いつの時代も一定の就職・転職人気のある「外資系企業」。
なんとな〜く、
- 年収高そう
- ワークライフバランスも良さそう
- 自己成長できそう
- 英語を使いこなして、なんかキラキラしてる!
- 日系みたいな年功序列・終身雇用の会社はイヤだ!働いた分だけ報われる外資がイイ!
みたいなイメージがありますね。
余談ですが外資系企業に勤めてると、なんか華やかなイメージがあるので合コンで意味もなくモテます(笑)。
でも実際にやってることは日系企業とおなじであって、別に華やかでもなんでもないのですけどね…
そういうわたしもミーハーなので、転職活動にあたっては外資系企業を中心にみていました。
- 外資は中途採用が多く、また待遇面で差別されるようなこともなく、転職するには最適かもしれません。
そんなこんなで。
今日は「外資系に転職することのメリット・デメリット」を語っていきます。おもに日系企業との比較という視点ですのでご留意を。
メリット
まずは外資系企業に就職・転職することのメリットから。とくに日系企業との比較で、という視点でみています。
1.仕事に裁量がある
外資系企業に就職・転職するメリットその1
- 仕事に裁量があること。
外資系企業にはいってまず驚くのが、その裁量の大きさ。日系企業にくらべて自分のやりたいように仕事を進められるという点が大きな特徴です。
たとえば外資系メーカー営業であれば。
担当アイテム・地域において商流ふくむ営業戦略→マーケティング→販売業務→結果責任まで、基本的にすべてを任されます。ただし結果が出なかった時には、当然のことながら上司なり海外本社から戦略の修正を迫られ、逆に身動きとれなくなりますけど…
いっぽうこれが日系企業であれば、
- 裁量はすくなく、上司なり役員がきめた全体戦略にそって動くことが基本。
自分勝手な行動をすると上司に怒られます。完全なトップダウンであることがほとんどで「報・連・相」が非常にめんどくさいですね。
したがって自分がたとえ素晴らしいアイディアを思いついても、即実行にうつせることはほとんどありません。事前の社内調整、つまり社内コンセンサスを得ることに労力をつかいます。
2.年収は同ランクの日系企業より高い
外資系企業に就職・転職するメリットその2
- 年収が同ランクの日系企業にくらべて高いこと
外資系企業は年収設定にとくに繊細です。かならず同ランクの日系企業の年収よりも高く設定しています。そうじゃないと優秀な人材を採用できないからですね。
なお。
おなじ年収であればワザワザ外国籍の企業ではたらく意味は、何一つありません。のちほど述べるデメリットが大きすぎるからです。ここで断言しておきます。
「退職金なし」という外資企業には十分ご注意ください。日系の大企業であれば勤続30年以降の退職で2000-4000万円の退職金が支給されます。つまり年間のインパクトは60-130万円ほど。
「退職金なし」の企業と年収比較するときは60-130万円ほどマイナスする必要あります。転職で年収交渉するときには必ず考慮に入れてもらいましょう。
3.マネージャーという役職だけは20代後半〜30代前半でつく
外資系企業に就職・転職するメリットその3
- 「マネージャー」という役職だけは20代後半〜30代前半でつくこと
「外資系企業は日系よりも、自分の裁量で仕事をすすめやすい」ということを述べました。
その理由のひとつとして、待遇や年収はどうあれ対外的には「マネージャー」というポストを20代後半ないしは30代前半であたえられることがあります。
したがって若手のうちから、それなりに好き勝手に仕事をすすめられますね。
もちろん「結果を出す」ということが前提で成り立っていますけど…
いっぽう日系企業。
日系であればどれだけ優秀でも一定の年齢に達するまでマネージャーになれません。さらにその先ともなるともう40代50代になってしまいます。
たしかに20代後半~30代前半でマネージャー職になる業界もあります(銀行とか保険・一部の商社)。
しかし日系企業における「マネージャー」とは名ばかりで、裁量はあまりないくせに上と下からの板ばさみになって忙しいだけの罰ゲームポジションなのですよね…。
4.結果次第・ゴマすり次第で若くても昇進できる
外資系企業に就職・転職するメリットその4
あとは一般的な話ですが、
- 結果次第・ゴマすり次第で若くても昇進できること
も外資系企業のメリットのひとつです。
日系企業のように年齢がものを言う年功序列の体系とはちょっと違いますね。
日系であればどれだけ優秀でも一定の年齢に達するまでマネージャーになれません。さらにその先ともなるともう40代50代になってしまいます。
結果として30代で部長になるヒトはほとんどいません。ところが外資系企業だと成果とゴマすりにおうじてそれくらいのポストに就けるヒトは結構います。
外資系企業における出世のポイントはずばり「上司に気に入られること」。気に入られるためのツールが仕事の成果であったり、上司と仲良くすることであったり、提案力であったり…いろいろ。
とにかく上司のケツをなめるくらいの覚悟で働いていれば、成果がイマイチ平均的でも必ず良いポストをもらえます。
5.ワークライフバランスに優れる
外資系企業に就職・転職するメリットその5
これも一般的な話ですが、
- ワークライフバランスに優れること
これは企業や業界・上司にもよります。外資コンサルや外資金融はブラックな働き方が業界として定着しているため、ある程度の覚悟は必要です。
ただ外資系企業は総じて「家族を大切にする」「プライベートを充実させる」「残業は仕事のできないヤツがやることだ」という意識の高いヒトがおおいですね。
遅くまで働きたい人はそうすればいいし、そうでなければ早く帰ればいいのです。
日系企業だと上司の付き合い残業とか、残業している人=頑張ってる、みたいな昭和的な感じの上司もまだまだいます。日系企業よりはマシ、という意味でメリットに入れておきました。
6.なんとなく特別感がある
外資系企業に就職・転職するメリットその6
- なんとなく特別感があること
冒頭でも紹介しましたが「外資=年収高い」「外資=エリート」みたいな感じのイメージが世間一般では定着しています。そしてモテます(笑)。
結果としてなんとな~く特別な存在になれます。
実際には日系も外資も優劣なく、みんなサラリーマンでしかないのですけどね…
7.会社選びをミスった時にやり直しが効く
外資系企業に就職・転職するメリットその7
- 会社選びをミスって「こんなハズじゃなかった…」というときに転職先が見つかりやすいこと。
外資企業に就職・転職できるヒトはなんだかんだ、語学もふくめたビジネスの基礎力が高く、転職市場価値がそれなりにあります。
中途採用する人事も「前職が外資企業ならまぁスキル面ではそんなに心配ないな」と採点があまくなりますね。
会社選びにミスったとしてもやり直しが効きやすく、そういった点ではおすすめできる就職先ですね。
8.中途採用にも積極的、待遇面もめぐまれている
外資系企業に就職・転職するメリットその8
- 中途採用にも積極的で転職チャンスがおおく、さらに中途採用だからといって今後のキャリアに不利になるようなこともありません。
これから転職をお考えのかたには大きなメリットになります。
日系企業だと終身雇用が基本なので、どうしてもプロパーで入社したヒトよりも待遇面で不利になるケースあり。この辺は改善されてきていますけど「中途組み」はカルチャーに溶け込めない場合もあります…
いっぽう転職文化の強い外資系企業だとそんなこともなく、転職組が冷遇されることもありません。
デメリット
つづいてデメリット。外資系企業に就職・転職することはメリットばかりじゃなく、デメリットもかなり大きいです。
1.教育制度がイマイチ(な企業も多い)
外資系企業に就職・転職するデメリットその1
- 教育制度がイマイチ(な企業も多い)
外資系企業は新卒ではいるべき企業じゃありません。
なぜなら教育制度・サポートがしっかりしてない企業がおおいから。日本の労働市場になじむように新卒からジックリ育てるみたいな企業もあります。
が。
一般的に外資系企業のおおくは即戦力としての中途採用がメインであり、教育制度といえるものはほとんどなく、ほっとかれるケースも多々あります。
自分で学んで、自分でビジネス拡大する実力があればいいですが…
2.仕事に裁量がある分、結果を出せないとツライ
外資系企業に就職・転職するデメリットその2
- 仕事に裁量がある分、結果を出せないとツライ
「メリットとして仕事に裁量があり、日系企業よりも自分のおもったように仕事を進められる」という話をしました。
でもこれは裏を返すと。
結果を出せないとすべての責任は自分に降りかかってきます。ヒトのせいにすることがなかなか難しいのですよね。そうなるとその後は・・・ご想像にお任せします。
3.万年ヒラ社員になるリスクあり
外資系企業に就職・転職するデメリットその3
- 万年ヒラ社員になるリスクあり
メリットのところで簡単にマネージャーっぽい役職に就ける、という話をしました。
ただし。残念ながら万年ヒラ社員のままキャリアを終えるヒトも少なくありません。
まぁキャリアの限界が見えたところで転職すればいいだけですけどね。
いっぽうで。
日系企業のような年功序列だと、つかえない社員もある程度一律に昇進していきます。
変化を好まないヒト、安定志向のヒトに外資系はおすすめできません。
4.上層部のポスト争いが熾烈で、マネージャーの先が難しい
外資系企業に就職・転職するデメリットその4
- 上層部のポスト争いが熾烈で、マネージャーの先が難しい
外資系企業は部長以上のポストが異様にすくないです。なぜなら本国から送り込まれる駐在員が一定数のポストを支配しているから(その中にはポンコツ駐在員もおおい)。
外資ではマネージャーで滞留するヒトがほとんどで、その先のDirector~MD~Board memberへのキャリアパスがなかなか手の届かないところにありますね。
そういった意味でマネージャーになって先が見えないと、上昇志向のあるヒトは見切りをつけて転職していきます。まぁマネージャーまでいけばそれなりの給料になるので、そのままず~っと働き続けても悪くはありませんけど。
いっぽう。
日系企業であれば部長以上のポストはすくないものの、手の届く範囲にあります。チャンスは外資よりも多いですね。
あらかじめ認識しておきましょう。
5.上に行けば行くほどゴマすりが発生する
外資系企業に就職・転職するデメリットその5
- 外資系企業におけるゴマすり方は尋常ではありません。
20代30代ではあまり感じることは無いと思いますが、とくに上に行けば行くほどゴマすりが顕著になってきます。
英語でゴマすり野郎のことをよく「Brown noser」あるいは「Kiss asser」という言い方をします。
「上司のケツの穴をなめまくって、鼻が茶色くなったヤツ=ゴマすり野郎」ということ。あまりにダイレクトな表現なのでつかうことがためらわれますが…アメリカ人はよく使います。
こんな英語があるほどゴマすりは出世のための常套手段なのですよね。とくに上に行けば行くほど自分の出世のためにコビを売り、上司のために全力ではたらく必要があります。
たしかに日系企業でもよくある光景ですけど…それにしても「Brown noser」ってイヤな言い方…
6.外資といっても日本人と働くので、結局は日本的である
外資系企業に就職・転職するデメリットその6
- 外資といっても日本人と働くので、結局は日本的であること
とくに海外の大学を出て、日本の外資系企業に入社したヒトはこれに苦しみます。
「外資だから…」といって入社したのに、カルチャーは日系企業となにも変わらない、ということはよくあります。
なぜなら。
外資系企業といっても結局のところ大多数が日本人だから。留学経験者がおおいとはいえ、そりゃある程度は日本的なカルチャーになるよなぁ…っていう。
ということで。
海外のカルチャーに染まりきった日本人には、外資系企業はまったくオススメできません。現地で就職・転職することをおすすめします。
7.海外駐在・海外転勤のチャンスがほとんど無い
外資系企業に就職・転職するデメリットその7
- 海外駐在・海外転勤のチャンスがほとんど無い
ということなので「将来的に海外で働きたい!」というヒトに外資系企業はまったくおすすめしません。グローバル展開してる日系企業ではたらいたほうがチャンスに恵まれます。
これはよく考えればわかるのですけど…
外資系企業の日本支社というのは、日本で彼らのビジネスを拡大することがメインの仕事であるからですね。
もちろん海外出張などはありますが、転勤したり海外駐在するのはきわめてマレです。ホントに優秀な人材にしかチャンスはまわってきません。
8.仕事ができない、結果を出せない人は冷遇される
外資系企業に就職・転職するデメリットその8
- 仕事ができない、結果を出せない人は冷遇される
これは日系企業でも、もちろんあります。
でも外資系企業の冷遇の仕方はハンパではありません。上司からゴミのようにあつかわれ、何ならいないほうがマシ、という感じの待遇を受けます。
もちろん何はともあれ日本ではたらく正社員は労働基準法に守られています。外資とはいえ従業員を不当にクビにすることはできません。
でも。
「使えない社員が自ら辞めるようにプレッシャーをかける」ことはできます。
たとえば評価をゼロ点にするとか、ささいな問題行動をとりあげてヤリ玉にあげるとか、会議でつねにヤリ玉にあげるとか、すべての提案をリジェクトするとか、いろいろ。
私もこれまでちょっとエゲツないケースをいろいろ見てきました…
9.日本はアジア統括拠点になり得ない
外資系企業に就職・転職するデメリットその9
- 日本はアジア統括拠点になり得ない
つまり外資系企業の日本支社がアジアの統括拠点にならない以上、将来性がイマイチ感じられないのですよね。
「日本はリージョナルだけ、アジア統括は韓国や中国・香港・シンガポールにおく」というポリシーの外資がふえています。
今後もそれは加速していくことでしょう。
税金も高いし、運営コストも高いし、市場の成長性もないし…
そんな日本にアジア統括拠点をおくことに意味はなく、そうなると日本だけのビジネスで何とかしなければならず、でも成長性はあまりない、だから拠点拡大もしにくい、ということで将来性をイマイチ感じられませんね。
もちろんGoogleやSalesforce、Apple、Amazonのように日本でまだ拡大余地のあるIT産業もあるので一概には言えませんが…
10.日本経済の発展に貢献できない
外資系企業に就職・転職するデメリットその10
- 日本経済の発展に貢献できないこと
最後に書きましたが、なんとなく私が外資系企業への転職をためらう理由はコレです。
「別にそんなこといいじゃん」とおもうのでしたら否定しません。
価値観はヒトそれぞれなので。
でも日本人として生まれて日本で仕事をする以上、どうしても日本の社会に意義のある仕事をしたいと思うのですよね。
とくに営業職なので、
日系企業からシェアを奪い、外資の商品やサービスを売って利益を本国におくるなんて、まるで売国奴みたいで私はイヤなのでした。
すみません…最後は私情をはさみました。
まとめ
いろいろと語ってきましたが。
上記はあくまでも一般論であり、結局のところ企業によります。業界にもよります。上司にもよります。
私は「デメリット10.日本経済に貢献できないこと」がネックになっていて、なんとな~くためらわれるのですけどね。
まぁでも考えすぎはよくありません。
メリット7.であげたように外資系企業で仕事をしていた、というだけでも転職市場でそれなりに認めらます。
したがって「まず働いてみてから考える」というのでも良いでしょう。
ではでは。
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