「返事してください」よりも丁寧な言い換え敬語・メール例文

「返事してください」は上司・目上に失礼?

ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?

とご心配のあなたへ。

「返事してください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…

時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。

会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。

より丁寧な言い換えにはたとえば、

  • 例文①お返事ください
  • 例文②お返事くださいませ
  • 例文③お返事をお願い致します
  • 例文④お返事いただきたく存じます
  • 例文⑤お返事のほどお願い申し上げます
  • 例文⑥お返事いただきますようお願い申し上げます
  • 例文⑦お返事くださいますようお願い申し上げます
  • 例文⑧お返事いただけますか?お返事いただけますでしょうか?
  • 例文⑨お返事いただければ幸いです
  • 例文⑩お返事賜りますようお願い申し上げます(”賜る”の読みは”たまわる”)

などあり。

これらの言い換えの丁寧レベルとしては「お返事ください」がもっとも低く「例文⑨お返事いただければ幸いです」「例文⑩お返事賜りますよう〜」がもっとも丁寧。

あとはどれも似たようなものです。

それでは、

「返事してください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

この記事の目次

強い口調となる敬語”返事してください”

ここでひとつ注意点を。

「返事してください」だけでなく「~してください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。

なぜなら「〜してください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。

極端なたとえですが、よく母親が子供に

「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」

といっているのを耳にします。

「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。

尊敬語”〜してくださる”の命令形「~してください」と似たような成り立ちです。

どちらかというと「~してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。

もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。

私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。

だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。

で、

シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…

本当にむずかしいのですよね。

したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。

いろんな敬語を知っておくことが重要

もっとも重要なことは、

いろんな敬語フレーズを知っておくこと。

そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶ返事することができるようになります。

社内の上司にメールするときは”お返事ください”をつかい、取引先にメールするときは「お返事いただければ幸いです」をつかい…

というような感じ。

引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。

そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。

覚えておくと必ず役に立つことでしょう。

【補足】”返事してください”の敬語の種類

「返事してください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「返事する」
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「返事してくださる」
  • さらに命令形にして「返事してください」

このようにして元になる語「返事する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

なお「お返事してください」は間違い敬語となりますのでご注意を

丁寧な言い換え敬語

ここまでの解説で「返事してください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。

ここからは、

じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?

という点についてみていきます。

①お返事ください

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事ください」

意味は『返事してください』

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

「返事して」というフレーズを尊敬語「お返事」に言い換えているため丁寧レベルとしては「返事してください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

さきほどの繰り返しにはなりますが、時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは言い換え例文②以降をつかいましょう。

ちなみに”お返事ください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「返事する」に尊敬語”お(ご)”で「お返事
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お返事くださる
  • さらに命令形にして”お返事ください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「返事する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分がお返事する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がお返事くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

また「お返事してください」は間違い敬語となりますのでご注意を。

②お返事くださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事くださいませ」

意味は『返事してください』

尊敬語「お返事くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「返事してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

③お返事いただきたく、お願い致します

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事いただきたく、お願い致します」
    →意味は『返事してもらいたい、お願いします』

あるいは単に、

  • 例文「お返事をお願い致します」
    →意味は『返事をお願いします』

としてもOKです。

※「お願い申し上げます」としても丁寧

※「よろしくお願い致します」というようにしても丁寧

いずれもシンプルかつ丁寧な敬語フレーズであり、ビジネスメールや電話対応でよくつかうフレーズです。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+希望「~したい」

④お返事いただければと存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事いただければと存じます」

意味は『返事してもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

⑤お返事いただきたく存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事いただきたく存じます」

意味は『返事してもらいたいと思います』

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑥お返事いただければ幸いです

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事いただければ幸いです」

意味は『返事してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『返事してもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」

「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「お返事いただけますと幸いです」
  • 例文「お返事いただけましたら幸いです」
  • 例文「お返事いただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「お返事いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「お返事いただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お返事いただけますと幸いです」
  • 例文「お返事いただけますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑦お返事くださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お返事くださいますようお願い致します」

意味は『返事してくれるようお願いします』

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

  1. ご査収くださいますようお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」
  2. ご検討くださいますようお願い申し上げます
    意味「検討してくれるようお願い!」
  3. ご確認くださいますようお願い申し上げます
    意味「確認してくれるようお願い!」
  4. ご了承くださいますようお願い申し上げます
    意味「納得してくれるようお願い!」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑧お返事いただきますよう・賜りますよう〜

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「お返事いただけますようお願い申し上げます」
  • 例文「お返事賜りますようお願い申し上げます」

意味はどちらも『返事してもらうようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑨お返事のほどお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「返事してください」の言い換え敬語

  • 例文「お返事のほどお願い申し上げます」
  • 例文「お返事のほどお願い致します」

意味は「返事してくれるようお願いします」となります。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「お返事のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご検討のほどお願い申し上げます
    意味「検討してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

⑩~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お返事をお願い致します
    ※意味は「返事をお願いする」
  • 例文「お返事いただきたく、お願い致します
    意味は「返事してほしい、お願いします」
  • 例文「お返事いただけましたら幸いです
    ※意味は「返事してもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お返事いただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「返事してもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お返事いただければ幸甚に存じます
    ※意味は「返事してもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お返事いただけますか?
    ※意味は「返事してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お返事いただけますでしょうか?
    ※意味は「返事してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お返事いただけますと幸いです
  • 例文「お返事いただけますと幸甚に存じます
  • 例文「お返事賜りますと幸いです
  • 例文「お返事賜りますと幸甚に存じます
  • 例文「お返事賜れましたら幸いです
  • 例文「お返事賜れましたら幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

ビジネス会話・電話対応では”お返事いただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「お返事くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お返事いただけますか?
  • 【例文】お返事いただけますでしょうか?
  • 【例文】返事していただけますか?
  • 【例文】返事していただけますでしょうか?
  • 【例文】お返事願えますでしょうか?

※もちろん “お返事ください”or”お返事くださいませ” としてもOK

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「返事してもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

お返事いただけますか?」「お返事いただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “返事する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お返事いただく」
  • 可能形にして「お返事いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お返事いただけます」
  • 疑問形にして「お返事いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お返事いただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「返事してください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①飲み会の出欠・催促ビジネスメール

【to社内・各位・上司など】
社内の催促メールで「飲み会の出欠確認を催促する」ときのビジネスメール例文。メールで案内をしていなければ新たに催促メールを作り、すでに案内済みのときには「転送Fw」「履歴付き返信Re」を使い、出欠の確認ができていない相手だけを宛先にする。催促するときには「●●はいかがでしょうか?」という敬語フレーズを使う。

メール件名①新規:懇親会・出欠のご確認
メール件名②転送Fw:【再送】懇親会・出欠のご確認

営業部 各位(社内)

お疲れ様です。

さて、先般お願いしておりました3月10日・懇親会の件、皆さまのご都合はいかがでしょうか。

お忙しいところ大変恐れ入りますが、予約等の手配が必要なためあらかじめ人数を把握しておきたく、明日中にご返事いただければと存じます。

なお、このメールは懇親会へのご出欠返事がまだの方へ送付しております。行き違いでご連絡をいただいておりましたら申し訳ありません。

何卒宜しくお願い致します。

営業部 ノマド

ビジネスメール例文②返事を催促する

メール件名①新規:懇親会・出欠のご確認
メール件名②転送Fw:懇親会・出欠のご確認

●● 課長(社内上司)

お疲れ様です。たびたび申し訳ありません。

さて、先般お願いしておりました3月10日・懇親会の件、●●課長のご都合はいかがでしょうか。

誠に勝手を申し上げますが、早めに予約等の手配を進めたく、明日中にご返事いただければと存じます。

また、本メールと行き違いでご返事をいただいておりましたら申し訳ありません。お忙しいところ大変恐れ入りますが、何卒宜しくお願い致します。

営業部 ノマド

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お返事」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを!

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お返事」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうか
    例文「どうかお返事くださいますようお願い申し上げます」
    例文「どうかお返事くださいますようお願い致します」
    例文「どうかお返事いただければ幸いです」
    例文「どうかお返事いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 何卒=どうか
    例文「何卒お返事くださいますようお願い申し上げます」
    例文「何卒お返事くださいますようお願い致します」
    例文「何卒お返事いただければ幸いです」
    例文「何卒お返事いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お返事」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • 恐縮=申し訳なく思うこと
    「お忙しいところ恐縮ではございますがお返事〜」
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますがお返事〜」
    「たびたび恐縮ではございますがお返事〜」
  • 恐れ入る=申し訳なく思う
    「お忙しいところ恐れ入りますがお返事〜」
    「お忙しいところ大変恐れ入りますがお返事〜」
    「たびたび恐れ入りますがお返事〜」
  • お手数=お手間
    「お忙しいところお手数お掛けしますがお返事〜」
    「お忙しいところ大変お手数ではございますがお返事〜」
  • 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがお返事〜」
  • ご無理申し上げる = 無理を言う
    「ご無理申し上げますが、何卒お返事のほどお願い申し上げます」
  • ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
    「ご多忙とは存じますがお返事〜」

“●●の上お返事”も使う

あとはよく使われる「お返事くださる・いただく」の使い方は…

「●●の上、お返事くださいますよう」

といった使い方もします。

意味としては「●●したのち返事してほしい」

ココで使う「~の上」は「~したのち」という意味。

すると以下のような例文もビジネスメールでは使いますね。

  • 例文「ご査収の上、お返事くださいますようお願い致します」
  • 例文「ご確認の上、お返事いただきたく存じます」

結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お返事ください
  2. お返事くださいませ
  3. お返事いただけますか?
  4. お返事いただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お返事ください
  2. お返事くださいませ
  3. お返事いただけますか
  4. お返事いただけますでしょうか
  5. お返事をお願い致します
  6. お返事いただきたく、お願い致します
  7. お返事いただきたく存じます
  8. お返事いただければと存じます
  9. お返事のほどお願い申し上げます
  10. お返事くださいますようお願い申し上げます
  11. お返事いただきますようお願い申し上げます
  12. お返事いただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お返事くださいませ
  2. お返事をお願い致します
  3. お返事いただきたく、お願い致します
  4. お返事いただきたく存じます
  5. お返事いただければと存じます
  6. お返事いただきますようお願い申し上げます
  7. お返事いただけますようお願い申し上げます
  8. お返事くださいますようお願い申し上げます
  9. お返事いただければ幸いです
  10. お返事いただければ幸甚に存じます
  11. お返事いただけましたら幸いです
  12. お返事いただけますと幸いです
  13. お返事いただけますと幸甚に存じます
  14. お返事いただけましたら幸甚でございます
  15. お返事いただけましたら幸甚に存じます

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お返事賜りますようお願い申し上げます
  2. お返事いただければ幸いです
  3. お返事いただければ幸甚に存じます
  4. お返事いただけましたら幸いです
  5. お返事いただけましたら幸甚でございます
  6. お返事いただけましたら幸甚に存じます
  7. お返事賜りますと幸いです
  8. お返事賜れますと幸いです
  9. お返事賜りましたら幸いです
  10. お返事賜れましたら幸いです
  11. お返事賜りますと幸甚に存じます
  12. お返事賜れますと幸甚に存じます
  13. お返事賜りましたら幸甚に存じます
  14. お返事賜れましたら幸甚に存じます

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

“お返事 vs.ご返事”の違い、どっちが正しい?

ところで「返事」と「返事」ってどちらが正しいのでしょうか?

せっかくの機会ですので簡単に。

訓読みは「お」vs 音読みは「ご」

一般的に訓読みの語(和語)には「お●●」で音読みの語(漢語)には「ご●●」と決まっています。

具体的にはたとえば以下のとおり。

▼お+訓読み(和語)

  • ◎お知らせ ×ご知らせ
  • ◎お願い ×ご願い
  • ◎お送りする ×ご送りする
  • ◎お召しになる ×ご召しになる

▼ご+音読み(漢語)

  • ◎ご挨拶 ×お挨拶
  • ◎ご連絡 ×お連絡
  • ◎ご確認 ×お確認
  • ◎ご利用 ×お利用
  • ◎ご査収 ×お査収
  • ◎ご検討 ×お検討

漢語/和語ハッキリしない熟語は?

で…

じつは漢語なのか和語なのかハッキリとしない熟語もあります。

たとえば、

「手本」は訓読み”て”+音読み”ホン”というように混合していますね。

あるいは…

「台所」も訓読み”ダイ”+音読み”どころ”というように混合しています。

これらは基本、和語として考えるため「お」をつかいます。

「お手本」とは言っても「ご手本」は見たことがありません。

※ちなみに「音+訓=湯桶読み」「訓+音=重箱読み」と言います。

▼訓読み+音読み(湯桶読み)

  • ◎お湯桶 ×ご湯桶(ゆトウ)
  • ◎お手数 ×ご手数(てスウ)
  • ◎お手帳 ×ご手帳(てチョウ)
  • ◎お手本 ×ご手本(てホン)
  • ◎お手配 ×ご手配(てハイ)
  • ◎お見本 ×ご見本(みホン)

▼音読み+訓読み(重箱読み)

  • ◎お重箱 ×ご重箱(ジュウばこ)
  • ◎お台所 ×ご台所(ダイどころ)
  • ◎お雑木 ×ご雑木(ゾウき)
  • ◎お番組 ×ご番組(バンぐみ)
  • ◎お派手 ×ご派手(ハで)
  • ◎お馬鹿 ×ご馬鹿(バか)

ただし、

「音読み+訓読み」で成り立つ重箱読みは、最初の1文字が音読みのため「ご」をつけるべきとの説もあります。

正しいのは”ご返事”だけど”お返事”でもOK

で話はもどって「返事」について考えます。

「返事」は音読み”ヘン”+音読み”ジ”から成り立ちます。

つまりルールに従うのであれば「ご+漢語」をつかい「返事」とするのが正しいとわかります。

ただ日本語には気持ち悪いルールがあり、どんな間違った言葉であってもフツーに使われていれば正しいと認識されます。

たとえば「全然OK」とか。もともと「全然」は「全然ダメ」のように否定的なことに使われていましたが、いつの頃からか肯定的な語にも使われるようになりました。

その意味では「返事」という言葉もよく使われるのでまぁ問題はないでしょう。

例外あり

また例外として敬語のひとつである「美化語」にする場合には「お」をつかいます。

そのほかにもイロイロと例外あり。長くなるため省略します。

まぁ結局のところ、結構どちらでもよいのですよね…

(明らかにおかしい使い方をしなければ…)

【まとめ】お返事の使い方

いろいろと散らかってきたので「お返事ください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「お返事」の使い方をまとめます。