ビジネスにおける「不躾なお願い」の意味と使い方・メール例文

「不躾なお願い」について、意味と上司や目上への正しい使い方、注意点をビジネスメールの例文つきで誰よりもくわしく解説していく記事。

まず簡単にまとめを。

「不躾なお願い」の意味は「無礼・失礼なお願い」「礼を欠くようなお願い」。

「不躾なお願い」って一体どんなお願いなのか？というと具体的にはたとえば…

初対面の相手に唐突にアポイントを申し込む
あまり親睦のない取引先に仕事のお願いをする
ムチャクチャな値下要求
期日が今日中とか無理のあるお願い
何かしら身勝手なお願い
その他の無理難題や無茶なお願い

これらのことはすべてビジネスシーンにおいては「不躾なお願い」と考えることができます。

したがってこのようなシーンで「不躾なお願いで恐縮ですが…」「不躾なお願いとは存じますが…」としてつかうと相手への配慮があらわれていて好感がもてます。

ざっくりとした解説はこれにて終了。

くわしくは本文中にて意味と使い方、注意点を述べていきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

この記事の目次

“不躾なお願い”の意味
使い方
【例文】ビジネスメール全文

“不躾なお願い”の意味

不躾（読み：ぶしつけ）の意味は・・・

礼を欠くこと。無作法なこと。また、そのさま。無礼。
例）不躾な質問
例）不躾ながらメールにて失礼いたします。

「躾（しつけ）」が不足していると書きますので上記の意味になりますね。

※類語には「失礼、失敬、無礼、無作法、非礼」などあり。

で。

「不躾なお願い」って一体どんなお願いなのか？というとたとえば…

初対面の相手に唐突にアポイントを申し込む
あまり親睦のない取引先に仕事のお願いをする
ムチャクチャな値下要求
期日が今日中とか無理のあるお願い
相手に著しく負担をかけるお願い
その他の無理難題や無茶なお願い

などいろいろあり。

これはもうあなたと相手の主観であるために明確な言葉の定義はありません。

とにかくビジネスマナー的になんとな～く無礼だと思われるようなことは「不躾なお願い」なのですね。

使い方

つづいて「不躾なお願い」の使い方について。

「無礼・失礼なお願い」という意味ですので、ビジネスマナー的になんとな～く無礼だと思われるようなお願いをするとき。

申し訳なく思うきもちを表すフレーズ「恐縮ですが」「申し訳ございませんが」などと組み合わせてつかいます。

そうすると「無礼なお願いですみませんが…」というニュアンスになり、ビジネスメールの文末・結び・締めくくりによく使います。

使い方①”不躾なお願いで恐縮ですが・恐れ入りますが”など

「不躾なお願い」の使い方。

申し訳なくおもう気持ちをあらわすフレーズ「恐縮・恐れ入る」をくっつけて、

例文「不躾なお願いで恐縮ですが＋お願いフレーズ」
例文「不躾なお願いで恐れ入りますが＋お願い」

とすると「無礼なお願いで申し訳なく思いますが＋お願い」の意味となります。

使い方はたとえば、

返信／連絡してほしい時のメール結び
例文「不躾なお願いで恐縮ですが、ご連絡（ご返信・ご回答・お返事）いただければ幸いです。」
例文「不躾なお願いで大変恐縮ですが、ご返信いただけましたら幸いです。」
出席／参加してほしい時のメール結び
例文「不躾なお願いで恐縮ですが、ご参加（ご出席）いただければ幸いです。」
例文「不躾なお願いにて恐縮ですが、ご参加（ご出席）いただけますと幸甚です。」
教えてほしい時
例文「不躾なお願いにて大変恐縮ですが、どうかご教示いただけますと幸いです。」
例文「不躾なお願いで恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸甚に存じます。」
対応してほしい時
例文「不躾なお願いで大変恐縮ですが、何卒ご対応いただければ幸いです。」
例文「不躾なお願いで恐縮ではございますが、お取り計らいの程お願い申し上げます。」
検討してほしい時
例文「不躾なお願いで恐縮ですが、何卒ご検討いただければと存じます。」
例文「不躾なお願いで恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。」

のように依頼すると目上なり上司・取引先への配慮が感じられてすばらしく丁寧ですね。

使い方②”不躾なお願いで申し訳ございませんが”など

「不躾なお願い」の使い方。

意味は「無礼なお願いですみませんが」であり「申し訳ございません」をつけくわえただけで言いたいことは使い方①とまったく同じです。

使い方は「不躾なお願いで申し訳ありませんが＋お願い・依頼」の形にしてお願いメールの結びにつかうと丁寧です。

たとえば、

【例文】不躾なお願いで申し訳ありません。どうかよろしくお願い致します。
【例文】不躾なお願いで申し訳ありませんが、ご対応いただければ幸いです。
【例文】不躾なお願いで申し訳ありませんが、ご検討いただけますと幸いです。
【例文】不躾なお願いで申し訳ありませんが、お時間をいただけますと幸いです。

のように依頼すると目上なり上司・取引先への配慮が感じられてすばらしく丁寧ですね。

使い方③”不躾なお願いとは存じますが”など

「不躾なお願い」の使い方。

あるいは「思う」の意味の敬語「存じる」をくっつけて、

例文「不躾なお願いとは存じますが＋お願いフレーズ」
例文「不躾なお願いとは存じますが＋お願い」

とすると「不躾なお願いとは思いますが＋お願い」の意味となります。例文は重複するため省略します。シンプルに言い換えてつかいます。

あるいは単に「不躾とは存じますが」としてもまぁOKです。

ただし。

申し訳なく思う気持ちをハッキリと示している点において「不躾とは存じますが」よりも「不躾なお願いで恐縮ですが・申し訳ございませんが」のほうが丁寧と言えます。

不躾なお願いでなければ言い換えする

あとは使い方というよりも「不躾なお願い」をつかう際の注意点をすこし。

すでに解説したとおり「不躾なお願い」は「無礼なお願い」の意味であるため、シーンを選んでつかう必要あり。

大して失礼にあたらないようなお願いにもかかわらず「不躾なお願い」ではそれこそ不躾ですね。

そんなときには、

ご多忙のところ恐縮ですが（＝とても忙しい最中に申し訳ないと思いますが）
【例文】ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご対応いただければ幸いです。
【例文】ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認いただきますようお願い致します。
お忙しいところ恐れ入りますが（＝忙しい最中に申し訳ないと思いますが）
【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご参加（ご出席）くださいますようお願い申し上げます。
【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご連絡（ご返信・お返事）いただければ幸いです。
【例文】お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただきますようお願い致します。
お手数＋お願い（＝手間をかけますが）
【例文】お手数お掛けしますが、ご確認いただけましたら幸いです。
【例文】お手数ではございますが、ご教示いただければ幸いです。
【例文】お手数お掛け致しますが、ご査収の程よろしくお願い致します。
ご無理を申し上げ恐縮ですが＋お願い（＝無理を言って申し訳ないと思いますが）
【例文】ご無理を申し上げ恐縮ですが、ご対応いただけましたら幸いです。
【例文】ご無理を申し上げ恐縮ですが、お取り計らいいただければ幸いです。
【例文】ご無理申し上げ恐縮ですが、ご対応の程よろしくお願い致します。