「受理してください」は上司・目上に失礼?
ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?
とご心配のあなたへ。
「受理してください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…
時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。
会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。
より丁寧な言い換えにはたとえば、
- 例文①ご受理ください
- 例文②ご受理くださいませ
- 例文③ご受理をお願い致します
- 例文④ご受理いただきたく存じます
- 例文⑤ご受理のほどお願い申し上げます
- 例文⑥ご受理いただきますようお願い申し上げます
- 例文⑦ご受理くださいますようお願い申し上げます
- 例文⑧ご受理いただけますか?ご受理いただけますでしょうか?
- 例文⑨ご受理いただければ幸いです
- 例文⑩ご受理賜りますようお願い申し上げます(”賜る”の読みは”たまわる”)
※「ご受理」の「ご」は省略することが多い
などあり。
これらの言い換えの丁寧レベルとしては「ご受理ください」がもっとも低く「例文⑨ご受理いただければ幸いです」「例文⑩ご受理賜りますよう〜」がもっとも丁寧。
あとはどれも似たようなものです。
また、
単に申請書や資料などを受け取ってほしいのであれば「ご査収ください(ごさしゅう)」をつかった言い換えもできます。
くわしくは本文にて。
それでは、
「受理してください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味・敬語の解説
「受理してください」は「受理してほしい」という意味。
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
受理の意味は「受け取って処理すること」
受理(読み:じゅり)のそもそもの意味は…
提出された願書・届け・訴状などを受け取って処理すること
たとえば、
【例文】申請書を受理する
【例文】住所変更届を受理する
のようにして使います。
“受理してください”の意味は「受理してくれ」
「受理してください」のそもそもの意味は…
「受理してほしい」
「受理してくれ」
このように解釈できます。
“受理してください”の敬語の種類
「受理してください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。
- もとになる単語「受理する」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「受理してくださる」
- さらに命令形にして「受理してください」
このようにして元になる語「受理する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
なお「ご受理してください」は間違い敬語となりますのでご注意を
強い口調となる敬語”受理してください”
ここでひとつ注意点を。
「受理してください」だけでなく「~してください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。
なぜなら「〜してください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。
極端なたとえですが、よく母親が子供に
「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」
といっているのを耳にします。
「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。
尊敬語”〜してくださる”の命令形「~してください」と似たような成り立ちです。
どちらかというと「~してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。
もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。
私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。
だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。
で、
シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…
本当にむずかしいのですよね。
したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。
いろんな敬語を知っておくことが重要
もっとも重要なことは、
いろんな敬語フレーズを知っておくこと。
そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶ受理することができるようになります。
社内の上司にメールするときは”ご受理ください”をつかい、取引先にメールするときは「ご受理いただければ幸いです」をつかい…
というような感じ。
引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。
そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。
覚えておくと必ず役に立つことでしょう。
丁寧な言い換え敬語
ここまでの解説で「受理してください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。
ここからは、
じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?
という点についてみていきます。
①ご受理ください
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理ください」
意味は『受理してください』
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
※「ご」は省略できる
※ 受理(読み:じゅり)の意味は…提出された願書・届け・訴状などを受け取って処理すること
「受理して」というフレーズを尊敬語「ご受理」に言い換えているため丁寧レベルとしては「受理してください」よりもだいぶマトモ。
ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。
さきほどの繰り返しにはなりますが、時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。
気になるかたは言い換え例文②以降をつかいましょう。
ちなみに”ご受理ください”の敬語は以下のようになりたちます。
- もとになる単語「受理する」に尊敬語”お(ご)”で「ご受理」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご受理くださる」
- さらに命令形にして”ご受理ください”
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
このようにして元になる語「受理する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
ちなみに敬語「お(ご)」は…
「自分がご受理する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご受理くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
また「ご受理してください」は間違い敬語となりますのでご注意を。
②ご受理くださいませ
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理くださいませ」
意味は『受理してください』
※「ご」は省略できる
※ 受理(読み:じゅり)の意味は…提出された願書・届け・訴状などを受け取って処理すること
尊敬語「ご受理くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。
命令形である点において「受理してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。
「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。
ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。
③ご受理いただきたく、お願い致します
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理いただきたく、お願い致します」
→意味は『受理してもらいたい、お願いします』
あるいは単に、
- 例文「ご受理をお願い致します」
→意味は『受理をお願いします』
としてもOKです。
※「お願い申し上げます」としても丁寧
※「よろしくお願い致します」というようにしても丁寧
いずれもシンプルかつ丁寧な敬語フレーズであり、ビジネスメールや電話対応でよくつかうフレーズです。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+希望「~したい」
④ご受理いただければと存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理いただければと存じます」
意味は『受理してもらえたらと思います』
※ 受理(読み:じゅり)の意味は…提出された願書・届け・訴状などを受け取って処理すること
「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
⑤ご受理いただきたく存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理いただきたく存じます」
意味は『受理してもらいたいと思います』
※「ご」は省略できる
「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
⑥ご受理いただければ幸いです
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理いただければ幸いです」
意味は『受理してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『受理してもらえたら嬉しいです』
※「ご」は省略できる
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」
「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。
ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。
- 例文「ご受理いただけますと幸いです」
- 例文「ご受理いただけましたら幸いです」
- 例文「ご受理いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご受理いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご受理いただければ幸甚に存じます」
- 例文「ご受理いただけますと幸いです」
- 例文「ご受理いただけますと幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
⑦ご受理くださいますようお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご受理くださいますようお願い致します」
意味は『受理してくれるようお願いします』
※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK
※「ご」は省略できる
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
たとえば、
- ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」 - ご検討くださいますようお願い申し上げます
意味「検討してくれるようお願い!」 - ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い!」 - ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い!」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
⑧ご受理いただきますよう・賜りますよう〜
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「ご受理いただけますようお願い申し上げます」
- 例文「ご受理賜りますようお願い申し上げます」
意味はどちらも『受理してもらうようお願いします』
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
※「ご」は省略できる
「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”
「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”
「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。
普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。
「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。
⑨ご受理のほどお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「受理してください」の言い換え敬語
- 例文「ご受理のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご受理のほどお願い致します」
意味は「受理してくれるようお願いします」となります。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
※「ご」は省略できる
ここで「ご受理のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご検討のほどお願い申し上げます
意味「検討してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。
⑩~その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご受理をお願い致します」
※意味は「受理をお願いする」 - 例文「ご受理いただきたく、お願い致します」
意味は「受理してほしい、お願いします」 - 例文「ご受理いただけましたら幸いです」
※意味は「受理してもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご受理いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「受理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご受理いただければ幸甚に存じます」
※意味は「受理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご受理いただけますか?」
※意味は「受理してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご受理いただけますでしょうか?」
※意味は「受理してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご受理いただけますと幸いです」
- 例文「ご受理いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご受理賜りますと幸いです」
- 例文「ご受理賜りますと幸甚に存じます」
- 例文「ご受理賜れましたら幸いです」
- 例文「ご受理賜れましたら幸甚に存じます」
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
ビジネス会話・電話対応では”ご受理いただけますか?”
ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…
「ご受理くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話対応では…
- 【例文】ご受理いただけますか?
- 【例文】ご受理いただけますでしょうか?
- 【例文】ご受理願えますでしょうか?
※もちろん “ご受理ください”or”ご受理くださいませ” としてもOK
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「受理してもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
敬語の解説
「ご受理いただけますか?」「ご受理いただけますでしょうか?」
の敬語の成り立ちとしては…
- “受理する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご受理いただく」
- 可能形にして「ご受理いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「ご受理いただけます」
- 疑問形にして「ご受理いただけますか?」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご受理いただけますでしょうか?」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。
シーンに応じて”ご査収”としても丁寧
ここでひとつ追記。
「受理いただく・受理くださる」は「ご査収いただく・ご査収くださる」をつかった敬語に言い換えることもできます。
「受け取る」ということはつまり「査収する」ことなので、どちらも結局のところおなじことを言っている訳です。
ご査収の意味は「受け取ること」
ご査収(読み:ごさしゅう)のそもそもの意味は…
金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ること
たとえば、
【例文】資料を送付いたします。ご査収ください
【例文】サンプルを送付いたしましたので、ご査収の程お願い申し上げます
のようにして使います。
ちなみに敬語は「査収」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご査収」というようになります。
「自分がご査収する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご査収くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
“ご査収ください”だと意味は?
「ご査収ください」としたときの意味は…
「受け取ってほしい」
「受け取ってくれ」
の意味に解釈できます。
なお「ご査収してください」は間違い敬語であるためご注意を。
“ご査収”をつかった言い換え例文
下にいくほど丁寧なフレーズになります。
- 例文「ご査収ください」
- 例文「ご査収くださいませ」
- 例文「ご査収いただきたく、お願い致します」
- 例文「ご査収いただきたく存じます」
- 例文「ご査収いただければと存じます」
- 例文「ご査収のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご査収くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただければ幸いです」
- 例文「ご査収賜りますようお願い申し上げます」
- 例文「ご査収いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご査収賜れますと幸甚に存じます」
- 例文「ご査収賜れましたら幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます
ビジネスメール例文【全文】
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「受理してください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①役所への届出を受理してほしい
メール件名:相続税申告書・送付の件
千代田区役所
ご担当者 様
お世話になります。
ノマド サラリーマンと申します。
さて首記の件、実父の逝去にともない相続税の申告をいたしたく、添付のとおり申請書を送付いたします。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、
受理くださいますようお願い申し上げます。
**********
メール署名
**********
ビジネスメール例文②申請を受理してもらいたい(社内)
メール件名:住宅手当申請の件
総務部 ●●さん (社内上司・目上など)
お疲れ様です。
営業部・ノマドと申します。
さて標記の件、このたび大阪本社へ転勤する運びとなりましたので、会社の規定に定まっているとおり住宅手当受給を申請いたします。
郵便物の件、承知いたしました。
それでは明日オフィスに戻り次第に貴部署へ伺い、お引き取りいたします。
大変お手数ではございますがご査収の上、
受理いただきますよう宜しくお願い致します。
************
メール署名
************
ビジネスメール例文③届出が受理された後のお礼返信
メール件名:返信Re: 相続税申告書・送付の件
千代田区役所
ご担当者 様
お世話になります。
早々にご受理いただき誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
**********
メール署名
**********
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご受理」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
+前置きに添えるフレーズを!
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご受理」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか
例文「どうかご受理くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご受理くださいますようお願い致します」
例文「どうかご受理いただければ幸いです」
例文「どうかご受理いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒=どうか
例文「何卒ご受理くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご受理くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご受理いただければ幸いです」
例文「何卒ご受理いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
+気づかいの敬語フレーズもGood
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご受理」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご受理〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご受理〜」
「たびたび恐縮ではございますがご受理〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご受理〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご受理〜」
「たびたび恐れ入りますがご受理〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご受理〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご受理〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご受理〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご受理のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご受理〜」
結局どれがもっとも丁寧?
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご受理ください
- ご受理くださいませ
- ご受理いただけますか?
- ご受理いただけますでしょうか?
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご受理ください
- ご受理くださいませ
- ご受理いただけますか
- ご受理いただけますでしょうか
- ご受理をお願い致します
- ご受理いただきたく、お願い致します
- ご受理いただきたく存じます
- ご受理いただければと存じます
- ご受理のほどお願い申し上げます
- ご受理くださいますようお願い申し上げます
- ご受理いただきますようお願い申し上げます
- ご受理いただけますようお願い申し上げます
注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご受理くださいませ
- ご受理をお願い致します
- ご受理いただきたく、お願い致します
- ご受理いただきたく存じます
- ご受理いただければと存じます
- ご受理いただきますようお願い申し上げます
- ご受理いただけますようお願い申し上げます
- ご受理くださいますようお願い申し上げます
- ご受理いただければ幸いです
- ご受理いただければ幸甚に存じます
- ご受理いただけましたら幸いです
- ご受理いただけますと幸いです
- ご受理いただけますと幸甚に存じます
- ご受理いただけましたら幸甚でございます
- ご受理いただけましたら幸甚に存じます
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
④最上級の丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご受理賜りますようお願い申し上げます
- ご受理いただければ幸いです
- ご受理いただければ幸甚に存じます
- ご受理いただけましたら幸いです
- ご受理いただけましたら幸甚でございます
- ご受理いただけましたら幸甚に存じます
- ご受理賜りますと幸いです
- ご受理賜れますと幸いです
- ご受理賜りましたら幸いです
- ご受理賜れましたら幸いです
- ご受理賜りますと幸甚に存じます
- ご受理賜れますと幸甚に存じます
- ご受理賜りましたら幸甚に存じます
- ご受理賜れましたら幸甚に存じます
なお「ご了承を賜りますよう~」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう
【まとめ】ご受理の使い方
いろいろと散らかってきたので「ご受理ください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「ご受理」の使い方をまとめます。