エンジニアリングとはなにか?
ITエンジニアリング・プラントエンジニアリングなど、
いろいろあるエンジニアリングの意味と仕事内容について、種類ごとにわかりやすく解説する記事。
エンジニアリングとひと言にしても、その分野はたくさんあります。
- プラント エンジニアリング
英:Plant engineering - ITエンジニアリング
英:IT engineering - 機械エンジニアリング
英:Mechanical engineering - レコーディング エンジニアリング(音楽)
英:Recording engineering - 化学エンジニアリング
英:Chemical Engineering - 電子電気エンジニアリング
英:Electrical engineering - シビル エンジニアリング
英:Civil engineering
パッと思いつくだけでもこれくらい…
そこで、ひとつひとつエンジニアリングの種類についてわかりやすく解説していきます。
そもそもエンジニアリングとは何か?
エンジニアリング(英:Engineering)とは「工学」という意味。
なにかしらの工学や技術をあらわす言葉。
たとえばプラントエンジニアリングといえば「プラント工学」のことを指し、
機械エンジニアリングといえば「機械工学」のことを指す。
また、その分野における職種はエンジニア(英:Engineer)という。
営業のことを「セールス(Sales)」といったりするのと同じで、
ホントは日本語を使えばいいのになぜか横文字にする文化によって、工学よりも「エンジニアリング」を使う。
とくに合コンなど女性の前で「ITエンジニア」「ケミカルエンジニア」「プラントエンジニア」という表現をつかうと、なんとな~くスゴそうに聞こえるためオススメである。
エンジニアリングの種類と意味
エンジニアリングの種類と意味について、わかりやすく解説していきます。
プラント エンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について解説。
プラント エンジニアリング(英:Plant engineering)とは、
プラントの設計・分析・製造・デザインをする学問や技術、スキルのこと。
日本語になおすとプラント工学であり、
そのような仕事をするひとはプラントエンジニアということになる。
また、
プラントエンジニアリングをつかって巨大なプラント(工場)をつくる会社のことを、
「プラントエンジニアリング会社」という。
日揮・千代田化工建設などが独立系の大手プラントエンジニアリング会社。
プラントエンジニアリングをつかって何ができるか?
たとえを以下に示す。
- 巨大な石油精製プラント(工場)をつくる
- 巨大な化学プラント(工場)をつくる
※ 機械エンジニアリングとプラントエンジニアリングの違いは、どの分野のエンジニアリングか?というだけ。プラントをつくる=プラントエンジニアリング、機械をつくる=機械エンジニアリング
ITエンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について。
ITエンジニアリング(英:Information Technology Engineering)とは、
ITシステムを設計・分析・構築・デザインする学問(工学)や技術のこと。
ITといってもプログラミングなどのソフトウェア、パソコンなどのハードウェア、SE職などのコーディネーター、SIer(システムインテグレーター)などいろいろあり分野が幅広い。
日本語になおすと「通信技術工学」であり、
そのような仕事をするひとはすべてITエンジニアということになる。
また、
ITエンジニアリングをつかって何かを生み出す会社のことを「IT企業」という。
IBM・マイクロソフト・NTTデータ・NEC・富士通などが大手IT企業。
ITエンジニアリングをつかって何ができるか?
ざっくりとした分野を以下にまとめる。
- システムエンジニアリング
・システムを設計~製造~テストする学問やスキルのこと - データベース エンジニアリング
・データをどんな形式で扱いどのように格納するのかといったデータベース設計、データベースの運用や保守にかんする学問や技術 - プログラミング
・システムやアプリケーションの設計に基づいて形にする学問や技術 - web エンジニアリング
・webを利用したシステムを設計構築する学問やスキルのこと - エンベデッド エンジニアリング
・機器に組み込まれているコンピュータを構築する学問、技術、スキルのこと。機器に組み込まれているコンピュータはいわゆるマイコンと呼ばれる電子部品で、家電製品や自動車、飛行機やロケットなどあらゆるところで使われる。
※ ITエンジニアリングと他のエンジニアリングの違いは、どの分野のエンジニアリングか?ということ。IT分野であればたいていITエンジニアリングと呼ぶ。
【参考】【2017年】IT企業・業界の世界ランキング売上TOP15
機械エンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について。
機械エンジニアリング(英:Mechanical Engineering)とは、
機械の設計・分析・製造・デザインをする学問や技術、スキルのこと。
機械とひと言にしても、自動車や飛行機のエンジンからタンカーやロケットまで大小たくさんある。
日本語になおすと「機械工学」であり、
そのような仕事をするひとはすべて機械エンジニアということになる。
重工業・鉄鋼・金属・化学・自動車・電機電子といった分野でモノを作るメーカーであれば、
かならず何かしらの機械エンジニアリング部門をもっている。
電機電子分野であればまちがいなく「機械エンジニアリング」とよばれる。
なお、会社によって名称はマチマチである。
機械エンジニアリングをつかって何ができるか?
ざっくりとした分野を以下にまとめる。
- ロボット エンジニアリング
・最近流行りのロボット工学。ロボットをデザイン、設計、製造、分析する学問やスキルのこと - 航空工学、自動車工学、船舶工学、宇宙工学、鉄道
・それぞれの分野における設計、製造、分析、デザインする学問やスキルのこと - 熱力学、機械力学、流体力学、材料力学
- 機構学、制御工学、経営工学、材料工学(金属学)
レコーディング エンジニアリング(音楽)とは何か?
エンジニアリングの種類と意味について。
レコーディング エンジニアリングまたはオーディオ エンジニアリング(英:Audio Engineering)とは、
音楽とくに音響の分野にかんする学問や技術、スキルのこと。
日本語になおすと「音響工学」であり、
そのような仕事をするひとはすべてオーディオ エンジニアということになる。
(ぐたいてきには放送局や音楽イベントのウラで音響をいじる仕事をしてるひとのこと)
レコーディング エンジニアリングをつかって何ができるか?
ざっくりとした分野を以下にまとめる。
- レコーディング
・録音状態やテイクの確認などを行いながらセッションを進行させ音源を完成させる。 - ミキシング
・ミキシングの仕事内容は、マルチトラック・レコーダーなどへ既に収録されている歌や演奏の楽器バランスにかんする音量調整 - マスタリング
・収録される媒体がシングルCDおよびアルバムCDなどのとき、曲数に応じた曲毎の音質や聴感レベルなどの調整を行う
化学エンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について解説。
化学エンジニアリングまたはケミカル エンジニアリング(英:Chemical Engineering)とは、
プラントの設計・分析・製造・デザインをする学問や技術、スキルのこと。
プラントエンジニアリングとおなじ意味であるため省略するが、
大手化学メーカーであれば子会社にかならずプラント エンジニアリング部門をもつ。
その目的は…
- プラントを自社で保守・点検するため
(定期修理・定期補修など) - 設備トラブルの初期対応
- 設備投資の窓口
(プラントエンジ会社 ⇔ 現場の間にはいる)
【参考】3分でわかる化学業界。今後の動向と将来性まとめ【2017年版】
電気電子エンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について解説。
電気電子エンジニアリング(英:Electrical Engineering)とは、
エレクトロニクスや電気まわりの設計・分析・製造・デザインをする学問や技術、スキルのこと。
日本語になおすと「電気電子工学」であり、
そのような仕事をするひとはすべて電気電子エンジニアということになる。
この分野でモノを作るメーカーであれば、
かならず何かしらの電気電子エンジニアリング部門をもっている。
たとえば、
パナソニック、ソニー、シャープ、日立製作所、東芝、電力会社などの企業がある。
電気電子エンジニアリングをつかって何ができるか?
ざっくりとした分野を以下にまとめる。
- 電力エンジニアリング
・電力の製造、変圧、移送にかんする学問や技術のこと - コントロールエンジニアリング
・それぞれの専門分野において、モノのシステムを制御する学問や技術のこと - 電子エンジニアリング
・それぞれの専門分野において、モノのシステムを制御する学問や技術のこと
- マイクロ電子エンジニアリング
- その他
・シグナルプロセス エンジニアリング、情報通信エンジニアリング、コンピュータエンジニアリングほか多数
シビル エンジニアリングとは何か?
エンジニアリングの種類と意味について解説。
シビル エンジニアリング(英:Civil Engineering)とは、
土木建築や公共物まわりのデザイン・建設をする学問や技術、スキルのこと。
たとえばビル・家・ダム・道路・橋の建設につかう技術やデザインがある。
日本語になおすと「建築工学」であり、
そのような仕事をするひとはすべてシビルエンジニアということになる。
ゼネコンやハウスメーカーであれば
かならず何かしらのシビル子エンジニアリング部門をもっている。
たとえば、
鹿島建設、大成建設、積水ハウス、旭化成ホームズなどの企業がある。
シビルエンジニアリングをつかって何ができるか?
ざっくりとした分野を以下にまとめる。
- 建築エンジニアリング
・建築物を設計して完成するまでに必要な技術や学問のこと - 地震エンジニアリング
・耐震構造などに関する学問や技術のこと - 環境エンジニアリング
・水質汚染、大気汚染など公害分野において環境改善をもくろむ学問や技術のこと
- 材料科学エンジニアリング
・建築につかう材料工学のこと。セメント・コンクリやほか材料のサイエンス領域 - その他
・構造エンジニアリング、分析エンジニアリング、調査エンジニアイング、デザイン工学ほか多数
【参考】3分でわかる建設業界。現状と課題、今後の動向まとめ【2017年版】
まとめ
横文字になっているためわかりにくい「エンジニアリング」。
つまるところは理系の「工学分野」なのですね。
ここまで見てきたように何をやるのか、
その分野によって「○○エンジニアリング」というようになります。
IT分野であればITエンジニアリング。
プラント分野であればプラントエンジニアリング。
機械分野であれば機械エンジニアリング。
土木建設であればシビルエンジニアリング。
といった具合。
そして、それぞれの学問はさらにこまか~く種類がわかれます。
専門分野というのはつきつめていくと、どこまででも追求できてしまう。
したがって世の中にはどんどんエンジニアリングが増えていくばかりですね…。