ご一考(読み:ごいっこう)の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
ご一考の意味は”一度考えてみること”
「ご一考」の意味は「一度考えてみること」
「ご一考」のもととなる単語は「一考」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。
尊敬語をつかっているため自分ではなく相手が「一考すること」をうやまった言い回しです。
具体的には、相手があなたの提案や製品・サービスを「ご一考する」というようにして使います。
また「一考」の使い方にはたとえば、
- 一考に値する = 一度考えるに値する
- 一考を要する = 一度考えてみる必要がある
- 一考する余地がある = 一度考えてみる余地がある
などがあります。
ご一考の使い方
つづいて「ご一考」の使い方について。
依頼・お願いのビジネスメール結び締めに使うフレーズであり決まりきった使い方のみ。
使い方「依頼・お願いのビジネスメール結び締め」
「ご一考」の使い方。
何かしらの依頼・お願いのビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。
たとえば、
- 例文「ご一考のほどよろしくお願い致します」
- 例文「ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご一考ください」
- 例文「ご一考いただければ幸いです」
のようにして何かの依頼・お願いをともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。
具体的にはたとえば、見積書を送付するビジネスメールのとき。
「ご依頼の件、添付ファイルにて見積書を送付いたします。ご不明な点がございましたらお申し付けください。ご査収の上、ご一考のほど宜しくお願い致します。」
みたいにメール結びとして使えます。
まぁ、ようするに「検討してね!よろしく」という意味なのです。
あとに続く「〜のほど・〜くださいますよう・〜いただければ幸いです」
「ご一考」はあとに文章を続けてビジネスメールや文書・手紙の結びを作ります。
すでに登場してはいますがおもに4つの使い方がありますので、まとめとして紹介しておきます。
- ご一考のほどよろしくお願いいたします・お願い申し上げます
意味は「一度考えてもらうよう、お願い」
「〜のほど」に深い意味はない - ご一考いただければ幸いです
意味は「一度考えてもらえたら嬉しいです」
「いただく」は「もらう」の謙譲語 - ご一考いただきますようお願いいたします・お願い申し上げます
意味は「一度考えてもらうよう、お願い」
「いただく」は「もらう」の謙譲語
「ますよう」は丁寧語「ます」に「ように」をつづけた敬語 - ご一考くださいますようお願いいたします・お願い申し上げます
意味は「一度考えてくれるよう、お願い」
「くださる」は「くれる」の尊敬語
- ご一考ください
意味は「検討してください」
「ください」は「くれる」の尊敬語「くださる」の命令形
※「お願い申し上げます=お願いいたします」で言い換えできます
前置きに気づかいのフレーズを!
「ご一考」は前置きに気づかいのフレーズを使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご一考〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご一考〜」
「たびたび恐縮ではございますがご一考〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご一考〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご一考〜」
「たびたび恐れ入りますがご一考〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご一考〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご一考〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご一考〜」
ざっくりとした解説はこれにて終了。
ここからはよく使う例文とその意味を紹介しておきます。
例文①ご一考のほどよろしくお願い致します
「ご一考」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「ご一考のほどよろしくお願い致します」
- 例文「ご一考のほどお願い申し上げます」
意味は「一度考えてもらうよう、お願いします」
- ご一考 = 一度考えてみること
- のほど = 「〜してもらうよう」あるいは「〜してくれるよう」の意味
- お願い致します = お願いのかしこまった敬語
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご一考のほどよろしくお願い致します」の意味は…
「一度考えてくれるよう、お願いします」
「一度考えてもらうよう、お願いします」
のように解釈できます。
ご一考のほど〜の「のほど」ってどんな意味?
ここで「ご一考のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご確認のほどお願い申し上げます
意味「確認してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「了解してもらうよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
使い方「依頼・お願いのビジネスメール結び締め」
何かしらの依頼・お願いのビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。
前半の解説とかぶるため、こまかい部分は省略します。
「ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧
ところでビジネスシーンでは、
「ご一考のほど宜しくお願い致します」としても丁寧ではありますが…
「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、
「ご一考のほど何卒よろしくお願い致します」
あるいは「お願い致します」とおなじ意味の「お願い申し上げます」をつかい、
「ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧です。
頭の片隅にいれておきましょう。
ビジネスメールの例文
- ビジネスメール結び締めの例文
「お忙しいところ恐れ入りますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」「大変お手数ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
「お忙しいところお手数お掛けしますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
「お忙しいところお手数ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
※「恐縮・恐れ入る」はどちらも「申し訳なく思う」の意味
※「お手数」の意味は「お手間」
例文②ご一考いただければ幸いです
「ご一考」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「ご一考いただければ幸いです」
意味は「一度考えてもらえたら嬉しいです」
- ご一考 = 一度考えてみること
- いただければ = 「〜してもらえれば」の意味の敬語
- 幸いです= 「幸せです、嬉しいです」の意味
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご一考いただければ幸いです」の意味は…
「一度考えてもらえたら嬉しいです」
のように解釈できます。
使い方「依頼・お願いのビジネスメール結び締め」
「ご一考いただければ幸いです」の使い方
何かしらの依頼・お願いのビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。
たとえば、
- 例文「ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」
- 例文「ご一考いただければ幸いです。よろしくお願い致します」
のようにして何かの依頼・お願いをともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。
うしろに「よろしくお願い致します」などを加えて結びにする
「ご一考いただければ幸いです」はそれだけではビジネスメール結び締めとしてはイマイチです。
うしろに「よろしく!」的なフレーズを組み合わせて、セットで使うようにしましょう。
すでに例文にはしましたが…
- 例文「ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」
- 例文「ご一考いただければ幸いです。よろしくお願い致します」
ビジネスメールの結び締めに使うときにはこんな感じにするとよいでしょう。
ビジネスメール例文(締め結び)
- 例文「お忙しいところ恐れ入りますが、ご一考いただければ幸いです。よろしくお願い致します」
- 例文「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご一考いただければ幸いです。〃」
- 例文「大変お手数ではございますが、ご一考いただければ幸いです。〃」
- 例文「お忙しいところお手数お掛けしますが、ご一考いただければ幸いです。〃」
- 例文「お忙しいところお手数ではございますが、ご一考いただければ幸いです。〃」
※「恐縮・恐れ入る」はどちらも「申し訳なく思う」の意味
※「お手数」の意味は「お手間」
例文③ご一考くださいますようお願い申し上げます
「ご一考」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご一考くださいますようお願い致します」
意味は「一度考えてくれるよう、お願いします」
- ご一考 = 一度考えてみること
- くださいますよう = 「〜してくれるように」の意味の敬語
- お願い申し上げます = お願いのかしこまった敬語
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご一考くださいますようお願い申し上げます」の意味は…
「一度考えてくれるよう、お願いします」
のように解釈できます。
「くださいますよう」ってどんな意味?敬語の種類は?
「ご一考くださいますよう」の「くださいますよう」の敬語はややこしいため、くわしく解説しておきます。
- 「くれる」の尊敬語「くださる」の命令形
- 丁寧語「ます」
- ように
上記のようにして敬語にしています。
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
たとえば、
- ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」 - ご容赦くださいますようお願い申し上げます
意味「許してくれるようお願い!」 - ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い!」 - ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「了解し、承諾してくれるようお願い!」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
使い方「依頼・お願いのビジネスメール結び締め」
「ご一考くださいますようお願い申し上げます」の使い方
何かしらの依頼・お願いのビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。
これまでの解説とかぶるため省略します。
ビジネスメール例文(締め結び)
ビジネスメールの結び締めをより丁寧にするためのコツ。相手を気づかうフレーズを組み合わせると、より丁寧なメールになります。
たとえば「お忙しいところ恐縮ですが・恐れ入りますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。
- 例文「お忙しいところ恐れ入りますが、ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「大変お手数ではございますが、ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところお手数お掛けしますが、ご一考くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところお手数ではございますが、ご一考くださいますようお願い申し上げます」
※「恐縮・恐れ入る」はどちらも「申し訳なく思う」の意味
※「お手数」の意味は「お手間」
その他いろいろな例文
あとはあまり使われませんが、ビジネスシーンでも登場することのある「ご一考」をつかった例文を紹介しておきます。
ご一考ください
シンプルに「ご一考ください」とする場合もあります。
「ください」は「くれる」の尊敬語「くださる」の命令形。
単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、「ご一考くださいますようお願い申し上げます」としたほうが丁寧ですね。
ご一考いただきますようお願い申し上げます
- ご一考 = 一度考えてみること
- いただく = 「もらう」の謙譲語
- ますよう = 丁寧語「ます」+ように
- お願い申し上げます = お願いのかしこまった敬語
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご一考いただきますようお願い申し上げます」の意味は…「一考してもらうよう、お願いします」のように解釈できます。
あまり一般的ではなく、「ご一考くださいますようお願い申し上げます」のほうがよく使われます。理由の考察は次項にて。
ご一考いただきありがとうございます
- ご一考 = 一度考えてみること
- いただく = 「もらう」の謙譲語
- ありがとうございます = お礼
あとは返信メールでお礼するときに書き出しとして「ご一考いただき誠にありがとうございます」などと使うこともできます。
ご一考くださいましてありがとうございます
同じくお礼のビジネスシーンで使える例文。
- ご一考 = 一度考えてみること
- くださる = 「くれる」の尊敬語
- まして = 丁寧語「ます」+接続詞
- ありがとうございます = お礼
意味は「一考してくれてありがとう」
「ご一考いただきありがとうございます」のほうが一般的ではありますが、敬語としてはどちらも正解です。
ご一考くださりありがとうございます
同じくお礼のビジネスシーンで使える例文。
- ご一考 = 一度考えてみること
- くださる = 「くれる」の尊敬語
- ありがとうございます = お礼
意味は「一考してくれてありがとう」
「ご一考いただきありがとうございます」のほうが一般的ではありますが、敬語としてはどちらも正解です。
ご一考のほど・ご一考くださいますよう・ご一考頂きますよう・ご一考いただければ幸いです の違い
ところで「ご一考」の使い方というか続くフレーズには、
「ご一考くださいますようお願い致します」
「ご一考のほどお願い致します」
「ご一考頂きますようお願い致します」
「ご一考いただければ幸いです」
というように主に4つあります。これって何が違うのでしょうか?
「ご一考くださいますようお願い致します」
の意味は「一考してくれるようお願い」
※「くれる」の尊敬語が「くださる」
「ご一考のほどお願い致します」
の意味は「一考してくれるようお願い」「一考してもらうようお願い」
のどちらの意味にも取れる。
「ご一考頂きますようお願い」
の意味は「一考してもらうようお願い」
※「もらう」の謙譲語が「賜る・いただく」
「ご一考いただければ幸いです」
の意味は「一考してもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ」
となり「ご一考くださる」なのか「ご一考いただく」なのか「ご一考のほど」なのか「ご一考いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。
どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。
もっとも丁寧なのは「ご一考いただければ幸いです」
いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。
強いて言うのであれば「ご一考いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。
これまでと同じようにビジネスメール結び締めとして使います。以下の例文をご参考にどうぞ。
- 例文「ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します」
- 例文「上記につきご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところ大変恐れ入りますが、上記につきご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」
「いただく」vs「くださる」の使い分けは難しい
せっかくですので「ご一考いただきますようお願い」「ご一考くださいますようお願い」の違いを考えてみます。
たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう
すると…
「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」
こんな敬語フレーズをよく使います。
実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…
ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。
「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」
もうひとつ、
「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」
上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。
で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。
結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。
ご一考の類語と言い換え
「ご一考」の類語と言い換えについて。
ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。
ご検討(読み:ごけんとう)
ビジネスシーンで使える「ご一考」の言い換え・類語「ご検討」
「ご検討」の意味は「よく調べ考えること」「いろいろな面から調べて、良いか悪いかを考えること」
「ご検討」のもととなる単語は「検討」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。
尊敬語をつかっているため自分ではなく相手が「検討すること」をうやまった言い回しです。
具体的には、相手があなたの提案や製品・サービスを「ご検討する」というようにして使います。
ビジネスメール結び締めとしては以下のように使うと丁寧です。
- 例文「ご検討のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご検討いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します」
- 例文「何卒ご検討くださいますよう宜しくお願い致します」
- 例文「ご検討いただき誠にありがとうございます」
【注意点】ご一考はこう使う!
つづいて「ご一考」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
「ご一考いただければ幸いです」がもっとも丁寧
繰り返しにはなりますが、
「ご一考くださいますようよろしくお願い致します」
「ご一考いただきますようよろしくお願い致します」
「ご一考のほどよろしくお願い致します」
よりも
「ご一考いただければ幸いです」が丁寧です。
とくに厚かましいお願いごとや目上・取引先への依頼のさいには気をつけましょう。
前置きに気づかいのフレーズを!
こちらも繰り返しですが「ご一考のほどよろしくお願い致します」の前置きに気づかいのフレーズを使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご一考〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご一考〜」
「たびたび恐縮ではございますがご一考〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご一考〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご一考〜」
「たびたび恐れ入りますがご一考〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご一考〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご一考〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご一考〜」
「ご一考ください」でもOKだけど…もう少し丁寧に!
「ご一考ください」とする人も中にはいますが…私はオススメしません。
「〜してください」は「〜してくれ」の尊敬語「くださる」の命令形であるため敬語としてはOK。目下のヒトにたいする言葉づかいや、社内あてのメールであれば問題ありません。
ですが「〜してください」は結局のところ命令形であるため、どうしても強い表現です。
もっと丁寧なフレーズがあるのですからそちらを使うのが無難。とくに目上のヒトや取引先に何かをお願いするときには相手への気づかいが必要です。
【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え
「お願いいたします=お願い申し上げます」で言い換えできる
初歩的ではありますが…
「ご一考のほどよろしくお願い致します」
は
「ご一考のほどよろしくお願い申し上げます」
と言い換えできます。
あるいは「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使って、
「ご一考のほど何卒よろしくお願いいたします」
「ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」
としても丁寧です。頭のかたすみに入れておきましょう。
ご一考をつかったビジネスメール例文
さいごに「ご一考」を使ったビジネスメールや文書の例文を紹介します。
アポイント日程調整メール例文
【社外・ビジネス】
訪問・アポイントの日程調整をするビジネスメール例文
件名: 貴社訪問のお願い(転職・ノマド)
ビジネス株式会社
営業部 ○○ 様
いつもお世話になっております。転職・ノマドです。
さて首記の件、最新ケミカル市況ご報告のため貴社訪問いたしたく存じます。よろしければ、以下候補のいずれかでお時間を頂ければと存じますが、ご都合のほどいかがでしょうか。
①目的:ケミカル市況のご報告
②候補日程:
・10月23日(月)AM
・10月24日(火)PM
・10月25日(水)PM
突然のお願いにて大変恐れ入ります。
何卒ご一考くださいますようお願い申し上げます。
——————————-
株式会社転職
法人営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:xxxx
FAX:xxxx
E-mail:xxx@xxx
——————————-
・恐れ入る は「申し訳なく思う」の意味
・いかが は「どう?」の意味
・伺う は「訪問する・行く」の謙譲語
・存じる は「思う」の謙譲語
・いたす は「する」の謙譲語
文例「飛び込み営業の訪問日程調整」ビジネスメール
【ビジネス・社外】
飛び込み営業の訪問・アポイント日程調整をするビジネスメール例文
件名: 貴社訪問のお願い(転職・ノマド)
ビジネス株式会社
○○ 様
突然のご連絡にて大変失礼いたします。
私、株式会社転職の営業担当・ノマドと申します。
このたびは貴社ウェブサイトを拝見し、弊社CRMサービスがお役に立てるかと思い連絡いたしました。
弊社では革新的なCRMサービスを各企業さまへ提供しており、導入実績も業界No.1となっております。
もしよろしければ一度、貴社へ伺い弊社サービスのご紹介をいたしたく存じます。なお、サービスの概要につきましては別途添付ファイルにてお送りいたします。
誠に勝手なお願いにて恐れ入りますが、ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
——————————-
株式会社転職
法人営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:xxxx
FAX:xxxx
E-mail:xxx@xxx
——————————-
・恐れ入る は「申し訳なく思う」の意味
・伺う は「訪問する・行く」の謙譲語
・拝見 は「見る」の謙譲表現
・いたす は「する」の謙譲語
打合せの依頼メール:候補日ざっくりで「いつがいい」と聞く
【ビジネス・社外取引先】
社外の相手に打合せ依頼をし、候補日を「今月のどこかで」「今週のどこかで」などとザックリ連絡するビジネスメール例文。
メール件名: 打合せのお願い(転職・ノマド)
株式会社ビジネス
営業部 ○○ 様
いつもお世話になっております。
株式会社転職・ノマドです。
先般は打合せに際して貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
さてその後、当社の開発に進捗があり、ご報告のため打合せをお願いしたく存じます。
よろしければ今月のどこかで1時間ほど打合せのお時間を頂戴したく、○○ 様のご都合のよろしい日時をいくつかご教示いただければと存じます。
なお会議の目的等、仔細につきまして以下ご案内申し上げます。
記
①目的
・弊社より新製品開発状況のご報告
・今後の開発方向性のお打合せ
②場所
・貴社へ伺います
③参加者
・弊社●●(上司)、のまど、計2名
以上
お忙しいところ大変恐れ入りますが、
ご一考のほど何卒よろしくお願い致します。
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