元は同じ旧国鉄だったJRグループ・7社。ところが年収ランキングを見ると、平均年収が大きく違うことが分かります。これって何故でしょうか?
2017年現在の年収ランキングでは、
JR東海 > JR東日本 > JR西日本 > JR九州 > JR北海道 > JR四国 > JR貨物鉄道
という順位になっています。
それではJR各社の年収ランキングを作った上で、なぜ違いが出るのかを比較していきます。
現業職(プロ職)、総合職に共通の話題ですので、どちらを志望されている方にも当てはまります。転職・就活で企業選びのご参考にどうぞ。
この記事の目次
JR・7社の年収ランキング(平均・合計)
国土交通省が発表している資料によると、平成25年度(2013年4月1日-2014年3月31日)のJR各社の年収は以下の通り。平均年収の高い順にランキングします。
ここでいう年収とは「基準内賃金・基準外賃金・賞与ボーナス」を含みます。つまり「基本給・残業代・ボーナス・その他金銭面の手当て」の合計ですね。
- JR東 海|年収770万
- JR東日本|年収712万
- JR西日本|年収663万
- JR九 州|年収585万
- JR四 国|年収552万
- JR北海道|年収544万
- JR貨 物|年収527万
まずは年収の絶対額をチェック。
JR本州3社(東海・東日本・西日本のこと)を業績順に並べたような感じで、何も新たな発見はない。
JR3島(九州・四国・北海道のこと)も順当な結果。
ちなみにJR東海は有価証券報告書で公開されている平均年収よりもなぜか高い。同じような計算方法なのに…理由は不明。
年収が高くなる理由には主に4つの要因がある。
一つは、基本給が高い。
二つめは、ボーナスが高い。
三つめは、残業代・手当ての支払いが多い。
最後に、平均年齢が高い。
そこで、これらの要因を細かく分析するために、基本給の平均値もチェックしてみる(出展は同じく国土交通省より)。
JR・7社の基本給ランキング(平均)
- JR東 海|36万6745円 x 12 ≒ 440万
- JR東日本|33万8637円 x 12 ≒ 406万
- JR西日本|32万4324円 x 12 ≒ 389万
- JR貨 物|29万4531円 x 12 ≒ 353万
- JR九 州|29万4360円 x 12 ≒ 353万
- JR四 国|28万4711円 x 12 ≒ 341万
- JR北海道|27万6820円 x 12 ≒ 332万
基本給でもJR東海は突出している。これには主に2つの理由が考えられる。
一つは、昇格するスピードが他社よりも早い。主任・係長・管理職・課長に、他よりも早く昇格するのであれば基本給の平均値は上がる。
二つめに、同じ役職でも基本給が他JRと違っている。
どちらの理由かは今のところ、はっきりと分からない。どなたか教えていただけると助かります(汗)。
他JR各社はおおむね横並び。
JR東日本・JR西日本が他と比べて高いのは、JR独特の都市手当て(max15%)によるものと推測される。
JR・7社の賞与ボーナス月数ランキング(平均)
- JR東 海|6.22月/年 (228万円)
- JR東日本|6.21月/年 (210万円)
- JR西日本|5.41月/年 (175万円)
- JR九 州|5.18月/年 (152万円)
- JR四 国|4.50月/年 (128万円)
- JR北海道|4.32月/年 (119万円)
- JR貨 物|2.39月/年 ( 70万円)
つづいて、年収へのインパクトが大きい賞与ボーナスの月数ランキング。
ここではJR東海とJR東日本が突出して高く、つづいてJR西日本、JR九州。
他は公務員なみ。
当たり前の話にはなるが、ボーナスが違えば年収に大きく違いがでる。
たとえばJR九州とJR東海のボーナス額を比較してみよう。
228万円 – 152万円 = 76万円
ボーナス月数が1ヶ月ちがうだけで、年収にして76万円もの差が出ている。
JR・7社の基準外賃金ランキング(平均)
- JR貨 物|8万6372円 x 12 ≒ 103万円
- JR東 海|8万5418円 x 12 ≒ 102万円
- JR西日本|8万2179円 x 12 ≒ 98万円
- JR東日本|7万9390円 x 12 ≒ 95万円
- JR北海道|7万7238円 x 12 ≒ 92万円
- JR四 国|6万8954円 x 12 ≒ 82万円
- JR九 州|6万6573円 x 12 ≒ 79万円
基準外賃金とは、冒頭でも説明をした通り、残業代などの手当てのことである。
電車は365日走っているし、早朝から深夜まで運転している。
現業職(運転手・駅職員など)であれば、深夜勤務もあれば早朝勤務もある。土日祝も関係なく、基本はシフト制の勤務となる。したがって深夜・早朝手当てなどが年収に加算される。
シフト制ではない日勤者は、残業代がつく。
ランキングに記している通り各社、大きな違いはない。
どの会社も同じような仕事をしているのに基準外賃金の額が大きく違ったら…。何か裏があると考えてよい。
なぜJR各社の年収がここまで違うのか?
理由①ボーナス月数の違い
これはもう、賞与ランキングでみた通り。
なぜボーナス額が会社によって違うのか?
ボーナスが増える理由の一つは、会社の業績。
二つめは、労働組合の交渉力が強ければボーナスが増える。
JR各社は、もともと同じ会社だったのに不平等に分けられて、そこで全てが決まった…。
理由②役職ごとの基本給は同じだが…
JR各社の役職ごとの基本給は大きく変わらない(多分)。
ただ、基本給ランキングで記した通り昇進スピードが違っているために、年収の差がでるものと考える。お金に余裕のある会社は、早くに従業員を昇格させることができるが、ゆとりのない会社は、できるだけ昇格させる人数を絞る。
まとめ
イマイチ、方向性のみえない展開になってしまったが、何となくまとめてみる。
JR東海は、基本給で他を圧倒。ボーナス月数もトップ。
JR東日本は、ボーナス月数はJR東海と同じものの、基本給で離されているため、大きく離されてNo.2。
JR西日本は、すべてにおいて平均よりも少しずつ上回りNo.3。
JR九州は、すべてにおいて平均的であるためNo.4
JR北海道・JR四国・JR貨物は違いを見出せない。
総合職の年収もランキング自体は同じ傾向であるが、絶対額は3割ほど高くなるものと予測。
東海の場合は、現業職場の基本給が高いです。
それは、鉄道特有の「乗務手当」を予め含んだ基本給になっているからです。
例)
東日本
基本給290,000
乗務手当 90,000
夜勤等10,000
諸手当20,000
総支給410,000
東海
基本給390,000
夜勤等10,000
諸手当20,000
総支給 420,000
よって基本給が押し上げられています。
通常は基本給+車掌や運転士ごとの「乗務手当」
ですが、
東海は「車掌の基本給」「運転士の基本給」など、乗務手当を含んだ基本給制度になっています。
最近は、リニアの建設費用確保で費用や給与でも搾りが強化されているようですよ。
あと、相変わらず職場内の監視カメラや、係長や助役が隠れて現場社員の行動をチェックするなど、社員への締め付けがキツイです。