上司がお土産をお与えになりました?
「与える」の敬語変換(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使うときの注意点。
「与える・やる」というのは、対象をヒトにして使うというよりは動植物にたいして使われることの多いフレーズ。
たとえば、
- 猫にエサを与える
- アサガオに水を与える
こんな感じの表現でつかいます。
したがって、
「上司がお土産を私に与える」だと、私がまるで動物のような扱いになってしまいますね(笑)。動物とおなじ扱いを受けるほどわたしは落ちぶれていません。
上司からお土産をもらったのであれば、
- 謙譲語「上司からお土産をいただいた」
- 尊敬語「上司がお土産をくださった」
とするのが正解です。
上司が私にお土産を差し上げました?
「与える」の敬語変換(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使うときの注意点。
きわめて初歩的ではありますが…
したがって、
- NG例文「上司が私にお土産を差し上げました」
は間違い敬語です。
上司や目上のヒトからお土産をもらったのであれば、
- 正しい例文「上司からお土産をいただきました」
とするのが正解。
あるいは、ムリヤリに「与える」の尊敬語「お与えになる」を使って
- イマイチな例文「上司が私にお土産をお与えになりました」
でもいいのですが…私がまるで動物のような扱いになるため「上司がくださる」とします。ここで「くださる」は「くれる」の尊敬語です。
私が総理にお与えになりました??
「与える」の敬語変換(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使うときの注意点。
こちらもきわめて初歩的ではありますが…
たがって、
- NG例文「私が総理にお与えになりました」
は間違い敬語です。
上司や目上のヒトから何かをもらったのであれば、
- 正しい謙譲語「上司からお土産をいただきました」
- 正しい尊敬語「総理がお土産をくださいました」
とするのが正解。
あるいは、ムリヤリに「与える」の尊敬語「お与えになる」を使って
- イマイチな例文「総理が私にお土産をお与えになりました」
でもいいのですが…私がまるで動物のような扱いになるため「上司がくださる」とします。ここで「くださる」は「くれる」の尊敬語です。
丁寧語「です・ます」を組み合わせると、より丁寧な敬語になる
「与える」の敬語変換(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使うときの注意点。
すでに例文にはしていますが…
丁寧語「です・ます」を謙譲語や尊敬語と組み合わせると、より丁寧な敬語フレーズになります。むしろビジネスシーンでは必ずといっていいほど組み合わせて使いますね。
たとえば、
- 与える の謙譲語「差し上げる」は「差し上げます」
- 与える の尊敬語「お与えになる」は「お与えになります・お与えになりました」
のようにするとより丁寧な敬語となります。