「ご教授」の意味と敬語の種類、ビジネスシーンに最適な使い方のすべてについて。
ここでは敬語「ご教授」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。
“ご教授”の意味と敬語の種類
まずは「ご教授」のそもそもの意味と敬語の種類について。
教授の意味は「教え授けること」
教授(きょうじゅ)の意味は…
- 学問や技芸を教え授けること。
【例文】生徒に数学を教授する
【例文】コンピューターサイエンスについてご教授いただけますか? - 大学や高等専門学校・旧制高等学校などで、研究・教育職階の最高位。また、その人。【例文】大学教授
ちなみに敬語は「教授」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご教授」となります。
「自分がご教授する」あるいは相手に「ご教授いただく」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご教授くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
「ご教示 vs ご教授」の違いについてすこし。
教える内容が、学問、芸術、何かの特別な技能、スポーツなどであれば「ご教授」を使います。まさに大学の「教授」なんかは、学生に「(学問を)教え授ける」のです。
その他のことを教えてもらうのであれば「ご教示」
敬語”お(ご)”の使い方
ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。
じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。
謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、
- 会議日程のご連絡
- 忘年会開催のお知らせ
- 販売状況のご報告
- 転勤のご挨拶
- 貴社ご訪問のお願い
こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。
ところが例文は自分が「ご連絡・お知らせ・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。
これは、
謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。
尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。
いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。
“教授”の敬語①謙譲語
謙譲語の「お(ご)」は尊敬語の「お(ご)」と勘違いしやすい敬語です。
そこで「教授」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。
①そもそも謙譲語とは…
敬語の一種であり、
謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。
謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
の2種類あり。
- ご教授する
ご教授します
※意味は(自分が)教え授ける - 教授いたす
教授いたします
※意味は(自分が)教え授ける - ご教授いたす
ご教授いたします
※意味は(自分が)教え授ける - ご教授申し上げる
ご教授申し上げます
※意味は(自分が)教え授ける - ご教授いただく
ご教授いただきます
※意味は(自分が相手に)教え授けてもらう
※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。
※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。
ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。
“教授”の敬語②尊敬語
つづいて「教授」とのセットで尊敬語となる形をまとめておきます。
②そもそも尊敬語とは…
敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。
- ご教授だ
ご教授です
※意味は(目上なり上司が)教え授ける - ご教授になる
ご教授になります
※意味は(目上なり上司が)教え授ける - 教授される
教授されます
※意味は(目上なり上司が)教え授ける - 教授なさる
教授なさいます
※意味は(目上なり上司が)教え授ける - ご教授なさる
ご教授なさいます
※意味は(目上なり上司が)教え授ける - ご教授くださる
ご教授くださいます
※意味は(目上なり上司が)教え授けてくれる
※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。
“教授”の敬語③丁寧語
つづいて「教授」の丁寧語について。
③そもそも丁寧語とは…
敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。
- 教授します
※意味は(自分が)教え授ける
以上で基本事項のおさらいは終わり。
あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。
使い方①依頼「教え授けてください」と言いたいとき
「ご教授」の使い方。
まずは依頼・お願いの敬語フレーズとしての使い方から。
目上や上司・取引先に「教え授けてください」「教え授けてほしい」と言いたいときに使います。
ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。
『ご教授ください』
「ご教授」の使い方。
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときにも使います。
- 例文「ご教授ください」
意味は『教え授けてください』
「教え授けて」というフレーズを尊敬語「ご教授」に言い換えているため丁寧レベルとしては「教え授けてください」よりもだいぶマトモ。
ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。
時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。
気になるかたは以降の例文をつかいましょう。
ちなみに”ご教授ください”の敬語は以下のようになりたちます。
- もとになる単語「教授」に尊敬語”お(ご)”で「ご教授」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご教授くださる」
- さらに命令形にして”ご教授ください”
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
このようにして元になる語「教え授ける」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
『ご教授くださいませ』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授くださいませ」
意味は『教え授けてください』
尊敬語「ご教授くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。
命令形である点において「教え授けてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。
「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。
ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。
『ご教授いただければと存じます』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授いただければと存じます」
意味は『教え授けてもらえたらと思います』
「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
『ご教授いただきたく存じます』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授いただきたく存じます」
意味は『教え授けてもらいたいと思います』
あるいはシンプルに、
- 例文「ご教授いただきたく、お願い致します」
- 例文「ご教授をお願い致します」
としても丁寧です。
「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
『ご教授いただければ幸いです』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授いただければ幸いです」
意味は『教え授けてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『教え授けてもらえたら嬉しいです』
ようするに「教え授けてほしい!」「教え授けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。
そこで遠まわしに「教え授けてもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。
ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。
- 例文「ご教授いただけますと幸いです」
- 例文「ご教授いただけましたら幸いです」
- 例文「ご教授いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご教授いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご教授いただければ幸甚に存じます」
- 例文「ご教授いただけますと幸いです」
- 例文「ご教授いただけますと幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」
【敬語の補足】
※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語
※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語
※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語
『ご教授くださいますようお願い申し上げます』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご教授くださいますようお願い致します」
意味は『教え授けてくれるようお願いします』
とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。
※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK
ようするに「教え授けてほしい!」「教え授けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。
そこで遠まわしに「教え授けてくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。
まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」
つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…
ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。
希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、
- 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
- 【例文】部長に怒られないように気をつける
- 【例文】風邪などお召しになりませんように
などあり。
ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「ご教授くださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。
また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。
『ご教授いただきますよう・賜りますよう〜』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 【例文】ご教授いただきますようお願い申し上げます
- 【例文】ご教授賜りますようお願い申し上げます
→ 意味は『教え授けてもらうようお願いします』
あるいは可能形「いただける」をつかい、
- 【例文】ご教授いただけますようお願い申し上げます
→ 意味は『教え授けてもらえるようお願いします』
としても丁寧。
とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
「~いただきますよう」「~賜りますよう」の意味はどちらも「〜してもらうように」
ようするに「教え授けてほしい!」「教え授けてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。
そこで遠まわしに「教え授けてもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。
ちなみに、
賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。
普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。
「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。
【敬語の補足】
※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”
※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”
『ご教授のほどお願い申し上げます』
依頼・お願い「教え授けてください」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文「ご教授のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご教授のほどお願い致します」
意味は「教え授けてくれるようお願いします」
とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
ここで「ご教授のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご連絡のほどお願い申し上げます
意味「連絡してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。
その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご教授をお願い致します」
※意味は「教授をお願いする」 - 例文「ご教授いただきたく、お願い致します」
意味は「教え授けてほしい、お願いします」 - 例文「ご教授いただけましたら幸いです」
※意味は「教え授けてもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご教授いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「教え授けてもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご教授いただければ幸甚に存じます」
※意味は「教え授けてもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご教授いただけますと幸いです」
- 例文「ご教授いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご教授賜りますと幸いです」
- 例文「ご教授賜りますと幸甚に存じます」
- 例文「ご教授賜れましたら幸いです」
- 例文「ご教授賜れましたら幸甚に存じます」
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
使い方②会話・電話での依頼は”ご教授いただけますか?”
ご教授の使い方。
つづいてビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「教え授けてほしい!」と言いたいときには…
「ご教授くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話対応では…
- 【例文】ご教授いただけますか?
- 【例文】ご教授いただけますでしょうか?
- 【例文】ご教授願えますでしょうか?
あるいはシンプルに、
- 【例文】教え授けていただけますか?
- 【例文】教え授けていただけますでしょうか?
としても丁寧です。
※もちろん「ご教授ください」「ご教授くださいませ」としても丁寧
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「教え授けてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。
そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。
とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
※「すでに教え授けてもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「ご教授いただけましたか?」「ご教授いただけましたでしょうか?」とすると丁寧。
敬語の解説
「ご教授いただけますか?」「ご教授いただけますでしょうか?」
の敬語の成り立ちとしては…
- “教授”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご教授いただく」
- 可能形にして「ご教授いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「ご教授いただけます」
- 疑問形にして「ご教授いただけますか?」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご教授いただけますでしょうか?」
どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…
バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも構いません。
使い方③お礼「教え授けてくれてありがとう」と言いたい時
「ご教授」の使い方。
つづいてお礼の敬語フレーズ。
目上や社内上司・社外取引先に「教え授けてくれてありがとう」「ご教授ありがとう」と言いたいときにも「ご教授」をつかいます。
ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。
『ご教授いただきありがとうございます』
「ご教授」の使い方。
お礼・感謝「教え授けてくれてありがとう」と言いたいときにも使います。
- 例文『ご教授いただきありがとうございます』
- 例文『ご教授いただきまして、ありがとうございます』
あるいはシンプルに、
- 例文『ご教授ありがとうございます』
としてもまぁOKです。
意味はどれも『教え授けてもらいありがとう』
お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。
会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。
【敬語の補足】
※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)
『ご教授くださいましてありがとうございます』
お礼・感謝「教え授けてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文『ご教授くださいましてありがとうございます』
あるいはシンプルに、
- 例文『ご教授くださり、ありがとうございます』
としても丁寧です。
意味はどれも『教え授けてくれてありがとう』
こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。
ちなみに「ご教授くださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「ご教授いただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。
丁寧な対応を心がけたいときには「ご教授いただく」をオススメします。
【敬語の補足】
※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)
『ご教授賜りありがとうございます』
お礼・感謝「教え授けてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ
- 例文『ご教授賜りありがとうございます』
- 例文『ご教授賜りまして、ありがとうございます』
※「賜り」の読みは「たまわり」
意味はどれも『教え授けてもらいありがとう』
「いただきありがとう」と「賜りありがとう」は意味としては同じ。
よりカチッとした敬語、堅苦しい敬語は「賜りありがとう」のほうです。
普段のビジネスメールであれば「いただきありがとう」で十分に丁寧。
手紙・年賀状・冠婚葬祭やビジネス文書・公式なビジネスメールのときには「賜る」をよく使います。
【敬語の補足】
※「お(ご)~賜る」は「~してもらう」の謙譲語
“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ
ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。
ただ、
お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。
ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。
『感謝申し上げます』など
「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ
「感謝」をつかった例文を。
- 【例文】ご教授いただき感謝申し上げます
- 【例文】ご教授いただき感謝いたしております
- 【例文】ご教授いただき感謝いたします
※「ご教授くださり感謝〜」「ご教授くださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧
※「ご教授賜り感謝〜」「ご教授賜りまして感謝〜」だとより丁寧
意味はどれも似たようなもの。
ようは「教え授けてもらいありがとう!」「教え授けてくれてありがとう!」と言いたいのですが…
丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)
※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”
※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”
『深謝いたします』など
「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ
「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。
- 例文「ご教授いただき深謝いたしております」
- 例文「ご教授いただき深謝いたします」
※「ご教授くださり深謝〜」「ご教授くださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧
※「ご教授賜り深謝〜」「ご教授賜りまして深謝〜」だとより丁寧
意味はどれも似たようなも。
ようは「教え授けてもらい本当にありがとう!」「教え授けてくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…
丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。
【敬語の補足】
※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”
※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”
『お礼申し上げます』など
「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ
「お礼申し上げます」をつかった例文を。
- 【例文】ご教授いただきお礼申し上げます
- 【例文】ご教授いただき厚くお礼申し上げます
※「ご教授くださり・ご教授くださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧
※「ご教授賜り・ご教授賜りましてお礼〜」だとより丁寧
意味はどれも似たようなもの。
ようは「教え授けてもらいお礼します!」「教え授けてくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。
お礼フレーズ参考記事
使い方④断り「教え授けられません」と言いたい時
「ご教授」の使い方。
断りのシーンにもつかえます。
つまり、
目上や社内上司・社外取引先に「教え授けられません!」「教え授けるのは無理です!」「お断りします!」と言いたいときにも「ご教授」をつかいます。
ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。
『ご教授いたしかねます』
「ご教授」の使い方。
断り「お断りします!教えられません」と言いたいときにも使えます。
- 【例文】ご教授いたしかねます
意味は「教え授けることができません」
ようは「お断りします!」「教えられません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。
そこで、
「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています。
ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お受けいたしかねます
意味は「引き受けることができません」 - 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
意味は「要望に応えることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語
『ご対応いたしかねます』
断り「お断りします!教えられません」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。
そこで、
「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語
『ご要望にお応えすることが叶いません』
断り「お断りします!教えられません」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
- 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
→ 意味は「要望に応えることができない or 難しい」
あるいは、
- 【例文】xxにより、ご教授することが叶いません
- 【例文】xxのため、ご教授することが大変困難な状況でございます
→ 意味は「教え授けることができない or 難しい」
※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス
使い方は「ご教授いたしかねます」と似たようなもの。
ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。
そこで、
「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。
『ご要望に添いかねます』
断り「お断りします!教えられません」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】ご要望に添いかねます
意味は「要望に添うことができません」
使い方は「ご教授いたしかねます」と似たようなもの。
ようは「あなたの教え授けてほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。
そこで、
「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています。
丁寧な断りのフレーズいろいろ
上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。
飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます」
仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます」
内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします」
・・・などなど
ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。
以下の記事もご参考にどうぞ。
使い方⑤催促「教え授けてくれた?」と言いたい時
「ご教授」の使い方。
つづいて催促・確認の敬語フレーズ。
目上や社内上司・社外取引先に「すでに教え授けてくれた?」「教え授けてもらった?」と言いたいとき。
ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文を紹介します。
※かならずしも「ご教授」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧
『その後いかがでしょうか?』
催促・確認「教え授けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ
「いかがでしょうか?」をつかって、
- 【例文】その後いかがでしょうか?
→ 意味は「その後どうでしょうか」
としても丁寧。
わざわざ「ご教授」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。
「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。
ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。
目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。
覚えておくとかならず役に立ちます。
【敬語の補足】
※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)
『ご状況いかがでしょうか?』
催促・確認「教え授けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ
わざわざ「ご教授」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。
- 【例文】ご状況いかがでしょうか?
→ 意味は「状況はどうでしょうか」
使い方や敬語の種類は「その後いかがでしょうか」とおなじため省略。
催促・確認するとき、便利かつ丁寧なフレーズですので覚えておくと必ず役に立ちます。
『ご教授頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』
「ご教授」の使い方。
催促・確認「教え授けてくれたの?」と言いたいときにも「ご教授」をつかいます。
- 【例文】ご教授いただけましたか?
→ 意味は「教え授けてもらえましたか」
あるいは「~でしょうか?」を付け足して、
- 【例文】ご教授いただけましたでしょうか?
→ 意味は「教え授けてもらえたでしょうか」
としても丁寧です。
ようするに「すでに教え授けてもらえたのか?」「もう教え授けてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。
そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
敬語について解説していると日がくれるため…
わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。
- 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
- 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
- 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?
どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。
ちなみに「ご教授いただけましたか」よりも「ご教授いただけましたでしょうか」のほうが丁寧。
ただし結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。
あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。
※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)
※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。
※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。
『教えて頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』
催促・確認「教え授けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】教えていただけましたか?
→ 意味は「教えてもらえましたか」
あるいは、
- 【例文】教えていただけましたか?
→ 意味は「教えてもらえたでしょうか」
としても丁寧。
とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。
ようするに「すでに教えてもらえたのか?」「もう教えてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。
そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
ただ、
丁寧レベルとしては「ご教授いただけましたか?」「ご教授いただけましたでしょうか?」のほうが上。
カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。
【敬語の補足】
※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。
※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。
その他『ご教授くださいましたか』など
催促・確認「教え授けてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ
他にはたとえば、
- 【例文】ご教授くださいましたか?
- 【例文】ご教授くださいましたでしょうか?
→ 意味は「教え授けてくれましたか?/教え授けてくれたでしょうか?」
あるいは、
- 【例文】ご教授いただきましたか?
- 【例文】ご教授いただきましたでしょうか?
→ 意味は「教え授けてもらいましたか?/教え授けてもらったでしょうか?」
としてもまぁOKです。
※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)
意味や使い方は「ご教授いただけましたか?」と似たようなものなので省略。
どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。
が、あまり一般的ではなくおとなしく「ご教授いただけましたか?」「ご教授いただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。
【敬語の補足】
※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。
※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。
使い方⑥自分の行為「教え授けます!」
「ご教授」の使い方。
自分が「教え授けます!」と言いたいビジネスシーンにも「ご教授」をつかってOK。
ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。
※かならずしも「ご教授」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧
『ご説明します/説明いたします』
自分の行為「教え授けます」と言いたいときに使える敬語フレーズ
わざわざ「ご教授」という言葉を入れずとも「ご説明」をつかって言い換えできます。
- 【例文】ご説明します
- 【例文】(ご)説明いたします
意味はどちらも「説明します」
※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK
謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。
わざわざ「教授」というややこしい言葉をつかわずとも、「ご説明」をつかって言い換えられます。
どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「ご説明します」よりも「(ご)説明いたします」のほうが丁寧な敬語となります。
また「ご説明いたします」は「お(ご)」をのぞいて「説明いたします」としても正しい敬語です。
【敬語の補足】
※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語
※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。
『お教えしましょうか?』
自分の行為「教え授けます」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】お教えしましょうか?
→ 意味は「教えましょうか?」
あるいは、
- 【例文】お教えしますか?
→ 意味は「教え授けますか?」
というように疑問文をつかっても丁寧です。
かならずしも「ご教授」をつかう必要はありません。
『ご教授します/教授いたします』
「ご教授」の使い方。
自分の行為「教え授けます」と言いたいときにも「ご教授」は使えます。
- 【例文】ご教授します
- 【例文】ご教授いたします
意味はどちらも「教え授けます」
※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK
謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。
ようするに「教え授けるよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。
どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「ご教授します」よりも「ご教授いたします」のほうが丁寧な敬語となります。
【敬語の補足】
※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語
※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。
『お教えします/お教えいたします』
自分の行為「教え授けます」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】お教えします
- 【例文】お教えいたします
意味はどちらも「教え授けます」
※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK
謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。
わざわざ「教授」というややこしい言葉をつかわずとも、「お教え」をつかって言い換えられます。
どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お教えします」よりも「お教えいたします」のほうが丁寧な敬語となります。
返事するなら『承知しました』などが丁寧
あるいは…
目上や上司・取引先から「教え授けてくれますか?」と質問されたとき。
「わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、
- 【例文】承知しました
- 【例文】承知いたしました
あるいは、
- 【例文】かしこまりました
- 【例文】承りました(うけたまわりました)
としても丁寧です。
意味はどれも「わかりました・了解しました」
※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK
ちなみに「承知」の意味は…
- 目上の人の命令などをうけたまわること
- 相手の願い、要求などを聞き入れること
- わかること、知ること
承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。
使い方⑦禁止「教え授けてはダメです」と言いたい時
「ご教授」の使い方。
つづいて禁止の敬語フレーズ。
つまり、
目上や社内上司・社外取引先に「教え授けてはいけません!」あるいは「教え授けてはダメです!」「教授は止めてください!」と言いたいとき。
こんなビジネスシーンにも「ご教授」をつかいます。
『ご教授いただけません』
「ご教授」の使い方。
禁止「教え授けてはダメです!」と言いたいときにも「ご教授」は使えます。
- 【例文】ご教授いただけません
意味は「教え授けてはダメです」
「~いただけません」は直訳すると「~してもらってはいけません」ですが…
ようは禁止「~してはいけません」という意味。
「教え授けてはいけません!」「教え授けてはダメだよ!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。
上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。
そこで「~いただけません」という敬語をつかうことで遠まわしに禁止の意味をあらわしているのです。
ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。
そういう意味で丁寧といえます。
(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)
ちなみに「〜いただけません」はたとえば、
- 【例文】この車両はご利用いただけません
意味は「利用してはいけません」 - 【例文】このトイレはご使用いただけません
意味は「使用してはいけません」
などのようにして使います。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いただけません」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけた敬語
『ご教授いただくことはできません』
禁止「教え授けてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】ご教授いただくことはできません
意味は「教え授けてはダメです」
使い方は「ご教授いただけません」と似たようなもの。
こちらのほうがよりダイレクトに禁止の意味をあらわすフレーズになります。
ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。
(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)
したがって「ご教授いただけません」のほうが丁寧と言えます。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)
その他『お控えください』など
禁止「教え授けてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ
あとは「控える」をつかった言い換えもできます。
- 【例文】xxはお控えください(ませ)
- 【例文】xxはお控えいただきたく存じます
- 【例文】xxはお控えいただければと存じます
- 【例文】xxはお控えいただけますと幸いです
- 【例文】xxはお控えくださいますようお願い申し上げます
言いたいことは「控えてください・やめてください」
控える(ひかえる)の意味は…
- 待つ・待機する
- そばにいる
- 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
- 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
- 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる
ここでは「⑤やめておく」の意味でつかっています。
使い方⑧希望「教え授けたい!」とき
「ご教授」の使い方。
つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。
つまり、
自分が「教え授けたい!」と言いたいとき。
こんなビジネスシーンにも「ご教授」をつかいます。
『ご教授したく存じます』
「ご教授」の使い方:希望・意思・願望「教え授けたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】ご教授したく存じます
あるいは、
- 【例文】ご教授したく思います
としてもまぁOK。
意味はどれも「教え授けたいと思います」
謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。
また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。
すべてあわせると、
「教え授けたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。
【敬語の補足】
※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語
※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。
『ご教授いたしたく存じます』
希望・意思・願望「教え授けたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ
- 【例文】ご教授いたしたく存じます
あるいは、
- 【例文】ご教授いたしたく思います
としてもまぁOK。
意味はどれも「教え授けたいと思います」
※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK
謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。
また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。
すべてあわせると、
「教え授けたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。
どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「ご教授したく存じます」よりも「ご教授いたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。
【敬語の補足】
※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。
※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。
使い方⑨許可を得る「教え授けてもいいか?」
つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。
つまり「教え授けてもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。
『教え授けてもよろしいでしょうか?』
許可を得たい「教え授けてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ
- 【例文】教え授けてもよろしいでしょうか?
- 【例文】お教えしてもよろしいでしょうか?
→ 意味は「教え授けてもいいでしょうか?」
あるいは、
- 【例文】教え授けてもよろしいですか?
- 【例文】お教えしてもよろしいですか?
→ 意味は「教え授けてもいいですか?」
としても丁寧。
「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」
「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」
「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。
【敬語の補足】
※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。
※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語
使い方⑩許可をだす「教え授けてもいいよ!」
「ご教授」の使い方。
つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。
つまり「教え授けてもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。
『ご教授いただけます/お教えいただけます』
許可をだす「教え授けてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ
- 【例文】ご教授いただけます
- 【例文】お教えいただけます
意味は「教え授けてもらうことができます」
ようは「教え授けてもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。
そこで、
「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。
ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。
そういう意味で丁寧といえます。
(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)
【敬語の補足】
※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語
返事するなら『承知しました』などが丁寧
許可をだす「教え授けてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ
上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。
「わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、
- 【例文】承知しました
- 【例文】承知いたしました
あるいは、
- 【例文】かしこまりました
- 【例文】承りました(うけたまわりました)
としても丁寧です。
意味はどれも「わかりました・了解しました」
※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK
ちなみに「承知」の意味は…
- 目上の人の命令などをうけたまわること
- 相手の願い、要求などを聞き入れること
- わかること、知ること
承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。
“ご教授いただく vs ご教授くださる”の使い方
ややこしいので「ご教授いただく vs ご教授くださる」の使い方について。
代表的なパターンを表にまとめておきます。
こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。
“ご教授いただく”の使い方まとめ(すべて敬語)
①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
---|---|---|---|
現 在 | ご教授いただく | ご教授いただきます | -頂くよう -頂きますよう |
過 去 | ご教授いただいた | ご教授いただきました | × |
進行形 | ご教授いただいている | ご教授いただいています | -頂いております |
過去~現在 | ご教授いただいていた | ご教授いただいていました | -頂いておりました |
希 望 依 頼 |
ご教授いただきたい ご教授いただきたく ご教授いただくよう ご教授いただけるよう |
ご教授いただきたいです × ご教授いただきますよう ご教授いただけますよう |
-頂きたく思います -頂きたくお願いします -頂きたく存じます -頂ければと存じます |
可 能 | ご教授いただける | ご教授いただけます | -頂けるよう -頂けますよう |
①仮定 ②仮定+可能 |
①ご教授いただいたら ②ご教授いただければ |
①ご教授いただきましたら ②ご教授いただけましたら |
× |
①疑問+過去 ②疑問+可能 ③疑+可+過 |
①ご教授いただいたか? ②ご教授いただけるか? ③ご教授いただけたか? |
ご教授いただきましたか? ご教授いただけますか? ご教授いただけましたか? |
-頂きましたでしょうか -頂けますでしょうか -頂けましたでしょうか |
禁 止 | ご教授いただけない | ご教授いただけません | × |
命 令 | × | × | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
“ご教授くださる”の使い方まとめ(すべて敬語)
①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
---|---|---|---|
現 在 | ご教授くださる | ご教授くださいます | -くださるよう -くださいますよう |
過 去 | ご教授くださった | ご教授くださいました | × |
進行形 | ご教授くださっている | ご教授くださっています | -くださっております |
過去~現在 | ご教授くださっていた | ご教授くださっていました | -くださっておりました |
希 望 |
ご教授くださるよう | ご教授くださいますよう | × |
可 能 | × | × | × |
仮 定 | × | × | × |
疑 問 | ご教授くださるか? | ご教授くださいますか? | × |
否 定 | ご教授くださらない | ご教授くださいません | × |
命 令 | ご教授ください | ご教授くださいませ | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります
※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない