「ご安心くださいますようお願い申し上げます」意味と使い方・例文

「安心してほしい」ときにつかえるビジネス敬語。

じつは…

これまで紹介した言い換え例文だけではなく、敬語フレーズというのはたくさんあります。

ということで、

ここではとくにビジネスメールにおいて活躍する丁寧な敬語フレーズを紹介します。

この記事の目次

①ご安心くださいませ
②ご安心いただければと存じます
③ご安心いただきたく存じます
④ご安心いただければ幸いです
⑤ご安心くださいますようお願い申し上げます
⑥ご安心いただきますよう・賜りますよう〜
⑦ご安心のほどお願い申し上げます
⑧~その他いろいろな言い換え敬語

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧？
“ご安心いただく vs ご安心くださる”の使い方
- “ご安心いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）
- “ご安心くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

①ご安心くださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「安心してください」の言い換え敬語

例文「ご安心くださいませ」

意味は『安心してください』

尊敬語「ご安心くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「安心してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

②ご安心いただければと存じます

「安心してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご安心いただければと存じます」

意味は『安心してもらえたらと思います』

「～してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

③ご安心いただきたく存じます

「安心してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

【例文】ご安心いただきたく存じます
→意味は『安心してもらいたいと思います』

あるいはもっとシンプルに、

【例文】ご安心いただきたく、お願い致します
→意味は『安心してもらいたい、お願いします』
【例文】ご安心をお願い致します
→意味は『安心をお願いします』

などとしても丁寧。

「～してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋願望の「～たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

④ご安心いただければ幸いです

「安心してほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご安心いただければ幸いです」

意味は『安心してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『安心してもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「～れば」

「幸いです」は「幸い」＋丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「～いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

例文「ご安心いただけましたら幸いです」
例文「ご安心いただけましたら幸甚に存じます」
例文「ご安心いただければ幸甚に存じます」
例文「ご安心いただけますと幸いです」
例文「ご安心いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご安心賜りますと幸いです」
例文「ご安心賜りますと幸甚に存じます」

補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑤ご安心くださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「安心してください」の言い換え敬語

例文「ご安心くださいますようお願い申し上げます」
例文「ご安心くださいますようお願い致します」

意味は『安心してくれるようお願いします』

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い！」
ご安心くださいますようお願い申し上げます
意味「安心してくれるようお願い！」
ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い！」
ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い！」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑥ご安心いただきますよう・賜りますよう〜

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「安心してください」の言い換え敬語

例文「ご安心いただきますようお願い申し上げます」
例文「ご安心いただけますようお願い申し上げます」
例文「ご安心賜りますようお願い申し上げます」

意味はどちらも『安心してもらうようお願いします』

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋丁寧語”ます”＋”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋可能形＋丁寧語”ます”＋”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜賜る」＋丁寧語”ます”＋”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る（たまわる）という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「～してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承を賜りますよう～」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑦ご安心のほどお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「安心してください」の言い換え敬語

例文「ご安心のほどお願い申し上げます」
例文「ご安心のほどお願い致します」

意味は「安心してくれるようお願いします」となります。

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「ご安心のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
ご教示のほどお願い申し上げます
意味「教えてくれるよう、お願い」
ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

⑧~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

例文「ご安心をお願い致します」
※意味は「安心をお願いする」
例文「ご安心いただきたく、お願い致します」
意味は「安心してほしい、お願いします」
例文「ご安心いただけましたら幸いです」
※意味は「安心してもらえたら嬉しいです」
例文「ご安心いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「安心してもらえれば嬉しく思います」
例文「ご安心いただければ幸甚に存じます」
※意味は「安心してもらえれば嬉しく思います」
例文「ご安心いただけますと幸いです」
例文「ご安心いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご安心賜りますと幸いです」
例文「ご安心賜りますと幸甚に存じます」
例文「ご安心賜れましたら幸いです」
例文「ご安心賜れましたら幸甚に存じます」

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋願望「～たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧？

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご安心ください
ご安心くださいませ
ご安心いただけますか？
ご安心いただけますでしょうか？

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご安心ください
ご安心くださいませ
ご安心をお願い致します
ご安心いただけますか
ご安心いただけますでしょうか
ご安心いただきたく、お願い致します
ご安心いただきたく存じます
ご安心いただければと存じます
ご安心のほどお願い申し上げます
ご安心くださいますようお願い申し上げます
ご安心いただきますようお願い申し上げます
ご安心いただけますようお願い申し上げます

注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご安心くださいませ
ご安心をお願い致します
ご安心いただけますか
ご安心いただけますでしょうか
ご安心いただきたく、お願い致します
ご安心いただきたく存じます
ご安心いただければと存じます
ご安心のほどお願い申し上げます
ご安心いただきますようお願い申し上げます
ご安心いただけますようお願い申し上げます
ご安心くださいますようお願い申し上げます
ご安心いただけますと幸いです
ご安心いただければ幸いです
ご安心いただけましたら幸いです
ご安心いただけますと幸甚に存じます
ご安心いただければ幸甚に存じます
ご安心いただけましたら幸甚でございます
ご安心いただけましたら幸甚に存じます

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」

・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご安心賜りますようお願い申し上げます
ご安心いただけますと幸いです
ご安心いただければ幸いです
ご安心いただけましたら幸いです
ご安心いただけますと幸甚に存じます
ご安心いただければ幸甚に存じます
ご安心いただけましたら幸甚でございます
ご安心いただけましたら幸甚に存じます
ご安心賜りますと幸いです
ご安心賜れますと幸いです
ご安心賜りましたら幸いです
ご安心賜れましたら幸いです
ご安心賜りますと幸甚に存じます
ご安心賜れますと幸甚に存じます
ご安心賜りましたら幸甚に存じます
ご安心賜れましたら幸甚に存じます

・「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る（たまわる）は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

ご安心のほどお願い申し上げます
ご安心いただきますようお願い申し上げます
ご安心いただけますようお願い申し上げます
ご安心くださいますようお願い申し上げます
ご安心賜りますようお願い申し上げます

“ご安心いただく vs ご安心くださる”の使い方

ややこしいので「ご安心いただく vs ご安心くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご安心いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご安心いただく	ご安心いただきます	-頂くよう -頂きますよう
過去	ご安心いただいた	ご安心いただきました	×
進行形	ご安心いただいている	ご安心いただいています	-頂いております
過去~現在	ご安心いただいていた	ご安心いただいていました	-頂いておりました
希望依頼	ご安心いただきたいご安心いただきたくご安心いただくようご安心いただけるよう	ご安心いただきたいです × ご安心いただきますようご安心いただけますよう	-頂きたく思います -頂きたくお願いします -頂きたく存じます -頂ければと存じます
可能	ご安心いただける	ご安心いただけます	-頂けるよう -頂けますよう
①仮定 ②仮定+可能	①ご安心いただいたら ②ご安心いただければ	①ご安心いただきましたら ②ご安心いただけましたら	×
①疑問+過去 ②疑問+可能 ③疑+可+過	①ご安心いただいたか？ ②ご安心いただけるか？ ③ご安心いただけたか？	ご安心いただきましたか？ご安心いただけますか？ご安心いただけましたか？	-頂きましたでしょうか -頂けますでしょうか -頂けましたでしょうか
禁止	ご安心いただけない	ご安心いただけません	×
命令	×	×	×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご安心くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご安心くださる	ご安心くださいます	-くださるよう -くださいますよう
過去	ご安心くださった	ご安心くださいました	×
進行形	ご安心くださっている	ご安心くださっています	-くださっております
過去~現在	ご安心くださっていた	ご安心くださっていました	-くださっておりました
希望	ご安心くださるよう	ご安心くださいますよう	×
可能	×	×	×
仮定	×	×	×
疑問	ご安心くださるか？	ご安心くださいますか？	×
否定	ご安心くださらない	ご安心くださいません	×
命令	ご安心ください	ご安心くださいませ	×