「大丈夫」の意味を考える
「大丈夫です」は「大」+「丈夫」で成り立っていますので、直訳すると意味は「ものすごく丈夫です」ということになります。
念のため辞書で調べると「大丈夫」には以下2つの意味があります。
- あぶなげがなく安心できるさま(例:この刺身、食べても大丈夫ですか?)
- 間違いなくて確かなさま(例:時間は大丈夫ですか?)
※注意)「この刺身、食べても大丈夫ですか?」という言葉には2つの解釈ができます。ひとつは「刺身がクサってないか、食べても健康に被害ないかを確認したい」であり、ふたつめの解釈は「自分が食べてもいいものか?誰か他の人のではないか?」確認したい、です。
結局のところ「大丈夫」という言葉の意味はすごくあいまい。どんな風にも解釈できてしまうのです。まぁ、それが良いところでもありますが…。
「いえ大丈夫です/はい大丈夫です」が使えない理由
さて、ここで「いえ、大丈夫です/はい、大丈夫です」のような使い方の何が問題か?というのを解説します。
先ほどの「大丈夫」がもつ意味を考えて、ビジネスシーンに当てはめてみると…
–ビジネスシーン例文–
上司『ランチ行くけど、一緒にどう?』『今夜、空いてたら一杯どう?』
あなた『いえ、大丈夫です = いえ、間違いないです』
あなた『はい、大丈夫です = はい、間違いないです』
となり意味不明な言葉となってしまいます…要は何が言いたいのか、さっぱりわからない言葉になってしまうのですよね。
大丈夫なの? 大丈夫じゃないの?
なんかモヤモヤした言葉となります。私みたいなおっさんが聞くと、なおさらですね。
正しく言葉を使うのなら、
あなた『いえ、大丈夫じゃないです = いえ、ダメです』
あなた『はい、大丈夫です = はい、間違いないです』
と使うべきなのです。
言葉の意味は時代とともに変わる
ただ最近は「はい結構です/いえ結構です」の代わりに「はい、大丈夫です/いえ、大丈夫です」を使うビジネスパーソンも多いです。若い世代に多いかと思いきや、40代のおっさんも普通に使っていますし私もたまに使います。
だから100%間違いかというと、そうでもないかなぁ…と思うのです。
言葉ってなにが正しい、なにが間違いという明確なルールはなく、合っていると多くの人が認識すれば正しい言葉になる。という気持ち悪い性質があります。
したがって「いえ、大丈夫です/はい、大丈夫です」もいずれは、正しい言葉として認識されるのじゃないかと思います。