年収1000万円の手取りがたった710万円ほどだったので、共働き・子供2人で一体何にどれくらい引かれているのか、生活レベルとか色々について公開してみます。
で、
結論からすると税金(所得税・住民税)よりも社会保険料(厚生年金・健康保険料・雇用保険料・他)がエゲツないっていう話。
年収1000万円ってサラリーマンのちょっとしたステータスになっているのですけど…
実際のところ年収1000万円=手取り710万円だと独身ならまだしも、子供が2人いたら共働きじゃないともう生活は結構カツカツ。年間100万円すらも貯金できません。
これで高年収サラリーマンって言われるのだから、ちょっと笑えないレベル。
そこで、
年収1000万円の手取りとか、税金の話とか、生活レベルとか、イロイロ公開してみます。
人生設計のご参考にどうぞ。
この記事の目次
年収1000万円の手取り「700~750万円」
年収1000万円の手取りは、
ほぼ確実に700~750万円の幅に収まります。
年収1000万円の手取りはなぜ人によって違う?
で、
このように手取りに幅がでる理由はというと。
- 家族構成
・所得税/住民税減額の対象となる扶養家族が多ければ手取りは増える
・ざっくりと「対象の扶養家族人数 × 約10万円」の税金メリットあり、その分の手取りが増える - 給料のもらい方
・月の給与が多ければ多いほど手取りは増える
・たとえば年棒制12分割払いの年収1000万円と、基本給60万円+ボーナス180万円の年収1000万円では同じ家族構成でも手取りが大きく違う - 健康保険料率の高い低い
・組合保険:大企業の平均保険料率は9.2%であり、半分を従業員が負担する。ただし企業によって全然違い、6%台の企業もあるとかないとか。
・全国健保協会(協会けんぽ):中小企業などで加入。保険料率は9.69%(新潟県)〜10.24%(香川県)のように地域で差あり、半分を従業員が負担する。
・共済組合:公務員が加入 - 介護保険を払うかどうか
・満40歳以上~65歳未満の人が払う。料率は1.65%で従業員が半分を負担する。
年収1000万円の手取りモデル3つ
ということで、
あなたの家族構成とか、どんな健康保険に加入しているかで手取りは結構変わります。
でも繰り返しにはなりますが、
ほとんど確実に「手取り700-750万円」の幅に収まるでしょう。
すべてのケースを語り始めるとキリがないため、代表的な手取り年収計算だけを以下にまとめておきます。
年収1000万円の手取りモデル
手取り①独身 or 夫婦共働き |
手取り②夫婦 /専業主婦あり (年収38万≧) |
手取り③独身 or共働き年棒制 (1000万/12分割) |
|
---|---|---|---|
①額面年収 | 10,000,000 円 | 10,000,000 円 | 10,000,000 円 |
▲ 所得税 | ▲ 774,400 円 | ▲ 696,800 円 | ▲ 823,200 円 |
▲ 住民税 | ▲ 600,500 円 | ▲ 567,500 円 | ▲ 624,300 円 |
▲ 社会保険料 (健康保険+介護保険) (厚生年金) (雇用保険) |
▲ 1,490,000 円 (▲ 543,500円) (▲ 916,000円) (▲ 30,000円) |
▲ 1,490,000 円 (▲ 543,500円) (▲ 916,500円) (▲ 30,000円) |
▲ 1,251,000 円 (▲ 540,300円) (▲ 680,700円) (▲ 30,000円) |
②引かれる額の合計 | ▲ 2,864,900 円 | ▲ 2,754,300 円 | ▲ 2,698,500 円 |
③年収1000万の手取り =②−① |
7,135,100 円 | 7,245,700 円 | 7,301,500 円 |
・すべて2017年9月分〜税制と社会保険制度に変換。
・標準報酬月額/標準賞与額の〇〇%という記載法
①健康保険料率:約9.2% (従業員負担4.6%) 大企業の平均値
②介護保険料率:約1.65%(従業員負担0.825%) 地域差あり、満40歳~65歳未満
③厚生年金:18.3%(従業員負担9.15%)
④雇用保険料率:年収に応じた金額 一律
⑤個人年金/生命保険/住宅ローン控除なし
⑥家族構成は表に記載
年収1000万円の税金は、たった140万円前後
年収1000万円というと…
税金をガッポリ払うから節税しなきゃヤバいんじゃないの!?
と思われがちですが税金はたったの140万円前後/年。税金は所得税と住民税からなりますが、先ほどの手取り表にしめしたように、年収1000万円でもそんなに驚くほど引かれません。
年収1000万円の所得税は、たった80万円前後/年
年収1000万円になったら…
所得税って年収の3割くらいガッポリ取られるんだろ!?働く意欲なくなるわ〜。
と私も思っていたものですが…
実際には、年収1000万円の所得税はたかだか80万円前後ほどしか取られません。これに扶養控除/個人年金/生命保険/住宅ローンの控除がある人はもっと少なくなるでしょう。
所得税の支払額そのものは大きいのですけど予想よりもはるかに少ない税額です。
年収のたった8%前後ですよ!?
どれだけ多くても10%は超えません。
むしろ、多くのサラリーマンはいろんな控除なり節税でもっと少なくなるハズです。
ひょっとしたら日本って素晴らしく良心的な国かもしれません。
自分の手取り年収をあまり気にしたことがなく、恥ずかしいことに累進課税の仕組みと基礎控除・社会保険控除の仕組みを知らずにサラリーマン生活を10年以上も送ってました(苦笑)
※ただし上述したように給料のもらい方によって変わります。
・所得税には復興特別所得税もふくむ(平成49年まで所得税額の2.1%が復興特別所得税として課税される)。サラリーマンであれば毎月の給料から前もって約1/12が引かれている(源泉徴収)
年収1000万円の住民税は、たった60万円前後/年
年収1000万円になったら…
税金は所得税のほかに住民税も年収の1割くらいガッポリ取られるんだろ!?
まったくヤクザやわ〜。
と思っていたものですが…
実際には、年収1000万円の住民税はたかだか60万円前後ほどしか取られません。これに扶養控除/個人年金/生命保険/住宅ローンの控除がある人はもっと少なくなるでしょう。
住民税の支払額そのものは大きいのですけど予想よりもはるかに少ない税額です。
年収のたった6%前後ですよ!?
どれだけ多くても8%は超えません。
むしろ、多くのサラリーマンはいろんな控除でもっと少なくなるハズです。
ただし、所得税と住民税をあわせると税金の額は140万円前後になります。
年収1000万円だと14%前後が税金ですね…あとは色々ある控除でどれくらい減るのか、というところ。
・住民税は翌年6月ごろより毎月概ね1/12の金額が給料より控除される。
・市民税+県民税(都民税)で成り立つ。
・地域差あり9.7%(名古屋市)~10.025%(横浜市)
年収1000万円で節税する意味あるの?
ここで多くの年収1000万円サラリーマンが気にしている節税の話を少し。
私の結論としては、
「年収1000万円の税金ってそもそも少ないのだからムリして節税する必要もない」と考えます。
どれだけ頑張っても10万円/年くらいの節税効果しか期待できないのですから。
節税のために住宅ローンを組んだり、生命保険を購入したり、個人年金に加入するのは本末転倒です。むしろ高くつきますね。
※もちろん、もともと受けられるハズの控除の申告忘れはもったいない。
でも結局は手取り「700~750万円」
これまで見てきたように
年収1000万円程度なら税金(所得税+住民税)は大した金額にはなりません。
税金は多くて年収の 14% ほどです。
にも関わらず手取り年収が700~750万円になってしまうのは…
社会保険料(厚生年金・健康保険・雇用保険・介護保険)がヤバいから。
ガチでヤ◯ザなんじゃないかと思うくらい。なす術もなく源泉徴収(給料から勝手に引かれること)されていきます。しかも値上がりし続けてます。
話は戻って、
年収1000万円で大企業勤務であれば、
社会保険料はだいたい年収の15%前後を支払いますね。
ということは…
税金14%+社会保険料15%で、
合算すると年収の3割近くをもってかれるのですよね…
社会保険料は確実に上がり続ける
そして、
運悪いことに社会保険料のレートというか、支払う保険料率は毎年のように上がっています。所得税とか住民税のルール変更はあったとしてもマイナーチェンジで影響度は少ないです。
だから10年後には社会保険料が上がりまくってて、年収1000万円といっても手取り年収600万円しかない!!
というアホみたいな時代が来るかもしれません…少子高齢化パワー恐るべし。
実際に福利厚生のちゃんとしているEU諸国はこんな感じになってます。
「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の年間合計額。料率は地方自治体や企業によってことなるが、年収のざっくり15%前後と考えておけばよい。40歳以上になると「介護保険料」も追加でとられるため手取りは減る。
年収1000万円でも共働きしなくては厳しい現実
最後に年収1000万円の生活とか貯金の現実について少し。
私の家族構成はホントは「共働き+子2人」なのですが…それだとまるで参考にならないため「専業主婦+子2人」に変換して生活と貯金について公開します。副業の収入も除外します。
年収1000万円:専業主婦+子2人の家計簿
収入 | 支出・貯蓄 | ||
手取り月収 | 41万/月 | 生活費すべて | 25万/月 |
ボーナス (手取り) |
夏116万円 冬116万円 |
家賃・光熱費 ※借り上げ社宅の自己負担分 |
7万/月 |
子供の出費 2人合計 |
25万/月 | ||
手取り 合計 | 724 万/年 | 支出 合計 | 684 万/年 |
毎月の貯金 | 赤字 | ||
ボーナス貯金 | 毎月の赤字と相殺 | ||
貯金 合計 | 40 万/年 |
こんな感じだったので、サラリーマンの給料だけではほとんど貯金できません。
子供に教育費などのお金をかけ過ぎなのか?
と思うときもあったのですが、実際にこれくらい必要です。もちろんお金のかかる年齢・かからない年齢があります。
1人を大学卒業まで面倒見るために、全部公立にしても4000万円は必要らしいので…ちなみに全部私立だと目安6000万円/人らしいです。
ウハ〜…ガチで泣けてくる。
ここまで育ててくれた両親に感謝せねば。
私の周りにいる年収1000万円のおっさん達は倹約家
年収1000万円っていうと、世間一般からすれば高年収に思われがち。
一体どんなセレブな生活してるの?
と勘違いされるものですが、
少なくとも私の周りにいる同じ境遇の化学メーカー・年収1000万円サラリーマンは誰も贅沢しません。クソ真面目でクソ倹約家です。
性能が悪くてもステータスだけはある横文字のスポーツカーを買ったりしません。無駄に超高級スーツを買ったりもしません。家族旅行でスイートルームに泊まったりしません。ビジネスクラスで海外旅行に行ったりもしません。
かなりの倹約家です。
年収1000万円のサラリーマンはみんな分かっているのですよね。年収1000万円では贅沢できないってことが…
※もちろん独身だったり、共働きならめちゃくちゃ余裕あります。
だから結局、年収1000万円じゃダメだという話
そこで私が出した結論は…
「年収1000万円じゃ子供2人と妻を養えない」です。
そうすると考えられるアクションは3つ。
- 夫婦で共働き
- 少しだけ節約する
- その他の副業で収入を得る
普通の人は①共働き②節約のいずれかを選択します。
が、
私は節約は嫌だし、
妻も事情があって働けなくなってしまったので副業することにしました。このくだらないブログも副業のひとつです。実はほかにもくだらない投資とか転売もやってます(苦笑)。
副業はくだらないのですけど、お金にはなります。
妻がコツコツ貯金していた1000万円を投資にまわしたり、私が副業してなければお金はまったく増えてなかったことでしょう。
それくらい、
年収1000万円の生活というのは厳しいのです(いい加減しつこい)。
で、
家族は確かにお金には困らなくなったのですが、でも自分が裕福だと感じたことは今まで一度もありません。
これが世帯収入1000~3000万円の現実です。上を見ればキリがないし、下を見てもキリがないのですけど…
世帯収入3000万円を超えてくるとちょっとは裕福になるのかもしれません。それはまたの機会に。今はまったく分からないです。
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