「ご来園いただきたく存じます」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご来園いただきたく存じます」は「来園してもらいたいと思います」という意味。

ようは「来園してほしい!」「来園してください!」と言いたいわけですが・・・丁寧な敬語にするとこんな風にややこしい表現になります。

使い方は何かしら来園してほしいときのお願い・依頼ビジネスメール。社内上司や目上にかぎらず社外取引先にもつかえる丁寧なフレーズです。

くわしくは本文にて意味や敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方、ビジネスメール例文、注意点を解説していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

意味と敬語

「ご来園いただきたく存じます」は「来園してもらいたいと思います」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

“来園”の意味

来園(らいえん)の意味は…

動物園・遊園地など、「園」という名のつく所に来ること。

たとえば、

【例文】本日はお足元の悪い中、ご来園いただき誠にありがとうございます。

【例文】東山動物園にご来園の皆さまへ

のようにして使います。

“ご来園いただきたく”の意味は「来園してもらいたい」

まずは前半部分。

“ご来園いただきたく〜”の意味は、

来園してもらいたい

来園してもらいたく

のように解釈できます。

「ご来園」のもととなる単語は「来園」であり、「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」をつかって敬語にしています。

「いただきたく」の部分は謙譲語「いただく」に意思・希望「〜したい」をつかっています。

ここで「ご来園」の「お(ご)」の部分は向かう先を立てるために使う敬語であり謙譲語の「お(ご)」です。

余談ですが尊敬語にも「お(ご)」の使い方があり混同しがち。

難しく感じるかたは「お(ご)●●いただく」のセットで謙譲語とおぼえておきましょう。

なお表記は、

漢字表記「ご来園頂きたく」vs. ひらがな表記「ご来園いただきたく」の両方ともOK。どちらをつかっても正しい敬語です。

“存じます”の意味は「思います」

つづいて後半部分。

“存じます”の意味は「思います」

“思う”の敬語(謙譲語)「存じる」に丁寧語”ます”をつかって敬語にしています。

あわせると意味は「来園してもらいたいと思います」

  1. ご来園 = 来園すること
  2. お(ご)~いただきたく = 「〜してもらいたい」の意味の敬語(謙譲語)
  3. 存じます = 「思います」の意味の敬語(謙譲語)

※漢字表記「ご来園頂きたく」vs. ひらがな表記「ご来園いただきたく」の両方ともOK。

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「ご来園いただきたく存じます」の意味は…

「来園してもらいたいと思います」

であり、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「来園してください!」とストレートに言うのではなく遠回しに自分の意思や気持ちをつたえる、とても丁寧なフレーズですね。

ニュアンスとしては「来園してもらいたいと思うのだけど…」みたいなイメージ。

あまりに堅苦しくて大げさかもしれませんが、とにかく目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズになります。

敬語の解説

ややこしいので、これまでの敬語の解説をまとめておきます。

「ご来園いただきたく存じます」を敬語としてみていくと以下のとおりに成り立ちます。

  • もとになる単語「来園」
  • “〜してもらう”の謙譲語”お(ご)〜いただく”で「ご来園いただく
  • 意思・希望”〜したい”で「ご来園いただきたい
  • “思う”の謙譲語「存じる」に丁寧語”ます”をくっつけて「存じます

→ すべてあわせると「ご来園いただきたく存じます」という敬語の完成

このようにして元になる語「来園」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

なお「ご来園していただきたく存じます」は間違い敬語となりますのでご注意を。

この場合、謙譲語「お(ご)」をなくして「来園していただきたく存じます」とすれば正しい敬語になります。

理由は長くなるので省きますが、あくまでも「ご来園いただきたく存じます」をつかうことをオススメします。

それでは次項より使い方についても見ておきましょう。

【使い方】来園してほしい!と伝えるビジネスシーン

「ご来園いただきたく存じます」の使い方は…

意味のとおりで何かしら「来園してほしい!」と言いたいビジネスシーンに使います。

①おもにビジネスメールに使われる

「ご来園いただきたく存じます」の使い方その1

「ご来園いただきたく存じます」にかぎらず「〜いただきたく存じます」という表現は電話対応や商談よりも、どちらかというとビジネスメールで多くつかいますね。

会話でつかうにはあまりに堅苦しいフレーズだからです。

だからと言って電話対応などにつかったら失礼とかではなく、堅苦しいというだけ。

ようするにビジネスメールで上司や目上・社外取引先に「来園してほしい!」と言いたいシーンであれば使えます。

②電話対応・会話では”ご来園いただけますか?”など推奨

「ご来園いただきたく存じます」の使い方その2

わたし個人としては電話対応や会話シーンに「ご来園いただきたく存じます」のような堅苦しいフレーズをつかうのがあまり好きではありません。

そこで、

  • 【例文】ご来園ください
  • 【例文】ご来園くださいませ
  • 【例文】ご来園いただけますか?
  • 【例文】ご来園いただけますでしょうか?

など会話シーンにふさわしい、ちょっとカジュアルな敬語をつかって意思や希望をつたえますね(下の例文ほど丁寧な敬語になります)。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「~いただけますか?」の意味は「~してもらえますか?」

※「~いただけますでしょうか?」の意味は「~してもらえますでしょうか?」

敬語の補足

念のため「ご来園いただけますか?」「ご来園いただけますでしょうか?」の敬語について少し。

  • “来園”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご来園いただく」
  • 可能形にして「ご来園いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「ご来園いただけます」
  • 疑問形にして「ご来園いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご来園いただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも十分に丁寧です。

“ご来園いただければと存じます”だとなお丁寧

“来園してほしい!”と言いたいときに使える敬語。

「ご来園いただきたく存じます」でも十分に丁寧ではありますが…

「ご来園いただければと存じます」とすると、より丁寧な敬語になります。

意味と敬語

どちらも言いたいことは結局のところ「来園してほしい」なのですが…

「ご来園いただければと存じます」の意味は…「来園してもらえたらと思います」

謙譲語「ご来園いただく」を可能形にして「ご来園いただける」とし、

さらに仮定の「たら・れば」をくっつけると「ご来園いただければ」という敬語の完成。

かな〜り遠回しにお願いをしているわけで、目上・上司・取引先への言葉づかいとしてはこの上なく丁寧ですね。

そんなに丁寧にする必要あるの?って思うくらい。

違いと使い分け

「ご来園いただきたく存じます」vs.「ご来園いただければと存じます」の違いと使い分けについて簡単に。

  • 「ご来園いただきたく存じます」だと意味は「来園してもらいたいと思います」
    → 敬語は”お(ご)~いただく”+希望”~したい”+謙譲語”存じる”+丁寧語”ます”

いっぽうで、

  • 「ご来園いただければと存じます」の意味は「来園してもらえたらと思います」
    → 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形”いただける”仮定”たら・れば”+謙譲語”存じる”+丁寧語”ます”

「ご来園いただきたく存じます」だと「~してもらいたい」と言いながらも「思います」として、遠回しにあなたの希望を伝える敬語にしています。

いっぽうで、

「ご来園いただければと存じます」だと「~してもらえたらと思います」というように、もっと遠まわしかつ大げさなお願いのフレーズになります。

まぁ、どちらも丁寧な敬語であり使い分けの必要はありませんが…

より丁寧なメールがもとめられるシーンでは「ご来園いただければと存じます」を使うとよいでしょう。

シンプルに”ご来園いただきたくお願い致します”でも丁寧

“来園してほしい!”と言いたいときに使える敬語。

「ご来園いただきたく存じます」「ご来園いただければと存じます」だけでなく、

「ご来園いただきたく、お願い致します」もあります。

言いたいことは結局のところ「来園してほしい」なのですが…

“存じます”ばかりのメールは気持ち悪い

ビジネスメールで「存じます」つまり「思います」を多用すると気持ち悪い文章になってしまいます。あなたの意思が伝わらずぼんや〜りとしたメールになって「結局なにが言いたいの?」ということになりかねません。

そんなときに活躍するのが「ご来園いただきたく、お願い致します」です。

「ご来園いただきたく存じます」だと「来園してもらいたいと思います」という意味であり、

「ご来園いただきたく、お願い致します」だと「来園してもらいたい、お願い!」というような意味になります。

敬語としてはどちらも、これでもかというくらい丁寧なので使い分けする必要はありません。

文章のバランスを考えてお好みでお使いください。

なお「ご来園いただきたく、お願い致します」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

敬語の解説

一応「ご来園いただきたく、お願い致します」の敬語の成り立ちをまとめておきます。

  • もとになる単語「来園」
  • “〜してもらう”の謙譲語”お(ご)〜いただく”で「ご来園いただく
  • 意思・希望”〜したい”で「ご来園いただきたい
  • “願う”に謙譲語”お(ご)〜いたす”で「お願いいたす
  • 丁寧語”ます”をくっつけて「お願いいたします

→ すべてあわせると「ご来園いただきたく、お願いいたします」という敬語の完成

※「お願い申し上げます=お願いいたします」言い換えOK

※「お願いいたします」の表記は漢字「お願い致します」としてもOK

謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。

もっとシンプルに”ご来園をお願い致します”でもOK

“来園してほしい!”と言いたいときに使える敬語。

あとはシンプルに、

  • 【例文】ご来園をお願い致します/ご来園をお願い申し上げます
  • 【例文】ご来園をお願いします

としてもOKです。

意味としては「来園をお願いします!」であり、

言いたいことは結局のところ「来園してほしい」となります。

社内メールや懇意にしている取引先につかう

基本の使い方はこれまでとおなじ。

なにかしら「来園してほしい!」というときに使います。

とくに懇意にしている社外取引先や社内コミュニケーション(上司・目上)であれば、そこまで堅苦しい敬語をつかう必要はありません。

あまりに丁寧すぎる敬語は相手との間に壁をつくってしまいますからね。

ということで相手をみてシンプルに「ご来園をお願い致します」としてもなんら問題はありません。

※ ただし上下関係に厳しい上司・目上や初めての相手には丁寧すぎるくらいの敬語がオススメです。

ほかにも使える丁寧な敬語

これまで紹介した例文のほかにも…

  • 【例文】ご来園いただければ幸いです
    ※意味は「来園してもらえたら嬉しいです」
  • 【例文】ご来園いただけますと幸いです
    ※意味は「来園してもらえると嬉しいです」
  • 【例文】ご来園いただけましたら幸いです
    ※意味は「来園してもらえたら嬉しいです」
  • 【例文】ご来園いただければ幸甚に存じます
    ※意味は「来園してもらえたら、とても嬉しく思います」
  • 【例文】ご来園いただけますと幸甚に存じます
    ※意味は「来園してもらえると、とても嬉しく思います」
  • 【例文】ご来園いただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「来園してもらえたら、とても嬉しく思います」

なども似たような意味であり、とても丁寧な敬語です。

補足

※ 幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

※ 「幸い」は「幸せであること、嬉しい気持ち」の意味

※ 「存じる」は「思う」の謙譲語

※ 「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」

※ 「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」

※ 「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

ビジネスメール例文

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「ご来園いただきたく存じます」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

なおビジネスメールにおいては以下の敬語もオススメです。

① それなりに丁寧「ご来園くださいませ」

② 丁寧「ご来園いただければと存じます」

③ かなり丁寧「ご来園いただければ幸いです」など

④ ↓とくにビジネスメール結び/文末につかう↓

「ご来園頂きますようお願い申し上げます」

「ご来園くださいますようお願い致します」

「ご来園のほど宜しくお願い致します」

ビジネスメール例文①来園のお願い

メール件名:入園料最大50%オフ!プロモーション

●● 様(社外取引先)

いつも楽天ショップをご利用いただき誠にありがとうございます。
東山動物園PR事務局 ノマドでございます。

本日は「入園料最大50%オフ!!」、楽天会員様だけの特別なプロモーションのご案内をいたします。

=PR情報=

内容:入園料最大50%オフ!
条件:楽天会員証をご提示くださいませ
期間:8月1日~31日

=以上=

ぜひ夏季休暇の家族旅行プランにご検討くださいませ。

それではご来園をお待ちしております。
よろしくお願い申し上げます。

************
メール署名
************

ビジネスメール例文②来園のお願い

メール件名:授業参観開催のお知らせ

保護者の皆さま

平素はお世話になっております。
ノマド幼稚園 園長 ノマドでございます。

さて、恒例となっておりますお子様の授業参観を下記のとおり開催いたします。

ご多忙の折とは存じますが、お時間の許す限りぜひご来園いただけますと幸いです。

(省略)

以上

ご不明な点等ございましたらお申し付けください。

よろしくお願い致します。

************
メール署名
************

ビジネスメール例文③来園のお礼

メール件名:ご来園のお礼

保護者の皆さま

平素はお世話になっております。
ノマド幼稚園 園長 ノマドでございます。

先日はご多忙のところご来園いただき誠にありがとうございました。

さて当日にご紹介しました弊園の概要パンフレットを送付いたします。

ぜひご入園をご検討いただけますと幸いです。

大変略儀ではございますが、まずはお礼方々ご挨拶申し上げます。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

************
メール署名
************

結局どれがもっとも丁寧?