「結構です」「構いません」ってどう違う?意味と使いわけ方

それでは具体的に
①いいえ、結構です(断る)
②はい、結構です/構いません(許可)

の代わりにビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で使える敬語フレーズを、例文で紹介します。

①②はそれぞれ別の意味ですので、混同しないようにご注意ください。

いいえ結構です、の言い換え敬語6選

  1. 例文『すみません(申し訳ありません)…遠慮しておきます』
    → 飲み会・食事などの誘いを断るときの返事(対上司・ビジネス)
  2. 例文『すみません(申し訳ありません)…お気持ちだけ頂戴します』
    → 何かの誘いを断るときの返事(対上司・ビジネス)
  3. 例文『あいにく予定が埋まっておりまして』
    → 何かの誘いを断るときの返事(対上司・ビジネス)
  4. 例文『もう少し自分でやってみます』
    → 仕事手伝おうか?と言われたときの返事(対上司・ビジネス)
  5. 例文『今回は見送らせて頂きます』
    → 相手からの提案を断るときの返事(対上司・ビジネス)
  6. 例文『今回はご容赦いただければと存じます』
    → 何かの誘いを断るときの返事(対上司・ビジネス)

※注意)前に「すみません」「申し訳ありません」をつけると素晴らしい表現になります。
※注意)後ろに何かしらの理由をつけると、なおのこと素晴らしい表現になります。

それぞれの詳しい意味と使い方については、以下の記事をご参考にどうぞ。

→ 「結構です」の代わりに使える7つの敬語(対上司・目上の人)

はい結構です/構いません、の言い換え敬語10選

  1. 例文『お任せいたします』
    → どうでもいいよ、と言いたいとき(対上司・ビジネス)
  2. 例文『ご意向に従います』
    → どうでもいいよ、と言いたいとき(対上司・ビジネス)
  3. 例文『ご意向に沿うようにいたします』
    → どうでもいいよ、と言いたいとき(対上司・ビジネス)
  4. 例文『一向に差し支えありません』
    → アポイント変更・遅刻など相手からの謝罪にたいする返事(対上司・ビジネス)
  5. 例文『一向に差し障りありません』
    → 謝罪・お詫びにたいする返事(対上司・ビジネス)
  6. 例文『お気遣いなくお願いします』
    → 謝罪・お詫びにたいする返事(対上司・ビジネス)
  7. 例文『お気になさらずにお願いします』
    → 謝罪・お詫びにたいする返事(対上司・ビジネス)
  8. 例文『お気になさらぬようお願い致します』
    → 謝罪・お詫びにたいする返事(対上司・ビジネス)
  9. 例文『お気をつけてお越しください』
    → アポイント遅刻にたいする返事(対上司・ビジネス)
  10. 例文『はい、お願いします』
    → 相手に何かを許可するときの返事(対上司・ビジネス)

それぞれの詳しい意味と使い方については、以下の記事をご参考にどうぞ。

「構いません」の代わりに使える8つの敬語(対目上の人・ビジネス)

大丈夫です は目上の人には使わない

「いえ、結構です/はい、結構です/構いません」の代わりによく使われる、間違った敬語として「いえ、大丈夫です/はい、大丈夫です」があります。

これを上司(目上の人)に使うのはNGではないのですが、ビジネスシーンではふさわしくない言葉ですのでご注意ください。

念のため理由を解説しておきます。

「大丈夫」の意味を考える

「大丈夫です」は「大」+「丈夫」で成り立っていますので、直訳すると意味は「ものすごく丈夫です」ということになります。

念のため辞書で調べると「大丈夫」には以下2つの意味があります。

  1. あぶなげがなく安心できるさま(例:この刺身、食べても大丈夫ですか?)
  2. 間違いなくて確かなさま(例:時間は大丈夫ですか?)

※注意)「この刺身、食べても大丈夫ですか?」という言葉には2つの解釈ができます。ひとつは「刺身がクサってないか、食べても健康に被害ないかを確認したい」であり、ふたつめの解釈は「自分が食べてもいいものか?誰か他の人のではないか?」確認したい、です。

結局のところ「大丈夫」という言葉の意味はすごくあいまい。どんな風にも解釈できてしまうのです。まぁ、それが良いところでもありますが…。

「大丈夫です」が使えない理由

さて、ここで「いえ、大丈夫です/はい、大丈夫です」のような使い方の何が問題か?というのを解説します。

先ほどの「大丈夫」がもつ意味を考えて、ビジネスシーンに当てはめてみると…

–ビジネスシーン例文–

上司『ランチ行くけど、一緒にどう?』『今夜、空いてたら一杯どう?』

あなた『いえ、大丈夫です = いえ、間違いないです』

あなた『はい、大丈夫です = はい、間違いないです』

となり意味不明な言葉となってしまいます…要は何が言いたいのか、さっぱりわからない言葉になってしまうのですよね。

大丈夫なの? 大丈夫じゃないの?

なんかモヤモヤした言葉となります。私みたいなおっさんが聞くと、なおさらですね。

正しく言葉を使うのなら、

あなた『いえ、大丈夫じゃないです = いえ、ダメです』

あなた『はい、大丈夫です = はい、間違いないです』

と使うべきなのです。

言葉の意味は時代とともに変わる

ただ最近は「構いません」の代わりに「はい、大丈夫です/いえ、大丈夫です」を使うビジネスパーソンも多いです。若い世代に多いかと思いきや、40代のおっさんも普通に使っていますし私もたまに使います。

だから100%間違いかというと、そうでもないかなぁ…と思うのです。

言葉ってなにが正しい、なにが間違いという明確なルールはなく、合っていると多くの人が認識すれば正しい言葉になる。という気持ち悪い性質があります。

したがって「いえ、大丈夫です/はい、大丈夫です」もいずれは、正しい言葉として認識されるのじゃないかと思います。

「構いません」の代わりに使える8つの敬語(対目上の人・ビジネス)

→ 「結構です」の代わりに使える7つの敬語(対上司・目上の人)