「問い合わせて下さい」よりも丁寧な言い換え敬語・メール例文

「問い合わせてください」のそもそもの意味は…

「問い合わせてほしい」
「問い合わせてくれ」

• もとになる単語「問い合わせる」
• さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「問い合わせてくださる」
• さらに命令形にして「問い合わせてください」

極端なたとえですが、よく母親が子供に

「はやく片付けなさい！！」
「静かにしなさい！！」

といっているのを耳にします。

「～なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。

尊敬語”〜してくださる”の命令形「～してください」と似たような成り立ちです。

どちらかというと「～してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。

• 例文「お問合せください」

意味は『問い合わせてください』

• もとになる単語「問い合わせる」に尊敬語”お（ご）”で「お問合せ」
• さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お問合せくださる」
• さらに命令形にして”お問合せください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

• 例文「お問合せくださいませ」

意味は『問い合わせてください』

• 例文「お問合せいただければと存じます」

意味は『問い合わせてもらえたらと思います』

• 例文「お問合せいただきたく存じます」

意味は『問い合わせてもらいたいと思います』

• 例文「お問合せいただければ幸いです」

意味は『問い合わせてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『問い合わせてもらえたら嬉しいです』

• 例文「お問合せくださいますようお願い申し上げます」
• 例文「お問合せくださいますようお願い致します」

意味は『問い合わせてくれるようお願いします』

※「お願い申し上げます ＝ お願い致します」に言い換えOK

• 例文「お問合せいただきますようお願い致します」
• 例文「お問合せいただけますようお願い致します」
• 例文「お問合せ賜りますようお願い申し上げます」

意味はどれも『問い合わせてもらうようお願いします』

※「お願い申し上げます ＝ お願い致します」に言い換えOK

ビジネス会話・電話対応では”お問合せいただけますか？”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「お問合せくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「問い合わせてもらえますか？」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか？」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

「お問合せいただけますか？」「お問合せいただけますでしょうか？」

の敬語の成り立ちとしては…

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか？」を使うのをオススメします。

ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「問い合わせてください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

例文①WEBサイトやブログのお問合せ

◎基本スペック紹介

メモリー：64GB
CPU：
ディスプレイ：
〜〜

◎お問い合わせ先

下記のコンタクトフォームよりお問い合わせください。

↓↓

氏　名：
社　名：
メール：

ビジネスメール例文③問い合わせ先の窓口を紹介する

【to社外・各位・取引先など】
問い合わせ先を間違えており、カスタマーサポートの窓口を紹介するビジネスメール

メール件名：返信Re:【商品A】お問い合わせ

株式会社ビジネス
営業部　●● 様

いつもお世話になっております。
（株）転職・ノマドでございます。

このたびはお問い合わせいただきありがとうございます。

さて、商品Aにつきましては別部署にて担当しております。

つきまして下記のとおり担当窓口をご案内申し上げます。

担当：●●営業部　野窓（のまど）
電話：xx
メール：xx

お問い合わせ内容を申し伝えておきましたので、大変お手数ではございますが上記窓口へお問い合わせいただければと存じます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

———-
メール署名
———- 

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お問合せ」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを！

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お問合せ」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

• どうか
  例文「どうかお問合せくださいますようお願い申し上げます」
  例文「どうかお問合せくださいますようお願い致します」
  例文「どうかお問合せいただければ幸いです」
  例文「どうかお問合せいただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
• 何卒＝どうか
  例文「何卒お問合せくださいますようお願い申し上げます」
  例文「何卒お問合せくださいますようお願い致します」
  例文「何卒お問合せいただければ幸いです」
  例文「何卒お問合せいただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お問合せ」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

• 恐縮＝申し訳なく思うこと
  「お忙しいところ恐縮ではございますがお問合せ〜」
  「お忙しいところ大変恐縮ではございますがお問合せ〜」
  「たびたび恐縮ではございますがお問合せ〜」
• 恐れ入る＝申し訳なく思う
  「お忙しいところ恐れ入りますがお問合せ〜」
  「お忙しいところ大変恐れ入りますがお問合せ〜」
  「たびたび恐れ入りますがお問合せ〜」
• お手数＝お手間
  「お忙しいところお手数お掛けしますがお問合せ〜」
  「お忙しいところ大変お手数ではございますがお問合せ〜」
• 勝手を申し上げる＝自分勝手を言う
  「誠に勝手を申し上げますがお問合せ〜」
• ご無理申し上げる = 無理を言う
  「ご無理申し上げますが、何卒お問合せくださいますようお願い申し上げます」
• ご多忙とは存じますが＝忙しいとは思うけど
  「ご多忙とは存じますがお問合せ〜」

結局どれがもっとも丁寧？

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. お問合せください
2. お問合せくださいませ
3. お問合せいただけますか？
4. お問合せいただけますでしょうか？

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. お問合せください
2. お問合せくださいませ
3. お問合せいただけますか
4. お問合せいただけますでしょうか
5. お問合せいただきたく、お願い致します
6. お問合せいただきたく存じます
7. お問合せいただければと存じます
8. お問合せくださいますようお願い申し上げます
9. お問合せいただきますようお願い申し上げます
10. お問合せいただけますようお願い申し上げます

注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. お問合せくださいませ
2. お問合せいただきたく、お願い致します
3. お問合せいただきたく存じます
4. お問合せいただければと存じます
5. お問合せいただきますようお願い申し上げます
6. お問合せいただけますようお願い申し上げます
7. お問合せくださいますようお願い申し上げます
8. お問合せいただければ幸いです
9. お問合せいただければ幸甚に存じます
10. お問合せいただけますと幸いです
11. お問合せいただけますと幸甚に存じます
12. お問合せいただけましたら幸いです
13. お問合せいただけましたら幸甚でございます
14. お問合せいただけましたら幸甚に存じます

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

1. お問合せ賜りますようお願い申し上げます
2. お問合せいただければ幸いです
3. お問合せいただければ幸甚に存じます
4. お問合せいただけますと幸いです
5. お問合せいただけますと幸甚に存じます
6. お問合せいただけましたら幸いです
7. お問合せいただけましたら幸甚でございます
8. お問合せいただけましたら幸甚に存じます
9. お問合せ賜りますと幸いです
10. お問合せ賜れますと幸いです
11. お問合せ賜りましたら幸いです
12. お問合せ賜れましたら幸いです
13. お問合せ賜りますと幸甚に存じます
14. お問合せ賜れますと幸甚に存じます
15. お問合せ賜りましたら幸甚に存じます
16. お問合せ賜れましたら幸甚に存じます

他にも使える言い換え敬語

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「問い合わせてください」の言い換え敬語。

じつは「お問合せ」や「ご質問等ございましたらお申し付けください」の他にもいろいろな敬語フレーズがあります。

ほんの一部ではありますが、言い換え敬語を思いつくかぎり紹介しておきます。

いずれも目上・上司・社外取引先につかえる丁寧な例文にしていますので、ご参考にどうぞ。

①ご不明な点等ございましたらお申し付けください

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「問い合わせてください」の言い換え敬語。

「ご不明な点等ございましたら」あるいは「ご不明な点などございましたら」をつかって言い換えできます。

「お申し付けください」は「言い付けてください」つまり「命令してください」の意味の敬語。

ビジネスメールではよく使う丁寧な敬語フレーズ。上司・目上・社外取引先にも使える丁寧な敬語です。

ビジネスシーンで相手が気になることは、ご不明な点だけとは限りません。

そういう意味で「ご不明な点等」という限定しない「等」をつかうのも一般的ですね。

100%言い換えできるかというとビミョーなところですが…

②ご不明な点がございましたらお申し付けください

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「問い合わせてください」の言い換え敬語。

「ご不明な点がございましたら」をつかって言い換えできます。

「ご不明な点等」とせずに「ご不明な点」というように断定しても、なんら問題ありません。

「お申し付けください」は「言い付けてください」つまり「命令してください」の意味の敬語。

ビジネスメールではよく使う丁寧な敬語フレーズ。上司・目上・社外取引先にも使える丁寧な敬語です。

【まとめ】お問合せの使い方

いろいろと散らかってきたので「問い合わせてください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「お問合せ」の使い方をまとめます。