敬語「ご一考」の意味とビジネスにおける全使い方

「ご一考」の意味と敬語の種類、ビジネスに最適な使い方のすべてについて。

① 依頼「一度考えてみてください」は敬語でなんて言う?

② お礼「一度考えてみてくれてありがとう」を丁寧な敬語にすると?

③ 断り「お断りします!一考できません」と言いたいのだけど…

④ 催促「一度考えてみてくれた?」を丁寧な敬語にすると?

⑤ 自分の行為「一考します!」の敬語は?

⑥ 禁止「一度考えてみてはダメです!」と言いたいときは?

⑦ 希望・意思「一考したい!」ときの丁寧な敬語は?

⑧ 許可をえる or だすときの丁寧な敬語は?

メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職にはどんな敬語が好ましい?

…などなど。

ここでは敬語「ご一考」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。

この記事の目次

“ご一考”の意味と敬語の種類

まずは「ご一考」のそもそもの意味と敬語の種類について。

“一考”の意味は「一度考えてみること」

一考(いっこう)の意味は・・・

「一度考えてみること」

【例文】一考の価値もないプロジェクト

【例文】生命保険への加入を一考する

ちなみに敬語は「一考」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご一考」となります。

「自分がご一考する」あるいは相手に「ご一考いただく」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご一考くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

敬語”お(ご)”の使い方

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 忘年会開催のお知らせ
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お知らせ・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

“一考”の敬語①謙譲語

謙譲語の「お(ご)」は尊敬語の「お(ご)」と勘違いしやすい敬語です。

そこで「一考」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

  1. ご一考する
    ご一考します
    ※意味は(自分が)一考する
  2. 一考いたす
    一考いたします
    ※意味は(自分が)一考する
  3. ご一考いたす
    ご一考いたします
    ※意味は(自分が)一考する
  4. ご一考申し上げる
    ご一考申し上げます
    ※意味は(自分が)一考する
  5. ご一考いただく
    ご一考いただきます
    ※意味は(自分が相手に)一度考えてみてもらう
  6. 一度考えてみていただく
    一度考えてみていただきます
    ※意味は(自分が相手に)一度考えてみてもらう
  7. 一考させていただく
    一考させていただきます
    ※意味は(自分が)一考させてもらう
  8. ご一考させていただく
    ご一考させていただきます
    ※意味は(自分が)一考させてもらう

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“一考”の敬語②尊敬語

つづいて「一考」とのセットで尊敬語となる形をまとめておきます。

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

  1. ご一考だ
    ご一考です
    ※意味は(目上なり上司が)一度考えてみる
  2. ご一考になる
    ご一考になります
    ※意味は(目上なり上司が)一考する
  3. 一考される
    一考されます
    ※意味は(目上なり上司が)一考する
  4. 一考なさる
    一考なさいます
    ※意味は(目上なり上司が)一考する
  5. ご一考なさる
    ご一考なさいます
    ※意味は(目上なり上司が)一考する
  6. ご一考くださる
    ご一考くださいます
    ※意味は(目上なり上司が)一度考えてみてくれる

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

“一考”の敬語③丁寧語

つづいて「一考」の丁寧語について。

③そもそも丁寧語とは…

敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。

  • 一考します
    ※意味は(自分が)一度考えてみる

以上で基本事項のおさらいは終わり。

あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。

依頼「一度考えてみてください」は敬語でなんて言う?

まずは依頼・お願いの敬語フレーズ。

目上や上司・取引先に「一度考えてみてください」「一度考えてみてほしい」と言いたいときに使える例文をご紹介。

これだけでもかなりのボリュームになるのですが…

『ご一考ください』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考ください」

意味は『一度考えてみてください』

「一度考えてみて」というフレーズを尊敬語「ご一考」に言い換えているため丁寧レベルとしては「一度考えてみてください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは以降の例文をつかいましょう。

ちなみに”ご一考ください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「一考」に尊敬語”お(ご)”で「ご一考
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご一考くださる
  • さらに命令形にして”ご一考ください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「一考する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

『ご一考くださいませ』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考くださいませ」

意味は『一度考えてみてください』

尊敬語「ご一考くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「一度考えてみてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

『ご一考いただければと存じます』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考いただければと存じます」

意味は『一度考えてみてもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

『ご一考いただきたく存じます』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考いただきたく存じます」
    意味は『一度考えてみてもらいたいと思います』

あるいはシンプルに、

  • 例文「ご一考いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご一考をお願い致します」

としても丁寧です。

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

『ご一考いただければ幸いです』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考いただければ幸いです」

意味は『一度考えてみてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『一度考えてみてもらえたら嬉しいです』

ようするに「一度考えてみてほしい!」「一度考えてみてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「一度考えてみてもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「ご一考いただけますと幸いです」
  • 例文「ご一考いただけましたら幸いです」
  • 例文「ご一考いただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご一考いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご一考いただければ幸甚に存じます」
  • 例文「ご一考いただけますと幸いです」
  • 例文「ご一考いただけますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

『ご一考くださいますようお願い申し上げます』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご一考くださいますようお願い致します」

意味は『一度考えてみてくれるようお願いします』

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

ようするに「一度考えてみてほしい!」「一度考えてみてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「一度考えてみてくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「ご一考くださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

『ご一考いただきますよう・賜りますよう〜』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただきますようお願い申し上げます
  • 【例文】ご一考賜りますようお願い申し上げます
    → 意味は『一度考えてみてもらうようお願いします』

あるいは可能形「いただける」をつかい、

  • 【例文】ご一考いただけますようお願い申し上げます
    → 意味は『一度考えてみてもらえるようお願いします』

としても丁寧。

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「~いただきますよう」「~賜りますよう」の意味はどちらも「〜してもらうように」

ようするに「一度考えてみてほしい!」「一度考えてみてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「一度考えてみてもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。

ちなみに、

賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

『ご一考のほどお願い申し上げます』

依頼・お願い「一度考えてみてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「ご一考のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご一考のほどお願い致します」

意味は「一度考えてみてくれるようお願いします」

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「ご一考のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご連絡のほどお願い申し上げます
    意味「連絡してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「ご一考をお願い致します
    ※意味は「一考をお願いする」
  • 例文「ご一考いただきたく、お願い致します
    意味は「一度考えてみてほしい、お願いします」
  • 例文「ご一考いただけましたら幸いです
    ※意味は「一度考えてみてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「ご一考いただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「一度考えてみてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご一考いただければ幸甚に存じます
    ※意味は「一度考えてみてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご一考いただけますと幸いです
  • 例文「ご一考いただけますと幸甚に存じます
  • 例文「ご一考賜りますと幸いです
  • 例文「ご一考賜りますと幸甚に存じます
  • 例文「ご一考賜れましたら幸いです
  • 例文「ご一考賜れましたら幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

会話・電話での依頼は”ご一考いただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「一度考えてみてほしい!」と言いたいときには…

「ご一考くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】ご一考いただけますか?
  • 【例文】ご一考いただけますでしょうか?
  • 【例文】ご一考願えますでしょうか?

あるいはシンプルに、

  • 【例文】一度考えてみていただけますか?
  • 【例文】一度考えてみていただけますでしょうか?

としても丁寧です。

※もちろん「ご一考ください」「ご一考くださいませ」としても丁寧

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「一度考えてみてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。

そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「すでに一度考えてみてもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「ご一考いただけましたか?」「ご一考いただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

敬語の解説

「ご一考いただけますか?」「ご一考いただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “一考”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご一考いただく」
  • 可能形にして「ご一考いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「ご一考いただけます」
  • 疑問形にして「ご一考いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご一考いただけますでしょうか?」

どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも構いません。

お礼「一度考えてみてくれてありがとう」を敬語で言うと?

つづいてお礼の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「一度考えてみてくれてありがとう」「ご一考ありがとう」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考いただきありがとうございます』

お礼・感謝「一度考えてみてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文『ご一考いただきありがとうございます』
  • 例文『ご一考いただきまして、ありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『ご一考ありがとうございます』

としてもまぁOKです。

意味はどれも『一度考えてみてもらいありがとう』

お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。

会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

『ご一考くださいましてありがとうございます』

お礼・感謝「一度考えてみてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文『ご一考くださいましてありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『ご一考くださり、ありがとうございます』

としても丁寧です。

意味はどれも『一度考えてみてくれてありがとう』

こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。

ちなみに「ご一考くださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「ご一考いただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。

丁寧な対応を心がけたいときには「ご一考いただく」をオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)

『ご一考賜りありがとうございます』

お礼・感謝「一度考えてみてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文『ご一考賜りありがとうございます』
  • 例文『ご一考賜りまして、ありがとうございます』

※「賜り」の読みは「たまわり」

意味はどれも『一度考えてみてもらいありがとう』

「いただきありがとう」と「賜りありがとう」は意味としては同じ。

よりカチッとした敬語、堅苦しい敬語は「賜りありがとう」のほうです。

普段のビジネスメールであれば「いただきありがとう」で十分に丁寧。

手紙・年賀状・冠婚葬祭やビジネス文書・公式なビジネスメールのときには「賜る」をよく使います。

【敬語の補足】

※「お(ご)~賜る」は「~してもらう」の謙譲語

“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ

ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。

ただ、

お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。

ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。

『感謝申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「感謝」をつかった例文を。

  • 【例文】ご一考いただき感謝申し上げます
  • 【例文】ご一考いただき感謝いたしております
  • 【例文】ご一考いただき感謝いたします

※「ご一考くださり感謝〜」「ご一考くださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧

※「ご一考賜り感謝〜」「ご一考賜りまして感謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「一度考えてみてもらいありがとう!」「一度考えてみてくれてありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『深謝いたします』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。

  • 例文「ご一考いただき深謝いたしております」
  • 例文「ご一考いただき深謝いたします」

※「ご一考くださり深謝〜」「ご一考くださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧

※「ご一考賜り深謝〜」「ご一考賜りまして深謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなも。

ようは「一度考えてみてもらい本当にありがとう!」「一度考えてみてくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『お礼申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「お礼申し上げます」をつかった例文を。

  • 【例文】ご一考いただきお礼申し上げます
  • 【例文】ご一考いただき厚くお礼申し上げます

※「ご一考くださり・ご一考くださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧

※「ご一考賜り・ご一考賜りましてお礼〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「一度考えてみてもらいお礼します!」「一度考えてみてくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

お礼フレーズ参考記事

断り「一考できません」は敬語でなんて言う?

つづいて断りの敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「一考できません!」「一考は無理です!」「お断りします!」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考いたしかねます』

断り「お断りします!一考できません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いたしかねます

意味は「一考することができません」

ようは「お断りします!」「一考できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「引き受けることができません」
  • 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
    意味は「要望に応えることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご対応いたしかねます』

断り「お断りします!一考できません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご対応いたしかねます

意味は「対応することができません」

ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご要望にお応えすることが叶いません』

断り「お断りします!一考できません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「要望に応えることができない or 難しい」

あるいは、

  • 【例文】xxにより、ご一考することが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご一考することが大変困難な状況でございます
    → 意味は「一考することができない or 難しい」

※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス

使い方は「ご一考いたしかねます」と似たようなもの。

ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。

そこで、

「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。

『ご要望に添いかねます』

断り「お断りします!一考できません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご要望に添いかねます

意味は「要望に添うことができません」

使い方は「ご一考いたしかねます」と似たようなもの。

ようは「あなたの一度考えてみてほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。

そこで、

「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

丁寧な断りのフレーズいろいろ

上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。

飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます

仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます

内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします

・・・などなど

ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。

以下の記事もご参考にどうぞ。

催促「一度考えてみてくれた?」を丁寧にすると?

つづいて催促・確認の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「一度考えてみてくれた?」「一度考えてみてもらった?」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考いただけましたか?』

催促・確認「一度考えてみてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただけましたか?

意味は「一度考えてみてもらえましたか」

ようするに「すでに一考したのか?」「もう一考したのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語について解説していると日がくれるため…

わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。

  • 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
  • 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
  • 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?

どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。

※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『ご一考いただけましたでしょうか?』

催促・確認「一度考えてみてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただけましたでしょうか?

意味は「一度考えてみてもらえたでしょうか」

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「ご一考いただけましたか?」と似たようなものなので省略。

「ご一考いただけましたか」よりも「ご一考いただけましたでしょうか」のほうが丁寧。

ただし、結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。

あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。

【敬語の補足】

※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『一度考えてみて頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

催促・確認「一度考えてみてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】一度考えてみていただけましたか?
    → 意味は「一度考えてみてもらえましたか」

あるいは、

  • 【例文】一度考えてみていただけましたか?
    → 意味は「一度考えてみてもらえたでしょうか」

としても丁寧。

とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。

ようするに「すでに一考したのか?」「もう一考したのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ただ、

丁寧レベルとしては「ご一考いただけましたか?」「ご一考いただけましたでしょうか?」のほうが上。

カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。

【敬語の補足】

※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。

※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『その後いかがでしょうか?』

催促・確認「一度考えてみてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】その後いかがでしょうか?
    → 意味は「どうでしょうか」

あるいは、

  • 【例文】ご状況いかがでしょうか?
    → 意味は「状況はどうでしょうか」

としても丁寧。

わざわざ「一考」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。

ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。

目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。

覚えておくとかならず役に立ちます。

【敬語の補足】

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

その他『ご一考くださいましたか』など

催促・確認「一度考えてみてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】ご一考くださいましたか?
  • 【例文】ご一考くださいましたでしょうか?
    → 意味は「一度考えてみてくれましたか?/一度考えてみてくれたでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】ご一考いただましたか?
  • 【例文】ご一考いただましたでしょうか?
    → 意味は「一度考えてみてもらいましたか?/一度考えてみてもらったでしょうか?」

としてもまぁOKです。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「ご一考いただけましたか?」と似たようなものなので省略。

どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。

が、あまり一般的ではなくおとなしく「ご一考いただけましたか?」「ご一考いただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。

※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。

自分の行為「一考します!」の敬語は?

つづいて自分の行為につかえる敬語フレーズ。

自分が「一考します!」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考します/一考いたします』

自分の行為「一考します」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考します
  • 【例文】(ご)一考いたします

意味はどちらも「一考します」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。

ようするに「一考するよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「ご一考します」よりも「(ご)一考いたします」のほうが丁寧な敬語となります。

また「ご一考いたします」は「お(ご)」をのぞいて「一考いたします」としても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

あるいは…

目上や上司・取引先から「一度考えてみてくれますか?」と質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

その他『一考させて頂きます』など

自分の行為「一考します!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】(ご)一考させていただきます
    → 意味は「一考させてもらいます」
  • 【例文】(ご)一考させてください
    → 意味は「一考させてくれ」

あるいは、

  • 【例文】ご一考申し上げます
    → 意味は「一考します」

なども丁寧です。

※ただし「させて頂く」「させて下さい」はふさわしいシーンを考えて使うこと。なんでもかんでも使えば丁寧という訳ではない。

意味や使い方は「ご一考します/いたします」と似たようなものなので省略。

とくに「お(ご)~申し上げます」はビジネス文書や手紙・丁寧なビジネスメールにしたいときなど、カチッとした敬語がこのまれるシーンでよくつかわれます。

また「ご一考させて頂きます/させて下さい」は「お(ご)」をのぞいて「一考させて頂きます」「一考させて下さい」としても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)~申し上げます」は「~する」の謙譲語に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させて頂きます」は「~させてもらう」の謙譲語「お(ご)~させて頂く」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させてください」は「~させてくれる」の尊敬語「お(ご)~させてくださる」を命令形にした敬語。

まとめ表

①基本 ②+丁寧語”ます”
現 在 ご一考する
ご一考いたす
ご一考させて頂く
ご一考申し上げる
ご一考します
(ご)一考いたします
(ご)一考させて頂きます
ご一考申し上げます
過 去 ご一考した
(ご)一考いたした
(ご)一考させて頂いた
ご一考しました
(ご)一考いたしました
(ご)一考させて頂きました
進行形 ご一度考えてみている
(ご)一考いたしている
(ご)一考させて頂いている
ご一度考えてみています
(ご)一考いたしています
(ご)一考させて頂いています
過去~現在 ご一度考えてみていた
(ご)一考いたしていた
(ご)一考させて頂いていた
ご一度考えてみていました
(ご)一考いたしていました
(ご)一考させて頂いていました

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「致します」「いたします」は漢字でも平仮名でもOK

※「させて頂く」「させて下さい」「申し上げる」はふさわしいシーンとそうでないシーンあり。

※「しています」は「しております」としても丁寧

※(ご)としたフレーズは省略OK

禁止「一度考えてみてはダメです」の丁寧な敬語は?

つづいて禁止の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「一度考えてみてはいけません!」あるいは「一度考えてみてはダメです!」「一考は止めてください!」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考いただけません』

禁止「一度考えてみてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただけません

意味は「一度考えてみてもらうことができません」

ようは「一度考えてみてはダメだよ!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけません=~してはいけません」という敬語をつかうことで、遠まわしに禁止の意味をあらわしているのです。※「~いただけません」は直訳すると「~してもらってはいけません」ですが… ようは禁止「~してはいけません」という意味に解釈できます。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに「〜いただけません」はたとえば、

  • 【例文】この車両はご利用いただけません
    意味は「利用してはいけません」
  • 【例文】このトイレはご使用いただけません
    意味は「使用してはいけません」

などのようにして使います。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけません」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけた敬語

『ご一考いただくことはできません』

禁止「一度考えてみてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただくことはできません

意味は「一度考えてみてもらうことはできません」

使い方は「ご一考いただけません」と似たようなもの。

こちらのほうがよりダイレクトに禁止の意味をあらわすフレーズになります。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

したがって「ご一考いただけません」のほうが丁寧と言えます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

『ご遠慮ください』

禁止「一度考えてみてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

以下のように「ご遠慮」をつかった敬語フレーズも丁寧です。

  • 【例文】一考はご遠慮ください(ませ)
  • 【例文】xxはご遠慮いただきたく存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただければと存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますと幸いです
  • 【例文】xxはご遠慮くださいますようお願い申し上げます

→ 要はすべて「xxはやめてください」と言いたい。

あるいは電話対応や会話シーンであれば「いただけますか?」をつかい、

  • 【例文】一考は遠慮していただけますか?
  • 【例文】xxは遠慮していただけますでしょうか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますでしょうか?

→ 要はすべて「xxはやめてもらえますか?」と言いたい。

としても丁寧です。

使い方は「ご一考いただけません」と似たようなもの。

ようは「一度考えてみてはダメだよ!」「一度考えてみてはいけません!」という意味なのですが、このままではあまりにストレートすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「ご遠慮=控える・やめる」をつかって、遠まわしにやんわ〜りと禁止の意をしめしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに遠慮(えんりょ)の意味は…

  1. 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。

  2. 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。

ここでは「①慎み控える」の意味でつかっています。

【敬語の補足】

※「お(ご)~ください」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」を命令形にした敬語

※「お(ご)~いただきたく」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に願望・希望の「〜したい」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただければ」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただけますか」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の疑問形”ますか”をくっつけた敬語。さらに「〜だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけても丁寧。

その他『お控えください』など

禁止「一度考えてみてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

あとは「控える」をつかった言い換えもできます。

  • 【例文】xxはお控えください(ませ)
  • 【例文】xxはお控えいただきたく存じます
  • 【例文】xxはお控えいただければと存じます
  • 【例文】xxはお控えいただけますと幸いです
  • 【例文】xxはお控えくださいますようお願い申し上げます

言いたいことは「控えてください・やめてください」

控える(ひかえる)の意味は…

  1. 待つ・待機する
  2. そばにいる
  3. 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる

ここでは「⑤やめておく」の意味でつかっています。

希望「一考したい!」ときの丁寧な敬語

つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。

自分が「一考したい!」と言いたいときに使える例文をご紹介。

『ご一考したく存じます』

希望・意思・願望「一考したい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考したく存じます

あるいは、

  • 【例文】ご一考したく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「一考したいと思います」

謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

一考したい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

『(ご)一考いたしたく存じます』

希望・意思・願望「一考したい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】(ご)一考いたしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】(ご)一考いたしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「一考したいと思います」

※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

一考したい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「ご一考したく存じます」よりも「(ご)一考いたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。

また「ご一考いたしたく」は「お(ご)」をのぞいて「一考いたしたく」としても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

その他『一考させて頂きたく存じます』など

希望・意思・願望「一考したい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】(ご)一考させていただきたく存じます
    → 意味は「一考させてもらいたいと思います」

あるいは、

  • 【例文】(ご)一考させてください
    → 意味は「一考させてくれ」

としてもまぁOK。

※ひらがな表記「いただきたく」vs.漢字表記「頂きたく」はどちらもOK

「ご一考させて頂きたく存じます」の意味は「一考させてもらいたいと思います」

「~させてもらう」の謙譲語「お(ご)~させていただく」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~させていただきたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

一考させてもらいたいと思います!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

また「ご一考させて頂く/下さい」は「お(ご)」をのぞいて「一考させて頂く/させて下さい」としても正しい敬語です。

ただし注意点として「させて頂く」「させて下さい」はふさわしいシーンを考えて使うこと。

あまりに使いすぎると目ざわりな表現ですので、

なんでもかんでも使えば丁寧という訳ではありません。

敬語ビギナーのうちは「ご一考したく存じます」「ご一考いたしたく存じます」をオススメします。

許可を得たい「一度考えてみてもいいか?」の丁寧な敬語

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。

つまり「一度考えてみてもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

※ひとつ前の「一考したい」ときに使えるフレーズでも丁寧。相手にハッキリした答えをもらいたい時にはこれから紹介するフレーズをオススメします。

『(ご)一度考えてみてもよろしいでしょうか?』

許可を得たい「一度考えてみてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】(ご)一度考えてみてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「一度考えてみてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】(ご)一度考えてみてもよろしいですか?
    → 意味は「一度考えてみてもいいですか?」

としても丁寧。

「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」

「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」

「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。

【敬語の補足】

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

※「ご一考」の「ご」は省略してもOK

許可をだす「一度考えてみてもいいよ!」の丁寧な敬語

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。

つまり「一度考えてみてもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

『ご一考いただけます』

許可をだす「一度考えてみてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】ご一考いただけます

意味は「一度考えてみてもらうことができます」

ようは「一度考えてみてもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

返事するなら『承知しました』などが丁寧

許可をだす「一度考えてみてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

“ご一考いただく vs ご一考くださる”の使い方

ややこしいので「ご一考いただく vs ご一考くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご一考いただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご一考いただく ご一考いただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 ご一考いただいた ご一考いただきました ×
進行形 ご一考いただいている ご一考いただいています -頂いております
過去~現在 ご一考いただいていた ご一考いただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
ご一考いただきたい
ご一考いただきたく
ご一考いただくよう
ご一考いただけるよう
ご一考いただきたいです
×
ご一考いただきますよう
ご一考いただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 ご一考いただける ご一考いただけます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①ご一考いただいたら
②ご一考いただければ
①ご一考いただきましたら
②ご一考いただけましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①ご一考いただいたか?
②ご一考いただけるか?
③ご一考いただけたか?
ご一考いただきましたか?
ご一考いただけますか?
ご一考いただけましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 ご一考いただけない ご一考いただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご一考くださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご一考くださる ご一考くださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 ご一考くださった ご一考くださいました ×
進行形 ご一考くださっている ご一考くださっています -くださっております
過去~現在 ご一考くださっていた ご一考くださっていました -くださっておりました
希 望
ご一考くださるよう ご一考くださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 ご一考くださるか? ご一考くださいますか? ×
否 定 ご一考くださらない ご一考くださいません ×
命 令 ご一考ください ご一考くださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない