「拝見したいです」と言いたい時につかえる丁寧な敬語を紹介する記事。
まずは簡単にまとめ。
「拝見したいです」と言いたいときにはビジネスシーンにおうじて以下のような敬語をつかうと丁寧。
- 【丁寧】拝見したく存じます。
- 【かなり丁寧】拝見いたしたく存じます。
- 【かなり丁寧】拝見させてください。
- 【バカ丁寧】拝見させていただきたく存じます。
- 【その他】拝見してもよろしいでしょうか。/拝見できればと存じます。他
ざっくりとした解説はこれにて終了。
くわしくは本文中にてそれぞれの敬語の意味と使い方、注意点を述べていきます。
※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。
①拝見したく存じます
「拝見したい」と言いたい時につかえる丁寧な敬語、その1「拝見したく存じます」。
意味と使い方・例文
「拝見したく存じます」の意味は「見たいと思います」。
敬語をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンス。「見たいです!」と直接的に言うのではなく「見たいと思います」とすることでやんわ~りとしたお願いのフレーズになりますね。
- 【例文】安全上の理由によりお手荷物の中身を拝見したく存じます。
- 【例文】製造ラインを拝見したく存じます。
- 【例文】よろしければ現場を拝見したく存じます。
- 【例文】資料を拝見したく存じます。
- 【例文】まずは製品カタログを拝見したく存じます。
たとえば上記のように上司や目上・取引先を前にして「何かしら見たいと思います」というビジネスシーン(メール・会話・電話対応)につかうと丁寧です。
どの例文も社内メールで目上(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現。
敬語の補足
※「存じる」は「思う」の意味の敬語(謙譲語)。「~したく存じます」だと「~したいと思います」の意味になる。
②拝見いたしたく存じます
「拝見したい」と言いたい時につかえる丁寧な敬語、その2「拝見いたしたく存じます」。
意味と使い方・例文
「拝見いたしたく存じます」の意味は「見たいと思います」。
使い方は「拝見したく存じます」とおなじ。
ただ「拝見したく」の部分にさらに敬語をつかい「拝見いたしたく」としているため、こちらの方が丁寧です。
- 【例文】安全上の理由によりお手荷物の中身を拝見いたしたく存じます。
- 【例文】製造ラインを拝見いたしたく存じます。
- 【例文】よろしければ現場を拝見いたしたく存じます。
- 【例文】資料を拝見いたしたく存じます。
- 【例文】まずは製品カタログを拝見いたしたく存じます。
たとえば上記のように上司や目上・取引先を前にして「何かしら見たいと思います」というビジネスシーン(メール・会話・電話対応)につかうと丁寧です。
どの例文も社内メールで目上(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現。
敬語の補足
※「いたしたく」は「する」の謙譲語「いたす」に希望・願望の「~たい」をくっつけた敬語
※「存じる」は「思う」の意味の敬語(謙譲語)。「~したく存じます」だと「~したいと思います」の意味になる。
③拝見させてください
「拝見したい」と言いたい時につかえる丁寧な敬語、その3「拝見させてください」。
意味と使い方・例文
「拝見させてください」の意味は直訳すると「見させてください」。ようは相手から「見ることを許してほしい」という許可をえるような感じのニュアンスになります。
使い方は「拝見したく存じます」や「拝見いたしたく存じます」とおなじ。
ただし許可をえるときの敬語フレーズ「させてください」をつかっているため、こちらの方が丁寧です。
- 【例文】安全上の理由によりお手荷物の中身を拝見させてください。
- 【例文】よろしければ製造ラインを拝見させてください。
- 【例文】よろしければ現場を拝見させてください。
- 【例文】まずは資料を拝見させてください。
- 【例文】まずは製品カタログを拝見させてください。
たとえば上記のように「何かしら見たいです」というビジネスシーン(メール・会話・電話対応)につかうと丁寧です。
どの例文も社内メールで目上(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現。
敬語の補足
※「させてください」は「させてくれ」の尊敬語「させてくださる」を命令形にした敬語
④拝見させていただきたく存じます
「拝見したい」と言いたい時につかえる丁寧な敬語、その4「拝見させて頂きたく存じます」。
意味と使い方・例文
「拝見させて頂きたく存じます」の意味は直訳すると「見させてもらいたいと思います」。ようは相手に「見ることを許してほしい」という許可をえるような感じのニュアンスになります。
使い方はこれまでとおなじ。
ただしあまりに遠まわしすぎてうっとおしく感じられるフレーズです。シーンを選んで慎重につかう必要があるため、敬語ビギナーはこれまで紹介した例文をつかいましょう。
敬語の補足
※「させていただきたく」は「させてもらいたい」の謙譲語
※「存じる」は「思う」の意味の敬語(謙譲語)。「~したく存じます」だと「~したいと思います」の意味になる。
⑤拝見してもよろしいでしょうか?など
「拝見したい」と言いたい時につかえる丁寧な敬語、その5「拝見してもよろしいでしょうか」。
「拝見してもよろしいでしょうか」の意味は「見てもいいでしょうか?」。ようは相手に「見ることを許可してほしい」という許可をえるような感じのニュアンスになります。
使い方はこれまでとおなじため省略しますが、シンプルに言い換えてつかえます。
その他いろいろ
あとは。
ほかにも「拝見したい」ときにつかえそうな敬語フレーズをまとめておきます。ご参考にどうぞ。
- 【例文】拝見できますでしょうか?
※意味は「見ることができるでしょうか?」つまり「見てもいいですか?」 - 【例文】拝見できればと存じます。
※意味は「見ることができたらと思います」
【注意点】”拝見”はこう使う!
つづいて「拝見」の使い方というか注意点について簡単に。
①”ご拝見”は二重敬語!
「拝見」をつかうときの注意点その一。
もっとも初歩的な敬語の使い方なのですが…「ご拝見」はNGです。
「拝見」はすでに「見ること」の敬語(謙譲語)なのに、さらに謙譲語「ご」をくわえてしまっています…
結果として「見ること」に①謙譲語「拝見」+②謙譲語「ご」としており二重敬語になりますね。※二重敬語とはひとつの単語におなじ種類の敬語を2回つかうことでありNGです。
あるいは。
「お(ご)~する」のひとかたまりを謙譲語として見たとき。「ご拝見しました」でもいいんじゃないのか?とする意見もあります。ただ「~」の謙譲語が「お(ご)~する」だという解釈を適用した場合には「拝見」が謙譲語であるため、そもそも二重敬語ということになります。
②”拝見してください”は間違い敬語!
「拝見」をつかうときの注意点その二。
こちらも初歩的な敬語の使い方なのですが…「見てほしい!見てください!」と言いたいときに「拝見してください!」は間違い敬語です。
「拝見」は謙譲語であるため自分の行為につかい相手の行為にはつかいません。※例外あり
たとえば以下の使い方は間違い敬語となりNGです。十分にお気をつけください。
- NG例×上司なり目上・取引先が拝見しました「添付のレポートを拝見してください」
- NG例×上司なり目上・取引先に拝見いただく「お手元の資料を拝見していただけますか」
相手の行為には基本的に謙譲語ではなく尊敬語をつかいます。※例外あり
したがって相手に見てほしいときには。
見ることの尊敬語「ご覧くださる」や例外的に謙譲語「ご覧いただく」をつかいます。以下のようにすると正しい敬語になりますね。
- 正しい例◎「添付のレポートをご覧ください」
- 正しい例◎「まずはお手元の資料をご覧ください」
いずれも上司なり目上・取引先に何かしら「見てください・見てほしい」といいたいときに使える敬語になります。
③”拝見いたします”は二重敬語ではない!
あとは注意点というよりもよくある敬語の勘違いについて。
「拝見いたします」は二重敬語だから誤りだという意見もあります。ただし答えは二重敬語ではなく100%正しい敬語です。
なぜ「拝見いたします」が間違い敬語のように感じてしまうかというと…
「拝見」はすでに謙譲語であり、さらに「する」の謙譲語「いたす」をつかって「拝見いたす」としているから…
「拝見=謙譲語」×「いたす=謙譲語」
「拝見いたします」は「謙譲語 x 謙譲語」だから二重敬語??
このようなロジックで二重敬語だという意見がでてくるのかと。
ただし答えは…「二重敬語ではない」です。
二重敬語とは「ひとつの語におなじ敬語を二回つかうこと」であり敬語のマナー違反です。
たとえば「お伺いいたす」「お伺いする」などが二重敬語の例。「行く・尋ねる」の謙譲語「伺う」をつかっているのに、さらに「お〜いたす」「お〜する」という謙譲語をつかっているためです。
ところが。
「拝見いたす」は以下のように「①見ること」「②する」という2つの異なる単語にそれぞれ謙譲語を用いているため二重敬語ではなく、正しい敬語の使い方をしているのですね。
①「拝見」=「見ること」の意味の謙譲語(単体では名詞)
②「いたす」=「する」の意味の謙譲語
くわしくは以下の記事にて。
④”拝見させて頂く”も正しい敬語だが…
あとはこちらもよくある敬語の勘違い。
「拝見させていただく」「拝見させていただきます」は二重敬語だから誤りだという意見もあります。ただし答えは二重敬語ではなく100%正しい敬語です。
「拝見させていただく」は以下のように「①見ること」「②させてもらう」という2つの異なる単語にそれぞれ謙譲語を用いているため二重敬語ではなく、正しい敬語の使い方をしているのですね。
①「拝見」=「見ること」の意味の謙譲語(単体では名詞)
②「させていただく」=「させてもらう」の意味の謙譲語
ただし。
使うシーンによっては日本語としておかしくなるため注意が必要。
「拝見させていただく」の意味は「見させてもらう」ということですから、何かしら相手にとって不都合なことにたいして許可を得るようなニュアンスです。
たとえば。
○「部長のご自宅を拝見させていただきました」としたとき。上司が自宅を大々的に自慢しているわけでないのでしたら、上司のプライバシーにかかわることです。そんなときには「自宅を見させてもらったよ、許してね」というニュアンスで「拝見させていただく」をつかうのは何ら問題ではありません。正しい日本語の使い方です。
ところが。
×「貴社ホームページを拝見させていただきました」とした場合。会社としてはお客さんなり誰かしらに訪れてもらうためにホームページを作っているわけです。それなのにこの使い方だと「ホームページ見させてもらったよ、許してね」というようようなニュアンスになります。
もし会社のホームページが極秘情報や会社のスキャンダルで埋められていて誰にも見られたくないようなものであれば、「ホームページを拝見させていただきました」でもまぁよいでしょう。ところが常識的にはそうじゃない訳です。
したがってこんな時には「ホームページを拝見しました/拝見しました」が正しい日本語の使い方ということになります。
【例文】ビジネスメール全文
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「拝見したい」ときのビジネスメール例文を全文でご紹介。
どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
ビジネスメール例文①工場見学のお願い(to社外)
メール件名:貴社工場見学のお願い
株式会社ビジネス
営業部 xx課長 (社外取引先)
平素はお世話になっております。
(株)転職・ノマドです。
標記の件、このたび弊社ではコンプライアンス意識の高まりから製造現場環境調査の一環として、主要なサプライヤー様に工場見学をお願いしております。
つきましてもしご迷惑でないようでしたら、以下の要領で製造現場を拝見させていただきたく存じます。
記
①背景・目的:
②内容:
③その他:
以上
不躾なお願いにて大変恐れ入りますが、
ご検討いただけますと幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
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メール署名
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ビジネスメール例文②提案メールに対して返信(to社外)
メール件名:返信Re: 新規製品リリースのご案内
株式会社ビジネス
営業部 xx課長 (社外取引先)
平素はお世話になっております。
(株)転職・ノマドです。
このたびはご案内いただき誠にありがとうございます。
さて、ご案内の新製品に関しまして大変興味があり、もしカタログや詳細な技術資料などがありましたら一度拝見いたしたく存じます。
不躾なお願いにて大変恐れ入りますが、
送付いただければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
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メール署名
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