敬語「お書き」のビジネスにおける全使い方

「お書き」の意味と敬語の種類、ビジネスシーンに最適な使い方のすべてについて。

① 依頼「書いてください」は敬語でなんて言う?

② お礼「書いてくれてありがとう」を丁寧な敬語にすると?

③ 断り「お断りします!書きません」と言いたいのだけど…

④ 催促「書いてくれた?」を丁寧な敬語にすると?

⑤ 自分の行為「書きます!」の敬語は?

⑥ 禁止「書いてはダメです!」と言いたいときは?

⑦ 希望・意思「書きたい!」ときの丁寧な敬語は?

⑧ 許可をえる or だすときの丁寧な敬語は?

メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職にはどんな敬語が好ましい?

…などなど。

ここでは敬語「お書き」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。

“お書き”の意味と敬語の種類

まずは「お書き」のそもそもの意味と敬語の種類について。

“お書き”の敬語の種類

「お書き」の敬語の種類は・・・

「書く」という元の語に①尊敬語あるいは②謙譲語の「お(ご)」をつかって敬語にしています。

  1. 上司/目上などの相手が「お書きくださる」「お書きだ」→①尊敬語“お(ご)”
  2. 「自分がお書きする」「相手にお書きいただく」→②謙譲語“お(ご)”

というように2パターンあります。

敬語”お(ご)”の使い方

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 会食のお誘い
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お誘い・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

“書く”の敬語①謙譲語

「書く」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

  1. お書きする
    お書きします
    ※意味は(自分が)書く
  2. お書きいたす
    お書きいたします
    ※意味は(自分が)書く
  3. お書き申し上げる
    お書き申し上げます
    ※意味は(自分が)書く
  4. 書いていただく
    書いていただきます
    ※意味は(自分が相手に)書いてもらう
  5. お書きいただく
    お書きいただきます
    ※意味は(自分が相手に)書いてもらう
  6. 書かせていただく
    書かせていただきます
    ※意味は「書かせてもらう」

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“書く”の敬語②尊敬語

「書く」の尊敬語をまとめておきます。

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

  1. お書きだ
    お書きです
    ※意味は(目上なり上司が)書く
  2. お書きになる
    お書きになります
    ※意味は(目上なり上司が)書く
  3. 書かれる
    書かれます
    ※意味は(目上なり上司が)書く
  4. 書きなさる
    書きなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)書く
  5. お書きなさる
    お書きなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)書く
  6. お書きくださる
    お書きくださいます
    ※意味は(目上なり上司が)書いてくれる

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

※尊敬語「〜れる・られる」は受け身の用法とごっちゃになる可能性があり、注意が必要。

“書く”の敬語③丁寧語

つづいて「書く」の丁寧語について。

③そもそも丁寧語とは…

敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。

  • 書きます
    ※意味は(自分が)書く

以上で基本事項のおさらいは終わり。

あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。

使い方①依頼「書いてください」と言いたい時

「お書き」の使い方。

依頼・お願いの敬語フレーズとして、目上や社内上司・取引先に「書いてください」「書いてほしい」と言いたいときに使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お書きください』

「お書き」の使い方。

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お書きください」

意味は『書いてください』

「書いて」というフレーズを尊敬語「お書き」に言い換えているため丁寧レベルとしては「書いてください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは以降の例文をつかいましょう。

ちなみに”お書きください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「書く」に尊敬語”お(ご)”で「お書き
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お書きくださる
  • さらに命令形にして”お書きください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「書く」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

『お書きくださいませ』

「お書き」の使い方。

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お書きくださいませ」

意味は『書いてください』

尊敬語「お書きくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「書いてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

『お書きいただければと存じます』

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お書きいただければと存じます」

意味は『書いてもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

『お書きいただきたく存じます』

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいただきたく存じます
    → 意味は『書いてもらいたいと思います』

あるいはシンプルに、

  • 【例文】お書きいただきたく、お願い致します
    → 意味は『書いてもらいたい、お願いします』

としても丁寧です。

「~いただきたく存じます」の意味は「~してもらいたいと思います」。相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

『お書きいただければ幸いです』

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいただければ幸いです

意味は『書いてもらえたら嬉しいです』

「~いただければ幸いです」の意味は「~してもらえたら嬉しいです・幸せです」

ようするに「書いてほしい!」「書いてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「書いてもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下のフレーズもご参考にどうぞ。

  • 例文「お書きいただけますと幸いです」
  • 例文「お書きいただけましたら幸いです」
  • 例文「お書きいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お書きいただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「お書きいただけましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

『お書きくださいますようお願い申し上げます』

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お書きくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お書きくださいますようお願い致します」

意味は『書いてくれるようお願いします』

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

ようするに「書いてほしい!」「書いてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「書いてくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お書きくださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

『お書きいただきますようお願い致します』

依頼・お願い「書いてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいただきますようお願い申し上げます
    → 意味は『書いてもらうようお願いします』

あるいは可能形「いただける」をつかい、

  • 【例文】お書きいただけますようお願い申し上げます
    → 意味は『書いてもらえるようお願いします』

としても丁寧。

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「~いただきますよう」の意味は「〜してもらうように」

ようするに「書いてほしい!」「書いてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「書いてもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。

ちなみに、

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

メール結び・文末では「~くださいますよう」を使うことが多いのですが、心底どれをつかっても構いません。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お書きいただきたく、お願い致します
    意味は「書いてほしい、お願いします」
  • 例文「お書きいただけましたら幸いです
    ※意味は「書いてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お書きいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「書いてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お書きいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「書いてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お書きいただけますと幸いです
  • 例文「お書きいただけますと幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

使い方②会話・電話での依頼は”書いて頂けますか?”

お書きの使い方。

つづいてビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「書いてほしい!」と言いたいときには…

「お書きくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】書いていただけますか?
    → 意味は「書いてもらえますか?」
  • 【例文】書いていただけますでしょうか?
    → 意味は「書いてもらえるでしょうか?」

とすると丁寧です。

一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。

そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「すでに書いてもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「お書きいただけましたか?」「お書きいただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

使い方③お礼「書いてくれてありがとう」の敬語

「お書き」の使い方。

つづいてお礼の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「書いてくれてありがとう」「お書きありがとう」と言いたいときにも「お書き」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お書きいただきありがとうございます』

「お書き」の使い方。

お礼・感謝「書いてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お書きいただきありがとうございます』
  • 例文『お書きいただきまして、ありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お書きありがとうございます』

としてもまぁOKです。

意味はどれも『書いてもらいありがとう』

お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。

会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

『お書きくださいましてありがとうございます』

「お書き」の使い方。

お礼・感謝「書いてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お書きくださいましてありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お書きくださり、ありがとうございます』

としても丁寧です。

意味はどれも『書いてくれてありがとう』

こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。

ちなみに「お書きくださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「お書きいただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。

丁寧な対応を心がけたいときには「お書きいただく」をオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)

“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ

ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。

ただ、

お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。

ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。

『感謝申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「感謝」をつかった例文を。

  • 【例文】お書きいただき感謝申し上げます
  • 【例文】お書きいただき感謝いたしております
  • 【例文】お書きいただき感謝いたします

※「お書きくださり感謝〜」「お書きくださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧

※「お書き賜り感謝〜」「お書き賜りまして感謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「書いてもらいありがとう!」「書いてくれてありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『深謝いたします』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。

  • 例文「お書きいただき深謝いたしております」
  • 例文「お書きいただき深謝いたします」

※「お書きくださり深謝〜」「お書きくださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧

※「お書き賜り深謝〜」「お書き賜りまして深謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなも。

ようは「書いてもらい本当にありがとう!」「書いてくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『お礼申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「お礼申し上げます」をつかった例文を。

  • 【例文】お書きいただきお礼申し上げます
  • 【例文】お書きいただき厚くお礼申し上げます

※「お書きくださり・お書きくださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧

※「お書き賜り・お書き賜りましてお礼〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「書いてもらいお礼します!」「書いてくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

お礼フレーズ参考記事

使い方④断り「書きません」の丁寧な敬語

「お書き」の使い方。

断りのシーン、つまり目上や社内上司・社外取引先に「書きません!」「書くのは無理です!」「お断りします!」と言いたいときにも使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お書きいたしかねます』

「お書き」の使い方。

断り「お断りします!書きません」と言いたいときにも使えます。

  • 【例文】お書きいたしかねます

意味は「書くことができません」

ようは「お断りします!」「書くことはできません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「引き受けることができません」
  • 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
    意味は「要望に応えることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご対応いたしかねます』

断り「お断りします!書きません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご対応いたしかねます

意味は「対応することができません」

ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご要望にお応えすることが叶いません』

断り「お断りします!書きません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「要望に応えることができない or 難しい」

あるいは、

  • 【例文】xxにより、お書きすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、お書きすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「書くことができない or 難しい」

※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス

使い方は「お書きいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。

そこで、

「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。

『ご要望に添いかねます』

断り「お断りします!書きません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご要望に添いかねます

意味は「要望に添うことができません」

使い方は「お書きいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「あなたの書いてほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。

そこで、

「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

丁寧な断りのフレーズいろいろ

上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。

飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます

仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます

内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします

・・・などなど

ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。

以下の記事もご参考にどうぞ。

使い方⑤催促「書いてくれた?」の丁寧な敬語

「お書き」の使い方。

つづいて催促・確認の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「すでに書いてくれた?」「書いてもらった?」と言いたいとき。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文を紹介します。

※かならずしも「お書き」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧

『その後いかがでしょうか?』

催促・確認「書いてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

「いかがでしょうか?」をつかって、

  • 【例文】その後いかがでしょうか?
    → 意味は「その後どうでしょうか」

としても丁寧。

わざわざ「お書き」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。

ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。

目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。

覚えておくとかならず役に立ちます。

【敬語の補足】

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

『ご状況いかがでしょうか?』

催促・確認「書いてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

わざわざ「お書き」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

  • 【例文】ご状況いかがでしょうか?
    → 意味は「状況はどうでしょうか」

使い方や敬語の種類は「その後いかがでしょうか」とおなじため省略。

催促・確認するとき、便利かつ丁寧なフレーズですので覚えておくと必ず役に立ちます。

『お書き頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

「お書き」の使い方。

催促・確認「書いてくれたの?」と言いたいときにも「お書き」をつかいます。

  • 【例文】お書きいただけましたか?
    → 意味は「書いてもらえましたか」

あるいは「~でしょうか?」を付け足して、

  • 【例文】お書きいただけましたでしょうか?
    → 意味は「書いてもらえたでしょうか」

としても丁寧です。

ようするに「すでに書いてもらえたのか?」「もう書いてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語について解説していると日がくれるため…

わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。

  • 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
  • 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
  • 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?

どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。

ちなみに「お書きいただけましたか」よりも「お書きいただけましたでしょうか」のほうが丁寧

ただし結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。

あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『書いて頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

催促・確認「書いてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】書いていただけましたか?
    → 意味は「書いてもらえましたか」

あるいは、

  • 【例文】書いていただけましたか?
    → 意味は「書いてもらえたでしょうか」

としても丁寧。

とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。

ようするに「すでに書いてもらえたのか?」「もう書いてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ただ、

丁寧レベルとしては「お書きいただけましたか?」「お書きいただけましたでしょうか?」のほうが上。

カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。

【敬語の補足】

※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。

※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

その他『お書きくださいましたか』など

催促・確認「書いてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】お書きくださいましたか?
  • 【例文】お書きくださいましたでしょうか?
    → 意味は「書いてくれましたか?/書いてくれたでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お書きいただましたか?
  • 【例文】お書きいただましたでしょうか?
    → 意味は「書いてもらいましたか?/書いてもらったでしょうか?」

としてもまぁOKです。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「お書きいただけましたか?」と似たようなものなので省略。

どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。

が、あまり一般的ではなくおとなしく「お書きいただけましたか?」「お書きいただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。

※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。

使い方⑥自分の行為「書きます!」の丁寧な敬語

「お書き」の使い方。

自分が「書きます!」「書いています!」と言いたいビジネスシーンにも敬語「お書き」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お書きします/お書きいたします』

「お書き」の使い方。

自分の行為「書きます」と言いたいときにも「お書き」は使えます。

  • 【例文】お書きします
  • 【例文】お書きいたします

意味はどちらも「書きます」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。

ようするに「書くよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お書きします」よりも「お書きいたします」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

『お書きしております/お書き致しております』

「お書き」の使い方。

自分の行為「書いています!」と言いたいときには、

  • 【例文】お書きしております
  • 【例文】お書きいたしております
    → 意味はどちらも「書いています」

とすると丁寧です。

「~しております・いたしております」はどちらも「~しています」の意味の敬語(謙譲語)

ようするに「すでに書いているよ!」「前々から書いているよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

なお「お書きします!」との違いは進行形かそうでないかという点。

「~しております=~している」だと進行形

「~します=~する」だと現在形

というように違いあり。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お書きしております」よりも「お書きいたしております」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~しております」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に「いる」の謙譲語”おる”をくっつけて「お(ご)~しておる」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたしております」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に「いる」の謙譲語”おる”をくっつけて「お(ご)~いたしておる」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

『お書きしましょうか?/しますか?』

「お書き」の使い方。

自分の行為「書きます」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お書きしましょうか?
    → 意味は「書きましょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お書きしますか?
  • 【例文】書きましょうか?
  • 【例文】書きますか?

というように疑問文をつかっても丁寧です。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

あるいは…

目上や上司・取引先から「書いてくれますか?」と質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

その他『書かせて頂きます』など

自分の行為「書きます!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】書かせていただきます
    → 意味は「書かせてもらいます」
  • 【例文】書かせてください
    → 意味は「書かせてくれ」

あるいは、

  • 【例文】お書き申し上げます
    → 意味は「書きます」

なども丁寧です。

※ただし「させて頂く」「させて下さい」「申し上げる」はふさわしいシーンを考えて使うこと。なんでもかんでも使えば丁寧という訳ではない。

意味や使い方は「お書きします/いたします」と似たようなものなので省略。

とくに「お(ご)~申し上げます」はビジネス文書や手紙・丁寧なビジネスメールにしたいときなど、カチッとした敬語がこのまれるシーンでよくつかわれます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~申し上げます」は「~する」の謙譲語に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させて頂きます」は「~させてもらう」の謙譲語「お(ご)~させて頂く」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させてください」は「~させてくれる」の尊敬語「お(ご)~させてくださる」を命令形にした敬語。

使い方⑦禁止「書いてはダメです」の丁寧な敬語

「お書き」の使い方。

つづいて禁止の敬語フレーズ。

つまり、

目上や社内上司・社外取引先に「書いてはいけません!」あるいは「書いてはダメです!」「書くは止めてください!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お書き」をつかいます。

『お書きいただけません』

「お書き」の使い方。

禁止「書いてはダメです!」と言いたいときにも「お書き」は使えます。

  • 【例文】お書きいただけません

意味は「書いてはダメです」「書いてはいけません」

「~いただけません」は直訳すると「~してもらってはいけません」ですが…

ようは禁止「~してはいけません」という意味。

書いてはいけません!」「書いてはダメだよ!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。

上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで「~いただけません」という敬語をつかうことで遠まわしに禁止の意味をあらわしているのです。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに「〜いただけません」はたとえば、

  • 【例文】この車両はご利用いただけません
    意味は「利用してはいけません」
  • 【例文】このトイレはご使用いただけません
    意味は「使用してはいけません」

などのようにして使います。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけません」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけた敬語

『お書きになれません』

「お書き」の使い方。

禁止「書いてはダメです!」と言いたいときにも「お書き」は使えます。

  • 【例文】お書きになれません

意味は「書いてはダメです」「書いてはいけません」

「お(ご)~になれません」の意味は「~してはいけません」

使い方はおなじく禁止の意味をあらわす敬語です。

どちらかというと「〜いただけません」のほうが丁寧というか、やわらかい印象になりますが、いずれも丁寧な敬語でありどちらを使っても構いません。

社内上司や目上・社外取引先にも丁寧な敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)~になれません」は尊敬語「お(ご)〜になる」を可能形にして「お(ご)〜になれる」とし、さらに否定「お(ご)〜になれない」の意味にし、丁寧語の否定形”ません”をくっつけて敬語にしています。

『お書きいただくことはできません』

禁止「書いてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいただくことはできません

意味は「書いてはダメです」

意味や使い方は「お書きいただけません」と似たようなもの。

こちらのほうがよりダイレクトに禁止の意味をあらわすフレーズになります。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

したがって「お書きいただけません」のほうが丁寧と言えます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

『ご遠慮ください』

禁止「書いてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

以下のように「ご遠慮」をつかった敬語フレーズも丁寧です。

  • 【例文】xxはご遠慮ください(ませ)
  • 【例文】xxはご遠慮いただきたく存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただければと存じます
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますと幸いです
  • 【例文】xxはご遠慮くださいますようお願い申し上げます

→ 要はすべて「xxはやめてください」と言いたい。

あるいは電話対応や会話シーンであれば「いただけますか?」をつかい、

  • 【例文】xxは遠慮していただけますか?
  • 【例文】xxは遠慮していただけますでしょうか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますか?
  • 【例文】xxはご遠慮いただけますでしょうか?

→ 要はすべて「xxはやめてもらえますか?」と言いたい。

としても丁寧です。

ようは「xxしてはダメだよ!」「xxしてはいけません!」という意味なのですが、このままではあまりにストレートすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「ご遠慮=控える・やめる」をつかって、遠まわしにやんわ〜りと禁止の意をしめしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

ちなみに遠慮(えんりょ)の意味は…

  1. 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。

  2. 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。

ここでは「①慎み控える」の意味でつかっています。

【敬語の補足】

※「お(ご)~ください」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」を命令形にした敬語

※「お(ご)~いただきたく」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に願望・希望の「〜したい」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただければ」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)~いただけますか」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の疑問形”ますか”をくっつけた敬語。さらに「〜だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけても丁寧。

その他『お控えください』など

禁止「書いてはダメです!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

あとは「控える」をつかった言い換えもできます。

  • 【例文】xxはお控えください(ませ)
  • 【例文】xxはお控えいただきたく存じます
  • 【例文】xxはお控えいただければと存じます
  • 【例文】xxはお控えいただけますと幸いです
  • 【例文】xxはお控えくださいますようお願い申し上げます

言いたいことは「控えてください・やめてください」

控える(ひかえる)の意味は…

  1. 待つ・待機する
  2. そばにいる
  3. 空間・時間が迫っている、近くに位置する、近くに予定される
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる

ここでは「⑤やめておく」の意味でつかっています。

使い方⑧希望「書きたい!」の敬語

「お書き」の使い方。

つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。

つまり、

自分が「書きたい!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お書き」をつかいます。

『お書きしたく存じます』

「お書き」の使い方:希望・意思・願望「書きたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お書きしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お書きしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「書きたいと思います」

謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

書きたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

『お書きいたしたく存じます』

希望・意思・願望「書きたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいたしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お書きいたしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「書きたいと思います」

※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

書きたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お書きしたく存じます」よりも「お書きいたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

使い方⑨許可を得る「書いてもいいか?」の敬語

「お書き」の使い方

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。

つまり「書いてもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

※ひとつ前の「書きたい」ときに使えるフレーズでも丁寧。相手にハッキリした答えをもらいたい時にはこれから紹介するフレーズをオススメします。

『お書きしてもよろしいでしょうか?』

「お書き」の使い方。

許可を得たい「書いてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お書きしてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「書いてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お書きしてもよろしいですか?
    → 意味は「書いてもいいですか?」

としても丁寧。

「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」

「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」

「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~する」は謙譲語の基本形

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

『書いてもよろしいでしょうか?』

許可を得たい「書いてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】書いてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「書いてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】書いてもよろしいですか?
    → 意味は「書いてもいいですか?」

としても丁寧。

意味や使い方は「お書きしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」とおなじため省略。

「お書きしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」のほうが、より丁寧な敬語ではありますが…

どちらをつかっても差し支えありません。

【敬語の補足】

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

使い方⑩許可をだす「書いてもいいよ!」の敬語

「お書き」の使い方。

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。

つまり「書いてもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

『お書きいただけます/書いていただけます』

許可をだす「書いてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お書きいただけます
  • 【例文】書いていただけます

意味は「書いてもらうことができます」

「~いただけます」は直訳すると「~してもらうことができます」

ようは許可「~してもいいですよ」という意味。

書いてもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『お書きになれます』

許可をだす「書いてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お書きになれます

意味は「書いてもいいですよ」「書くことができる」

「お(ご)~になれます」の意味は「~できる」

つまり「〜してもいいですよ」と解釈できます。

使い方はおなじく許可の意味をあらわす敬語です。

「〜いただけます」のほうが丁寧というか、やわらかい印象になりますが、いずれも丁寧な敬語でありどちらを使っても構いません。

社内上司や目上・社外取引先にも丁寧な敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)~になれます」は尊敬語「お(ご)〜になる」を可能形にして「お(ご)〜になれる」とし、さらに丁寧語の否定形”ます”をくっつけて敬語にしています。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

許可をだす「書いてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

“お書きいただく vs お書きくださる”の使い方

ややこしいので「お書きいただく vs お書きくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“お書きいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お書きいただく お書き頂きます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お書きいただいた お書き頂きました ×
進行形 お書きいただいている お書き頂いています -頂いております
過去~現在 お書きいただいていた お書き頂いていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お書きいただきたい
お書きいただきたく
お書きいただくよう
お書きいただけるよう
お書き頂きたいです
×
お書き頂きますよう
お書き頂けますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お書きいただける お書き頂けます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①お書きいただいたら
②お書きいただければ
お書き頂きましたら
お書き頂きましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①お書きいただいたか?
②お書きいただけるか?
③お書きいただけたか?
お書き頂きましたか?
お書き頂けますか?
お書き頂けましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 お書きいただけない お書き頂けません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“お書きくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お書きくださる お書きくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お書きくださった お書きくださいました ×
進行形 お書きくださっている お書きくださっています -くださっております
過去~現在 お書きくださっていた お書きくださっていました -くださっておりました
希 望
お書きくださるよう お書きくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お書きくださるか? お書きくださいますか? ×
否 定 お書きくださらない お書きくださいません ×
命 令 お書きください お書きくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

『敬語「お書き」のビジネスにおける全使い方』へのコメント

  1. 名前:Lily 投稿日:2020/04/22(水) 11:58:58 ID:b11c319d1 返信

    助かりました!!!!!!ありがとうございました。