つづいて「ご指導」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
かしこまったシーンでは「ご指導ご鞭撻のほど〜」よりも「ご指導を賜りますよう~」を使う
繰り返しにはなりますが、
「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
よりも
「今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
「今後とも倍旧のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
※倍旧の(読み:ばいきゅうの)は「より一層の」という意味
といった表現のほうがよく使われます。意味はどれもおなじですが「〜のほど」よりも「賜る」のほうがかしこまったシーンにおいて好まれるフレーズです。
とくに公式なビジネス文書や年賀状では気をつけましょう(上司にあてるようなものであれば気にする必要はない)
またこれもすでに解説していますが、「賜る」ばかりを使っていると変な文章になることもあります。バランスを考えて使い分けしましょう。
「ご指導ご鞭撻」は社内むけに使い取引先には使わない
繰り返しにはなりますが「ご指導ご鞭撻」は社内メールでよく使う表現であり、社外メールではあまり適切ではありません。
なぜなら、あなたを指導するのは社内の上司や先輩であるはずで、社外の相手はあなたのことを指導する立場にはないから。
社外むけの挨拶文書・挨拶メールの結びには以下のようなフレーズを使うべき。
- 「今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
- 「今後ともお引き立てを賜りますよう〜」※読み:おひきたて=ひいきにすること
- 「今後ともご厚情を賜りますよう〜」※読み:ごこうじょう=厚い情け
- 「今後ともご高配を賜りますよう〜」※読み:ごこうはい=お心遣い、お心配り
- 「今後ともご支援を賜りますよう〜」※読み:ごしえん
- 「今後ともご厚誼を賜りますよう〜」※読み:ごこうぎ=親しいお付き合い
社内の上司や先輩、目上の人には何かと教えてもらってばかり。だから「ご指導ご鞭撻のほど」を使う
ビジネスは一人では成り立ちません。
私たちは社内の先輩や上司、社外のパートナーなど、まわりの人々にいつもいろいろと教えてもらいながら仕事をしているのです。
そんな指導してもらっている社内の相手(上司や先輩・目上)に対して「今後もよろしくね!」といった挨拶の意味を込めて使うのが「ご指導ご鞭撻のほど〜」です。
「ご指導ご鞭撻」を無理に使わなくてもよい
「ご指導ご鞭撻」をビジネスメールに無理して使う必要はありません。
普通に「ご指導」だけを使っても十分に丁寧な文章をつくることができます。
以下の例文もご参考にどうぞ。
- 「今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます」
- 「今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
「お願いいたします=お願い申し上げます」で言い換えできる
極めて初歩的ではありますが…
「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
は
「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
と言い換えできます。
あるいは「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使って、
「ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします」
「ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます」
としても丁寧です。頭のかたすみに入れておきましょう。
ご指導ご鞭撻〜のビジネス例文
さいごに「ご指導ご鞭撻〜」を使ったビジネスメールや文書の例文を紹介します。
【例文】上司への年賀状
謹賀新年
旧年中は公私にわたって大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
本年もより一層の精進を重ねて参る所存ですので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
※年賀状は一般的に句読点を使わない
【社内BCC】赴任・着任後の異動挨拶メール
【社内BCC一斉送信・基本テンプレート】
・赴任/着任後の異動挨拶ビジネスメール例文
・もっともかしこまったシーンで使う
・着任して出勤したらまず、これまでお世話になった人々へ報告の意味でBCC一斉送信する
メール件名:着任のご挨拶
拝啓 春暖の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて私こと、4月1日付でxx支社■■営業部勤務を命ぜられ、過日着任いたしました。zz支社▲▲営業部在任期間中は、多大なご厚情とご指導を賜り、心より御礼を申し上げます。
これまでの経験を活かし、今後は■■営業部において●●事業の発展に力を尽くしてまいる所存でございます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
甚だ略儀ではございますが、
まずはメールをもちましてご挨拶申し上げます。 敬具
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xx支社■■営業部 ノマド
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【社内】異動先の上司への挨拶ビジネスメール例文
【社内上司・基本テンプレート】
・異動先の上司への挨拶ビジネスメール例文
・直属の上司にメールなり、電話で挨拶をする※必要に応じて上司の上司にもメールする
・内示があり、初出勤日が決まった段階で挨拶メールをする※ただし会社の文化による
・テンプレートとして使えるもっともシンプルな例文
メール件名:異動のご挨拶
■■グループ
山下 課長 (社内上司)
お疲れ様です。
このたび、4月1日付で東京本社xx部■■課への異動を命ぜられました、▲▲xxと申します。
入社以来、大阪支社●●営業部で3年、▲▲営業部で3年と営業職に従事し、東京本社勤務は初めてとなります。
初めてのことばかりで何かとお手間をお掛けすることと存じますが、一刻も早く■■事業の発展に貢献できるよう、尽力して参る所存でございます。
ご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
甚だ略儀ではございますが、
まずはメールにてご挨拶申し上げます。
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リテール営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
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【社内上司】結婚報告・挨拶メール例文
【社内・過去の上司や先輩・基本テンプレート】
・社内あて結婚報告、挨拶ビジネスメール例文
・過去、お世話になった上司に報告するテンプレート
・上司が長期出張などでどうしてもつかまらない時にだけメール報告する
メール件名:結婚のご挨拶
●● 部長
お疲れ様です。
さて、私事で大変恐縮ではございますが、このたび、大学時代よりお付き合いしておりました「野間子さん」と入籍・結婚いたしました。
メールでのご報告となりましたことをお詫び申し上げます。
これまで、たくさんの励ましや温かいお言葉をいただき誠にありがとうございました。●● 部長のお力添えもあり、夫婦として出発を迎えることができました。
改めて御礼申し上げます。
これからは夫婦として力を合わせ幸せな家庭を築いていきたいと思います。
まだまだ未熟な私たちではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
甚だ略儀ながら、
まずはメールをもちましてご挨拶申し上げます。
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メール署名
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参考記事
➡︎「ご高配」の意味とビジネスにふさわしい使い方・例文
➡︎「ご厚誼」の意味、目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文
➡︎「ご厚情」の意味とビジネスにふさわしい使い方・例文
➡︎「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の意味と違い、使い分け