【2019年版】上場企業の平均年収ランキング。この記事では平均年収1000万円を超える企業89社および、ランキングTOP100までを紹介します。2018年3月期あるいは同等の有価証券報告書からくる、最新の平均年収ランキングです。
就職・転職のご参考にどうぞ。
※「ホールディングス=HD」と省略。
【2019年版】上場企業の平均年収ランキングTOP100
平均年収だけでなく業種、売上高、当期純利益も掲載しておく。
ここでひとつ注意点を。
非上場企業は年収データを開示しておらず、とくに外資系企業(非上場が多い)に抜けがある点はご了承を。実際には平均年収1000万円を超える企業はまだまだある。どんな業界あるいは企業が上位にランクインしているのか、傾向をザックリ把握するという使い方をオススメする。
TOP3は年収ランキング上位の常連企業。昨年と少し順位は変動しているが、マイナーチェンジである。また上位にランクインしているのは、いわゆる大手企業ではなくほとんど誰も知らない企業と思われるため少し説明を。
No.1 M&A キャピタル パートナーズ|平均年収2994万円
No.1の「M&Aキャピタルパートナーズ」は社名のとおりM&A仲介・M&Aコンサルを手がける会社。企業や事業を売りたい・買いたい法人を顧客とし、仲介とコンサルをする、商社マンみたいな仕事。企業を顧客にしている(B to B)のため表に出てこない。売上や利益の規模からすると中小レベルに毛が生えた程度なのに信じられないほど高年収。だけど実際、M&Aの仕事は付加価値が高いため高年収でもなんら不思議はない。なんせクライアントにとっては買収あるいは売却金額が数億円~数千億になることもあるのだから。成功報酬をどれだけ払っても高値でビジネスを売却できればチャラだし、買収するほうはポンコツな企業は絶対に買いたくない。M&Aの失敗は経営者にとっては非常に悩ましい問題であり、時にはM&Aの失敗によって会社が傾くこともある。だから企業はM&Aコンサルに相談して、できる限りの情報を得ようとするし、高額な報酬も出す。社員はそれに見合うだけの仕事をし、高い労働対価をもらうのはある意味、必然とも言える。
No.2 キーエンス|平均年収2087万円
No.2の「キーエンス」。センサー業界では知らない人がいないほど有名、業界No.1企業。彼らも企業を相手にセンサーなどを売っているため一般人は知らなくて当たり前。そして「営業利益の○○%はボーナスにあてる!」という素晴らしいポリシーであるため、営業利益が伸びれば伸びるほど年収も上がる仕組み。数年前まで平均年収2000万円には届いてなかったけど、会社が右肩上がりに成長しているため、ついに平均2000万円超を達成。メーカーだが工場を持たず、利益率が驚異的に高い(営業利益率60%とか、普通ではあり得ない数字になる)。なおキーエンスの年収事情については別記事でくわしく書いている。
No.3 マーキュリア インベストメント|平均年収1821万円
No.3の「マーキュリア インベストメント」は名前からなんとな~く、投資会社であることはわかる。くわしくは投資ファンド、つまり顧客からお金を集めて、それを増やすべく運用する企業。証券会社である。たとえば「事業投資」「不動産投資」「リース投資」「インフラ投資」などを手がけている。売上・利益の規模からすると信じられない年収かもしれないが、社員個人のパフォーマンスで運用成績が大きく変わるため高年収でもまったく驚くことはない。「ヒト=もっとも重要な経営資源」とのとらえ方であり、M&Aコンサルなどと同様に付加価値の高い仕事をしている。むしろ、もっと高い年収をもらえても良いと私は思う。年収に見合うだけのキャッシュを生み出しているのだから。
No.4 ストライク|平均年収1776万円
No.4の「ストライク」も年収ランキング上位の常連企業。No.1のM&Aキャピタルパートナーズとやっていることは同じなので省略。M&A仲介・M&Aコンサルを手がける会社。
No.5 東京放送HD(TBS)|平均年収1632万円
No.5の「東京放送HD」はテレビ局のTBSをコアとする持株会社。持株会社なので管理職以上のおっさんばかりで構成されており、結果として高年収となるパターン。ヒラ社員の年収を見るには不適切で平均年収はあまり当てにならないが、いちおう他と比較する際には参考値としてつかえる。ヒラ社員でも総合職なら入社3年目で年収1000万円超になるケースもあるが、残業代によるものである。テレビ局やマスコミはほとんど同じ、長時間労働の対価によって年収も高くなる。「時給ではなく年収の絶対額を重視する」というヒトにおすすめの就職先。
No.6 ソレイジア・ファーマ|平均年収1575万円
No.6の「ソレイジア・ファーマ」は名前のとおり製薬メーカー。抗がん剤など、がん領域の治療に特化した専業メーカー。2006年に創業し2017年3月に東証マザーズに上場した新しい会社であるため知名度は低く、従業員も2017年12月時点で15人しかいない(平均年齢48.4歳)。ということで今のところ製薬ベンチャーの域を出ていないが、いちおう上場企業であるためランキングに入れておいた。
No.6以降は業界ごとにまとめて紹介していく。
テレビ局・メディア・マスコミ関連の平均年収ランキング
5大民放テレビ局のフジテレビ、テレ東、日テレ、TBSはすべて平均年収1000万円超でランクイン。ただしホールディングス会社がほとんどであるため参考値としてお考えを。
テレビ局は確かに年収高いことに間違いないが、労働時間も長いため年収の絶対額を重視するヒトにだけ就職・転職をオススメする。
▼5大民放テレビ局
- 5位 1632万円・・東京放送 HD(TBS)
- 11位 1460万円・・日本テレビ HD(日テレ)
- 16位 1392万円・・テレビ東京 HD(テレ東)
- 20位 1375万円・・テレビ朝日 HD(テレ朝)
- 47位 1116万円・・フジ メディア HD(フジテレビ)
▼その他テレビ放送・メディア関連
また他にもメディア関連は平均年収が高い。ただしホールディングス会社がほとんどであるため参考値としてお考えを。持株会社(ホールディングス会社)は平均年収の対象者が管理職以上のおっさんばかりで構成されており、結果として高年収となる。
- 10位 1477万円・・朝日放送グループ HD(ABCテレビ)
- 26位 1315万円・・RKB毎日 HD
- 29位 1248万円・・スカパーJSAT HD
- 32位 1225万円・・中部日本放送
- 80位 1018万円・・WOWOW
商社(総合商社・専門商社)の年収ランキング
年収ランキングの常連の総合商社。近年はほとんど入れ替わりなく安定している。
なお総合商社の基本給は「三菱・物産・伊藤忠・住商>丸紅>>双日>豊田通商」といった感じであとはその年の業績連動ボーナスによって決まる。すなわち業績の良い総合商社の年収が高くなる傾向にあり。このボーナス可変部分がおおきく、最低6か月分から12か月分以上になったりする。
いっぽうで専門商社はメーカーよりも高い年収が期待できるが、総合商社ほどではない。それぞれ専門分野のメーカーに毛が生えた程度である。
- 8位 1540万円・・三菱商事
- 12位 1459万円・・伊藤忠商事
- 15位 1418万円・・三井物産
- 24位 1322万円・・丸紅
- 27位 1303万円・・住友商事
- 59位 1090万円・・双日
- 71位 1050万円・・豊田通商
- 92位 994万円・・伊藤忠エネクス
- 117位 947万円・・兼松
各種コンサル業界の平均年収ランキング
なおコンサル業界は上場企業がすくなく、ランクインする企業も少なくなる(上場企業以外は平均年収非公開であるため)。
ところがランキングにした企業以外にも外資系コンサルを筆頭に、年収の高い企業はたくさんある。たとえばマッキンゼー、ボストンコンサル、ベイン、デロイト、アクセンチュアなど。他にも会計監査法人を兼ねたコンサルのPWC、KPMG、EYなども年収高い。
ただし激務であるため時給でのパフォーマンスは総合商社に劣る可能性が高い。ご留意を。
▼M&A仲介・M&Aコンサル
- 1位 2994万円・・M&Aキャピタルパートナーズ
- 4位 1776万円・・ストライク
- 7位 1558万円・・GCA(M&Aコンサル)
- 25位 1318万円・・日本M&Aセンター
▼経営戦略コンサル他
- 45位 1149万円・・シグマクシス(経営戦略コンサル)
- 56位 1100万円・・アイ・アールジャパン HD(企業IR・SR関連のコンサル)
- 70位 1058万円・・ドリームインキュベータ(経営戦略コンサル)
なおコンサル業界は確かに年収高いことに間違いないが、労働時間も長いため年収の絶対額を重視するヒトにだけ就職・転職をオススメする。
メーカーの平均年収ランキング
つづいてメーカー業界の平均年収ランキング。商社やテレビ局・コンサル・金融などの激務業界とくらべて年収はやはり低い傾向。それでも平均1000万円超えるような企業もあり。
一部の激務企業をのぞいて労働時間が短いので、コスパ重視の人にはオススメの就職・転職先である。
そしてメーカーは工場のブルーワーカーが圧倒的に多いので平均年収も低くなりがち。それなりの会社であれば総合職入社で40歳時・年収1000万円前後。もちろん、それより年収高い企業もたくさんある。
▼製薬メーカー
- 6位 1575万円・・ソレイジア・ファーマ
- 36位 1194万円・・シンバイオ製薬
- 54位 1102万円・・第一三共
- 61位 1086万円・・そーせいグループ
- 64位 1078万円・・アステラス製薬
- 66位 1075万円・・大塚 HD
- 74位 1043万円・・エーザイ
- 77位 1038万円・・武田薬品工業
- 82位 1016万円・・ペプチドリーム
- 87位 1008万円・・サンバイオ
製薬メーカーはメーカー業界の中において特異的に年収の高い企業がおおい。会社の規模はほとんど関係ない。大卒のMR(営業)および開発職の人数比率が高いためでもあるが、もともと他メーカーと比べても年収高い。
※ただし年収高いのは新薬開発メーカーに限り、ジェネリック医薬品や一般薬品メーカーはそこまで期待できない。
▼電気・電気機器メーカー
- 2位 2087万円・・キーエンス(センサー)
- 22位 1347万円・・ファナック(FA機器)
- 46位 1128万円・・ジーエス・ユアサ コーポレーション(電池)
- 49位 1113万円・・レーザーテック
- 66位 1075万円・・東京エレクトロン(半導体装置)
- 76位 1041万円・・ユニデン HD
- 85位 1013万円・・ソニー
- 86位 1010万円・・アクセル
▼化学素材メーカー(石油・繊維・ゴム・ガラス土石含む)
- 全体14位 1440万円・・三菱ケミカル HD
- 34位 1211万円・・JXTG HD(石油元売)
- 102位 971万円・・富士フイルム HD
※工場の従業員(ブルーカラー)が多く、総合職の人数がすくない化学素材メーカーは平均年収が低くでる。TOP100にランクインした企業はHD(持株会社)だけ。
三菱ケミカルが特別給料の高い会社というわけではなく基本、大企業であればどこも大差ない(ただしJXはそれを抜きにしてもメーカー業界では年収トップクラス)。
▼食品・飲料メーカー(ビール含む)
- 52位 1105万円・・キリン HD
- 62位 1084万円・・サントリー食品インターナショナル
- 89位 1000万円・・アサヒグループ HD
- 103位 967万円・・明治 HD
※サントリービールは非上場であるためランク外としたが、それなりに高い年収が望める。
※食品・飲料メーカーは薄利多売ビジネスの企業がおおく、年収はメーカーの中でもそんなに高くない。ただし企業にもよるので要、個別検証。
▼鉄鋼・非鉄金属メーカー
- 37位 1194万円・・LIXILグループ(サッシ・建材など)
- 75位 1042万円・・日本軽金属 HD(アルミなど)
- 109位 959万円・・三和 HD
- 123位 941万円・・ジェイ エフ イー HD(鉄鋼)
※工場の従業員(ブルーカラー)が多く、総合職の人数がすくない鉄鋼・非鉄金属メーカーは平均年収が低くでる。TOP100にランクインした企業はHD(持株会社)だけ。総合職の年収は(労働時間を考えると)どこもそんなに悪くない。総合職なら40歳前後で年収1000万円は十分に狙える。
▼機械メーカー
- 53位 1103万円・・オプトラン
- 105位 966万円・・ディスコ
- 107位 964万円・・三井海洋開発
▼完成車・自動車部品・輸送機器メーカー
- 91位 994万円・・IJTテクノロジー HD
- 272位 831万円・・トヨタ自動車
▼その他製品およびメーカーその他
- 33位 1216万円・・バンダイナムコ HD
- 135位 922万円・・国際石油開発帝石(油田開発および権益ビジネス)
- 156位 902万円・・任天堂
メーカー年収ランキングまとめ
以上をまとめると…。
メーカー業界における特筆すべき点として、製薬メーカー(先発薬メーカーに限る)は会社規模などは関係なくどこも年収高い。入社2~3年目でも年収700万円くらいは目指せるであろうMR(営業)が年収を押し上げているものと推測するが、間接部門や開発部門であれば仕事まったり高給である。
またホールディングス制の会社、三菱ケミカル・バンダイナムコ・JX・キリン・アサヒなどは参考値程度にお考えを。それぞれ業界のトップクラスにいることは間違いないが、ほかと比較してもずば抜けて年収高いわけではない。
メーカーの中でも細かい業界別に年収ランキングをつくるとしたら、
高年収「別格キーエンス・ファナック >>>> 製薬≒石油元売 > 鉄鋼 > 化学素材≒電気機器≒機械・重工業≒ビール≒非鉄金属≒自動車・自動車部品 > 食品」低年収
といった感じになる。もちろん企業によって違うので要、個別検証。
建設・不動産業界の平均年収ランキング
▼不動産ディベロッパー部門
- 9位 1530万円・・ヒューリック
- 21位 1367万円・・日本商業開発
- 31位 1228万円・・三菱地所
- 38位 1193万円・・東急不動産 HD
- 50位 1111万円・・三井不動産
- 78位 1034万円・・ランドビジネス
- 84位 1013万円・・野村不動産 HD
- 93位 992万円・・いちご
- 141位 916万円・・東京建物
▼ゼネコン部門
- 55位 1101万円・・鹿島建設
- 72位 1046万円・・大林組
- 95位 986万円・・大成建設
- 104位 967万円・・清水建設
- 118位 946万円・・奥村組
※竹中工務店もゼネコンの一社で年収高いが、非上場のためデータなし。
▼不動産・建設その他
- 23位 1341万円・・ショーボンド HD(コンクリート補修)
- 97位 981万円・・コムシス HD(ネット回線工事など)
金融会社(銀行・証券・保険・他)の平均年収ランキング
金融業界は確かに年収高いことに間違いないが、労働時間も長いため年収の絶対額を重視するヒトにだけ就職・転職をオススメする。
ただし保険業界の内勤総合職は仕事それなりで給料も高いため時給パフォーマンスが高い(上司によるけど)。
▼銀行
※フィナンシャルグループ=FG
- 19位 1377万円・・三井住友トラスト HD
- 39位 1186万円・・三井住友 FG
- 48位 1115万円・・九州 FG
- 58位 1092万円・・めぶき FG
- 65位 1075万円・・コンコルディア FG
- 68位 1074万円・・関西みらい FG
- 69位 1060万円・・三菱UFJ FG
- 94位 992万円・・東京きらぼし FG
- 96位 985万円・・みずほ FG
- 131位 931万円・・ほくほく FG
三大メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)はすべてランクイン。ただし低金利時代において業績があまり宜しくないため、一時期よりも平均年収は低空飛行。
そして非上場であるため年収を公開していない外資系銀行は他のどこよりも年収高い(ただし激務)。
▼証券会社
- 3位 1821万円・・マーキュリアインベストメント
- 13位 1455万円・・野村 HD
- 30位 1246万円・・ジャフコ
- 40位 1178万円・・岡三証券グループ
- 73位 1044万円・・大和証券グループ本社
- 100位 972万円・・ジャパンインベストメントアドバイザー
証券会社は外資系ふくめ非上場企業(年収非公開)もおおく、小規模であっても年収は高い(ただし激務)。とくに外資系証券のゴールドマンサックス、バークレー証券など有名。
▼保険会社
- 18位 1390万円・・東京海上 HD
- 42位 1173万円・・SOMPO HD
(旧・損保ジャパン日本興亜) - 57位 1100万円・・MS&ADインシュアランスグループ HD
(三井住友海上・あいおいニッセイ同和) - 81位 1018万円・・T&D HD
(太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命) - 99位 975万円・・第一生命 HD
- 178位 885万円・・ソニーフィナンシャル HD
※業界最大手の日本生命は非上場企業であるためデータなし。でも年収は保険業界で一番高い。また外資系保険会社も非上場でありデータなし。
▼その他金融
- 83位 1014万円・・日本取引所グループ
- 122位 941万円・・日本証券金融
- 226位 856万円・・オリックス
その他業界の平均年収ランキング
あとはIT業界や広告代理店、シンクタンクなどで年収の高い企業もある。平均年収1000万円超の企業ならびに、TOP100ランキングにはいる企業を紹介しておく。
▼広告代理店
- 28位 1272万円・・電通(10年前とおおきく変化なし)
- 60位 1088万円・・博報堂DY HD
▼その他いろいろ
- 17位 1391万円・・・スクウェア・エニックス・ HD(ゲームなど)
- 35位 1206万円・・・SRA HD(SIer)
- 41位 1177万円・・・フューチャー(AIベンチャー)
- 43位 1166万円・・・野村総合研究所(SIerおよびシンクタンク)
- 44位 1158万円・・・ソフトバンクグループ
- 51位 1107万円・・・ケネディクス(不動産ファンド)
- 63位 1080万円・・・クリエイトSD HD(小売)
- 79位 1031万円・・・日本オラクル(SIer)
- 88位 1000万円・・・キュービーネット HD(1000円カット)
- 90位 999万円・・・共栄タンカー(海運)
- 98位 975万円・・・三菱総合研究所(SIerおよびシンクタンク)
- 101位 971万円・・・日本郵船(海運)