「ご査収いただきたく存じます」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご査収いただきたく存じます」の意味、ビジネスシーン（メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職）にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

意味と敬語

「ご査収いただきたく存じます」は「よく中身を確認して受け取ってもらいたいと思います」という意味。

なぜこのような意味になるのか？

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

ご査収の意味は”よく確認して受け取ること”

そもそもご査収（読み：ごさしゅう）の意味は「よく確認して受け取ること」

もとになる単語は「査収」であり、中身を確認（検査）したうえで、受け取る（収める）ということですね。

単語をバラして意味を考えてみると…

1. 査収の「査」は「調査・検査・精査」などで使われる通り何かをよく確認すること
2. 査収の「収」は「収集・収める」などで使われるように何かを受け取ること
3. この「査収」に尊敬語「お・ご」を使うと「ご査収」という敬語の完成

つまり「ご査収ください」だと意味は…

「よく確認して受け取ってほしい」のように解釈できます。

むずかしければ「ご査収＝受け取ること」だとお考えください。

使い方は上司や取引先に何かしらの依頼・お願いをするビジネスシーンで使われます。

“ご査収いただきたく”の意味は「よく中身を確認して受け取ってもらいたい」

ご査収のもとになる単語は”査収”であり、”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）～いただく」をつかって敬語にしています。

“いただきたく”の部分は謙譲語”いただく”に意思・希望「〜したい」をつかっています。

ちなみに”ご査収”の「お（ご）」の部分は向かう先を立てるために使う敬語であり謙譲語の「お（ご）」です。

余談ですが尊敬語にも「お（ご）」の使い方があり混同しがち。

“存じます”の意味は「思います」

“思う”の敬語（謙譲語）「存じる」に丁寧語”ます”をつかって敬語にしています。

あわせると意味は「よく中身を確認して受け取ってもらいたいと思います」

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「ご査収いただきたく存じます」の意味は…

「よく中身を確認して受け取ってもらいたいと思います」

であり、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

「よく中身を確認して受け取ってください！」とストレートに言うのではなく遠回しに自分の意思や気持ちをつたえる、とても丁寧なフレーズですね。

ニュアンスとしては「よく中身を確認して受け取ってもらいたいと思うのだけど…」みたいなイメージ。

あまりに堅苦しくて大げさかもしれませんが、とにかく目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズになります。

敬語の解説

ややこしいので、これまでの敬語の解説をまとめておきます。

「ご査収いただきたく存じます」を敬語としてみていくと以下のとおりに成り立ちます。

このようにして元になる語「査収」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

なお「ご査収していただきたく存じます」は間違い敬語となりますのでご注意を。

この場合、謙譲語「お（ご）」をなくして「よく中身を確認して受け取っていただきたく存じます」とすれば正しい敬語になります。

理由は長くなるので省きますが、あくまでも「ご査収いただきたく存じます」をつかうことをオススメします。

それでは次項より使い方についても見ておきましょう。

【基本の使い方】資料などを送るときのビジネスメール

「ご査収いただきたく存じます」の使い方

文字どおり何かしら「よく中身を確認して受け取ってほしい！」と言いたいときのビジネスメールに使います。

具体的には仕事で資料などを送るときに使いますね。

そうでなくてもビジネスメール自体を「よく確認して受け取ってほしい！」というニュアンスとしても使えます。

たとえば上司・目上や社外取引先への仕事の進捗報告などイロイロ。

本当によくつかう敬語です。

ようするに「よく中身を確認して受け取ってほしい！」という意味なのですが丁寧な敬語にすると、こんな風にややこしい文章になります。

ビジネスメール例文

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「ご査収いただきたく存じます」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

• ︎【転職】履歴書をメールに添付して送るときの例文・書き方

• 【ビジネス】資料送付メールの書き方・例文

ビジネスメール例文③ESを添付するから受け取ってほしい

メール件名: エントリーシート送付の件（京都大学・就活太郎）

◯◯株式会社
ご採用担当　様

お世話になります。京都大学・経済学部の加藤一郎と申します。
さて首記の件、エントリーシートを添付ファイルにて送付いたします。

お忙しいところ大変恐れ入りますが、
ご査収のほど何卒宜しくお願いいたします。

************************************
京都大学
経済学部・○○学科
就活太郎
住所：〒123-456 大阪府大阪市北区～～～
電話：～～～
Eメール：～～～
************************************

• 就活メールにES・履歴書を添付して送るときの例文と全注意点

見積もり送付メール（ビジネス・社外）

メール件名：見積送付の件

転職株式会社
転職　様

平素はお世話になっております。
株式会社就活の就活です。

さて、先ほどお問い合わせ頂きました見積もりの件、
添付ファイルにて送付いたします。

ご査収のほど何卒よろしくお願い致します。

メール署名

“ご査収いただければと存じます”だとなお丁寧

“よく中身を確認して受け取ってほしい！”と言いたいときに使える敬語。

「ご査収いただきたく存じます」でも十分に丁寧ではありますが…

「ご査収いただければと存じます」とすると、より丁寧な敬語になります。

たとえば、

のようにして使います。

意味と違い・使い方

どちらも言いたいことは結局のところ「よく中身を確認して受け取ってほしい」なのですが…

敬語の使い方に違いあり。

謙譲語「いただく」に仮定の「たら・れば」をくっつけると「いただければ」という敬語になります。

したがって「ご査収いただければと存じます」のニュアンスとしては「よかったらよく中身を確認して受け取ってもらえたらと思うのだけど」というような感じになります。

「ご査収いただきたく存じます」でも遠回しにあなたの希望を伝える敬語なのですが…

「ご査収いただければと存じます」だともっと大げさになります。

かな〜り遠回しにお願いをしているわけで、目上・上司・取引先への言葉づかいとしてはこの上なく丁寧ですね。

そんなに丁寧にする必要あるの？って思うくらい。

まぁ、ひとつのオプションとしてお好みでお使いください。

シンプルに”ご査収いただきたくお願い致します”でも丁寧

“よく中身を確認して受け取ってほしい！”と言いたいときに使える敬語。

「ご査収いただきたく存じます」「ご査収いただければと存じます」だけでなく、

「ご査収いただきたく、お願い致します」もあります。

言いたいことは結局のところ「よく中身を確認して受け取ってほしい」なのですが…

たとえば、

のようにして使います。

“存じます”ばかりのメールは気持ち悪い

ビジネスメールで「存じます」つまり「思います」を多用すると気持ち悪い文章になってしまいます。あなたの意思が伝わらずぼんや〜りとしたメールになって「結局なにが言いたいの？」ということになりかねません。

そんなときに活躍するのが「ご査収いただきたく、お願い致します」です。

「ご査収いただきたく存じます」だと「よく中身を確認して受け取ってもらいたいと思います」という意味であり、

「ご査収いただきたく、お願い致します」だと「よく中身を確認して受け取ってもらいたい、お願い！」というような意味になります。

敬語としてはどちらも、これでもかというくらい丁寧なので使い分けする必要はありません。

文章のバランスを考えてお好みでお使いください。

なお「ご査収をいただきたく、お願い致します」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

敬語の解説

一応「ご査収いただきたく、お願い致します」の敬語の成り立ちをまとめておきます。

謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。

もっとシンプルに”ご査収をお願い致します”でもOK

“よく中身を確認して受け取ってほしい！”と言いたいときに使える敬語。

「ご査収いただきたく存じます」
「ご査収いただければと存じます」
「ご査収いただきたく、お願い致します」

だけでなくシンプルに「ご査収をお願い致します」としてもOKです。

意味としては「査収をお願いします！」であり、

言いたいことは結局のところ「よく中身を確認して受け取ってほしい」となります。

たとえば、

のようにして使います。

社内メールや懇意にしている取引先につかう

基本の使い方はこれまでとおなじ。

なにかしら「よく中身を確認して受け取ってほしい！」というときに使います。

とくに懇意にしている社外取引先や社内コミュニケーション（上司・目上）であれば、そこまで堅苦しい敬語をつかう必要はありません。

あまりに丁寧すぎる敬語は相手との間に壁をつくってしまいますからね。

ということで相手をみてシンプルに「ご査収をお願い致します」としてもなんら問題はありません。

ほかにも使える丁寧な敬語

これまで紹介した例文のほかにも…

なども似たような意味であり、とても丁寧な敬語です。

※ 幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

※ 「幸い」は「幸せであること、嬉しい気持ち」の意味

※ 「存じる」は「思う」の謙譲語

※ 「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」

※ 「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」

※ 「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」

結局どれがもっとも丁寧？

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

これまで紹介しきれなかった敬語もふくめ丁寧レベルごとにまとめておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. ご査収ください
2. ご査収くださいませ
3. ご査収いただけますか？
4. ご査収いただけますでしょうか？

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. ご査収ください
2. ご査収くださいませ
3. ご査収いただけますか
4. ご査収いただけますでしょうか
5. ご査収をお願い致します
6. ご査収いただきたく、お願い致します
7. ご査収いただきたく存じます
8. ご査収いただければと存じます
9. ご査収のほどお願い申し上げます
10. ご査収くださいますようお願い申し上げます
11. ご査収いただきますようお願い申し上げます
12. ご査収いただけますようお願い申し上げます

注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. ご査収くださいませ
2. ご査収をお願い致します
3. ご査収いただきたく、お願い致します
4. ご査収いただきたく存じます
5. ご査収いただければと存じます
6. ご査収のほどお願い申し上げます
7. ご査収いただきますようお願い申し上げます
8. ご査収いただけますようお願い申し上げます
9. ご査収くださいますようお願い申し上げます
10. ご査収いただければ幸いです
11. ご査収いただければ幸甚に存じます
12. ご査収いただけましたら幸いです
13. ご査収いただけますと幸いです
14. ご査収いただけますと幸甚に存じます
15. ご査収いただけましたら幸甚でございます
16. ご査収いただけましたら幸甚に存じます

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

なお「ご査収をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. ご査収賜りますようお願い申し上げます
2. ご査収いただければ幸いです
3. ご査収いただければ幸甚に存じます
4. ご査収いただけましたら幸いです
5. ご査収いただけましたら幸甚でございます
6. ご査収いただけましたら幸甚に存じます
7. ご査収賜りますと幸いです
8. ご査収賜れますと幸いです
9. ご査収賜りましたら幸いです
10. ご査収賜れましたら幸いです
11. ご査収賜りますと幸甚に存じます
12. ご査収賜れますと幸甚に存じます
13. ご査収賜りましたら幸甚に存じます
14. ご査収賜れましたら幸甚に存じます

なお「ご査収を賜りましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

“ご査収いただく vs ご査収くださる”の使い方

ややこしいので「ご査収いただく vs ご査収くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご査収いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご査収くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない