「ご理解ください」よりも丁寧な言い換え敬語・メール例文

「ご理解ください」は上司・目上に失礼?

ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?

とご心配のあなたへ。

「ご理解ください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…

時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。

会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。

より丁寧な言い換えにはたとえば、

  • 例文①ご理解くださいませ
  • 例文②ご理解をお願い致します
  • 例文③ご理解いただきたく存じます
  • 例文④ご理解のほどお願い申し上げます
  • 例文⑤ご理解いただきますようお願い申し上げます
  • 例文⑥ご理解くださいますようお願い申し上げます
  • 例文⑦ご理解いただけますか?ご理解いただけますでしょうか?
  • 例文⑧ご理解いただければ幸いです
  • 例文⑨ご理解賜りますようお願い申し上げます(”賜る”の読みは”たまわる”)

などあり。

これらの言い換えの丁寧レベルとしては「ご理解くださいませ」がもっとも低く例文⑧⑨がもっとも丁寧。

あとはどれも似たようなものです。

また「お察しくださる・お察しいただく」や「ご高察・ご賢察」をつかった言い換えもできます。

さらには「ご了承」をつかった言い換えもできます。

くわしくは本文にて。

それでは、

「ご理解ください」の意味、目上につかえるより丁寧な言い換え敬語、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

この記事の目次

意味・敬語の解説

「ご理解ください」は「理解してほしい」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

理解の意味は”察すること”

理解(読み:りかい)のそもそもの意味は…「意味・内容をのみこむこと」
「他人の気持ちや立場を察すること」

「理解」に尊敬語or謙譲語の「お(ご)」を使うと「ご理解」という敬語の完成。

「自分がご理解する」のであれば謙譲語の「お(ご)」

上司・目上・社外取引先などの「相手がご理解くださる」のであれば尊敬語の「お(ご)」

というように2パターンあります。

ちなみに、

ビジネスシーンで「ご理解ください」として使われるときには「意味・内容をのみこんでもらいたい」「察してもらいたい」のどちらの意味としても解釈できます。

ただし、

とくに謝罪やお詫びをともなうビジネスシーンでは「ご理解」よりも「ご容赦=許すこと」「ご了承=理解し承諾すること」をつかったほうがより丁寧です。

「ご理解ください」の意味は「理解してくれ」

「ご理解ください」のそもそもの意味は…

「理解してほしい」
「理解してくれ」

※ 理解の意味は「意味・内容をのみこむこと」「他人の気持ちや立場を察すること」

このように解釈できます。

ここで「ご理解」の”お(ご)”は尊敬語。尊敬語をつかっているため自分の行為ではなく、相手に「理解してくれ!」「理解してほしい!」という意味になります。

使い方は文字どおり上司や目上・取引先になにかしら理解してほしいときのビジネスシーンで使われます。

なお「ご理解してください」は間違い敬語であるためご注意を。

「ご理解ください」の敬語の種類

「ご理解ください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「理解」に尊敬語”お(ご)”で「ご理解」
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「ご理解くださる」
  • さらに命令形にして「ご理解ください」

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「理解」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分がご理解する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご理解くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

なお「ご理解してください」は間違い敬語であるためご注意を。

強い口調となる敬語”ご理解ください”

ここでひとつ注意点を。

「ご理解ください」だけでなく「お(ご)~ください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。

なぜなら「ください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。

極端なたとえですが、よく母親が子供に

「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」

といっているのを耳にします。

「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。

尊敬語”くださる”の命令形「お(ご)~ください」と似たような成り立ちです。

どちらかというと「お(ご)~ください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。

もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。

私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。

だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。

で、

シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…

本当にむずかしいのですよね。

したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。

いろんな敬語を知っておくことが重要

もっとも重要なことは、

いろんな敬語フレーズを知っておくこと。

そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を選ぶことができるようになります。

社内の上司にメールするときは「ご理解ください」をつかい、取引先にメールするときは「ご理解いただければ幸いです」をつかい…

というような感じ。

引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。

そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。

覚えておくと必ず役に立つことでしょう。

丁寧な言い換え敬語

ここまでの解説で「ご理解ください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。

ここからは、

じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?

という点についてみていきます。

①ご理解くださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解くださいませ」

意味は『理解してください』

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

※「お察しくださいませ」「ご高察・ご賢察~」に言い換えてもOK

尊敬語「ご理解くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「ご理解ください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

②ご理解いただきたく、お願い致します

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解いただきたく、お願い致します」
    →意味は『理解してもらいたい、お願いします』

あるいは単に、

  • 例文「ご理解をお願い致します」
    →意味は『理解をお願いします』

としてもOKです。

※「お願い申し上げます」としても丁寧

※「よろしくお願い致します」というようにしても丁寧

※「お察しいただきたくお願い致します」に言い換えできます。

いずれもシンプルかつ丁寧な敬語フレーズであり、ビジネスメールや電話対応でよくつかうフレーズです。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+希望「~したい」

③ご理解いただければと存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解いただければと存じます」

意味は『理解してもらえたらと思います』

※「お察しいただければと存じます」に言い換えOK

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

④ご理解いただきたく存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解いただきたく存じます」

意味は『理解してもらいたいと思います』

※「お察しいただきたく存じます」としても丁寧

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑤ご理解いただければ幸いです

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解いただければ幸いです」

意味は『理解してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『理解してもらえたら嬉しいです』

※「お察しいただければ幸いです」としても丁寧

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」

「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「ご理解いただけますと幸いです」
  • 例文「ご理解いただけましたら幸いです」
  • 例文「ご理解いただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご理解いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご理解いただければ幸甚に存じます」
  • 例文「ご理解いただけますと幸いです」
  • 例文「ご理解いただけますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑥ご理解くださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご理解くださいますようお願い致します」

意味は『理解してくれるようお願いします』

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

※「お察しくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

  1. ご査収くださいますようお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」
  2. ご検討くださいますようお願い申し上げます
    意味「検討してくれるようお願い!」
  3. ご確認くださいますようお願い申し上げます
    意味「確認してくれるようお願い!」
  4. ご了承くださいますようお願い申し上げます
    意味「納得してくれるようお願い!」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑦ご理解いただきますよう・賜りますよう〜

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご理解いただけますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご理解賜りますようお願い申し上げます」

意味はどちらも『理解してもらうようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

※「お察しいただきますようお願い申し上げます」としても丁寧

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜賜る」+丁寧語”ます”+”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑧ご理解のほどお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「ご理解ください」の言い換え敬語

  • 例文「ご理解のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご理解のほどお願い致します」

意味は「理解してくれるようお願いします」となります。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「ご理解のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご検討のほどお願い申し上げます
    意味「検討してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

⑨~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「ご理解をお願い致します
    ※意味は「理解をお願いする」
  • 例文「ご理解いただきたく、お願い致します
    意味は「理解してほしい、お願いします」
  • 例文「ご理解いただけましたら幸いです
    ※意味は「理解してもらえたら嬉しいです」
  • 例文「ご理解いただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「理解してもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご理解いただければ幸甚に存じます
    ※意味は「理解してもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご理解いただけますか?
    ※意味は「理解してもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「ご理解いただけますでしょうか?
    ※意味は「理解してもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「ご理解いただけますと幸いです
  • 例文「ご理解いただけますと幸甚に存じます
  • 例文「ご理解賜りますと幸いです
  • 例文「ご理解賜りますと幸甚に存じます
  • 例文「ご理解賜れましたら幸いです
  • 例文「ご理解賜れましたら幸甚に存じます

※すべて「お察しいただく・お察しくださる」を使ったフレーズに言い換えOK

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

ビジネス会話・電話対応では”ご理解いただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「ご理解くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】ご理解いただけますか?
  • 【例文】ご理解いただけますでしょうか?
  • 【例文】ご理解願えますでしょうか?

※もちろん “ご理解ください”or”ご理解くださいませ” としてもOK

※すべて「お察しいただく・お察しくださる」を使ったフレーズに言い換えOK

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「理解してもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

ご理解いただけますか?」「ご理解いただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “理解する”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「ご理解いただく」
  • 可能形にして「ご理解いただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「ご理解いただけます」
  • 疑問形にして「ご理解いただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご理解いただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「ご理解ください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

例文①営業時間変更のお知らせメール

メール件名: 営業時間変更のお知らせ

◯◯株式会社
△△ 様

お世話になっております。
転職会社の転職太郎です。

さて首記の件、夏季休業にともない営業時間を以下のとおりに変更させていただきます。

ご迷惑をおかけし大変恐れ入りますが、
ご理解くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

  • 期  間 8月10日から15日まで
  • 営業時間 9:00-12:00

なお8月16日より通常の営業時間にて対応いたしております。
上記期間中、大変ご迷惑をおかけ致しますが、ご了承いただければ幸いです。

以上

メール署名

例文②お知らせメール

メール件名: システムメンテナンスのお知らせ(8/10 AM1:00-6:00)

◯◯株式会社 御中

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

さて首記の件、
以下日程においてシステムメンテナンスを実施いたします。

  1. 日程
    2017年8月10日(金)AM1:00~6:00
  2. メンテナンスの影響
    人事、配送、販売システムはご利用できません

上記時間帯におきまして
一部システムの利用が制限されますのが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

大変ご迷惑をおかけ致しますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

メール署名

「ご理解ください」をムリやり使ってみましたが、上からくる感じになってビミョーですね。できるだけ「ご了承・ご容赦」に言い換えしましょう。

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご理解」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを!

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「ご理解」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうか
    例文「どうかご理解くださいますようお願い申し上げます」
    例文「どうかご理解くださいますようお願い致します」
    例文「どうかご理解いただければ幸いです」
    例文「どうかご理解いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 何卒=どうか
    例文「何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます」
    例文「何卒ご理解くださいますようお願い致します」
    例文「何卒ご理解いただければ幸いです」
    例文「何卒ご理解いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「ご理解」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • 恐縮=申し訳なく思うこと
    「恐縮ではございますがご理解〜」
    「大変恐縮ではございますがご理解〜」
    「たびたび恐縮ではございますがご理解〜」
  • 恐れ入る=申し訳なく思う
    「恐れ入りますがご理解〜」
    「大変恐れ入りますがご理解〜」
    「たびたび恐れ入りますがご理解〜」
  • 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがご理解〜」
  • ご無理申し上げる = 無理を言う
    「ご無理申し上げますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます」
  • ご迷惑お掛けしますが=迷惑をかけるけど
    「ご迷惑お掛けしますがご理解〜」
    「ご迷惑お掛けいたしますがご理解〜」
  • ご不便お掛けしますが=不便をかけるけど
    「ご不便お掛けしますがご理解〜」
    「ご不便お掛けいたしますがご理解〜」

結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご理解ください
  2. ご理解くださいませ
  3. ご理解いただけますか?
  4. ご理解いただけますでしょうか?

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご理解ください
  2. ご理解くださいませ
  3. ご理解いただけますか
  4. ご理解いただけますでしょうか
  5. ご理解をお願い致します
  6. ご理解いただきたく、お願い致します
  7. ご理解いただきたく存じます
  8. ご理解いただければと存じます
  9. ご理解のほどお願い申し上げます
  10. ご理解くださいますようお願い申し上げます
  11. ご理解いただきますようお願い申し上げます
  12. ご理解いただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)「お察しいただく・お察しくださる」をつかったフレーズに言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご理解くださいませ
  2. ご理解をお願い致します
  3. ご理解いただきたく、お願い致します
  4. ご理解いただきたく存じます
  5. ご理解いただければと存じます
  6. ご理解いただきますようお願い申し上げます
  7. ご理解いただけますようお願い申し上げます
  8. ご理解くださいますようお願い申し上げます
  9. ご理解いただければ幸いです
  10. ご理解いただければ幸甚に存じます
  11. ご理解いただけましたら幸いです
  12. ご理解いただけますと幸いです
  13. ご理解いただけますと幸甚に存じます
  14. ご理解いただけましたら幸甚でございます
  15. ご理解いただけましたら幸甚に存じます

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)「お察しいただく・お察しくださる」をつかったフレーズに言い換えOK

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. ご理解賜りますようお願い申し上げます
  2. ご理解いただければ幸いです
  3. ご理解いただければ幸甚に存じます
  4. ご理解いただけましたら幸いです
  5. ご理解いただけましたら幸甚でございます
  6. ご理解いただけましたら幸甚に存じます
  7. ご理解賜りますと幸いです
  8. ご理解賜れますと幸いです
  9. ご理解賜りましたら幸いです
  10. ご理解賜れましたら幸いです
  11. ご理解賜りますと幸甚に存じます
  12. ご理解賜れますと幸甚に存じます
  13. ご理解賜りましたら幸甚に存じます
  14. ご理解賜れましたら幸甚に存じます

※「お察しいただく・お察しくださる」を使ったフレーズに言い換えOK

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

“お察し・ご高察・ご賢察”に言い換えOK

ここでひとつ追記。

「ご理解いただく・ご理解くださる」は「お察し・ご高察・ご賢察」をつかった敬語に言い換えることもできます。

「理解する」ということはつまり「察する」ことなので、どちらも結局のところおなじことを言っている訳です。

そこで以下のような例文もビジネスシーンに使える丁寧な敬語フレーズとなります。

“お察し”をつかった言い換え例文

下にいくほど丁寧なフレーズとなります。ご参考にどうぞ。

  • 例文「お察しください」
  • 例文「お察しくださいませ」
  • 例文「お察しいただきたく、お願い致します」
  • 例文「お察しいただけますか?お察しいただけますでしょうか?」
  • 例文「お察しいただきたく存じます」
  • 例文「お察しいただければと存じます」
  • 例文「お察しくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お察しいただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「お察しいただければ幸いです」
  • 例文「お察しいただけましたら幸甚に存じます」

結局はどれも「察してほしい」の意味です。

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

“ご賢察・ご高察”をつかった言い換え例文

ご賢察(ごけんさつ)・ご高察(ごこうさつ)のそもそもの意味は…

「他人の事情や心中を思いやること」であり、相手をうやまってつかう言葉です。

下にいくほど丁寧なフレーズとなります。ご参考にどうぞ。

  • 例文「ご賢察(ご高察)ください」
  • 例文「ご賢察(ご高察)くださいませ」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただきたく存じます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただければと存じます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただければ幸いです」
  • 例文「ご賢察(ご高察)賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)賜れますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご賢察(ご高察)賜れましたら幸甚に存じます」

結局はどれも「察してほしい」の意味です。

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

シーンに応じて”ご了承”にも言い換えOK

目上や上司・取引先になにかしら理解してほしいときには「ご了承」もつかえます。

ご了承(読み:ごりょうしょう)のそもそもの意味は…「事情をくんで納得すること」「承知すること」「承諾」

「理解する・察する」はつまり、事情をくんで受け入れること・納得することであるため、「ご了承」がふさわしい時もあります。

了承はたとえば、

【例文】メーカー側の了承を得る
【例文】仕様の変更を了承する

のようにして使います。

もとになる語「了承」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご了承」という敬語にしています。

「自分がご了承する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご了承くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

ちなみに…

「ご承諾(ごしょうだく)・ご承認(ごしょうにん)」も似たようなシーンでつかわれます。

違いは、

“ご承認”はどちらかというと「公式に認める」のニュアンスが強く、

“ご承諾”はどちらかというと「認める、受け入れる」のニュアンス、

“ご了承”は「納得する」の意味合いが強い(認めるの意味も含みますが…)。

“ご了承”をつかった言い換え例文

下にいくほど丁寧なフレーズとなります。ご参考にどうぞ。

  • 例文「ご了承ください」
  • 例文「ご了承くださいませ」
  • 例文「ご了承いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご了承いただきたく存じます」
  • 例文「ご了承いただければと存じます」
  • 例文「ご了承のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご了承いただければ幸いです」
  • 例文「ご了承賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご了承いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご了承賜れますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご了承賜れましたら幸甚に存じます」

結局はどれも「事情を察して納得してほしい、了解してほしい」の意味です。

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

“ご理解いただく vs ご理解くださる”の使い方

ややこしいので「ご理解いただく vs ご理解くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

▼「ご理解いただく」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご理解いただく ご理解いただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 ご理解いただいた ご理解いただきました ×
進行形 ご理解いただいている ご理解いただいています -頂いております
過去~現在 ご理解いただいていた ご理解いただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
ご理解いただきたい
ご理解いただきたく
ご理解いただくよう
ご理解いただきたいです
ご理解いただきますよう
ご理解いただけますよう
-頂きたく思います
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 ご理解いただける ご理解いただけます -頂けるよう
-頂けますよう
仮 定 ご理解いただければ ご理解いただけましたら ×
疑 問 ご理解いただけるか? ご理解いただけますか? -頂けますでしょうか
禁 止 ご理解いただけない ご理解いただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

▼「ご理解くださる」の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 ご理解くださる ご理解くださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 ご理解くださった ご理解くださいました ×
進行形 ご理解くださっている ご理解くださっています -くださっております
過去~現在 ご理解くださっていた ご理解くださっていました -くださっておりました
希 望
ご理解くださるよう ご理解くださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 ご理解くださるか? ご理解くださいますか? ×
否 定 ご理解くださらない ご理解くださいません ×
命 令 ご理解ください ご理解くださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない