「説明してください」は上司・目上に失礼?
ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?
とご心配のあなたへ。
「説明してください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…
時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。
会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。
より丁寧な言い換えにはたとえば、
- 例文①ご説明ください
- 例文②ご説明くださいませ
- 例文③ご説明をお願い致します
- 例文④ご説明いただきたく存じます
- 例文⑤ご説明のほどお願い申し上げます
- 例文⑥ご説明いただきますようお願い申し上げます
- 例文⑦ご説明くださいますようお願い申し上げます
- 例文⑧ご説明いただけますか?ご説明いただけますでしょうか?
- 例文⑨ご説明いただければ幸いです
- 例文⑩ご説明賜りますようお願い申し上げます(”賜る”の読みは”たまわる”)
などあり。
これらの言い換えの丁寧レベルとしては「ご説明ください」がもっとも低く「例文⑨ご説明いただければ幸いです」「例文⑩ご説明賜りますよう〜」がもっとも丁寧。
あとはどれも似たようなものです。
それでは、
「説明してください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味・敬語の解説
「説明してください」は「説明してほしい」という意味。
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
“説明してください”の意味は「説明してくれ」
「説明してください」のそもそもの意味は…
「説明してほしい」
「説明してくれ」
このように解釈できます。
“説明してください”の敬語の種類
「説明してください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。
- もとになる単語「説明する」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「説明してくださる」
- さらに命令形にして「説明してください」
このようにして元になる語「説明する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
なお「ご説明してください」は間違い敬語となりますのでご注意を
強い口調となる敬語”説明してください”
ここでひとつ注意点を。
「説明してください」だけでなく「~してください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。
なぜなら「〜してください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。
極端なたとえですが、よく母親が子供に
「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」
といっているのを耳にします。
「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。
尊敬語”〜してくださる”の命令形「~してください」と似たような成り立ちです。
どちらかというと「~してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。
もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。
私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。
だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。
で、
シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…
本当にむずかしいのですよね。
したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。
いろんな敬語を知っておくことが重要
もっとも重要なことは、
いろんな敬語フレーズを知っておくこと。
そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶ説明することができるようになります。
社内の上司にメールするときは”ご説明ください”をつかい、取引先にメールするときは「ご説明いただければ幸いです」をつかい…
というような感じ。
引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。
そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。
覚えておくと必ず役に立つことでしょう。
丁寧な言い換え敬語
ここまでの解説で「説明してください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。
ここからは、
じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?
という点についてみていきます。
①ご説明ください
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明ください」
意味は『説明してください』
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
「説明して」というフレーズを尊敬語「ご説明」に言い換えているため丁寧レベルとしては「説明してください」よりもだいぶマトモ。
ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。
さきほどの繰り返しにはなりますが、時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。
気になるかたは言い換え例文②以降をつかいましょう。
ちなみに”ご説明ください”の敬語は以下のようになりたちます。
- もとになる単語「説明する」に尊敬語”お(ご)”で「ご説明」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご説明くださる」
- さらに命令形にして”ご説明ください”
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
このようにして元になる語「説明する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
ちなみに敬語「お(ご)」は…
「自分がご説明する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご説明くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
また「ご説明してください」は間違い敬語となりますのでご注意を。
②ご説明くださいませ
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明くださいませ」
意味は『説明してください』
尊敬語「ご説明くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。
命令形である点において「説明してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。
「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。
ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。
③ご説明いただきたく、お願い致します
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明いただきたく、お願い致します」
→意味は『説明してもらいたい、お願いします』
あるいは単に、
- 例文「ご説明をお願い致します」
→意味は『説明をお願いします』
としてもOKです。
※「お願い申し上げます」としても丁寧
※「よろしくお願い致します」というようにしても丁寧
いずれもシンプルかつ丁寧な敬語フレーズであり、ビジネスメールや電話対応でよくつかうフレーズです。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+希望「~したい」
④ご説明いただければと存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明いただければと存じます」
意味は『説明してもらえたらと思います』
「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
⑤ご説明いただきたく存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明いただきたく存じます」
意味は『説明してもらいたいと思います』
「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
⑥ご説明いただければ幸いです
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明いただければ幸いです」
意味は『説明してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『説明してもらえたら嬉しいです』
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」
「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。
- 例文「ご説明いただけますと幸いです」
- 例文「ご説明いただけましたら幸いです」
- 例文「ご説明いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご説明いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご説明いただければ幸甚に存じます」
- 例文「ご説明いただけますと幸いです」
- 例文「ご説明いただけますと幸甚に存じます」
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
⑦ご説明くださいますようお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご説明くださいますようお願い致します」
意味は『説明してくれるようお願いします』
とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズになります。
※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
たとえば、
- ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」 - ご検討くださいますようお願い申し上げます
意味「検討してくれるようお願い!」 - ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い!」 - ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い!」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
⑧ご説明いただきますよう・賜りますよう〜
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「ご説明いただけますようお願い申し上げます」
- 例文「ご説明賜りますようお願い申し上げます」
意味はどちらも『説明してもらうようお願いします』
とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズになります。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”
「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”
「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。
普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。
「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。
⑨ご説明のほどお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「説明してください」の言い換え敬語
- 例文「ご説明のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご説明のほどお願い致します」
意味は「説明してくれるようお願いします」
とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズになります。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
ここで「ご説明のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご検討のほどお願い申し上げます
意味「検討してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。
⑩~その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご説明をお願い致します」
※意味は「説明をお願いする」 - 例文「ご説明いただきたく、お願い致します」
意味は「説明してほしい、お願いします」 - 例文「ご説明いただけましたら幸いです」
※意味は「説明してもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご説明いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「説明してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご説明いただければ幸甚に存じます」
※意味は「説明してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご説明いただけますか?」
※意味は「説明してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご説明いただけますでしょうか?」
※意味は「説明してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご説明いただけますと幸いです」
- 例文「ご説明いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご説明賜りますと幸いです」
- 例文「ご説明賜りますと幸甚に存じます」
- 例文「ご説明賜れましたら幸いです」
- 例文「ご説明賜れましたら幸甚に存じます」
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
ビジネス会話・電話対応では”ご説明いただけますか?”
ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…
「ご説明くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話対応では…
- 【例文】ご説明いただけますか?
- 【例文】ご説明いただけますでしょうか?
- 【例文】説明していただけますか?
- 【例文】説明していただけますでしょうか?
- 【例文】ご説明願えますでしょうか?
※もちろん “ご説明ください”or”ご説明くださいませ” としてもOK
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「説明してもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
敬語の解説
「ご説明いただけますか?」「ご説明いただけますでしょうか?」
の敬語の成り立ちとしては…
- “説明する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご説明いただく」
- 可能形にして「ご説明いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「ご説明いただけます」
- 疑問形にして「ご説明いただけますか?」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご説明いただけますでしょうか?」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご説明」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
+前置きに添えるフレーズを!
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご説明」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか
例文「どうかご説明くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご説明くださいますようお願い致します」
例文「どうかご説明いただければ幸いです」
例文「どうかご説明いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒=どうか
例文「何卒ご説明くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご説明くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご説明いただければ幸いです」
例文「何卒ご説明いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
+気づかいの敬語フレーズもGood
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご説明」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご説明〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご説明〜」
「たびたび恐縮ではございますがご説明〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご説明〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご説明〜」
「たびたび恐れ入りますがご説明〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご説明〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご説明〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご説明〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご説明のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご説明〜」
結局どれがもっとも丁寧?
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご説明ください
- ご説明くださいませ
- ご説明いただけますか?
- ご説明いただけますでしょうか?
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご説明ください
- ご説明くださいませ
- ご説明いただけますか
- ご説明いただけますでしょうか
- ご説明をお願い致します
- ご説明いただきたく、お願い致します
- ご説明いただきたく存じます
- ご説明いただければと存じます
- ご説明のほどお願い申し上げます
- ご説明くださいますようお願い申し上げます
- ご説明いただきますようお願い申し上げます
- ご説明いただけますようお願い申し上げます
注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご説明くださいませ
- ご説明をお願い致します
- ご説明いただきたく、お願い致します
- ご説明いただきたく存じます
- ご説明いただければと存じます
- ご説明いただきますようお願い申し上げます
- ご説明いただけますようお願い申し上げます
- ご説明くださいますようお願い申し上げます
- ご説明いただければ幸いです
- ご説明いただければ幸甚に存じます
- ご説明いただけましたら幸いです
- ご説明いただけますと幸いです
- ご説明いただけますと幸甚に存じます
- ご説明いただけましたら幸甚でございます
- ご説明いただけましたら幸甚に存じます
補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
④最上級の丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご説明賜りますようお願い申し上げます
- ご説明いただければ幸いです
- ご説明いただければ幸甚に存じます
- ご説明いただけましたら幸いです
- ご説明いただけましたら幸甚でございます
- ご説明いただけましたら幸甚に存じます
- ご説明賜りますと幸いです
- ご説明賜れますと幸いです
- ご説明賜りましたら幸いです
- ご説明賜れましたら幸いです
- ご説明賜りますと幸甚に存じます
- ご説明賜れますと幸甚に存じます
- ご説明賜りましたら幸甚に存じます
- ご説明賜れましたら幸甚に存じます
なお「ご了承を賜りますよう~」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう
“ご説明いただく vs ご説明くださる”の使い方
ややこしいので「ご説明いただく vs ご説明くださる」の使い方について。
代表的なパターンを表にまとめておきます。
こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。
▼「ご説明いただく」の使い方まとめ(すべて敬語)
①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
---|---|---|---|
現 在 | ご説明いただく | ご説明いただきます | -頂くよう -頂きますよう |
過 去 | ご説明いただいた | ご説明いただきました | × |
進行形 | ご説明いただいている | ご説明いただいています | -頂いております |
過去~現在 | ご説明いただいていた | ご説明いただいていました | -頂いておりました |
希 望 依 頼 |
ご説明いただきたい ご説明いただきたく ご説明いただくよう |
ご説明いただきたいです ご説明いただきますよう ご説明いただけますよう |
-頂きたく思います -頂きたく存じます -頂ければと存じます |
可 能 | ご説明いただける | ご説明いただけます | -頂けるよう -頂けますよう |
仮 定 | ご説明いただければ | ご説明いただけましたら | × |
疑 問 | ご説明いただけるか? | ご説明いただけますか? | -頂けますでしょうか |
禁 止 | ご説明いただけない | ご説明いただけません | × |
命 令 | × | × | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
▼「ご説明くださる」の使い方まとめ(すべて敬語)
①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
---|---|---|---|
現 在 | ご説明くださる | ご説明くださいます | -くださるよう -くださいますよう |
過 去 | ご説明くださった | ご説明くださいました | × |
進行形 | ご説明くださっている | ご説明くださっています | -くださっております |
過去~現在 | ご説明くださっていた | ご説明くださっていました | -くださっておりました |
希 望 |
ご説明くださるよう | ご説明くださいますよう | × |
可 能 | × | × | × |
仮 定 | × | × | × |
疑 問 | ご説明くださるか? | ご説明くださいますか? | × |
否 定 | ご説明くださらない | ご説明くださいません | × |
命 令 | ご説明ください | ご説明くださいませ | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります
※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない