「ご講演頂きますようお願い致します」意味と使い方・メール例文

「講演してほしい」ときにつかえるビジネス敬語。

じつは…

これまで紹介した言い換え例文だけではなく、敬語フレーズというのはたくさんあります。

ということで、

ここではとくにビジネスメールにおいて活躍する丁寧な敬語フレーズを紹介します。

この記事の目次

①ご講演いただければと存じます
②ご講演いただきたく存じます
③ご講演いただければ幸いです
④ご講演賜りますようお願い申し上げます
⑤~その他いろいろな言い換え敬語

ビジネス会話・電話対応では”ご講演いただけますか？”
- 敬語の解説
【まとめ】結局どれがもっとも丁寧？
“ご講演いただく vs ご講演くださる”の使い方
- “ご講演いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）
- “ご講演くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

①ご講演いただければと存じます

「講演してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご講演いただければと存じます」

意味は『講演してもらえたらと思います』

「～してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

②ご講演いただきたく存じます

「講演してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご講演いただきたく存じます」

意味は『講演してもらいたいと思います』

「～してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋願望の「～たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

③ご講演いただければ幸いです

「講演してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご講演いただければ幸いです」

意味は『講演してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『講演してもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「～れば」

「幸いです」は「幸い」＋丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「～いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

例文「ご講演いただけましたら幸いです」
例文「ご講演いただけましたら幸甚に存じます」
例文「ご講演いただければ幸甚に存じます」
例文「ご講演いただけますと幸いです」
例文「ご講演いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご講演賜りますと幸いです」
例文「ご講演賜りますと幸甚に存じます」

補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④ご講演賜りますようお願い申し上げます

「講演してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご講演賜りますようお願い申し上げます」

意味は『講演してもらうようお願いします』

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋丁寧語”ます”＋”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋可能形＋丁寧語”ます”＋”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜賜る」＋丁寧語”ます”＋”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る（たまわる）という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「～してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承を賜りますよう～」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑤~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

例文「ご講演をお願い致します」
※意味は「講演をお願いする」
例文「ご講演いただきたく、お願い致します」
意味は「講演してほしい、お願いします」
例文「ご講演いただけましたら幸いです」
※意味は「講演してもらえたら嬉しいです」
例文「ご講演いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「講演してもらえれば嬉しく思います」
例文「ご講演いただければ幸甚に存じます」
※意味は「講演してもらえれば嬉しく思います」
例文「ご講演いただけますか？」
※意味は「講演してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
例文「ご講演いただけますでしょうか？」
※意味は「講演してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
例文「ご講演いただけますと幸いです」
例文「ご講演いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご講演賜りますと幸いです」
例文「ご講演賜りますと幸甚に存じます」
例文「ご講演賜れましたら幸いです」
例文「ご講演賜れましたら幸甚に存じます」

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋願望「～たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

ビジネス会話・電話対応では”ご講演いただけますか？”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「ご講演いただきますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

【例文】ご講演いただけますか？
【例文】ご講演いただけますでしょうか？
【例文】ご講演願えますでしょうか？

※もちろん「ご講演ください」「ご講演くださいませ」としてもOK

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「講演してもらえますか？」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか？」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

「ご講演いただけますか？」「ご講演いただけますでしょうか？」

の敬語の成り立ちとしては…

“講演”に「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「ご講演いただく」
可能形にして「ご講演いただける」
さらに丁寧語”ます”で「ご講演いただけます」
疑問形にして「ご講演いただけますか？」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご講演いただけますでしょうか？」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか？」を使うのをオススメします。

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧？

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご講演ください
ご講演くださいませ
ご講演いただけますか？
ご講演いただけますでしょうか？

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご講演ください
ご講演くださいませ
ご講演いただけますか
ご講演いただけますでしょうか
ご講演をお願い致します
ご講演いただきたく、お願い致します
ご講演いただきたく存じます
ご講演いただければと存じます
ご講演のほどお願い申し上げます
ご講演くださいますようお願い申し上げます
ご講演いただきますようお願い申し上げます
ご講演いただけますようお願い申し上げます

注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご講演くださいませ
ご講演をお願い致します
ご講演いただきたく、お願い致します
ご講演いただきたく存じます
ご講演いただければと存じます
ご講演のほどお願い申し上げます
ご講演いただきますようお願い申し上げます
ご講演いただけますようお願い申し上げます
ご講演くださいますようお願い申し上げます
ご講演いただけますと幸いです
ご講演いただければ幸いです
ご講演いただけましたら幸いです
ご講演いただけますと幸甚に存じます
ご講演いただければ幸甚に存じます
ご講演いただけましたら幸甚でございます
ご講演いただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」

・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご講演賜りますようお願い申し上げます
ご講演いただけますと幸いです
ご講演いただければ幸いです
ご講演いただけましたら幸いです
ご講演いただけますと幸甚に存じます
ご講演いただければ幸甚に存じます
ご講演いただけましたら幸甚でございます
ご講演いただけましたら幸甚に存じます
ご講演賜りますと幸いです
ご講演賜れますと幸いです
ご講演賜りましたら幸いです
ご講演賜れましたら幸いです
ご講演賜りますと幸甚に存じます
ご講演賜れますと幸甚に存じます
ご講演賜りましたら幸甚に存じます
ご講演賜れましたら幸甚に存じます

・「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る（たまわる）は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

ご講演のほどお願い申し上げます
ご講演いただきますようお願い申し上げます
ご講演いただけますようお願い申し上げます
ご講演くださいますようお願い申し上げます
ご講演賜りますようお願い申し上げます

“ご講演いただく vs ご講演くださる”の使い方

ややこしいので「ご講演いただく vs ご講演くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご講演いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご講演いただく	ご講演いただきます	-頂くよう -頂きますよう
過去	ご講演いただいた	ご講演いただきました	×
進行形	ご講演いただいている	ご講演いただいています	-頂いております
過去~現在	ご講演いただいていた	ご講演いただいていました	-頂いておりました
希望依頼	ご講演いただきたいご講演いただきたくご講演いただくようご講演いただけるよう	ご講演いただきたいです × ご講演いただきますようご講演いただけますよう	-頂きたく思います -頂きたくお願いします -頂きたく存じます -頂ければと存じます
可能	ご講演いただける	ご講演いただけます	-頂けるよう -頂けますよう
①仮定 ②仮定+可能	①ご講演いただいたら ②ご講演いただければ	①ご講演いただきましたら ②ご講演いただけましたら	×
①疑問+過去 ②疑問+可能 ③疑+可+過	①ご講演いただいたか？ ②ご講演いただけるか？ ③ご講演いただけたか？	ご講演いただきましたか？ご講演いただけますか？ご講演いただけましたか？	-頂きましたでしょうか -頂けますでしょうか -頂けましたでしょうか
禁止	ご講演いただけない	ご講演いただけません	×
命令	×	×	×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご講演くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご講演くださる	ご講演くださいます	-くださるよう -くださいますよう
過去	ご講演くださった	ご講演くださいました	×
進行形	ご講演くださっている	ご講演くださっています	-くださっております
過去~現在	ご講演くださっていた	ご講演くださっていました	-くださっておりました
希望	ご講演くださるよう	ご講演くださいますよう	×
可能	×	×	×
仮定	×	×	×
疑問	ご講演くださるか？	ご講演くださいますか？	×
否定	ご講演くださらない	ご講演くださいません	×
命令	ご講演ください	ご講演くださいません	×