「拝命させていただく」「拝命させていただきました」って正しい?間違い?
挨拶ビジネスメールにつかっても問題ない?
とご心配のあなたへ。
まずは結論。
「拝命させていただく」という敬語は正しいものの、ヘンテコな日本語であるため結論としては間違った日本語ということになります。
それではその根拠をくわしく解説していきます。
この記事の目次
“拝命”の意味
拝命(読み:はいめい)の意味は・・・
- 任命されることをへりくだっていう語。命令を謹んで受けること。
つまり「任命されること」の謙譲語ですね。
「命ぜられる」に謙譲表現「拝」をくっつけているため上記の意味になります。
※なお類語は「命ぜられる」「任命される」などあり
「拝命する」だと「任命される」「命ぜられる」の意味となります。
なお「任命する」と「拝命する」の違いは…
自分が命令を受けることを「拝命する」、相手に役目や任務を命ずることを「任命する」と言います。根本的に意味が違いますのでご注意を。
“拝命させていただく”の意味
上記より「拝命する」の意味は直訳すると「任命される」「命ぜられる」「任命を受ける」。敬語をつかっているため実際にはもっと丁寧で「謹んで命令を受ける」の意味になります。
したがって「拝命させていただく」だと意味は「任命されることをさせてもらう」となり、日本語としてまったく意味不明になります。
※「任命を受けさせてもらう」と解釈するのであればなんとな~く意味としては伝わりますが…それだと「恐れ多くも任命を受けさせてもらうけど、いい?」のようなニュアンスとなるので結局のところおかしな日本語です。相手が許可した結果、任命される(拝命する)のであってそれをまた「いい?」と聞くようなニュアンスにする「拝命させていただく」は間違い。
“~させていただく”は敬語として正しい
もともと「~させていただく」は「~させてもらう」の敬語(謙譲語)としてつかいます。
「させていただく」の使い方はたとえば。
◎「ご一緒させていただきます」だと「恐れ多くも行動を一緒にさせてもらいますが、許してね」のような感じで上司なり目上の許可をえるようなニュアンスで用いられます。
あるいは。
◎「ご挨拶させていただきます」とした場合。「恐れ多くも挨拶させてもらいたいけど、いい??」のような感じで上司なり目上の許可をえるようなニュアンスで用いられます。
◎「遠慮させていただきます」だと「恐れ多くも遠慮(辞退)させてもらうけど、いい??」のような感じで上司なり目上の許可をえるようなニュアンスで用いられます。
したがって。
「拝見させていただく」も敬語としては正しいということになります。
でも日本語が変だから結局は間違い
ところが。
敬語として正しいからといって必ずしも日本語として正しいとは限りません。
「拝見させていただく」がヘンテコな日本語となるのは意味を考えるとすぐにわかります。
×「拝命させていただきます」だと「恐れ多くも任命されることをさせてもらいたいけど、いい??」のような意味となり、まったくもって意味不明な日本語となりますね。
シンプルに意味不明であるため間違った日本語と言えます。
※「任命を受けさせてもらう」と解釈するのであればなんとな~く意味としては伝わりますが…それだと「恐れ多くも任命を受けさせてもらうけど、いい?」のようなニュアンスとなるので結局のところおかしな日本語です。相手が許可した結果、任命される(拝命する)のであってそれをまた「いい?」と聞くようなニュアンスにする「拝命させていただく」は間違い。
正しくは「拝命しました」「拝命いたしました」
正しい日本語としては「拝命しました」「拝命いたしました」です。
こうすると意味は「任命されました」「命ぜられました」の敬語(謙譲語)ということになります。
タイトルに対する結論は以上。
ここからは「拝命」の正しい使い方について、ビジネスメールの例文つきで解説していきます。ご興味あるかたのみどうぞ。