「不躾な質問で恐縮ですが」意味と使い方・ビジネスメール例文

「不躾な質問で恐縮ですが」について、意味と上司や目上への正しい使い方、注意点をビジネスメールの例文つきで誰よりもくわしく解説していく記事。

まず簡単にまとめを。

「不躾な質問で恐縮ですが」の意味は「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」。

身近なところで「不躾な質問」って一体どんな質問なのかというと「初対面の女性に年齢を聞く」などあり。

でビジネスシーンにおける「不躾な質問」とはどんなものかというと、

  • 相手のメリットやビジネスになりそうもない質問をする
  • 料金が高いのはなぜか?と質問する
  • なぜ赤字つづきなのか?と質問する
  • あまり親睦のない取引先にたいして質問攻めにする
  • 答えられそうにない質問をする
  • 何かしら身勝手な質問

これらのことはすべてビジネスシーンにおいては「不躾な質問」と考えることができます。

したがってこのようなシーンで「失礼な質問ですみませんが…」「礼を欠くような質問ですみませんが…」のようなニュアンスでつかうと相手への配慮があらわれていて好感がもてます。

使い方はたとえば。

「不躾な質問で恐縮ですが宜しくお願い致します」とシンプルに質問する使い方のほかにも、

  • 【例文】不躾な質問で恐縮ですが、ご教示いただきますようお願い申し上げます。
  • 【例文】不躾な質問で恐縮ですが、ご回答(お返事・ご返信)いただけますと幸いです。
  • 【例文】不躾な質問で恐縮ですが、ご対応いただければ幸いです。

といように「ご教示=教えること」「ご回答」などと組み合わせても丁寧。

どの例文も社内メールで目上(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現です。

なお等しくつかえる言い換えとしては…

  • 【言い換え】不躾な質問で大変恐縮ですが
  • 【言い換え】不躾な質問にて恐縮ではございますが
  • 【言い換え】不躾な質問にて恐れ入りますが

などがありどれも結局のところおなじ意味です。

ざっくりとした解説はこれにて終了。

くわしくは本文中にて意味と使い方、注意点を述べていきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

意味

「不躾な質問で恐縮ですが」の意味は直訳すると「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」となります。

  1. 不躾な質問 =「失礼な質問」の意味
  2. で恐縮ですが=「で申し訳ないと思いますが」の意味の敬語(謙譲語)

これらの言葉をあわせているだけなのですが念のため、それぞれの語についてくわしく解説しておきます。

“不躾な質問”の意味

まずは前半部分。

不躾(読み:ぶしつけ)の意味は・・・

  • 礼を欠くこと。無作法なこと。また、そのさま。無礼。
    例)不躾な質問
    例)不躾ながらメールにて失礼いたします。

「躾(しつけ)」が不足していると書きますので上記の意味になりますね。

※類語には「失礼、失敬、無礼、無作法、非礼」などあり。

身近なところで「不躾な質問」というと「初対面の女性に年齢を聞く」「異性に初体験の年齢を聞く」などあり。

で。

ビジネスにおける「不躾な質問」って一体どんな質問なのか?というとたとえば…

  • 相手のメリットやビジネスになりそうもない質問をする
  • 料金が高いのはなぜか?と質問する
  • なぜ赤字つづきなのか?と質問する
  • あまり親睦のない取引先にたいして質問攻めにする
  • 答えられそうにない質問をする
  • 何かしら身勝手な質問

これらのことはすべてビジネスシーンにおいては「不躾な質問」と考えることができます。

これはもうあなたと相手の主観であるために明確な言葉の定義はありません。

とにかくビジネスマナー的になんとな~く失礼だと思われるような質問は「不躾な質問」なのですね。

“恐縮ですが”の意味は「申し訳なく思いますが」

つづいて後半部分。

恐縮(読み:きょうしゅく)の意味は・・・

「相手に失礼したり、迷惑をかけたりしたことに対して、申し訳なく思う。」

また「恐縮ですが」の形で、ものを頼んだり尋ねたりするときなどのあいさつの言葉としても用いる。

そうすると「恐縮ですが」の意味は、

申し訳なく思うのですが・・・

のように解釈できます。

なお「大変恐縮ですが」「誠に恐縮ですが」としても丁寧ですし、「恐れ入ります」に言い換えることもできます。

ちなみにビジネスシーンにおける「恐縮」はお礼「ありがとう」の代わりに使われることも多くあります。

たとえば上司や目上・取引先などから過剰な施しを受けたとき。

  • 【例文】たいそうなお品をいただき恐縮です。
  • 【例文】身に余るご評価をいただき恐縮です。

こんな風にお礼をすると丁寧です。

「ありがとうございます」でもまぁいいのですが、謙遜する意味で「恐縮です」をつかうと控えめな感じがして好感がもてますね

ということで「恐縮」は感謝の気持ちと、申し訳なく思う気持ちの両方を表すことができるためビジネスシーンにおいては使いやすい言葉です。

「ありがとう」なのか「申し訳ない」なのか、どっちつかずの感じがいいですよね。

なお。

お礼や感謝するときに「ありがとう」ばかり使っていては敬語ビギナー。いろいろなお礼フレーズをつかいこなせるようになると、グッと表現の幅が広がります。

使い方

つづいて「不躾な質問で恐縮ですが」の使い方について。

失礼な質問で申し訳ないと思いますが」という意味ですので、ビジネスマナー的になんとな~く無礼だと思われるような質問をするとき。

上司なり目上・取引先に「失礼な質問ですみませんが…」「礼を欠くような質問ですみませんが…」というニュアンスで、相手を気づかうフレーズに使われます。

使えるシーンはたくさんありますが代表的なものを箇条書きにしてまとめます。

使い方①問合せビジネスメールの結びなど

「不躾な質問で恐縮ですが」の使い方、まずは基本。

上司なり社内目上・社外取引先にたいしてビジネスマナー的になんとな~く失礼だと思われるような質問や問合せをするとき。

失礼な質問ですみませんが…」というニュアンスでビジネスメールの文末・結び・締めくくりとしてつかうと丁寧です。

たとえば「不躾な質問で恐縮ですが宜しくお願い致しますとすれば「失礼な質問で申し訳ないと思いますがよろしく!」の意味となります。

もちろんメール結びでなくてもつかえますが、圧倒的に文末・結び・締めくくりにつかうことの多い敬語フレーズです。

使い方②不躾な質問で恐縮ですが+ご教示(ご回答/お返事など)

「不躾な質問で恐縮ですが」の使い方、つづいて応用。

「不躾な質問で恐縮ですが」に「ご教示=教えること」「ご回答」などをつけくわえると丁寧な問合せメールの結びとなります。

たとえば、

  • 不躾な質問で恐縮ですがご教示~
    例文「不躾な質問にて大変恐縮ですが、どうかご教示いただけますと幸いです。」
    例文「不躾な質問で恐縮ですが、ご教示の程お願い申し上げます。」
    例文「不躾な質問で恐縮ではございますが、ご教示いただければ幸いです。」
  • 不躾な質問で恐縮ですがご回答(お返事)~
    例文「不躾な質問にて恐縮ですが、どうかご回答いただけますと幸いです。」
    例文「不躾な質問で恐縮ですが、お返事いただけますと幸甚に存じます。」
    例文「不躾な質問で恐縮ではございますが、お返事いただければ幸いです。」

といようにすると丁寧な問合せビジネスメールの結びになりますね。意味いずれも「失礼な質問で申し訳ないと思いますが~してほしい」となります。

あとは後半部分をシーンごとにいろんなフレーズに置き換えて応用しましょう。

不躾な質問でなければ言い換えする

あとは使い方というよりも「不躾な質問で恐縮ですが」をつかう際の注意点をすこし。

すでに解説したとおり「不躾な質問で恐縮ですが」は「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」の意味であるため、シーンを選んでつかう必要あり。

失礼だと思われるような質問でないにもかかわらず「不躾な質問でます」ではむしろ不躾な感じがしますね。

そんなときには、

  • ご多忙のところ恐縮ですが(=とても忙しい最中に申し訳ないと思いますが)
    【例文】ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご対応いただければ幸いです。
    【例文】ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認いただきますようお願い致します。
  • お忙しいところ恐れ入りますが(=忙しい最中に申し訳ないと思いますが)
    【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご参加(ご出席)くださいますようお願い申し上げます。
    【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご連絡(ご返信・お返事)いただければ幸いです。
    【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただきますようお願い致します。
  • お手数(=手間をかけますが)
    【例文】お手数お掛けしますが、ご確認いただけましたら幸いです。
    【例文】お手数ではございますが、ご教示いただければ幸いです。
    【例文】お手数お掛け致しますが、ご査収の程よろしくお願い致します。
  • ご無理を申し上げ恐縮ですが(=無理を言って申し訳ないと思いますが)
    【例文】ご無理を申し上げ恐縮ですが、ご対応いただけましたら幸いです。
    【例文】ご無理を申し上げ恐縮ですが、お取り計らいいただければ幸いです。
    【例文】ご無理申し上げ恐縮ですが、ご対応の程よろしくお願い致します。

などに言い換えすると丁寧です。

【例文】ビジネスメール全文

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「不躾な質問で恐縮ですが」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①採用情報を教えてほしい(就活・転職)

メール件名: 2018年卒・新卒採用予定の有無(就活大学・就活一郎)

転職株式会社
採用担当者 様

突然のメールにて大変失礼いたします。

私、現在就職活動をしております、就活大学・就活学部の就活一郎と申します。

この度は、今年度の新卒採用予定の有無について伺いたく、連絡いたしました。
もし貴社にて新卒採用のご予定がおありでしたら、応募したいと考えております。

不躾な質問にて恐縮ではございますが、
ご教示いただければ幸いです。

何卒よろしくお願い致します。

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メール署名
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ビジネスメール例文②製品について教えてほしい

メール件名:貴社製品に関する問い合わせ

株式会社転職
ご担当者 様

お世話になります。

突然のご連絡、大変失礼をいたします。株式会社就活・開発担当の就活と申します。
この度は貴社ホームページを拝見し、連絡を致しました。

さて首記の件、貴社製品を以下の用途へ適用検討しております。

①検討用途:電気自動車のエンジン部材
②求める物性:高耐熱性、高耐久性

貴社ホームページにて製品一覧を確認しましたところ、
商品AとBが目的に合致すると考えておりますが、いかがでしょうか。

不躾な質問にて大変恐縮ですが、
ご教示いただけますと幸いです。

宜しくお願い申し上げます。

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メール署名
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【言い換えOK】”不躾な質問で恐縮ですが”の類語