「受領してください」は上司・目上に失礼?
ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?
とご心配のあなたへ。
「受領してください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…
時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。
会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。
より丁寧な言い換えにはたとえば、
- 例文①ご受領ください
- 例文②受領くださいませ
- 例文③受領をお願い致します
- 例文④受領いただきたく存じます
- 例文⑤受領のほどお願い申し上げます
- 例文⑥受領いただきますようお願い申し上げます
- 例文⑦受領くださいますようお願い申し上げます
- 例文⑧受領いただけますか?受領いただけますでしょうか?
- 例文⑨受領いただければ幸いです
- 例文⑩受領賜りますようお願い申し上げます(”賜る”の読みは”たまわる”)
などあり。
これらの言い換えの丁寧レベルとしては「受領ください」がもっとも低く「例文⑨受領いただければ幸いです」「例文⑩受領賜りますよう〜」がもっとも丁寧。
あとはどれも似たようなものです。
また、
単に申請書や資料などを受け取ってほしいのであれば「ご査収ください(ごさしゅう)」をつかった言い換えもできます。
くわしくは本文にて。
それでは、
「受領してください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味・敬語の解説
「受領してください」は「受領してほしい」という意味。
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
受領の意味は「受け取って処理すること」
受領(読み:じゅりょう)のそもそもの意味は…
物や金を受け取ること
たとえば、
【例文】労働組合の会費を受領する
【例文】サンプルを受領する
のようにして使います。
“受領してください”の意味は「受領してくれ」
「受領してください」のそもそもの意味は…
「受領してほしい」
「受領してくれ」
このように解釈できます。
つまり「受け取ってほしい」ということですね。
“受領してください”の敬語の種類
「受領してください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。
- もとになる単語「受領する」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「受領してくださる」
- さらに命令形にして「受領してください」
このようにして元になる語「受領する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
なお「受領してください」は間違い敬語となりますのでご注意を
強い口調となる敬語”受領してください”
ここでひとつ注意点を。
「受領してください」だけでなく「~してください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。
なぜなら「〜してください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。
極端なたとえですが、よく母親が子供に
「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」
といっているのを耳にします。
「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。
尊敬語”〜してくださる”の命令形「~してください」と似たような成り立ちです。
どちらかというと「~してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。
もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。
私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。
だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。
で、
シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…
本当にむずかしいのですよね。
したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。
いろんな敬語を知っておくことが重要
もっとも重要なことは、
いろんな敬語フレーズを知っておくこと。
そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶ受領することができるようになります。
社内の上司にメールするときは”受領ください”をつかい、取引先にメールするときは「受領いただければ幸いです」をつかい…
というような感じ。
引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。
そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。
覚えておくと必ず役に立つことでしょう。
丁寧な言い換え敬語
ここまでの解説で「受領してください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。
ここからは、
じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?
という点についてみていきます。
①ご受領ください
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受領ください」
意味は『受領してください』
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
※ 受領(読み:じゅりょう)の意味は…物や金を受け取ること
「受領して」というフレーズを尊敬語「受領」に言い換えているため丁寧レベルとしては「受領してください」よりもだいぶマトモ。
ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。
さきほどの繰り返しにはなりますが、時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。
気になるかたは言い換え例文②以降をつかいましょう。
ちなみに”受領ください”の敬語は以下のようになりたちます。
- もとになる単語「受領する」に尊敬語”お(ご)”で「受領」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「受領くださる」
- さらに命令形にして”受領ください”
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
このようにして元になる語「受領する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
ちなみに敬語「お(ご)」は…
「自分が受領する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手が受領くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
また「受領してください」は間違い敬語となりますのでご注意を。
②受領くださいませ
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領くださいませ」
意味は『受領してください』
※ 受領の意味は…物や金を受け取ること
尊敬語「受領くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。
命令形である点において「受領してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。
「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。
ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。
③受領いただきたく、お願い致します
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領いただきたく、お願い致します」
→意味は『受領してもらいたい、お願いします』
あるいは単に、
- 例文「受領をお願い致します」
→意味は『受領をお願いします』
としてもOKです。
※「お願い申し上げます」としても丁寧
※「よろしくお願い致します」というようにしても丁寧
いずれもシンプルかつ丁寧な敬語フレーズであり、ビジネスメールや電話対応でよくつかうフレーズです。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+希望「~したい」
④受領いただければと存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領いただければと存じます」
意味は『受領してもらえたらと思います』
※ 受領の意味は…物や金を受け取ること
「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
⑤受領いただきたく存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領いただきたく存じます」
意味は『受領してもらいたいと思います』
「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
⑥受領いただければ幸いです
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領いただければ幸いです」
意味は『受領してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『受領してもらえたら嬉しいです』
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」
「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。
ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。
- 例文「受領いただけますと幸いです」
- 例文「受領いただけましたら幸いです」
- 例文「受領いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「受領いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「受領いただければ幸甚に存じます」
- 例文「受領いただけますと幸いです」
- 例文「受領いただけますと幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
⑦受領くださいますようお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「受領くださいますようお願い致します」
意味は『受領してくれるようお願いします』
※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
たとえば、
- ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」 - ご検討くださいますようお願い申し上げます
意味「検討してくれるようお願い!」 - ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い!」 - ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い!」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
⑧受領いただきますよう・賜りますよう〜
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「受領いただけますようお願い申し上げます」
- 例文「受領賜りますようお願い申し上げます」
意味はどちらも『受領してもらうようお願いします』
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”
「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”
「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。
普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。
「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。
⑨受領のほどお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受領してください」の言い換え敬語
- 例文「受領のほどお願い申し上げます」
- 例文「受領のほどお願い致します」
意味は「受領してくれるようお願いします」となります。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
ここで「受領のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご検討のほどお願い申し上げます
意味「検討してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。
⑩~その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「受領をお願い致します」
※意味は「受領をお願いする」 - 例文「受領いただきたく、お願い致します」
意味は「受領してほしい、お願いします」 - 例文「受領いただけましたら幸いです」
※意味は「受領してもらえたら嬉しいです」 - 例文「受領いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「受領してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「受領いただければ幸甚に存じます」
※意味は「受領してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「受領いただけますか?」
※意味は「受領してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「受領いただけますでしょうか?」
※意味は「受領してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「受領いただけますと幸いです」
- 例文「受領いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「受領賜りますと幸いです」
- 例文「受領賜りますと幸甚に存じます」
- 例文「受領賜れましたら幸いです」
- 例文「受領賜れましたら幸甚に存じます」
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
ビジネス会話・電話対応では”受領いただけますか?”
ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…
「受領くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話対応では…
- 【例文】受領いただけますか?
- 【例文】受領いただけますでしょうか?
- 【例文】受領願えますでしょうか?
※もちろん “受領ください”or”受領くださいませ” としてもOK
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「受領してもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
敬語の解説
「受領いただけますか?」「受領いただけますでしょうか?」
の敬語の成り立ちとしては…
- “受領する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「受領いただく」
- 可能形にして「受領いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「受領いただけます」
- 疑問形にして「受領いただけますか?」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「受領いただけますでしょうか?」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。
シーンに応じて”ご査収”としても丁寧
ここでひとつ追記。
「受領いただく・受領くださる」は「ご査収いただく・ご査収くださる」をつかった敬語に言い換えることもできます。
「受け取る」ということはつまり「査収する」ことなので、どちらも結局のところおなじことを言っている訳です。
ご査収の意味は「受け取ること」
ご査収(読み:ごさしゅう)のそもそもの意味は…
金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ること
たとえば、
【例文】資料を送付いたします。ご査収ください
【例文】サンプルを送付いたしましたので、ご査収の程お願い申し上げます
のようにして使います。
ちなみに敬語は「査収」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご査収」というようになります。
「自分がご査収する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご査収くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
“ご査収ください”だと意味は?
「ご査収ください」としたときの意味は…
「受け取ってほしい」
「受け取ってくれ」
の意味に解釈できます。
なお「ご査収してください」は間違い敬語であるためご注意を。
“ご査収”をつかった言い換え例文
下にいくほど丁寧なフレーズになります。
- 例文「ご査収ください」
- 例文「ご査収くださいませ」
- 例文「ご査収いただきたく、お願い致します」
- 例文「ご査収いただきたく存じます」
- 例文「ご査収いただければと存じます」
- 例文「ご査収のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご査収くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただければ幸いです」
- 例文「ご査収賜りますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご査収賜れますと幸甚に存じます」
- 例文「ご査収賜れましたら幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます
ビジネスメール例文【全文】
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「受領してください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①会費の徴収メールに返信
メール件名:返信Re:4月度PTA会費徴収の件
のまど小学校
ご担当者 様
お世話になります。
ノマド 野間湖の母のノマールと申します。
ご案内ありがとうございます。
遅くなりましたが本日、娘にPTA会費を持たせました。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、
ご確認の上、受領くださいますようお願い申し上げます。
**********
メール署名
**********
転職メール例文②履歴書を添付する(突然Ver)
メール件名: 履歴書送付の件(転職のまど)
転職株式会社
人事部
転職 様
突然の連絡にて大変失礼いたします。
転職ノマドと申します。貴社の求人広告を拝見し、連絡いたしました。
このたび、貴社求人にてご記載の営業職に応募いたしたく、
添付にて履歴書を送付いたします。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、ご査収いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
***********************
転職のまど
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:00-0000-0000
携帯:090-0000-0000
E-mail:nomad@gmail.com
***********************
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「受領」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
+前置きに添えるフレーズを!
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「受領」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか
例文「どうか受領くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうか受領くださいますようお願い致します」
例文「どうか受領いただければ幸いです」
例文「どうか受領いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒=どうか
例文「何卒受領くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒受領くださいますようお願い致します」
例文「何卒受領いただければ幸いです」
例文「何卒受領いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
+気づかいの敬語フレーズもGood
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「受領」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますが受領〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますが受領〜」
「たびたび恐縮ではございますが受領〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますが受領〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますが受領〜」
「たびたび恐れ入りますが受領〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますが受領〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますが受領〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますが受領〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒受領のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますが受領〜」
結局どれがもっとも丁寧?
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- 受領ください
- 受領くださいませ
- 受領いただけますか?
- 受領いただけますでしょうか?
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- 受領ください
- 受領くださいませ
- 受領いただけますか
- 受領いただけますでしょうか
- 受領をお願い致します
- 受領いただきたく、お願い致します
- 受領いただきたく存じます
- 受領いただければと存じます
- 受領のほどお願い申し上げます
- 受領くださいますようお願い申し上げます
- 受領いただきますようお願い申し上げます
- 受領いただけますようお願い申し上げます
注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- 受領くださいませ
- 受領をお願い致します
- 受領いただきたく、お願い致します
- 受領いただきたく存じます
- 受領いただければと存じます
- 受領いただきますようお願い申し上げます
- 受領いただけますようお願い申し上げます
- 受領くださいますようお願い申し上げます
- 受領いただければ幸いです
- 受領いただければ幸甚に存じます
- 受領いただけましたら幸いです
- 受領いただけますと幸いです
- 受領いただけますと幸甚に存じます
- 受領いただけましたら幸甚でございます
- 受領いただけましたら幸甚に存じます
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
④最上級の丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- 受領賜りますようお願い申し上げます
- 受領いただければ幸いです
- 受領いただければ幸甚に存じます
- 受領いただけましたら幸いです
- 受領いただけましたら幸甚でございます
- 受領いただけましたら幸甚に存じます
- 受領賜りますと幸いです
- 受領賜れますと幸いです
- 受領賜りましたら幸いです
- 受領賜れましたら幸いです
- 受領賜りますと幸甚に存じます
- 受領賜れますと幸甚に存じます
- 受領賜りましたら幸甚に存じます
- 受領賜れましたら幸甚に存じます
なお「ご了承を賜りますよう~」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう
【まとめ】受領の使い方
いろいろと散らかってきたので「受領ください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「受領」の使い方をまとめます。