありませんが…

転職先の仕事でどうしても長時間労働したくないときは、以下の転職理由を使いましょう。

転職理由はグチ大会ではありません。
感情的にならず、
あなたがどれほどクレイジーな状況であるかを分かるよう定量的に語ります。

  1. 家庭の負担増にともない、よりよいワークライフバランスを求めているからです
  2. 介護による家庭の負担増にともない、フレックスタイムの職種を探しているからです
  3. 現職の違法残業が常態化していることに疑問をもち、よりよいワークライフバランスを実現するためです
  4. 土日祝も出社を強制する職場環境に疑問をもち、よりよい環境を求めているからです
  5. 深夜残業の常態化に疑問をもち、ワークライフバランスの充実を実現するためです
  6. 月200時間もの残業を強制する会社の風土に疑問を感じたためです
長時間労働を良しと考える企業の面接では落ちる可能性がたかいですが、落ちたとしても気にする必要はありません。
逆に「落ちてラッキー」くらいに考えましょう。

これはダメ!面接でNGとなる転職理由30選

つづいて使ってはいけない転職理由。

たとえ本音であったとしても面接官からの印象が悪くなります。

×自分が無能だとわかってしまう転職理由

転職の面接はあなたをアピールする場です。
あなたにとって不利になるような情報は、あえてクチにする必要はありません。

  1. リストラされそうなので、新たな仕事を探しています
    ・リストラされそうなくらい使えない人材との印象を与えてしまう
  2. 懲戒免職になったからです
    ・犯罪者を雇いたい企業はありません
  3. ある失敗が原因で上司にツメられているからです
    ・失敗する人材を雇いたい企業はありません
  4. あるプロジェクトで大失態を犯し、居場所がなくなったからです
  5. 現在の仕事があまりに難しいからです
  6. 現職で昇進できなかったためです
  7. 現職において正当な人事評価を得られなかったためです
  8. ママに「転職しなさい」って言われたんです~

×根拠のない企業の悪口を転職理由にする

転職理由は現企業の悪くち大会ではありません。

明確に現企業のココが問題!!と具体性をもって語れるのであればいいのですが、根拠のない批判は面接官に「頭の悪い転職者」との印象をあたえてしまいます。

  1. 現企業が最悪のブラック企業だからです
    ・転職理由はあなたのグチ大会ではありません。
    ・せめて何がブラックなのか?どう変えたいのか?を明確に語りましょう
  2. 会社のせいで現職に不満があるるからです
    ・せめて何が悪いのか?どう変えたいのか?を明確に語りましょう
  3. 会社が合わなかったからです
  4. 仕事が合わなかったからです
  5. 今の会社がすべて悪いです
  6. 社風が最悪だからです
  7. 組織が最悪だからです

×人間関係や上司とのトラブルを転職理由にする

繰り返しにはなりますが、
人間関係のトラブル・上司とのトラブルを転職理由にするのは止めておきましょう。

面接官から「ちょっとしたトラブルですぐに辞めてしまう人材」と思われるリスクがあるためです。ウソでもいいので、もっとマトモな転職理由にしましょう。

  1. 人間関係のトラブルが原因です
    ・どんな企業にも人間関係のトラブルはつきものであり「ちょっとしたトラブルで辞めてしまう人材」との印象を与えてしまいます
    ・あえて転職理由にするほどのことではなく、ウソでもいいのでもっとマシな転職理由を考えましょう。
    ・あるいはもっと具体的にどんな人間関係トラブルなのか?どう変えたいのか?ハッキリと語りましょう。
  2. 上司と合わないからです
    ・人間関係のトラブル と同じ理由で却下。どんな企業にも上司とのトラブルはつきものであり「ちょっとしたことで辞めてしまう人材」との印象を与えてしまいます
    ・ウソでもいいので違う理由にしましょう。
  3. 上司からのパワハラが原因です
  4. 上司からのセクハラが原因です
  5. 口うるさい上司が嫌いだからです
  6. 上司がアホだからです
  7. マネージャーが使えないからです
  8. 経営層が使えないからです

×前向きじゃない転職理由

前向きじゃない転職理由を使うと、あなたの印象も「ネガティブな人」になってしまいます。

なにかしら不満があるから転職するのでしょうが、
ネガティブすぎる転職理由からは何も生まれません。

精神論になってしまいますが、なんとかポジティブな感情にもっていきましょう。

  1. キツイ営業ノルマに嫌気が差しました
  2. 退屈な現職に飽きたからです
  3. 現職が嫌いだからです
  4. 病気によって今の職場で働けなくなったからです
  5. 給料が安いからです
  6. 勤務地が田舎すぎて耐えられません

×具体性のない、はっきりしない転職理由

具体性のない、ハッキリしない転職理由は論外でNG。
なぜなら、転職する理由がないのと同じことだから。

面接官にとっては「なんとな~く転職します!」といっているように聞こえます。そういうテキトーで頭の悪そうな人は採用されません。

企業が求めているのは「マジメに仕事をする人」です。
肝に銘じておきましょう。

  1. 20代のウチに転職しておきたいからです
  2. いえ、なんとな〜くですね

転職する理由は志望動機との矛盾がないこと

転職する理由は志望動機とリンクしていることが理想的。

というより、
転職する理由と志望動機に矛盾のないことを心がけましょう。

極端な例えですが、
「転職理由:あらたな挑戦の機会を探すためです」
「志望動機:現在の職務の延長であり、自身の経験が活かせます」だと矛盾が生じます。

となると面接官にかならず、
「挑戦を求めてるのに、現在の職務の延長で転職先をさがすってどういうこと?」

と突っ込まれることでしょう。

これに対して論理的に返答ができればいいのですが、すくなくとも私には思いつきません。

そこで、

「転職理由:あらたな挑戦の機会を探すためです」
「志望動機:現職よりもチャレンジングな環境だからです」

というように矛盾のないようにしましょう。

よく転職サイトに「転職理由は志望動機とリンクさせる」と書かれていますが…
必ずしもリンクしている必要はなく、矛盾やロジック破綻のないようにしておけばよいのです。

とはいえ転職する理由は人それぞれ

好印象と悪印象となる転職理由の例文を思いつくかぎり語ってみましたが…

NG例文に示したようなことに注意しておけば大丈夫。

変に固くなって思ってもいないような転職理由をあげるよりも、あなたの考えをしっかりと語るほうがいいのかもしれません。

転職する理由はひとそれぞれ、いろいろとあるかと思いますので。
わたしの例文にとらわれず柔軟な発想で考えましょう。