「ご留意くださいませ」の意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご留意くださいませ」の意味、ビジネスシーンにふさわしい使い方(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

意味・敬語の解説

「ご留意ください」は「留意して(気をつけて)ほしい」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

留意の意味は”気をつけること”

留意(読み:りゅうい)のそもそもの意味は…

「ある物事に心をとどめて、気をつけること。」

たとえば、

【例文】飲み会でハメを外し過ぎないように留意する →「気をつける」の意味

【例文】健康に留意してジョギングをはじめることにした(おそらく三日坊主) →「気をつける」の意味

のようにして使います。

“ご留意くださいませ”の意味は「留意して(気をつけて)くれ」

「ご留意くださいませ」の意味は直訳すると「留意して(気をつけて)くれ」となります。

ただし敬語をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンス。

結局のところ、

留意して(気をつけて)ほしい」「留意して(気をつけて)ください」ということが言いたいのですね。

「ませ」ってどんな意味?

“ご留意くださいませ”の「ませ」に深い意味はなく、丁寧語「ます」の命令形です。

ほとんどの場合は「お(ご)〜くださいませ」のワンセットで使われ、

〜してください」「〜してほしい」の意味になります。

“ご留意ください vs くださいませ”の違い

“ご留意ください vs くださいませ”の違い

もともと”ご留意くださいませ”は「ご留意ください」という命令形。

ただ、

「ご留意ください」だとシーンによっては強い口調に感じられることがあり、目上・上司などに不快感をあたえる恐れがあります。

(実際には敬語なので決して失礼ということはないのですけど…)

そこで、

「〜ください」に丁寧語の命令形「ませ」を添えることで、やんわ〜りとした依頼・お願いの敬語フレーズにしています。

命令形である点において「ご留意ください」とたいして違いはありませんが、「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

ちなみに「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

敬語の種類

まとめとして「ご留意くださいませ」の敬語の成り立ちを整理しておきます。

  • もとになる単語「留意」
  • 「〜してくれる」の尊敬語”お(ご)〜くださる”で「ご留意くださる
  • 丁寧語”ます”の命令形「ませ」をくっつけて「ご留意くださりませ
  • 楽に発音するため「り→い」にして「ご留意くださいませ

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

※「くださませ → くださませ」への変化を「イ音便」といいます

※ 留意の意味は「心に留めて気をつけること」

このようにして元になる語「留意」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分がご留意する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご留意くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

【使い方】気をつけてほしい!と伝えるビジネスシーン

つづいて「ご留意くださいませ」の使い方について。

意味のとおりで何かしら「留意して(気をつけて)ほしい!」「留意して(気をつけて)ください!」と言いたいビジネスシーンに使います。

①電話対応・ビジネスメールどちらにも使える

「ご留意くださいませ」の使い方

上司や社内の目上・社外取引先になにかしら「留意して(気をつけて)ほしい」とき。

電話対応・商談などの会話シーンでもつかえますし、ビジネスメールなど文章にもつかえる丁寧な敬語フレーズです。

お願いごとや依頼事項のたくさんあるビジネスメールではとかく「いただく」ばかりつかってしまい、文章や言い回しが気持ち悪くなるケースあり。

そんなとき、

「ご留意くださいませ」にかぎらず「〜くださいませ」というフレーズはサラッとつかえてかつ、やわらかい印象になるので重宝しますね。

②例文

「ご留意くださいませ」はたとえば、

  • 【例文】どうかご留意くださいませ
  • 【例文】何卒ご留意くださいませ
  • 【例文】大変恐れ入りますが、どうかご留意くださいませ

※ 留意の意味は「心に留めて気をつけること」

のようにして依頼・お願いをともなうビジネスシーン(会話・電話対応・メール)に使われます。

ようするに「留意して(気をつけて)ほしい!」という意味なのですが丁寧な敬語にすると、こんな風にややこしい文章になります。

丁寧な言い換え敬語

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえるビジネス敬語。

じつは…

「ご留意くださいませ」だけではなく、もっと丁寧な(というか堅苦しい)敬語フレーズというのはたくさんあります。

ということで、

ここではとくにビジネスメールにおいて活躍する丁寧な敬語フレーズを紹介します。

①ご留意いただければと存じます

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意いただければと存じます」

意味は『留意して(気をつけて)もらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

②ご留意いただきたく存じます

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意いただきたく存じます」

意味は『留意して(気をつけて)もらいたいと思います』

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

③ご留意いただければ幸いです

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意いただければ幸いです」

意味は『留意して(気をつけて)もらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『留意して(気をつけて)もらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」

「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「ご留意いただけましたら幸いです」
  • 例文「ご留意いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご留意いただければ幸甚に存じます」
  • 例文「ご留意いただけますと幸いです」
  • 例文「ご留意いただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご留意賜りますと幸いです」
  • 例文「ご留意賜りますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

④ご留意くださいますようお願い申し上げます

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意くださいますようお願い致します」

意味は『留意して(気をつけて)くれるようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

  1. ご査収くださいますようお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」
  2. ご留意くださいますようお願い申し上げます
    意味「留意して(気をつけて)くれるようお願い!」
  3. ご確認くださいますようお願い申し上げます
    意味「確認してくれるようお願い!」
  4. ご了承くださいますようお願い申し上げます
    意味「納得してくれるようお願い!」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑤ご留意いただきますよう・賜りますよう〜

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意いただけますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意賜りますようお願い申し上げます」

意味はどちらも『留意して(気をつけて)もらうようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑥ご留意のほどお願い申し上げます

「留意して(気をつけて)ほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

  • 例文「ご留意のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご留意のほどお願い致します」

意味は「留意して(気をつけて)くれるようお願いします」となります。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「ご留意のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご留意のほどお願い申し上げます
    意味「留意して(気をつけて)くれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

⑦~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「ご留意をお願い致します
    ※意味は「留意をお願いする」
  • 例文「ご留意いただきたく、お願い致します
    意味は「留意して(気をつけて)ほしい、お願いします」
  • 例文「ご留意いただけましたら幸いです
    ※意味は「留意して(気をつけて)もらえたら嬉しいです」
  • 例文「ご留意いただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「留意して(気をつけて)もらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご留意いただければ幸甚に存じます
    ※意味は「留意して(気をつけて)もらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご留意いただけますか?
    ※意味は「留意して(気をつけて)もらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「ご留意いただけますでしょうか?
    ※意味は「留意して(気をつけて)もらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「ご留意いただけますと幸いです
  • 例文「ご留意いただけますと幸甚に存じます
  • 例文「ご留意賜りますと幸いです
  • 例文「ご留意賜りますと幸甚に存じます
  • 例文「ご留意賜れましたら幸いです
  • 例文「ご留意賜れましたら幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

ビジネスメール例文

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「ご留意くださいませ」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

なおビジネスメールにおいて「ご留意くださいませ」としてもいいのですが、

「ご留意いただきたく存じます」

「ご留意いただければと存じます」

「ご留意いただければ幸いです」

「ご留意のほどお願い致します」

などの敬語もオススメです。

ビジネスメール例文①資料の留意点をつたえる

メール件名:担当報告資料・作成のお願い

営業部 各位(社内上司・部下など)

お疲れ様です。

さて首記の件、4月10日に予定しております予算会議につき、各担当の報告資料を下記の要領で作成いただきたく存じます。

①資料フォーマット:添付エクセルシートのフォーマットに基づき作成ください

②期日:大変恐れ入りますが、4月8日までにご提出をお願いいたします。

③留意事項:
資料作成にあたり以下の点にご留意くださいませ。
・数字の正確性
・昨年の予算との変化点を明確に

ご多忙のところ大変お手数ではございますが、
お取り計らいの程よろしくお願い致します。

**************
営業部 ノマド
**************

ビジネスメール例文②アンケート記入で留意してほしい

メール件名:残業時間に関するアンケート実施

営業部 ノマド 様

突然のご連絡、大変失礼いたします。
総務部・野間湖と申します。

このたび人事労務部では残業時間の申請と実質の乖離を防ぐため、残業時間に関するアンケート調査を実施する運びとなりました。

添付エクセルのとおり質問フォームを作成いたしましたので、ご記入いただければと存じます。

なおご記入にあたり下記の点にご留意をお願いいたします。

【ご留意点】

①〜〜
②〜〜

本メールは残業の申請が月30時間を超過している社員の皆さまへ一斉送信しております。

お忙しいところ大変お手数ではございますが、お力添えのほど何卒よろしくお願い致します。

**************
人事部 のまど
************** 

ビジネス会話・電話対応では”ご留意ください”で十分に丁寧

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「ご留意くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】ご留意ください
  • 【例文】ご留意くださいませ
  • 【例文】ご留意いただけますか?
  • 【例文】ご留意いただけますでしょうか?
  • 【例文】留意していただけますか?
  • 【例文】留意していただけますでしょうか?
  • 【例文】ご留意願えますでしょうか?

といったフレーズをつかいましょう。

意味としては「留意してもらえますか?」「留意してください」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

また、

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

ご留意いただけますか?」「ご留意いただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “留意する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご留意いただく」
  • 可能形にして「ご留意いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「ご留意いただけます」
  • 疑問形にして「ご留意いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご留意いただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

参考記事

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧?