「ご支援ご鞭撻の程」の意味、敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
意味
「ご支援ご鞭撻のほど」の意味は「①支援し激励してくれるよう」「②支援し激励してもらうよう」の2通り考えられます。
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
ご鞭撻の意味は「努力するように励ますこと、激励すること」
ご鞭撻(ごべんたつ)の意味は…
「努力するように励ますこと」あるいは「激励すること」
- 鞭(べん)は訓読みだと「むち」となり、拷問などで使われるムチの意味
- 撻(たつ)は「打つ」の意味
上記2つの意味を考えると「鞭撻」は「ムチを打つ」が直訳です。
ただし現代ではこのような使い方はしませんね。
「ムチを打つ →︎ ムチを打つかのように相手を激励する」ということですので「鞭撻」の意味は「努力するように励ますこと」あるいは「激励すること」と解釈するのが妥当です。
そうすると、
ご支援ご鞭撻(読み:ごしえんごべんたつ)としたときの意味は…
「支援し激励すること」
「支援し励ますこと」
と考えるのが妥当です。
ご支援ご鞭撻の程~意味は「支援し激励してくれるよう」
「ご支援ご鞭撻」のもととなる単語は「支援」であり、尊敬語なのか謙譲語なのかイマイチはっきりとしない「ご」をつかって敬語にしています。
- 「相手に支援し激励してもらうよう」と考えるのであれば謙譲語の「ご」
- 「相手が支援し激励してくれるよう」と考えるのであれば尊敬語の「ご」
となります。これは語りはじめると長くなるためひとまず置いておき、細かくは補足①②をご参照ください。
なお表記は「ご支援ご鞭撻の程」というように漢字を用いてもOKですし「ご支援ご鞭撻のほど」と平仮名にしてもOK。
ご支援ご鞭撻の程~の「のほど」ってどんな意味?
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご検討のほどお願い申し上げます
意味「検討してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「了解してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
補足①敬語の種類(ざっくり復習)
① 尊敬語とは?
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。
敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある
② 謙譲語とは?
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本(例外あり)。
③ 丁寧語とは?
いわゆる「です・ます」口調のこと。
補足②謙譲語の一般形まとめ
謙譲語の「お・ご」は尊敬語の「お・ご」と勘違いしやすい敬語です。
セットで謙譲語として覚えておくと役に立つフレーズを以下にまとめます。
- お(ご)〜する
お(ご)〜します - お(ご)〜いたす
お(ご)〜いたします - お(ご)〜いただく
お(ご)〜いただきます - お(ご)〜差し上げる
お(ご)〜差し上げます - お(ご)〜申し上げる
お(ご)〜申し上げます - お(ご)〜させていただく
お(ご)〜させていただきます
※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり何でもかんでも使える訳ではない
「〜」の部分にイロイロな語がきて謙譲語になります。たとえば「了承」「確認」「連絡」「検討」「容赦」「査収」「取り計らい」など。
また丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。
ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。
使い方
つづいて「ご支援ご鞭撻のほど」の使い方について。
【基本の使い方】依頼・お願いビジネスメール結び締め
「ご支援ご鞭撻のほど~」の使い方
オーソドックスな使い方は、おもに何かしらの支援をお願いするビジネスメール結び締めとして使います。
上司や目上など社内あてのメールにかぎらず、取引先など社外あてにも使える丁寧なフレーズです。
具体的にはたとえば、
- 【例文】ご支援ご鞭撻の程よろしくお願い致します
- 【例文】ご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します
- 【例文】ご支援ご鞭撻の程お願い申し上げます
- 【例文】ご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます
※ ご支援ご鞭撻(ごしえんごべんたつ)の意味は「支援し激励すること」
のようにしてお願いすると丁寧です。
意味としてはどれも同じで、ようするに「支援し激励してね!よろしく」ということなのですが、いろいろな表現の方法があります。
なお表記は「ご支援ご鞭撻の程」というように漢字を用いてもOKですし「ご支援ご鞭撻のほど」と平仮名にしてもOK。
“お願い致します・お願い申し上げます”を続ける
「ご支援ご鞭撻のほど」の使い方
さきほど例文にしたとおり「ご支援ご鞭撻のほど」のあとには「お願い申し上げます」「お願い致します」などの敬語を続けます。
「お願い申し上げます」「お願い致します」の意味はどちらも「お願いします」
敬語の種類は以下のとおり。
①「お願い申し上げます」の敬語
- もととなる単語は「願う+言う」であり、
- 「●●を言う」の謙譲語「お〜申し上げる」で「お願い申し上げる」とし、
- さらに丁寧語「ます」を使って「お願い申し上げます」という敬語にしています
②「お願い致します」の敬語
- もとになる単語は「願う」であり、
- 謙譲語「お〜いたす」で「お願い致す」
- さらに丁寧語「ます」を使って「お願い致します」という敬語にしています
あとは何かを頼んだりするときに添える語「よろしく」を使い
「ご支援ご鞭撻の程よろしくお願い致します・お願い申し上げます」としても丁寧ですし、
「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使い「ご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧。
また、
「お願い申し上げます vs. お願い致します」はどちらを使っても丁寧です。
ただなんとな~く「お願い申し上げます」のほうが堅苦しい感じがするので、より丁寧なメールを必要とするビジネスシーンでは「お願い申し上げます」をよく使います。
“ご支援ご鞭撻賜りますよう”としても丁寧
ところでビジネスシーンでは「ご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」としても十分に丁寧ではありますが…
「もらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」をつかい、
- 【例文】ご支援ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます
- 【例文】ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
- 【例文】ご支援ご鞭撻を賜れますと幸いです
- 【例文】ご支援ご鞭撻を賜れますと幸甚に存じます
※ 幸甚(こうじん)の意味は「とても嬉しいこと、とても幸せであること」
※ ご支援ご鞭撻(ごしえんごべんたつ)の意味は「支援し激励すること」
としても丁寧です。
意味としてはほとんどおなじですが「賜る」はよりかしこまった敬語フレーズになります。
したがってカチッとした敬語が好まれるビジネス文書では「賜る」を使いますね。一方でビジネスメールではそこまで気にする必要はありません。
なお例文にもしたとおり「ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
ビジネスメールに使える例文まとめ
ここで「ご支援ご鞭撻の程」を使った例文をまとめます。
目上・社内上司にはもちろんのこと、社外の取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
ご支援ご鞭撻の程お願い申し上げます
- 例文「ご支援ご鞭撻の程お願い申し上げます」
- 例文「ご支援ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます」
- 例文「ご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます」
※ 何卒(なにとぞ)は「どうか」という意味の丁寧なフレーズ
※ 「宜しく」は「よろしく」と平仮名でもOK
ご支援ご鞭撻の程お願い致します
- 例文「ご支援ご鞭撻の程お願い致します」
- 例文「ご支援ご鞭撻のほど宜しくお願い致します」
- 例文「ご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します」
“お願い申し上げます vs. お願い致します”はどちらも丁寧
繰り返しにはなりますが「お願い申し上げます vs. お願い致します」はどちらを使っても丁寧です。
ただなんとな~く「お願い申し上げます」のほうが堅苦しい感じがするので、より丁寧なメールを必要とするビジネスシーンでは「お願い申し上げます」をよく使います。
ビジネスメール例文
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「ご支援ご鞭撻の程」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
※「ご支援ご鞭撻くださいますよう~」「ご支援ご鞭撻いただければ幸いです」もよく使われます。
【社外】結婚報告・挨拶メール例文
【社外取引先など・基本テンプレート】
・社外あて結婚報告、挨拶ビジネスメール例文
・基本は対面で挨拶し、どうしても結婚したことを伝えたい取引先にだけ個別にメールする(会う機会が限られる社外のひとなど)
メール件名:結婚のご挨拶
株式会社ビジネス商事
営業部 ●● 様
大変ご無沙汰しております。
転職・ノマドでございます。
さて、私事で大変恐縮ではございますが、このたび、大学時代よりお付き合いしておりました「▲▲さん」と入籍・結婚しましたことをご報告いたします。
本来であれば直接伺いご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
また、これまで、たくさんの励ましや温かいお言葉をいただき誠にありがとうございました。●● 様のお力添えもあり、夫婦として出発を迎えることができました。
改めて感謝申し上げます。
これからは、夫婦として力を合わせ笑いの絶えない明るい家庭を築いていきたいと思います。
まだまだ未熟な私たちではございますが、
今後どもご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
甚だ略儀ながら、
まずはメールをもちましてご挨拶申し上げます。
——————
メール署名
——————
【社外取引先】退職報告ビジネスメール例文「営業 to 顧客」
【to社外取引先・基本テンプレート】
・社外取引先に退職報告をするビジネスメール例文
・営業マンが顧客に送るメール
・社外に報告するのは退職日や後任者などすべてのことが決まってからにする
・テンプレートとして使えるもっともシンプルな例文にしています
メール件名:退職のご挨拶(転職・ノマド)
ビジネス株式会社
資材部 資材課 ●● 様
いつもお世話になっております。
転職・ノマドでございます。
さて、私事で大変恐縮ではございますが、一身上の都合により×月▲日をもちまして(株)■■■■を退職いたします。
本来であれば直接伺いご挨拶すべきところメールでの連絡となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
なお、後任担当につき下記のとおり報告いたします。
今後とも変わらぬご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
【後任営業担当】
・所属:(株)転職 リテール営業部 国内営業課
・氏名:野間子 オーエル(のまこ おーえる)
・Email:xxx
・電話:xxx
これまで一方ならぬご愛顧をいただき心より感謝いたしております。また何かの縁でご一緒させていただく機会がございましたら、その際には宜しくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と●● 様のご多幸をお祈り申し上げます。
——————
メール署名
——————
+前置きに添えるフレーズを!
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご支援ご鞭撻」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうかご支援ご鞭撻〜
「どうかご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
「どうかご支援ご鞭撻くださいますようお願い致します」
「どうかご支援ご鞭撻いただきますようお願い申し上げます」
「どうかご支援ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます」 - 何卒ご支援ご鞭撻〜
「何卒ご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
「何卒ご支援ご鞭撻くださいますようお願い致します」
「何卒ご支援ご鞭撻いただきますようお願い申し上げます」
「何卒ご支援ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます」 - 末永いご支援ご鞭撻〜
「末永いご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
「末永くご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」 - 今後ともご支援ご鞭撻〜
「今後ともご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
「今後ともご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」 - 今後とも変わらぬご支援ご鞭撻〜
「今後とも変わらぬご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます」 - 今後とも倍旧の = より一層の
「今後とも倍旧のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」
「今後ともより一層のご支援ご鞭撻を頂きますようお願い申し上げます」
ご支援ご鞭撻の程・くださいますよう・いただきますよう・賜りますよう・ご支援ご鞭撻いただければ幸いです の違い
ところで「ご支援ご鞭撻」の使い方というか続くフレーズには、
「ご支援ご鞭撻くださいますようお願い致します」
「ご支援ご鞭撻のほどお願い致します」
「ご支援ご鞭撻いただきますようお願い致します」
「ご支援ご鞭撻賜りますようお願い致します」
「ご支援ご鞭撻いただければ幸いです」
というように主に5つあります。これって何が違うのでしょうか?
「ご支援ご鞭撻くださいますようお願い致します」
の意味は「支援し激励してくれるようお願い」
※「くれる」の尊敬語が「くださる」
「ご支援ご鞭撻のほどお願い致します」
の意味は「支援し激励してくれるようお願い」「支援し激励してもらうようお願い」
のどちらの意味にも取れる。
「ご支援ご鞭撻いただきますようお願い」「ご支援ご鞭撻賜りますようお願い」
の意味は「支援し激励してもらうようお願い」
※「〜してもらう」の謙譲語が「(お・ご)〜賜る」「お(ご)〜いただく」
「ご支援ご鞭撻いただければ幸いです」
の意味は「支援し激励してもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ」
となり「ご支援ご鞭撻くださる」なのか「ご支援ご鞭撻いただく」なのか「ご支援ご鞭撻の程」なのか「ご支援ご鞭撻いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。
どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。
もっとも丁寧なのは”ご支援ご鞭撻いただければ幸いです”
いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。
強いて言うのであれば「ご支援ご鞭撻いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。
ほかにも似たような敬語フレーズには、
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただければ幸いです
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただけますと幸いです
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただけましたら幸いです
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただければ幸甚に存じます
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただけますと幸甚に存じます
- 【例文】ご支援ご鞭撻いただけましたら幸甚に存じます
- 【例文】ご支援ご鞭撻賜れますと幸いです
- 【例文】ご支援ご鞭撻賜れましたら幸甚に存じます
※意味はどれも「支援し激励してもらえたら、とても嬉しく思います」
※下の例文ほど丁寧な(丁重な)敬語になります。
※幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
などもあり。どれをつかっても丁寧な敬語です。
なお「ご支援ご鞭撻をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
かしこまった文章には「ご支援ご鞭撻賜りますよう~」
かしこまった文章、カチッとしたビジネスメールに好まれる敬語は「賜る」をつかったフレーズですね。
「いただく」も同じく「もらう」の謙譲語ではありますが、「賜る」のほうが堅苦しい表現になります。
- 例文「ご支援ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます」
- 例文「ご支援ご鞭撻賜りますようお願い致します」
のようにしてビジネスメールの結びに使うと丁寧ですね。
ビジネスメールによく使うのは「ご支援ご鞭撻の程」
「ご支援ご鞭撻いただければ幸いです」「ご支援ご鞭撻賜りますよう~」が丁寧なフレーズではありますが…
ビジネスメールでもっともよく使われるのは「ご支援ご鞭撻の程お願い申し上げます」「ご支援ご鞭撻の程お願い致します」です。
ビジネスメールではとかく「いただく」「くださる」ばかりになってしまい、文章が気持ち悪くなってしまうのですよね。
そこで活躍するのが「ご支援ご鞭撻のほど~」です。
シンプルかつ丁寧なフレーズであり、すばらしい敬語ですね。
親しい取引先や上司・社内の目上などに対する普段のビジネスメールで、無駄にかしこまった敬語フレーズを使う必要はありません。
“いただく vs くださる”はどちらも丁寧だけど…
せっかくですので「ご支援ご鞭撻いただきますようお願い」「ご支援ご鞭撻くださいますようお願い」の違いを考えてみます。
たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう
すると…
「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」
こんな敬語フレーズをよく使います。
実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…
ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。
「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」
もうひとつ、
「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」
上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。
で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。
結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。
ただし本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。
【まとめ】結局どれがもっとも丁寧?
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご支援ご鞭撻ください
- ご支援ご鞭撻くださいませ
- ご支援ご鞭撻いただけますか?
- ご支援ご鞭撻いただけますでしょうか?
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご支援ご鞭撻ください
- ご支援ご鞭撻くださいませ
- ご支援ご鞭撻いただけますか
- ご支援ご鞭撻いただけますでしょうか
- ご支援ご鞭撻をお願い致します
- ご支援ご鞭撻いただきたく、お願い致します
- ご支援ご鞭撻いただきたく存じます
- ご支援ご鞭撻いただければと存じます
- ご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻くださいますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻いただきますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻いただけますようお願い申し上げます
注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望”~したい”
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定”たら・れば”
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語”ます”+仮定”たら”
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご支援ご鞭撻くださいませ
- ご支援ご鞭撻をお願い致します
- ご支援ご鞭撻いただきたく、お願い致します
- ご支援ご鞭撻いただきたく存じます
- ご支援ご鞭撻いただければと存じます
- ご支援ご鞭撻いただきますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻いただけますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻くださいますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻いただければ幸いです
- ご支援ご鞭撻いただければ幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸いです
- ご支援ご鞭撻いただけますと幸いです
- ご支援ご鞭撻いただけますと幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸甚でございます
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸甚に存じます
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
なお「ご支援ご鞭撻をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望”~したい”
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定”たら・れば”
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語”ます”+仮定”たら”
④最上級の丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご支援ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます
- ご支援ご鞭撻いただければ幸いです
- ご支援ご鞭撻いただければ幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸いです
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸甚でございます
- ご支援ご鞭撻いただけましたら幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻賜りますと幸いです
- ご支援ご鞭撻賜れますと幸いです
- ご支援ご鞭撻賜りましたら幸いです
- ご支援ご鞭撻賜れましたら幸いです
- ご支援ご鞭撻賜りますと幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻賜れますと幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻賜りましたら幸甚に存じます
- ご支援ご鞭撻賜れましたら幸甚に存じます
なお「ご支援ご鞭撻を賜りましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう