「待ってください」よりも丁寧な言い換え敬語・メール例文

①依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お待ち”

ビジネスにおける「お待ち」のいろいろな使い方

何かしら目上や上司・取引先に「待ってほしい!!」とお願い・依頼したいときは…

  • 例文「お待ちくださいますようお願い申し上げます」
    意味は「待ってくれるようお願いします」
  • 例文「お待ちいただきたく、お願い致します
    意味は「待ってほしい、お願いします」
  • 例文「お待ちいただきますようお願い申し上げます」
    意味は「待ってもらうようお願いします」
  • 例文「お待ち賜りますようお願い申し上げます」
    意味は「待ってもらうようお願いします」
  • 例文「お待ちいただけますようお願い申し上げます」
    意味は「待ってもらえるようお願いします」
  • 例文「お待ちいただければ幸いです」
    意味は「待ってもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お待ちいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「待ってもらいたいと思います」
  • 例文「お待ちいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「待ってもらえたらと思います」

のようにお願いすると丁寧です。

「お待ちいただければ幸いです」「お待ち賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするにすべて「待ってね!よろしく」という意味なのです。

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

②自分が”待つ”ときに使える敬語

ビジネスにおける「お待ち」のいろいろな使い方

自分が「待つよ!」と言いたいときには…

  • 【現在形】お待ちします/お待ちいたします
  • 【過去形】お待ちしました/お待ちいたしました
  • 【進行形】お待ちしております/お待ちいたしております
  • 【希望①】お待ちしたく思います/お待ちいたしたく思います
  • 【希望②】お待ちしたく存じます/お待ちいたしたく存じます

こんな感じの敬語をつかいます。

「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」

「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」

「~いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。

たとえば、

何かしら連絡しなければいけないのであれば「(ご)連絡いたします」

何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」

ここで「(ご)連絡いたします」というように( )書きにしているのは「連絡いたします」としても丁寧な敬語だから。

ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。

相手に「待ってもらう」としたいときには…

「お待ちいただく=待ってもらう」
「お待ちくださる=待ってくれる」

という敬語をつかいます。

③禁止のビジネスメールに使う”お待ち”

ビジネスにおける「お待ち」のいろいろな使い方

上司なり取引先・目上の相手に「待つことができません!」と禁止するときは…

  • 【例文】お待ちいただけません
  • 【例文】お待ちいただくことはできません

④断りのビジネスメールに使う”お待ち”

ビジネスにおける「お待ち」のいろいろな使い方

自分が「待つことができません!」と断りをいれるときは…

  • 【例文】お待ちいたしかねます
  • 【例文】お待ちしかねます
  • 【例文】●●のためお待ちすることが叶いません
  • 【例文】お待ちすることが大変困難でございます

無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。

こんなときには「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」「遠慮させていただきます」などの敬語をつかいますね。

また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お応えいたしかねます
    意味は「添うことができません」
  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「受けることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的

「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。

ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。

⑤お礼メールに使う”お待ち”

ビジネスにおける「お待ち」のいろいろな使い方

あとはビジネスシーンで相手に何かしら待ってもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。

「待ってもらいありがとう!」と言いたいときには…

  • 例文「お待ちいただきありがとうございます」
  • 例文「お待ちいただきましてありがとうございました」
  • 例文「お待ち賜りましてありがとうございました」
  • 例文「お待ちくださいましてありがとうございました」

のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするに「待ってくれてありがとう!」という意味なのです。

どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。

⑥ほかにも色々ある”お待ち”の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お待ちいただきたく存じます」
    ※意味は「待ってもらいたいと思います」希望
  • 例文「お待ちいただければと存じます」
    ※意味は「待ってもらえたら嬉しいです」希望
  • 例文「お待ちいただければ幸いです」
    ※意味は「待ってもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お待ちいただけましたら幸いです」
    ※意味は「待ってもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お待ちいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「待ってもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お待ちいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「待ってもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お待ちいただけますか?」
    ※意味は「待ってもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お待ちいただけますでしょうか?」
    ※意味は「待ってもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

“お待ちいただく vs お待ちくださる”の使い方

ややこしいので「お待ちいただく vs お待ちくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

▼「お待ちいただく」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お待ちいただく お待ちいただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お待ちいただいた お待ちいただきました ×
進行形 お待ちいただいている お待ちいただいています -頂いております
過去~現在 お待ちいただいていた お待ちいただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お待ちいただきたい
お待ちいただきたく
お待ちいただくよう
お待ちいただきたいです
お待ちいただきますよう
お待ちいただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お待ちいただける お待ちいただけます -頂けるよう
-頂けますよう
仮 定 お待ちいただければ お待ちいただけましたら ×
疑 問 お待ちいただけるか? お待ちいただけますか? -頂けますでしょうか
禁 止 お待ちいただけない お待ちいただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

▼「お待ちくださる」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お待ちくださる お待ちくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お待ちくださった お待ちくださいました ×
進行形 お待ちくださっている お待ちくださっています -くださっております
過去~現在 お待ちくださっていた お待ちくださっていました -くださっておりました
希 望
お待ちくださるよう お待ちくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お待ちくださるか? お待ちくださいますか? ×
否 定 お待ちくださらない お待ちくださいません ×
命 令 お待ちください お待ちくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない