つづいて
「ご協力をいただき」「ご協力を賜り」を使うときの注意点と、正しい使い方について解説。
ビジネスシーン(手紙・メール・目上)で使うときに間違うと恥ずかしい思いをするので、お気をつけください。
ご協力をいただきますようお願いします は「ご理解」とセットで使う
「ご協力をいただきますよう、お願い申し上げます」
「ご協力を賜りますようお願い申し上げます」 は先ほど例文にしたとおり、
ご理解 とワンセットにして
「ご理解とご協力お願い申し上げます」とすることが多いです。
なぜなら、
「ご協力お願いします」は相手に理解や了解をもとめるフレーズではないから。
「ご協力お願いします」を単体でつかってしまうと、
「そちらの事情は知らないけど、協力してください」のようなニュアンスとなります。
なんだかいっぽうてきに
「協力」を押しつけられているような気がするのですよね。
したがって
「事情を察すること」の意味である「ご理解」といっしょにして「ご理解とご協力」として使うのです。
こうすると
「事情を察して協力してくださいね、お願い」という意味になり、より丁寧な敬語になります。
もしくは、
先ほども言い換え敬語として紹介した「お力添え」「ご了承」をつかって、
- お力添えのほどお願い申し上げます
- ご了承のほどお願い申し上げます
などとすると「ご理解とご協力」という長たらしいフレーズを使わずに済みます。
そしてなにより、もっと印象のよい敬語になります。
この2つの表現はビジネスシーンにおうじて使い分けしましょう。
ご協力をいただき・賜り のまえに気の利いたひと言を添える
ご理解とご協力をいただきますようお願いします を使うビジネスシーンは「お願い・要望・お礼」と解説しました。
お礼であればそのままでも使えますが、
お願い・要望・要求をするシーンでは、
ご理解とご協力お願いします だけだと相手への配慮が足りていません。
なぜなら、
完全にこちらの視点でものごとを見ているから。
- (私があなたに)察してもらい、協力してもらいたい!
というニュアンスなので実は結構あつかましいフレーズ。これだけでは、相手の事情などおかまいなしになってしまいます。
敬語にしたからといって「あつかましさ」においては何も変わりません。
そこで、
何か気の利いたひとこと・申し訳なく思うひとことを添えるとよいでしょう。
たとえばこんな感じ。
▼ 気の利いたひと言を添えた例文
- 大変ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解とご協力をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます - 大変お手数おかけいたしますが、
ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます - 大変恐れ入りますが、
ご協力をいただきますよう何卒よろしくお願いいたします
・ご迷惑をおかけいたしますが の意味は「迷惑をかけるのですが…」
・お手数おかけいたしますが の意味は「手間をかけるのですが…」
・恐れ入りますが の意味は「申し訳なく思うのですが…」
【例文】ご協力いただき・賜り のビジネスメール全文
さいごに「ご協力をいただき」「ご協力を賜り」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。ビジネスシーンではとくに、お知らせメールでよく使われる表現となります。
目上の人や取引先に対して使える文章にしていますので、ご参にどうぞ。
例文①営業時間変更のお知らせメール
メール件名: 営業時間変更のお知らせ
◯◯株式会社
△△ 様
お世話になっております。
転職会社の転職太郎です。
さて首記の件、夏季休業にともない営業時間を以下のとおりに変更させていただきます。
大変恐れ入りますが、
ご協力をいただければと存じます。
記
- 期 間 8月10日から15日まで
- 営業時間 9:00-12:00
なお8月16日より通常の営業時間にて対応いたしております。
上記期間中、大変ご迷惑をおかけ致しますが、ご了承いただければ幸いです。
以上
メール署名
例文②お知らせメール
メール件名: システムメンテナンスのお知らせ(8/10 AM1:00-6:00)
◯◯株式会社 御中
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて首記の件、
以下日程においてシステムメンテナンスを実施いたします。
- 日程
2017年8月10日(金)AM1:00~6:00 - メンテナンスの影響
人事、配送、販売システムはご利用できません
上記時間帯におきまして
一部システムの利用が制限されますのが、ご理解とご協力をいただければ幸いです。
大変ご迷惑をおかけ致しますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
メール署名