「ご訂正の程よろしくお願い致します」意味と使い方・メール例文

ところで「ご訂正」の使い方というか続くフレーズには、

「ご訂正くださいますようお願い致します」

「ご訂正のほどお願い致します」

「ご訂正いただきますようお願い致します」

「ご訂正賜りますようお願い致します」

「ご訂正いただければ幸いです

というように主に5つあります。これって何が違うのでしょうか?

「ご訂正くださいますようお願い致します」

の意味は「訂正してくれるようお願い」

※「くれる」の尊敬語が「くださる」

「ご訂正のほどお願い致します」

の意味は「訂正してくれるようお願い」「訂正してもらうようお願い」

のどちらの意味にも取れる。

「ご訂正いただきますようお願い」「ご訂正賜りますようお願い」

の意味は「訂正してもらうようお願い」

※「〜してもらう」の謙譲語が「(お・ご)〜賜る」「お(ご)〜いただく」

「ご訂正いただければ幸いです

の意味は「訂正してもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ

となり「ご訂正くださる」なのか「ご訂正いただく」なのか「ご訂正の程」なのか「ご訂正いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。

どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。

もっとも丁寧なのは”ご訂正いただければ幸いです”

いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。

強いて言うのであれば「ご訂正いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。

ほかにも似たような敬語フレーズには、

  • 【例文】ご訂正いただければ幸いです
  • 【例文】ご訂正いただけますと幸いです
  • 【例文】ご訂正いただけましたら幸いです
  • 【例文】ご訂正いただければ幸甚に存じます
  • 【例文】ご訂正いただけますと幸甚に存じます
  • 【例文】ご訂正いただけましたら幸甚に存じます
  • 【例文】ご訂正賜れますと幸いです
  • 【例文】ご訂正賜れましたら幸甚に存じます

※意味はどれも「訂正してもらえたら、とても嬉しく思います」

※下の例文ほど丁寧な(丁重な)敬語になります。

※幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

などもあり。どれをつかっても丁寧な敬語です。

なお「ご訂正いただけましたら幸いです」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

かしこまった文章には「ご訂正賜りますよう~」

かしこまった文章、カチッとしたビジネスメールに好まれる敬語は「賜る」をつかったフレーズですね。

「いただく」も同じく「もらう」の謙譲語ではありますが、「賜る」のほうが堅苦しい表現になります。

  • 例文「ご訂正賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご訂正賜りますようお願い致します」

のようにしてビジネスメールの結びに使うと丁寧ですね。

ビジネスメールによく使うのは「ご訂正の程」

「ご訂正いただければ幸いです」「ご訂正賜りますよう~」が丁寧なフレーズではありますが…

ビジネスメールでもっともよく使われるのは「ご訂正の程お願い申し上げます」「ご訂正の程お願い致します」です。

ビジネスメールではとかく「いただく」「くださる」ばかりになってしまい、文章が気持ち悪くなってしまうのですよね。

そこで活躍するのが「ご訂正のほど~」です。

シンプルかつ丁寧なフレーズであり、すばらしい敬語ですね。

親しい取引先や上司・社内の目上などに対する普段のビジネスメールで、無駄にかしこまった敬語フレーズを使う必要はありません。

“いただく vs くださる”はどちらも丁寧だけど…

せっかくですので「ご訂正いただきますようお願い」「ご訂正くださいますようお願い」の違いを考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。

結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。

ただし本来であればどれも丁寧な敬語であり、使い分けする必要はありません。

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご訂正ください
  2. ご訂正くださいませ
  3. ご訂正いただけますか?
  4. ご訂正いただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご訂正ください
  2. ご訂正くださいませ
  3. ご訂正をお願い致します
  4. ご訂正いただけますか
  5. ご訂正いただけますでしょうか
  6. ご訂正いただきたく、お願い致します
  7. ご訂正いただきたく存じます
  8. ご訂正いただければと存じます
  9. ご訂正のほどお願い申し上げます
  10. ご訂正くださいますようお願い申し上げます
  11. ご訂正いただきますようお願い申し上げます
  12. ご訂正いただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご訂正くださいませ
  2. ご訂正をお願い致します
  3. ご訂正いただけますか
  4. ご訂正いただけますでしょうか
  5. ご訂正いただきたく、お願い致します
  6. ご訂正いただきたく存じます
  7. ご訂正いただければと存じます
  8. ご訂正のほどお願い申し上げます
  9. ご訂正いただきますようお願い申し上げます
  10. ご訂正いただけますようお願い申し上げます
  11. ご訂正くださいますようお願い申し上げます
  12. ご訂正いただけますと幸いです
  13. ご訂正いただければ幸いです
  14. ご訂正いただけましたら幸いです
  15. ご訂正いただけますと幸甚に存じます
  16. ご訂正いただければ幸甚に存じます
  17. ご訂正いただけましたら幸甚でございます
  18. ご訂正いただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望”~したい”

・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定”たら・れば”

・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら”

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご訂正賜りますようお願い申し上げます
  2. ご訂正いただけますと幸いです
  3. ご訂正いただければ幸いです
  4. ご訂正いただけましたら幸いです
  5. ご訂正いただけますと幸甚に存じます
  6. ご訂正いただければ幸甚に存じます
  7. ご訂正いただけましたら幸甚でございます
  8. ご訂正いただけましたら幸甚に存じます
  9. ご訂正賜りますと幸いです
  10. ご訂正賜れますと幸いです
  11. ご訂正賜りましたら幸いです
  12. ご訂正賜れましたら幸いです
  13. ご訂正賜りますと幸甚に存じます
  14. ご訂正賜れますと幸甚に存じます
  15. ご訂正賜りましたら幸甚に存じます
  16. ご訂正賜れましたら幸甚に存じます

なお「ご訂正いただけましたら幸いです」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

  1. ご訂正のほどお願い申し上げます
  2. ご訂正いただきますようお願い申し上げます
  3. ご訂正いただけますようお願い申し上げます
  4. ご訂正くださいますようお願い申し上げます
  5. ご訂正賜りますようお願い申し上げます

“ご訂正いただく vs ご訂正くださる”の使い方

ややこしいので「ご訂正いただく vs ご訂正くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご訂正いただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご訂正いただく ご訂正いただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 ご訂正いただいた ご訂正いただきました ×
進行形 ご訂正いただいている ご訂正いただいています -頂いております
過去~現在 ご訂正いただいていた ご訂正いただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
ご訂正いただきたい
ご訂正いただきたく
ご訂正いただくよう
ご訂正いただけるよう
ご訂正いただきたいです
×
ご訂正いただきますよう
ご訂正いただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 ご訂正いただける ご訂正いただけます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①ご訂正いただいたら
②ご訂正いただければ
①ご訂正いただきましたら
②ご訂正いただけましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①ご訂正いただいたか?
②ご訂正いただけるか?
③ご訂正いただけたか?
ご訂正いただきましたか?
ご訂正いただけますか?
ご訂正いただけましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 ご訂正いただけない ご訂正いただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご訂正くださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご訂正くださる ご訂正くださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 ご訂正くださった ご訂正くださいました ×
進行形 ご訂正くださっている ご訂正くださっています -くださっております
過去~現在 ご訂正くださっていた ご訂正くださっていました -くださっておりました
希 望
ご訂正くださるよう ご訂正くださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 ご訂正くださるか? ご訂正くださいますか? ×
否 定 ご訂正くださらない ご訂正くださいません ×
命 令 ご訂正ください ご訂正くださいません ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない