「対応してください」は上司・目上に失礼？
ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに？
とご心配のあなたへ。
「対応してください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…
時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。
会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。
より丁寧な言い換えにはたとえば、
- 例文①ご対応ください
- 例文②ご対応くださいませ
- 例文③ご対応いただきたく存じます
- 例文④ご対応のほどお願い申し上げます
- 例文⑤ご対応いただきますようお願い申し上げます
- 例文⑥ご対応くださいますようお願い申し上げます
- 例文⑦ご対応いただけますか？ご対応いただけますでしょうか？
- 例文⑧ご対応いただければ幸いです
- 例文⑨ご対応賜りますようお願い申し上げます（”賜る”の読みは”たまわる”）
などあり。
これらの言い換えの丁寧レベルとしては「ご対応ください」がもっとも低く「例文⑧ご対応いただければ幸いです」「例文⑨ご対応賜りますよう〜」がもっとも丁寧。
あとはどれも似たようなものです。
また「お取り計らい=物事をうまく処理すること」をつかった言い換えもできます。
くわしくは本文にて。
それでは、
「対応してください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方（電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職）、メール例文を紹介します。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味・敬語の解説
「対応してください」は「対応してほしい」という意味。
なぜこのような意味になるのか？
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
「対応してください」の意味は「対応してくれ」
「対応してください」のそもそもの意味は…
「対応してほしい」
「対応してくれ」
このように解釈できます。
「対応してください」の敬語の種類
「対応してください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。
- もとになる単語「対応する」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「対応してくださる」
- さらに命令形にして「対応してください」
このようにして元になる語「対応する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
強い口調となる敬語”対応してください”
ここでひとつ注意点を。
「対応してください」だけでなく「～してください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。
なぜなら「〜してください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。
極端なたとえですが、よく母親が子供に
「はやく片付けなさい！！」
「静かにしなさい！！」
といっているのを耳にします。
「～なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。
尊敬語”〜してくださる”の命令形「～してください」と似たような成り立ちです。
どちらかというと「～してください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。
もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。
私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。
だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり（”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます）。
で、
シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…
本当にむずかしいのですよね。
したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。
いろんな敬語を知っておくことが重要
もっとも重要なことは、
いろんな敬語フレーズを知っておくこと。
そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶ対応することができるようになります。
社内の上司にメールするときは”ご対応ください”をつかい、取引先にメールするときは「ご対応いただければ幸いです」をつかい…
というような感じ。
引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。
そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。
覚えておくと必ず役に立つことでしょう。
丁寧な言い換え敬語
ここまでの解説で「対応してください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。
ここからは、
じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの？
という点についてみていきます。
①ご対応ください
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応ください」
意味は『対応してください』
「対応して」というフレーズを尊敬語「ご対応」に言い換えているため丁寧レベルとしては「対応してください」よりもだいぶマトモ。
ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。
さきほどの繰り返しにはなりますが、時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。
気になるかたは言い換え例文②以降をつかいましょう。
ちなみに”ご対応ください”の敬語は以下のようになりたちます。
- もとになる単語「対応する」に尊敬語”お（ご）”で「ご対応」
- さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご対応くださる」
- さらに命令形にして”ご対応ください”
※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK
このようにして元になる語「対応する」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
ちなみに敬語「お（ご）」は…
「自分がご対応する」のであれば謙譲語としての使い方。
上司・目上・取引先などの「相手がご対応くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように２パターンあります。
②ご対応くださいませ
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応くださいませ」
意味は『対応してください』
尊敬語「ご対応くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。
命令形である点において「対応してください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。
「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。
ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。
③ご対応いただければと存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応いただければと存じます」
意味は『対応してもらえたらと思います』
「～してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「れば」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」
④ご対応いただきたく存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応いただきたく存じます」
意味は『対応してもらいたいと思います』
「～してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。
「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋願望の「～たい」
「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
⑤ご対応いただければ幸いです
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応いただければ幸いです」
意味は『対応してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『対応してもらえたら嬉しいです』
相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「～れば」
「幸いです」は「幸い」＋丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
「～いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。
ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。
- 例文「ご対応いただけますと幸いです」
- 例文「ご対応いただけましたら幸いです」
- 例文「ご対応いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご対応いただけましたら幸甚に存じます」
- 例文「ご対応いただければ幸甚に存じます」
- 例文「ご対応いただけますと幸いです」
- 例文「ご対応いただけますと幸甚に存じます」
補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
⑥ご対応くださいますようお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応くださいますようお願い申し上げます」
- 例文「ご対応くださいますようお願い致します」
意味は『対応してくれるようお願いします』
※「お願い申し上げます ＝ お願い致します」に言い換えOK
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
たとえば、
- ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い！」 - ご検討くださいますようお願い申し上げます
意味「検討してくれるようお願い！」 - ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い！」 - ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い！」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
⑦ご対応いただきますよう・賜りますよう〜
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応いただきますようお願い申し上げます」
- 例文「ご対応いただけますようお願い申し上げます」
- 例文「ご対応賜りますようお願い申し上げます」
意味はどちらも『対応してもらうようお願いします』
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋丁寧語”ます”＋”ように”
「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋可能形＋丁寧語”ます”＋”ように”
「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜賜る」＋丁寧語”ます”＋”ように”
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
賜る（たまわる）という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。
普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。
「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「～してほしい」と言いたいので同じです。
⑧ご対応のほどお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「ご対応のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご対応のほどお願い致します」
意味は「対応してくれるようお願いします」となります。
※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK
ここで「ご対応のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
たとえば、
- ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」 - お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」 - ご検討のほどお願い申し上げます
意味「検討してくれるよう、お願い」 - ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」
などのようにして使います。
これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。
ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。
⑨~その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご対応をお願い致します」
※意味は「対応をお願いする」 - 例文「ご対応いただきたく、お願い致します」
意味は「対応してほしい、お願いします」 - 例文「ご対応いただけましたら幸いです」
※意味は「対応してもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご対応いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「対応してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご対応いただければ幸甚に存じます」
※意味は「対応してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「ご対応いただけますか？」
※意味は「対応してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご対応いただけますでしょうか？」
※意味は「対応してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご対応いただけますと幸いです」
- 例文「ご対応いただけますと幸甚に存じます」
- 例文「ご対応賜りますと幸いです」
- 例文「ご対応賜りますと幸甚に存じます」
- 例文「ご対応賜れましたら幸いです」
- 例文「ご対応賜れましたら幸甚に存じます」
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋願望「～たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
ビジネス会話・電話対応では”ご対応いただけますか？”
ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…
「ご対応くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話対応では…
- 【例文】ご対応いただけますか？
- 【例文】ご対応いただけますでしょうか？
- 【例文】ご対応願えますでしょうか？
※もちろん “ご対応ください”or”ご対応くださいませ” としてもOK
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「対応してもらえますか？」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
「〜いただけますか？」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
敬語の解説
「ご対応いただけますか？」「ご対応いただけますでしょうか？」
の敬語の成り立ちとしては…
- “対応する”に「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「ご対応いただく」
- 可能形にして「ご対応いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「ご対応いただけます」
- 疑問形にして「ご対応いただけますか？」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご対応いただけますでしょうか？」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか？」を使うのをオススメします。
ビジネスメール例文【全文】
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「対応してください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①問合わせをする
-ビジネスメール例文-
メール件名：サンプルご提供のお願い
株式会社ビジネス
営業部 ご担当者 様
突然のご連絡、大変失礼致します。
私、（株）転職にて研究開発をしておりますノマドと申します。
さて、このたび新商品の一部材として貴社製品Aを検討いたしたく、よろしければ下記のとおりサンプルをご手配いただきたく存じます。
（中略）
お忙しいところ大変お手数ではございますが、
ご対応の程よろしくお願い申し上げます。
———————
メール署名
———————
※「お取り計らい＝うまく処理すること」に言い換えOK
ビジネスメール例文②返信を催促する
-ビジネスメール例文-
Re: 面接日程調整のお願い
◯◯株式会社
採用担当者 様
お世話になっております。
関西大学の関西太郎です。
この度は、次回面接のご案内をいただき、誠にありがとうございます。
さて面接日程の件、こちらでは特に希望する時間はございませんので、日時をご指定いただければ幸いです。
お忙しいところ誠に恐れ入りますがご査収の上、
お取り計らいのほどお願い申し上げます。
——————————-
メール署名
——————————-
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご対応」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
+前置きに添えるフレーズを！
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご対応」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか
例文「どうかご対応くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご対応くださいますようお願い致します」
例文「どうかご対応いただければ幸いです」
例文「どうかご対応いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒＝どうか
例文「何卒ご対応くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご対応くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご対応いただければ幸いです」
例文「何卒ご対応いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
+気づかいの敬語フレーズもGood
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご対応」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮＝申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご対応〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご対応〜」
「たびたび恐縮ではございますがご対応〜」 - 恐れ入る＝申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご対応〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご対応〜」
「たびたび恐れ入りますがご対応〜」 - お手数＝お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご対応〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご対応〜」 - 勝手を申し上げる＝自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご対応〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご対応のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが＝忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご対応〜」
結局どれがもっとも丁寧？
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご対応ください
- ご対応くださいませ
- ご対応いただけますか？
- ご対応いただけますでしょうか？
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご対応ください
- ご対応くださいませ
- ご対応いただけますか
- ご対応いただけますでしょうか
- ご対応をお願い致します
- ご対応いただきたく、お願い致します
- ご対応いただきたく存じます
- ご対応いただければと存じます
- ご対応のほどお願い申し上げます
- ご対応くださいますようお願い申し上げます
- ご対応いただきますようお願い申し上げます
- ご対応いただけますようお願い申し上げます
注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。
補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK
補）シーンに応じて「お取り計らい＝うまく処理すること」に言い換えOK
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご対応くださいませ
- ご対応をお願い致します
- ご対応いただきたく、お願い致します
- ご対応いただきたく存じます
- ご対応いただければと存じます
- ご対応いただきますようお願い申し上げます
- ご対応いただけますようお願い申し上げます
- ご対応くださいますようお願い申し上げます
- ご対応いただければ幸いです
- ご対応いただければ幸甚に存じます
- ご対応いただけましたら幸いです
- ご対応いただけますと幸いです
- ご対応いただけますと幸甚に存じます
- ご対応いただけましたら幸甚でございます
- ご対応いただけましたら幸甚に存じます
補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK
補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
補）シーンに応じて「お取り計らい＝うまく処理すること」に言い換えOK
④最上級の丁寧レベル
おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- ご対応賜りますようお願い申し上げます
- ご対応いただければ幸いです
- ご対応いただければ幸甚に存じます
- ご対応いただけましたら幸いです
- ご対応いただけましたら幸甚でございます
- ご対応いただけましたら幸甚に存じます
- ご対応賜りますと幸いです
- ご対応賜れますと幸いです
- ご対応賜りましたら幸いです
- ご対応賜れましたら幸いです
- ご対応賜りますと幸甚に存じます
- ご対応賜れますと幸甚に存じます
- ご対応賜りましたら幸甚に存じます
- ご対応賜れましたら幸甚に存じます
・「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
・賜る（たまわる）は公式なビジネス文書や手紙によくつかう
何か対応してほしいときには「お取り計らい」が一般的
申し訳ありませんが、これまでの解説をすべてくつがえします。
じつは…
お取り計らいの意味は「物事をうまく処理すること」
お取り計らい（読み：おとりはからい）の意味は…「物事をうまく処理すること」
「取り計らい」に尊敬語or謙譲語「お・ご」を使うと「お取り計らい」という敬語の完成。
「お・ご」は使い方によって謙譲語or尊敬語なのかが変わります。
自分が「お取り計らいする」のであれば謙譲語「お（ご）」
上司なり目上・取引先など「相手がお取り計らいくださる」のであれば尊敬語の「お（ご）」
というように２パターンあります。
ここからは「お取り計らい」をつかった言い換え敬語フレーズを紹介します。
①お取り計らいください
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいください」
意味は『うまく処理してください』
敬語の解説などは重複するため省きます。
②お取り計らいくださいませ
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいくださいませ」
意味は『うまく処理してください』
敬語の解説などは重複するため省きます。
③お取り計らいいただければと存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいいただければと存じます」
意味は『うまく処理してもらえたらと思います』
敬語の解説などは重複するため省きます。
④お取り計らいいただきたく存じます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいいただきたく存じます」
意味は『うまく処理してもらいたいと思います』
敬語の解説などは重複するため省きます。
⑤お取り計らいいただければ幸いです
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいいただければ幸いです」
意味は『うまく処理してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『うまく処理してもらえたら嬉しいです』
敬語の解説などは重複するため省きます。
⑥お取り計らいくださいますようお願い申し上げます
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいくださいますようお願い申し上げます」
- 例文「お取り計らいくださいますようお願い致します」
意味は『うまく処理してくれるようお願いします』
※「お願い申し上げます ＝ お願い致します」に言い換えOK
敬語の解説などは重複するため省きます。
⑦お取り計らいいただきますようお願い致します
目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「対応してください」の言い換え敬語
- 例文「お取り計らいいただきますようお願い致します」
- 例文「お取り計らいいただけますようお願い致します」
- 例文「お取り計らい賜りますようお願い申し上げます」
意味はどれも『うまく処理してもらうようお願いします』
※「お願い申し上げます ＝ お願い致します」に言い換えOK
敬語の解説などは重複するため省きます。
⑧~その他いろいろな言い換え敬語
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「お取り計らいいただきたく、お願い致します」
意味は「うまく処理してほしい、お願いします」 - 例文「お取り計らいいただけましたら幸いです」
※意味は「うまく処理してもらえたら嬉しいです」 - 例文「お取り計らいいただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「うまく処理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「お取り計らいいただければ幸甚に存じます」
※意味は「うまく処理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「お取り計らいいただけますと幸いです」
※意味は「うまく処理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「お取り計らいいただけますと幸甚に存じます」
※意味は「うまく処理してもらえれば嬉しく思います」 - 例文「お取り計らいのほどお願い申し上げます」
※意味は「うまく処理してくれるようお願いします」 - 例文「お取り計らいいただけますか？」
※意味は「うまく処理してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「お取り計らいいただけますでしょうか？」
※意味は「うまく処理してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋願望「～たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
【まとめ】ご対応の使い方
いろいろと散らかってきたので「ご対応ください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「ご対応」の使い方をまとめます。
