田辺三菱製薬の大卒総合職(文系&理系)って年収高い?低い?一般的な年収ランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。とくに理系・研究開発職、事務系・間接部門の年収について。MR(営業)の年収は特殊であるため別途、記事にします。
新卒(学部卒/院卒)〜20歳代・30歳・35歳・40歳・50歳での目安年収と、各役職ごとの目安年収、残業代こみ年収、福利厚生のまとめとなります。
※追記)地域総合職と一般職の年収も追加しました。
転職・就活のご参考にどうぞ。
田辺三菱製薬の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
まずは会社全体の年収を見ていきます(数字は2016年の有価証券報告書より)。
- 平均年収:880万円
- 平均年齢:45.0歳
- 平均勤続年数:20.7年
- 参考|
2015年の平均年収|870万円
2014年の平均年収|868万円
2013年の平均年収|872万円
※平均年収は一つ前の年度の有価証券報告書を参照。たとえば「2016年=2015年度実績」となります。
「田辺三菱製薬」という会社をご存じない就活生のために、ひとこと解説。
田辺三菱製薬は製薬・医薬品メーカーの国内売上No.7企業。中堅~準大手クラスの製薬メーカーである。2007年に田辺製薬と三菱ウェルファーマの合併により誕生した。化学メーカー国内No.1の三菱ケミカルホールディングスの傘下企業。
- 本社:大阪市中央区道修町3-2-10
- 設立:1939年
- 2015年度決算:
売上 4317 億円(製薬業界、国内No.7)
純利益 564 億円
製薬メーカーの平均年収ランキング2016年
- 大塚ホールディングス|年収1116万円
- シンバイオ製薬|1112万
- エーザイ|1094万
- 第一三共|1092万
- アステラス製薬|1069万
- そーせいグループ|982万
- サンバイオ|979万
- キョーリン製薬ホールディングス|969万
- 武田薬品工業|959万
- 中外製薬|935万
- 塩野義製薬|890万
- アンジェスMG|890万
- 生化学工業|882万
- 田辺三菱製薬|880万
- 小野薬品工業|877万
- 大正製薬ホールディングス|856万
- 大日本住友製薬|840万
- ツムラ|826万
- 協和発酵キリン|820万
- 持田製薬|818万
製薬メーカー平均年収ランキングを見ると田辺三菱製薬はNo.14となっており、会社規模の割に低いことがわかります。実際のところはどうでしょうか?
概要を解説したところで、大卒・総合職の目安年収を見ていきましょう。
田辺三菱製薬の総合職(研究開発職)の目安年収
MR(営業)の年収は別でまとめるとして、今回は技術系・研究開発職と、事務系・間接部門の年収です(もちろん総合職のみ)。
①年齢ごとの年収目安(残業代・各種手当て別)
年 齢 | 役 職 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
~29歳 | なし | 518万円 | 28 | 6.5 (※3) |
30歳 | 主任 | 573万円 | 31 | 6.5 |
35歳 | 課長代理 | 740万円 | 40 (※1) |
6.5 |
40歳 | 課長代理 | 795万円 | 43 | 6.5 |
〃 | 課長1 | 925万円 | 50 (※2) |
6.5 |
45歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長1 | 925万円 | 50 | 6.5 |
50歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長2 | 1017万円 | 55 | 6.5 |
55歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長2 | 1017万円 | 55 | 6.5 |
60歳 | 課長代理 | 740万円 | 40 | 6.5 |
(※1)課長代理は裁量労働制となる。基本給に一定の残業代(みなし労働手当て)を含む。総合職であれば課長代理までは自動的に昇格。
(※2)課長1(部下なし課長)への昇進で同期でも差が出る。なれない人もいる。
(※3)年収はボーナス額で大きく変動する。そしてボーナスは会社業績と個人評価できまる。研究開発職、スタッフ職は差があまりつかない。MRは別途まとめるが、個人の成果でほぼ決まる。
②役職ごとの目安年収(残業代・各種手当て別)
役 職 | 年 齢 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
なし | ~29歳 | ~518万円 | 28 | 6.5 (※4) |
主任 | 30歳 | 573万円~ | 31 | 6.5 |
課長代理 | 35~40歳 | 740~832万 | 40~45 (※2) |
6.5 |
課長1 部下なし |
40歳~ | 925万円~ | 50~ (※3) |
6.5 |
課長2 部下あり |
45歳~ | 1017万円~ | 55~ | 6.5 |
部長代理 | 45歳~ | 1200万円~ | 65~ | 6.5 |
部長 | 45歳~ | 1387万円~ | 75~ | 6.5 |
※課長代理は裁量労働制のため、基本給に残業代(みなし労働手当て)を含む
※課長以上は残業代ゼロ
- 新卒-29歳|役なしではあるが3年おきくらいにポジションが昇格し、そのたびにそれなりの昇給がある。もちろん毎年の昇給もあるが、ポジションの上がるタイミングで大きく上がる。
- 30歳前後|主任クラスへ昇格。
- 32~35歳|課長代理クラスへ昇格。裁量労働制であり、残業代は「みなし労働手当て」として基本給に含まれる。総合職であれば、必ず到達する。
- 38~40歳|課長1になれるかどうかで年収が大きく変わる。誰でもなれる訳ではない。
- 40~45歳|課長2になれるかどうかで年収が大きく変わる。
- 45~50歳|部長になれるかどうかで年収が大きく変わる。
- 50~60歳|理事、役員へ昇格できる人は少ないため無視している。
③残業代込みの目安年収(月30h残業と仮定)
田辺三菱製薬のような巨大企業は激務度がマチマチであるため、平均の残業時間と言うのは意味ないのですが…。いちおうはメーカーの平均的な残業時間30h/月で、残業込み年収をまとめます。
年 齢 | 役 職 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
~29歳 | なし | 590万円 | 28 | 6.5 (※3) |
30歳 | 主任 | 652万円 | 31 | 6.5 |
35歳 | 課長代理 | 740万円 | 40 (※1) |
6.5 |
40歳 | 課長代理 | 795万円 | 43 | 6.5 |
〃 | 課長1 | 925万円 | 50 (※2) |
6.5 |
45歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長1 | 925万円 | 50 | 6.5 |
50歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長2 | 1017万円 | 55 | 6.5 |
55歳 | 課長代理 | 832万円 | 45 | 6.5 |
〃 | 課長2 | 1017万円 | 55 | 6.5 |
60歳 | 課長代理 | 740万円 | 40 | 6.5 |
※課長代理は残業代ゼロになり、基本給に「みなし労働手当て」が含まれると想定。
④注意点
【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス6.5ヶ月/年の想定)。業績が悪くなれば平均して年収100万円は普通に下がる。
【注意②】賞与は「個人の査定・会社業績」によって決まる。このうち影響大きいのが会社業績、次に個人の査定。ただし研究開発職やスタッフ職の場合、個人査定で差をつけることが難しいため、実際には同じポジションであれば、大きく変わらない。組合員であれば年によって、最低5ヶ月/年~最高8ヶ月/年くらいの差がある。
【注意③】同期入社であれば30代中盤までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。
【注意④】課長代理は裁量労働制。残業代ゼロの代わりに「みなし労働手当て」が支給される。ただし、著しく残業の多い部署は追加で残業代が支給される。
【注意⑤】管理職になると残業代はゼロ。
【注意⑥】MRは成果主義の年収(別途作成します)、他はあまり差がつかない。
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まとめると、田辺三菱製薬の年収は基本給は普通の大企業なみではあるものの、ボーナスで補い、それなりの年収となっています。
年収1000万円に到達するには、部下あり課長になる必要あり。総合職であれば難易度は同期入社1/3~5人くらいかと思われます。
地域総合職と一般職の年収
地域総合職と一般職の年収は上記の年収を
地域総合職は総合職の8割くらい、
一般職は総合職の6割くらい、
にしたイメージです。若いうちは年収の絶対額が低いため、そこまで大きな差は感じられないでしょう。当たり前ですが、年齢を重ねるほどに年収の差は開いていきます。
また、地域総合職と一般職は課長には出世できないとお考えください。
地域総合職であれば主任クラスが限界、
一般職であれば役職なしのまま会社人生を終える人が多いでしょう。
とはいえ、役職なしには残業代がちゃんとつけられるため基本給が上がると、お得になっていきます。残業代は基本給をベースに算出されるため、基本給が高ければ高いほど、残業の時給は高くなります。
田辺三菱製薬の福利厚生
- 独身寮|あり、無ければ借り上げ社宅
- 社宅|あり、無ければ借り上げ社宅
- 世帯手当|調査中
- 住宅補助|
・借り上げ社宅は自己負担4-5万円/月になるように設定される。 - 残業代|
・課長代理以降は裁量労働制であり残業代はゼロ。その代わりに「みなし労働手当て」が基本給に含まれる。
・管理職以降は残業代ゼロ。 - その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当など
- その他の注意事項|
まとめると田辺三菱製薬の福利厚生は普通の大企業レベル。
福利厚生込みの年収を知りたい方は残業代込み年収に、福利厚生の金額(おおむね50万円/年くらい)を加算しましょう。
製薬・医薬メーカー業界の中でどのくらい?
田辺三菱製薬の年収は製薬・医薬メーカー業界の中では「上の下」です。製薬メーカーにしては年収が低く、製薬大手5社と比べると30代以降の年収差が激しい。歳を重ねるごとに、他大手との差を実感することでしょう。
またメーカー業界全体でみても「上の下」となります。
今後のことは正直、分かりません。製薬業界はギャンブルであり予測不能です。売れる新薬をいくつか投入できれば、20年(特許切れまでの期間)は計算できます。
ある程度まとまったら年収ランキングを作りますね(準備中)。
田辺三菱製薬に転職・就職するあなたへ
製薬・医薬業界の今後の動向(とくに先発製薬メーカー)
まず製薬・医薬品メーカー業界の流れと、今後の動向をざっくりと解説します。国内はとくに、ジェネリック医薬品を国策で増やしていったところが転換期になっています。
- 作れば売れる時代。新薬がどんどん上市
↓ - ブロックバスター時代(大型新薬をひとつでも開発すれば20年安泰)
↓ - 製薬バブル期へ突入!!
↓ - 開発をやりつくし、新薬開発の難易度はどんどん上がる。コストも上がる
↓ - そのうえ、国策でジェネリック薬品をどんどん増やすと言いやがる!!
↓ - ジェネリック薬品にシェアを奪われる先発薬品メーカー(武田など)…
↓ - 頼みの新薬もなかなか生み出せない(企業によるが…)
↓ - 2010年問題、1990年ころに開発した新薬の特許がどんどん切れていく
↓ - 新薬は自社開発するものではなく買うものだ!!海外M&Aを加速(今ココ!)
↓ - M&Aした企業の収穫期に入れるか??
↓ - 製薬業界は安定から、ギャンブル業界へ
製薬・医薬メーカー業界はこれまでが出来すぎでした(上述した通り)。国内はジェネリック医薬品にどんどんシェアを奪われ、新薬開発もリスクがどんどん上がる、残された道は業界再編とM&Aだけなのか!?
今後のことは正直、分かりません。製薬業界はギャンブルであり予測不能です。売れる新薬をいくつか投入できれば、20年(特許切れまでの期間)は計算できます。
田辺三菱製薬の将来性。今後どうなる?
田辺三菱製薬の最近の業績は好調で、安定しています。
理由は2つ、
一つめは、インヴォカナ(日本製品:カナグル)を米国の製薬大手メーカーのヤンセンに導出(特許をライセンスして、対価としてお金を貰う)
二つめは、ジレニアという医薬品をスイス・ノバルティス社へ導出したため。
この2つのロイヤリティー収入だけで、なんと723億円の収入(2015年度実績)。逆の見方をするのであれば、ロイヤリティー収入がなければ、ゴミのような3流企業になります。特に後者のジレニアは特許切れが迫っており、収入の大半を失う秒読み段階に突入。
経営陣もそれを理解していて、米国進出に力を入れ始めましたが…。すでに遅すぎる気が…。
ただ製薬業界はギャンブルなので、どんな状態からでも爆発的に売れる新薬をリリースすれば、その後の20年間は安泰です。これから就職・転職するあなた次第かと思われます。
田辺三菱製薬の激務度・ブラック度
田辺三菱製薬は部署や上司によって、激務度がぜんぜん違います。
既存ビジネスの現場(MR営業、製造現場など)に近ければ近いほど激務になりますが、それも上司によります。
いっぽうで既存ビジネスと関係のない基礎研究所、開発職などは仕事まったり。プライベートが調整しやすいでしょう。
製薬・医薬メーカー業界の記事
- 準備中
田辺三菱製薬の社員クチコミ・評判
田辺三菱製薬の「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。
転職者・就活生の役に立つようなコメントでしたら何でも構いません。事実に基づく批判もウェルカムです。
またデータには万全を期しておりますが、2017年公開時点での情報ですのでご了承ください。
それでは読者様からのご協力お待ちしておりますm(_ _)m
初めまして。
訳あって、この会社の事を知っていますので、今後の改善にお役立て頂ければ幸いです。
①激務度ブラック度
これは記述通り、上司によって激変します。
②年収事例
文系学部卒3年目540万プラス日当で約60万
日当は1日の外勤時間が4-10時間であれば2000円、10時間以上なら2500円、宿泊であれば3300円
③キャリアパス
新人入社から5年目辺りで課長代理の一つ手前に昇格。(この場合は普通に昇格します。)
そのあと33歳前後で課長代理への昇格試験を受けることができます(数字達成等による上司からの推薦が必要)。
この辺りで出世コースとその他のコースが分かれます。
課長代理にずっと受からない人もいれば、受かってもタイミングがなく実際に上がれないケースもあります。
そのあと40歳前後で課長に昇格する試験を受ける事ができます、(これも上司からの推薦が必要)
年収は30歳前後(課長代理の試験前)で700万前後
課長代理に昇格で約800-900万
課長に昇格で1000-1200万
です
④その他
⑤福利厚生
住宅負担はおよそ2万円です。
各エリア内で住める住宅の上限が決まっており、実費負担でより良い住宅に住むこともできません。
外勤手当は月に4万(日当とは別)